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東京リベンジャーズ

東京リベンジャーズの英語名言・セリフ集|講談社公式の英訳と全50話サブタイトルを出典つきで解説

「日和ってる奴いる?」って英語でどう言うんだろう。「下げる頭持ってなくてもいい」は?——『東京リベンジャーズ』を英語で追いかけていると、必ずここで止まります。ところが検索して出てくる「東リベ名言の英訳」の大半は、どこから持ってきた英文なのかが書かれていません。ブロガーが自分で訳したものなのか、公式の英語版に載っている文なのか、区別がつかないのです。

この記事では、そこを逆手に取りました。一次ソースで確認できた英文だけを、出典と媒体名をひとつずつ添えて紹介します。 具体的には次の4ルートです。

  • 講談社の公式サイトが公開している、公式英会話本からの英訳2本
  • テレビ東京アニメ公式サイトで確認したアニメ全50話のサブタイトル(全部英語)
  • 講談社の英語版マンガ公式サービス「K MANGA」で確認した原作の英語チャプタータイトル
  • Kodansha USA/Seven Seas/ポニーキャニオンが公開している英語のあらすじ

筆者はTOEIC990点・VERSANT76点(80点満点中)を、留学経験なしで取得しました。前職では海外事業を担当し、実務で英語を使ってきた立場から、名言を並べるだけで終わらせず、なぜその英語になったのか、どんな文法・語彙が使われているのかまで踏み込みます。逆に、裏が取れなかったものは英文を載せず「概ねこういう趣旨で訳されています」と正直に書きます。

英語版の声を実際に聞いてみたい方に先にお伝えしておくと、日本のNetflixやDisney+をそのまま開いても、東リベの英語音声・英語字幕は基本的に選べません。NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続してから、いつも通り配信サービスを開くと、英語音声・英語字幕を含む海外版のカタログにアクセスできるようになります。 手順は記事の後半でまとめます。

なお「そもそも東京リベンジャーズって英語でどう表記するの?」というテーマ全体は、ピラー記事「東京リベンジャーズは英語で何という?」にまとめてあります。この記事は名言・セリフに絞って掘り下げます。


まず結論|東リベの「英語の名言」は、公式で確認できるものと出所不明のものがある

本題の前に、この記事の残り全部の読み方が決まる話を先にします。東リベの英語には、公式が公にしているものと、ネット上に出回っているだけのものがあり、その二つは混ざって流通しています。

公式で英文まで確認できるのは、この4ルートだけ

本記事執筆時点(2026年7月)で、私が一次ソースまで辿って英文を確認できたのは次の4ルートです。

  • 講談社の公式商品ページに掲載されている、公式英会話本からの英訳(セリフそのもの)
  • テレビ東京アニメ公式サイトのエピソード一覧に載っている各話サブタイトル(作品が最初から英語で出している)
  • K MANGA(講談社が運営する英語版マンガの公式サービス)の各話ページに表示される英語チャプタータイトル
  • Kodansha USA・Seven Seas Entertainment・ポニーキャニオンが公開している英語のあらすじ文

このうち「キャラクターが実際にしゃべったセリフ」として逐語で出せるのは、1番目の講談社公式ページの2本だけです。残り3つは、タイトルであったり、出版社が書いた地の文であったりします。だからこそ、この記事では毎回ラベルを貼ります。

逆に、英語吹き替え・英語字幕の逐語セリフは日本から確認しにくい

「じゃあアニメの英語吹き替えのセリフをそのまま書けばいいのでは」と思われるかもしれません。ここが東リベのやっかいなところです。

第1期の英語吹き替えはCrunchyroll、第2期以降はDisney+(米国はHulu)で配信されていますが、どちらも日本からのアクセスでは英語音声トラックが出ないのが基本です。さらにCrunchyrollのページは自動アクセスを弾く仕組みが入っており、本調査では各話の英語の説明文まで取得できませんでした。つまり、英語吹き替えの逐語セリフを「確かにこう言っている」と第三者が検証できる形で示すのは、日本にいる書き手にはかなり難しいのです。

同じ問題は他作品でも起きていて、たとえばチェンソーマンの名言記事では、英語字幕と英語吹き替えで英文がまるごと違うケースを実例で並べました。「英語版」はひとつではない、というのは東リベでも同じです。

この記事の3つのルール

そこで本記事は、次の3つを最初に約束しておきます。

  1. 英文には必ず出典ラベルを貼る。 どの媒体で確認したかを1本ずつ書きます。
  2. 話数を推測で書かない。 公式サイトが話数とセットで出しているものだけ、話数を添えます。
  3. 裏が取れないものは英文を載せない。 「概ねこういう趣旨で訳されています」という書き方に留めます。

日本語のまとめサイトに載っている英訳をコピーして「公式訳」として並べる、ということは一切しません。遠回りに見えますが、名言記事でいちばん価値があるのは英文の数ではなく、その英文がどこから来たのかがわかることだと考えています。

【出典ラベル早見表】5種類の使い分け

ラベル意味この記事での扱い
【講談社公式】講談社の公式商品ページに掲載されている英訳逐語提示可。セリフ系で唯一のカテゴリ
【テレ東公式】テレビ東京アニメ公式サイトの各話英題・日本語あらすじ逐語提示可。話数も書ける
【K MANGA公式】講談社の英語版マンガ公式サービスの各話英題逐語提示可
【出版社公式あらすじ】Kodansha USA/Seven Seas/ポニーキャニオンの英語の地の文逐語提示可。セリフではないと明記
【要確認】上記で裏が取れないもの英文を載せず、趣旨ベースで書く

【講談社公式】英訳が公開されている東リベの名言2本

まずは、この記事でいちばん価値のあるところから行きます。講談社は、東リベの名言を英語で学ぶ公式の本を出していて、その本に載っている英訳のうち2本を、自社の公式商品ページで公開しています。

書名は『「東リベ」で英語やんのに日和ってる奴いる? 東京卍リベンジャーズ英会話』。原作・和久井健、著・メディアビーコン、監修・週刊少年マガジン編集部。2023年6月15日発売のKCデラックスです。この2本は、出版社自身が世に出している英文なので、逐語で紹介できます。

「“愛美愛主”に日和ってる奴いる? いねえよなぁ!?」の公式英訳

【講談社公式】

Is anyone here scared of Moebius? See?! Not a one!!

東リベで最も有名な一節です。日本語の「日和る」=勢いに押されて怖気づく、というニュアンスを、公式英訳は be scared of ~(~にビビっている) というシンプルな形で処理しています。

注目したいのは後半の Not a one!! です。これは Not a single one (is scared). の省略形で、「一人もいない」を最短で言い切る英語No one is. よりも強く、突き放すような響きになります。日本語の「いねえよなぁ!?」が持つ、答えを許さない詰め方がきちんと乗っています。

また、愛美愛主(メビウス)は英語版でも Moebius とそのまま表記されます。チーム名を訳さずに残すのは、東リベの英語版に共通する方針で、東京卍會も Tokyo Manji Gang と「卍」を音のまま残しています。

なお、この一節は作中でマイキーのセリフとして知られていますが、公式ページには話者も話数も書かれていません。そのためこの記事では「マイキーの名言として広く知られている一節」という言い方にとどめます。

「下げる頭持ってなくてもいい 人を想う“心”は持て」の公式英訳

【講談社公式】

You don't even have to bow. Just care about others. Have a heart.

こちらも同じ講談社公式ページに掲載されている英訳です。個人的には、東リベの公式英訳の中でいちばんよくできていると思っている一文です。

日本語は「頭を下げる」「心を持つ」という二つの体の比喩でできています。英訳はそれを、bow(お辞儀する/頭を下げる)と Have a heart.(思いやりを持て)という、英語でも身体を使った言い回しにきれいに置き換えていますHave a heart. は英語圏で実際に使われる慣用表現で、「ちょっとは情けを持てよ」という意味。辞書的な直訳ではなく、英語として自然に響く言い方が選ばれています。

構造も学びどころが多いです。don't even have to ~ は「~する必要すらない」。have to を否定すると「~しなくてよい」になるという、日本人が取り違えやすいポイントがそのまま出ています。そして Just care about others.just が、「頭を下げなくていい、ただ~だけはしろ」という対比を作っています。3文がぜんぶ短いのに、順番で意味が積み上がる構成です。

これもドラケンのセリフとして有名ですが、公式ページに話者の記載はないため、本記事では断定しません。

転載サイトでは英文が変わっている——一次ソースに当たる価値

ここで、この記事の姿勢そのものに関わる実例をひとつ。

講談社の公式サイト(kodansha.co.jp)と、同じく講談社が運営する「講談社コクリコ」の商品ページは、どちらも Is anyone here scared of Moebius? と書いています。 ところが、この商品紹介文を転載しているグッズ系のまとめサイトでは、同じ箇所が Anyone here is scared of Moebius? という語順の違う英文になっていました。

疑問文の Is anyone ~? が、平叙文の語順 Anyone is ~? に変わってしまっている。英語としては別物です。

たった1本の引用でも、転載を1回挟むだけでこうなります。「まとめサイトに載っていた英文」を根拠にしてはいけない理由が、これ以上ないほどはっきり出ている例だと思います。英文をSNSに投稿したり、ましてやタトゥーにしたりする前には、必ず出版社・配信元の一次ソースまで戻ってください。

公式英会話本『「東リベ」で英語やんのに日和ってる奴いる?』とは

講談社の公式ページによると、内容は次のようなものです。

  • 原作のコマと一緒に、東リベの名言の英訳を読める
  • 英語の基礎解説だけでなく、「なぜその英語表現になっているのか」まで解説
  • 英語で名言のまねができるダウンロード音声つき
  • 東リベのセリフだけでなく、日常会話で使えるセンテンスも収録

新書判128ページ、定価1,100円(本体1,000円)、ISBN 9784065317815。アニメ作品で「公式の英会話本」が出ていること自体が珍しく、東リベ×英語という組み合わせに公式のお墨付きがあることを示しています。本記事で紹介できる英訳は公式ページ掲載の2本だけなので、本気で英訳を追いたい方は現物を当たるのが確実です。


【この記事の目玉】東リベは日本語版の時点で各話タイトルが英語

さて、ここからが東リベならではの話です。東京リベンジャーズは、日本語版の時点で各話のタイトルが英語という、かなり珍しい作品です。つまり「英訳を探す」必要がない。作品自身が公式に提示している英語が、50本+数百本も存在するわけです。

名言記事としてこれを使わない手はありません。しかも、まとめサイト経由ではなく公式サイトで直接確認できます。

アニメ全50話のサブタイトルは全部英語(テレビ東京公式で確認)

【テレ東公式】

テレビ東京のアニメ公式サイトには、東京リベンジャーズのエピソード一覧ページがあり、第1話から第50話までのサブタイトルと放送日、日本語のあらすじが全部載っています。 本記事執筆時点(2026年7月)で全ページを確認しました。

内訳は次の通りです。

  • 第1〜24話:第1期(2021年4月11日〜9月19日)
  • 第25〜37話:聖夜決戦編(2023年1月9日〜4月3日)
  • 第38〜50話:天竺編(2023年10月3日〜12月26日)

つまり通算50話。そのサブタイトルが、1本残らず英語です。ちなみに公式サイト上では第1〜24話のみ全角英字(Reborn のような表記)で書かれており、本記事では読みやすさのため半角に直しています。

原作漫画のチャプタータイトルも英語(K MANGA公式で269話ぶん確認)

【K MANGA公式】

原作漫画のほうも同じです。講談社が運営する英語版マンガの公式サービス「K MANGA」で各話のページを確認したところ、第1話から第260話、および第270話から第278話までの計269話ぶんの英語チャプタータイトルを確認できました。

第261〜269話は、本記事執筆時点でK MANGA上の該当ページにタイトルが入っておらず確認できませんでした。この記事では触れません。

なお、K MANGAの一覧表記にはアポストロフィの直後が大文字になる表示上のクセ(Anyone’S Guess のような形)があります。本記事では通常の綴りに直して掲載しています。

アニメのサブタイトルは原作のチャプタータイトルから採られている

両方を突き合わせると、はっきりした対応が見えます。アニメの各話サブタイトルは、原作のチャプタータイトルから採られています。

アニメ原作共通する英題
第15話第40話No Pain, no gain
第16話第42話Once upon a time
第18話第51話Open Fire
第20話第58話Dead or Alive
第22話第63話One for all
第25話第76話It is what it is
第37話第124話When it rains, it pours
第38話第129話The Longest day
第50話第185話Meet his fate

大文字・小文字の表記だけは媒体で揺れます。たとえば第37話は、テレ東公式が When it rains,it pours(カンマの後ろにスペースなし)、海外配信の表記は When It Rains, It Pours同じ作品の同じタイトルでも、載っている場所で表記が変わるという、この記事のテーマそのものみたいな例です。


第1〜33話は「Re-」33連発|接頭辞 re- を物語で覚える

東リベのタイトル芸でいちばん有名なのがこれです。

アニメ第1〜12話の Re- 12本

【テレ東公式】

  1. Reborn(生まれ変わる)
  2. Resist(抵抗する)
  3. Resolve(決意する/決意)
  4. Return(戻る)
  5. Releap
  6. Regret(後悔する)
  7. Revive(生き返る)
  8. Rechange
  9. Revolt(反乱を起こす)
  10. Rerise
  11. Respect(敬意)
  12. Revenge(復讐)

12話ぶん連続で Re- が並びます。タイムリープ=「もう一度」を繰り返す物語だからこその仕掛けで、第12話 Revenge でタイトルを回収して第1期の前半が締まる構造になっています。

原作は第33話まで Re- が続く

【K MANGA公式】

さらに驚くのは原作です。K MANGAで確認したところ、第1話から第33話まで、33本連続で Re- 始まりでした。

1 Reborn/2 Resist/3 Resolve/4 Relieve/5 Revolve/6 Return/7 Rejoin/8 Reseparate/9 Releap/10 Reply/11 Reburn/12 Remind/13 Regret/14 Resort/15 Revive/16 Reignition/17 Redivide/18 Rechange/19 Restart/20 Reinspire/21 Revolt/22 Reconflict/23 Reseek/24 Revoke/25 Rerise/26 Realize/27 Regain/28 Reel/29 Respect/30 Recept/31 Recognize/32 Rebuild/33 Revenge

アニメの12本は、この33本から選ばれたものだったわけです。そして第34話で Darkest Hour に切り替わり、Re- の連鎖が終わります。

Releap・Rechange・Reseparate・Reburn——辞書にない造語の作り方

面白いのはここからです。上の33本には、一般的な英和辞典・英英辞典に見出し語として載っていない語が混ざっています。

  • Releap(re + leap)=もう一度跳ぶ。作品の中心である「タイムリープ」そのもの
  • Rechange(re + change)=もう一度変える
  • Reseparate(re + separate)=もう一度離れる
  • Reburn(re + burn)=もう一度燃える
  • Redivide(re + divide)=もう一度分かれる
  • Reinspire(re + inspire)=もう一度奮い立たせる
  • Reconflict(re + conflict)=もう一度ぶつかる
  • Reseek(re + seek)=もう一度探す

英語の re-生産性の高い接頭辞で、ネイティブも必要に応じて新語を作ります(re-read re-watch など)。東リベのチャプタータイトルは、まさにその作り方をそのままやっているわけです。「動詞に re- をつければ『もう一度~する』になる」という感覚を、33本のリストで一気に体に入れられる——英語学習素材としてこれ以上ないと思います。

ただし、これらを英作文でそのまま使うと「辞書にない語」として直される可能性が高いので注意してください。あくまで作品のタイトル芸として楽しむのが正解です。

Reel と Recept——「re-」に見えて意味がズレる2語

33本の中には、re- で始まっているのに「もう一度」の意味ではない語も混ざっています。ここを見抜けると英語の解像度が上がります。

  • Reel(第28話):これは re + el ではなく、reel という1語です。名詞なら「リール・糸巻き」、動詞なら「よろめく、ふらつく」「めまいがする」。強い衝撃を受けてよろける様子を表す言葉で、reel from the shock(ショックでよろめく)のように使います。
  • Recept(第30話):辞書にはありますが、心理学の古い術語で「(複数の知覚が結合してできた)再現像」といった意味。日常語ではありません。receipt(レシート)や accept と混同しやすい語です。

ついでに言うと、Realize Recognize Reply Respect Resolve も語源をたどれば re- を含みますが、現代英語では「もう一度」の意味は残っていませんrespect は re-(後ろへ)+ spect(見る)=「振り返って見る」が原義。「re- で始まる=もう一度」ではない、という当たり前だけど見落としやすい事実が、このリストで確認できます。


【第13〜24話】ことわざ・定型表現に切り替わる12本

第13話から、東リベのサブタイトルは Re- を離れて英語の定型表現・ことわざに切り替わります。ここからが英会話フレーズ集としての本領です。

No Pain, no gain/Once upon a time

【テレ東公式】

  • 第15話 No Pain, no gain:「痛みなくして得るものなし」。英語圏で最もよく使われることわざのひとつで、筋トレや受験勉強の文脈で日常的に登場します。No A, no B. は「Aがなければ B もない」という省略構文で、No pain, no gain. のほかに No guts, no glory.(勇気なくして栄光なし)などの型があります。第15話は、マイキーから場地の奪還を頼まれる回です。
  • 第16話 Once upon a time:「むかしむかし」。英語の物語の定番の書き出しです。第16話が2年前の回想であることを、たった3語で示しています。Once upon a time, there was ~ の形で覚えておくと、英語で昔話をするときにそのまま使えます。

Dead or Alive/One and only/One for all

  • 第20話 Dead or Alive:「生死を問わず」。指名手配のポスターの決まり文句として有名なフレーズです。
  • 第21話 One and only:「唯一無二の」。人に対して使うと「かけがえのない人」。my one and only で「私にとってただ一人の存在」という意味の決まった言い方になります。
  • 第22話 One for allAll for one, one for all.(一人はみんなのために、みんなは一人のために)の後半です。テレ東公式の第22話あらすじには、東卍結成のいきさつとして「一人一人がみんなの為に命を張れるチームにしたい」という場地の願いが書かれています。チームの理念がそのままサブタイトルになっている、東リベで最も美しいタイトル回収だと思います。

Odds and Ends/Break up/Open Fire/Turn around/No way

  • 第13話 Odds and Ends:「半端なもの、がらくた、こまごまとしたもの」。odd は「半端な、余った」で、odds and ends はセットで使う定型句です。「あれこれ雑多なもの」というニュアンスで、掃除や片づけの話でもよく出てきます。
  • 第14話 Break up:「解散する」「別れる」「けんかを止めに入る」。文脈で意味がガラッと変わる句動詞の代表です。
  • 第18話 Open Fire:「発砲する、砲火を開く」。open fire on ~ で「~に向けて撃ち始める」。
  • 第19話 Turn around:「振り返る」だけでなく「(状況を)好転させる」。ビジネス英語では turnaround(業績回復)という名詞でも頻出します。
  • 第17話 No way:「ありえない」「まさか」「絶対に嫌だ」。会話でとにかくよく使う2語です。

End of war/A Cry baby——第24話とOPの呼応

  • 第23話 End of war:「戦争の終わり」。血のハロウィンの決着回です。
  • 第24話 A Cry babycrybaby は「泣き虫」。第1期のオープニング主題歌のタイトルと同じ言葉が、第1期最終話のサブタイトルとして置かれています。歌詞には触れませんが、「泣き虫のヒーロー」というタケミチ像がタイトルの側からも補強されているのは間違いありません。原作では第73話 A Crybaby(1語)で、アニメは A Cry baby(2語)。ここも表記が揺れています。

【聖夜決戦編 第25〜37話】英会話フレーズの宝庫

第2期にあたる聖夜決戦編(第25〜37話)は、13本すべてがそのまま英会話で使えるフレーズという、密度の高いシーズンです。

第25話 It is what it is——ネイティブの口癖ど真ん中

【テレ東公式】第25話 It is what it is

英語圏で本当によく使われる言い回しです。直訳すると「それはそれである」。意味は「まあ、そういうものだよね」「仕方ない」「受け入れるしかない」。変えられない事実を前にして、諦めと納得の中間で肩をすくめるときの一言です。

文法的には it(形式的な主語)+ iswhat it is(それがそうであるところのもの)という関係代名詞 what の構文。理屈で読むと難しいのに、意味は「しゃーない」という、英語の面白さが凝縮された表現です。第25話は、現代に戻ったタケミチが稀咲に追い詰められる回。あの絶望に「It is what it is」を当てるセンスがすごい。

Gotta go/Stand alone/Family bonds/Christmas Eve

  • 第26話 Gotta goI've got to go の短縮で「もう行かなきゃ」。電話や会話を切り上げるときの定番です。
  • 第27話 Stand alone:「独りで立つ」「孤立する」。八戒が兄・大寿の前で動けない回に置かれています。
  • 第28話 Family bondsbond は「絆、結びつき」。family bonds で家族の絆。柴兄弟の関係が主題の回です。
  • 第29話 Christmas Eve:説明不要ですが、Christmas Eve は「12月24日の夜」だけでなく「24日一日」を指すこともあります。

Whip up morale/Sibling rivalry/Strive together/Dawning of a new era

  • 第30話 Whip up moralewhip up は「かき立てる、あおる」、morale は「士気」。morale(士気/モラール)と moral(道徳的な/モラル)は別の単語なので要注意。日本語の「モラル」に引きずられて綴りを間違えやすい代表格です。
  • 第31話 Sibling rivalrysibling は「きょうだい(性別を問わない)」、rivalry は「競争、対抗意識」。心理学や育児の文脈で使われる定型句で、日本語なら「きょうだい間の張り合い」。柴兄妹の回にぴったりの語です。
  • 第32話 Strive togetherstrive は「(困難に向かって)努力する、奮闘する」。strive for ~strive to do の形で使います。try より硬く、意志の強さが出る動詞です。
  • 第33話 Dawning of a new eradawn は「夜明け」、動名詞の dawning で「幕開け」。the dawning of a new era は「新時代の幕開け」という決まった言い回しです。

第37話 When it rains, it pours——ことわざの完成形

【テレ東公式】第37話 When it rains,it pours(公式表記はカンマの後ろにスペースなし)

英語のことわざで、直訳は「雨が降るときは土砂降りになる」。意味は「悪いことは重なるものだ」。日本語の「泣きっ面に蜂」「二度あることは三度ある」に近い感覚です。

pour は「注ぐ」ですが、天気の主語で使うと「土砂降りになる」。It's pouring. だけで「土砂降りだよ」という意味になります。第37話は、マイキーがナオトに射殺される場面から始まる、シリーズでも最も救いのない回。ことわざとしての意味と、話の内容が完全に一致しています。

なお、第34話 The light of my life(我が人生の光)、第35話 On my way home(家に帰る途中で)、第36話 Last order(最後の命令/ラストオーダー)も、そのまま日常会話で使えるフレーズです。on one's way home は「帰宅途中」を表す最頻出表現なので、この機会に丸ごと覚えてしまうのがおすすめです。


【天竺編 第38〜50話】感情を動かす13本

第3期にあたる天竺編(第38〜50話)は、動詞句と比喩表現が増えます。学習素材としてはここがいちばん歯応えがあります。

The Longest day/Mortal enemy/Run out of patience

  • 第38話 The Longest day:「最も長い一日」。天竺が渋谷に乗り込んでくる襲撃の回です。
  • 第39話 Mortal enemymortal は「死すべき/致命的な」。mortal enemy「不倶戴天の敵」。かなり強い言い方です。この回のあらすじには、鶴蝶がタケミチに「“裏切り者”に気をつけろ」と告げる場面が書かれています。
  • 第40話 Run out of patiencerun out of ~ は「~を切らす、使い果たす」。run out of time(時間切れ)、run out of money(金欠)と同じ型で、patience(忍耐)を入れると「我慢の限界」。日常でも仕事でも本当に使う表現です。

Come back to life/A bad hunch/Rise against/Turn the tide

  • 第41話 Come back to life:「生き返る、息を吹き返す」。比喩的に「元気を取り戻す」にも使えます。
  • 第42話 A bad hunchhunch は「勘、予感」。have a hunch that ~ で「~な気がする」。a bad hunch は「嫌な予感」。ムーチョの裏切りが判明する回です。
  • 第43話 Rise against:「立ち上がって抵抗する」。rise against oppression(圧政に立ち向かう)のように使います。エマが命を落とす、シリーズの転換点です。
  • 第44話 Turn the tidetide は「潮の流れ」。turn the tide「形勢を逆転させる」。マイキー不在のまま、タケミチが東卍の先頭に立つ回です。これも語の意味と話の内容がぴたりと合っています。

I know in my head/The blue ogre/Brave heart

  • 第45話 I know in my head:「頭では分かっている」。in my head(頭では)と in my heart(心では)を対比させる言い方が英語にはあり、I know in my head, but ... は「理屈では分かっているんだけど……」という葛藤の定型です。イヌピーとココが対峙する回で、この上なくハマっています。
  • 第46話 The blue ogreogre は「鬼、人食い鬼」。日本語の「鬼」を英語にするときの定番の訳語です。the blue ogre は「青鬼」。ちなみに demon は悪魔寄り、ogre は巨体の怪物寄りというニュアンス差があります。
  • 第47話 Brave heart:「勇敢な心」。鶴蝶に一方的に殴られても立ち続けるタケミチの回です。

Nothing is left/Paradise lost/Meet his fate

  • 第48話 Nothing is left:「何も残っていない」。be left は「残される」の受動態。There's nothing left. の形でもよく使います。
  • 第49話 Paradise lost:「失楽園」。英文学の古典作品と同じタイトルで、英語圏の読者には強い含みが伝わる言い方です。イザナとマイキーの頂上対決の回に置かれています。
  • 第50話 Meet his fatemeet one's fate「運命に直面する/最期を迎える」という慣用句。第3期の最終話にして、タケミチと稀咲の決着回。meet を「会う」とだけ覚えていると読み違える、いい例です。

原作チャプターにしかない英語の名言|ことわざ・イディオム編

アニメ化されていない範囲も含めると、原作のチャプタータイトルにはさらに大量のことわざ・イディオムが眠っています。K MANGAで確認できた中から、英語学習の価値が高いものを選びます。

It takes two to tango/Better late than never/After a storm comes calm

【K MANGA公式】

  • 第232話 It takes two to tango:「タンゴは一人では踊れない」=「もめごとは双方に責任がある」。日本語の「喧嘩両成敗」に近い使われ方をします。
  • 第233話 Better late than never:「遅くてもやらないよりはマシ」。何かを始めるのが遅くなったときの定番のフォローです。
  • 第215話 After a storm comes calm:「嵐のあとには凪が来る」=「雨降って地固まる」。文頭に副詞句が来たことで主語と動詞がひっくり返る倒置が起きている点も見どころです。
  • 第211話 The law of the jungle:「弱肉強食」。直訳は「ジャングルの掟」。

Thicker than water/Two peas in a pod/Band of brothers

  • 第80話 Thicker than waterBlood is thicker than water.(血は水よりも濃い)の後半です。柴兄弟の章に置かれているのが効いています。
  • 第126話 Two peas in a pod:「さやの中の二粒の豆」=「うり二つ、そっくりな二人」。仲がよくていつも一緒、というニュアンスでも使います。
  • 第236話 Band of brothers:「戦友たち」。band は「一団」。苦楽をともにした仲間を指す、格調の高い言い方です。
  • 第248話 Long time no see:「久しぶり」。英語としては文法的に崩れた表現ですが、完全に定着しています。
  • 第255話 Holy cow!:「うわっ!」「なんてこった!」。驚きを表す口語表現です。

Below the belt/Beat hell out of/Go easy on/Get stuck-up

不良マンガらしい「殴り合いの英語」も豊富です。

  • 第54話 Below the belt:ボクシングの反則(ベルトより下を打つ)から転じて「卑怯な、フェアじゃない」That's below the belt. で「それは反則だろ」。
  • 第228話 Beat hell out ofbeat the hell out of ~ で「~をこてんぱんに叩きのめす」。the hell は強調の挿入で、scare the hell out of me のように応用できます。
  • 第229話 Go easy ongo easy on ~「~に手加減する」Go easy on him.(あいつには手加減してやれ)は日常でもそのまま使えます。
  • 第230話 Get stuck-upstuck-up は「お高くとまった、うぬぼれた」。get stuck-up で「調子に乗る、天狗になる」。
  • 第225話 Free-for-all:「(誰でも参加できる)大乱闘、収拾のつかない混戦」。名詞です。
  • 第231話 Blood-chilling:「血も凍るような」。恐怖を表す複合形容詞です。

最終第278話は Revengers——タイトル回収

【K MANGA公式】第278話 Revengers

原作の最終話タイトルは Revengers作品タイトルそのものです。

revenger は「復讐する者」。英語には avenger という似た語があり、avenger が「大義や他者のために報いる者」、revenger が「私的な恨みを晴らす者」というニュアンス差があります。タケミチが取り戻したかったのは世界の正義ではなく、自分と仲間の人生そのもの。だから Revengers なのだと考えると、最終話タイトルの重みが変わってきます。

ちなみに直前の第277話は At last(ついに)。この2本が並んでいるだけで、もう泣けます。


【公式に話数まで確認できる日本語の名言】8本と、その英語の「趣旨」

ここまでは英語の話でした。今度は逆に、日本語の名言のうち、公式サイトで話数まで確認できるものを扱います。

テレビ東京のアニメ公式サイトは、各話のあらすじに鉤括弧つきでセリフを載せていることがあります。つまり「このセリフが第◯話に出てくる」と、公式の記述だけで言い切れるわけです。名言まとめでいちばん事故が起きやすいのが話数の誤帰属なので、この8本は貴重です。

英訳は公式サイトには付いていないため、以下は英文を断定せず「どういう趣旨の英語になるか」という形で解説します。

第15話 マイキー「失敗したら、殺す」

【テレ東公式】第15話 No Pain, no gain

場地を東卍に連れ戻すよう頼まれたタケミチに、マイキーが突きつけた条件です。公式あらすじには「成功すれば稀咲を東卍から追い出せる」「失敗したら、殺す」と書かれています。

英語にするなら、条件節を使った短い一文になるはずです。If you fail, I'll kill you. という第1条件文(現実に起こりうる条件)が最も自然な形。日本語の「殺す」を英語で kill と直訳してよいのかと迷うところですが、この場面のマイキーは本当に殺しかねないので、和らげないほうが原文に忠実だと思います。サブタイトルの No Pain, no gain と、この条件の重さが呼応しているのも見事です。

第16話 マイキー「俺のホーク丸に指一本でも触れたら、殺すよ?」

【テレ東公式】第16話 Once upon a time

2年前の回想回。年上の暴走族に絡まれたマイキーが、原付バイク「ホーク丸」を前に啖呵を切る場面です。

英語にするなら、鍵になるのは「指一本でも触れたら」の部分。英語には lay a finger on ~(~に指一本触れる)というまさに同じ発想の慣用句があります。If you lay a finger on my Hawk-maru, I'll kill you. という趣旨の言い回しが自然です。touch より強く、「絶対に触るな」という警告のニュアンスが出ます。日本語と英語で「指一本」という比喩が一致している、珍しくきれいなケースです。

第27話 大寿「コイツ殴り殺せ」/第29話 八戒「オレは、大寿を殺す」

【テレ東公式】第27話 Stand alone / 第29話 Christmas Eve

柴兄弟の章から2本。第27話では、大寿が八戒に「コイツ殴り殺せ」と命令します。第29話では、八戒が「オレは、大寿を殺す」と決意を口にします。

英語では、beat ~ to death(殴り殺す)という定型がそのまま使えます。Beat him to death. は命令文としても成立します。八戒のほうは I'm going to kill Taiju. という趣旨。be going to は「前から決めていた意志」を表すので、「オレは、大寿を殺す」という腹の据わった宣言には will より be going to のほうが合います。この助動詞の選び方ひとつで、キャラクターの覚悟の度合いが変わるのが英語の面白いところです。

第32話 タケミチ「オレが勝ったら、黒龍をもらう!!」

【テレ東公式】第32話 Strive together

圧倒的な力の差がある大寿に対して、タケミチが放つ宣言です。

英語なら If I win, I'll take the Black Dragon. という趣旨。ここでも第1条件文が使われます。if 節の中は未来のことでも現在形にするIf I will win とはしない)という、日本人がいちばん間違えるルールがそのまま出る一文です。take は「奪い取る、手に入れる」。get より能動的で、力ずくのニュアンスが出ます。ちなみに黒龍は英語版のあらすじで the Black Dragons と複数形で表記されています。

第37話 千冬「オレ、何すればいいかわかった気がする」

【テレ東公式】第37話 When it rains,it pours

最悪の未来を見てきたタケミチの話を聞いた千冬が、静かに語り出す場面です。公式あらすじにそのまま載っています。

英語なら I think I know what I have to do. という趣旨。what I have to do(自分がやるべきこと)は間接疑問文で、what の後ろが疑問文の語順にならない点がポイントです。そして「わかった気がする」の「気がする」は I think ~ で十分。日本語の「気がする」を I feel like ~ と訳したくなりますが、この文脈では I think のほうが自然です。控えめな断定、という千冬らしさが出ます。

第45話 イヌピー「オマエを迎えに来たんだ」/ココ「オマエにはポストを用意してある」

【テレ東公式】第45話 I know in my head

天竺との抗争のさなか、イヌピーとココが向き合う場面。公式あらすじに、二人のセリフが両方載っています。

  • イヌピー側は I came to take you back. という趣旨。take ~ back は「連れ戻す」。come to do で「~しに来た」。
  • ココ側は I've got a position ready for you. という趣旨。have ~ ready で「~を用意してある」。「ポスト」は和製英語寄りなので、英語では positionspot を使います。

同じ「オマエ」で呼び合いながら、片方は連れ戻しに来て、片方は引き入れようとしている。サブタイトルの I know in my head(頭では分かっている)が、この対話の切なさを全部持っていきます。


【出版社公式】同じ物語を2社が別々の英語で書いている

ここからは英語版の「地の文」の話です。東リベの英語版は、実は出版社が2社あります。 そして両社の英語は、同じ場面の説明でも別物になっています。

Kodansha USA版とSeven Seas版、第1巻あらすじの読み比べ

【出版社公式あらすじ】

デジタル版はKodansha USA、紙のオムニバス版はSeven Seas Entertainmentが刊行しています(Seven Seasのオムニバスは2巻合本で全15冊、2025年3月25日の最終巻で完結済み)。

第1巻の冒頭を並べてみます。

Kodansha USA版

Watching the news, Takemichi Hanagaki learns that his girlfriend from way back in middle school, Hinata Tachibana, has died.

Seven Seas版

Watching the news, Hanagaki Takemichi learns his junior-high girlfriend Tachibana Hinata has died.

書き出しの Watching the news, は同じですが、そこから先が違います。Kodansha USA版は from way back in middle school(ずっと昔の中学時代の)と説明的、Seven Seas版は junior-high girlfriend と圧縮しています。that の有無も違う。同じ1文でも、訳者と編集方針が違えばこれだけ変わるという、これ以上ないサンプルです。

姓→名か、名→姓か。名前の順番まで逆

もっと目を引くのが名前です。

  • Kodansha USA版Takemichi Hanagaki Hinata Tachibana名→姓(英語圏の順)
  • Seven Seas版Hanagaki Takemichi Tachibana Hinata姓→名(日本語の順)

同じ作品の英語版なのに、キャラクターの名前の並び順が出版社によって逆になっています。Seven Seas版はほかの巻でも Shiba Taiju Kurokawa Izana と姓→名で統一されています。

近年の英語圏では日本人名を姓→名のまま表記する流れが強まっており、Seven Seas版はその方針に乗った形です。「東リベのキャラの英語名」を調べるときは、どちらの版を見ているのかを必ず意識してください。どちらも正しい公式表記です。

Seven Seas版15冊のキャッチコピー全リスト

【出版社公式あらすじ】

Seven Seas版のあらすじには、各巻の冒頭に全部大文字のキャッチコピーが置かれています。これがひとつひとつ英語の名文句として面白いので、全部並べます。

収録キャッチコピー
23-4巻THE RAZOR'S EDGE(かみそりの刃の上=きわどい瀬戸際)
35-6巻WHO IS THE TRUE HEAD OF THE HEADLESS ANGEL?(首なし天使の真の頭は誰だ)
47-8巻BETRAYAL IS WORSE THAN DEATH IN MOST CASES(裏切りはたいてい死より重い)
59-10巻HOW CAN WE NOT TALK ABOUT FAMILY WHEN FAMILY'S ALL THAT WE GOT?(家族しか残っていないのに、家族の話をせずにいられるか)
611-12巻THE CHRISTMAS SHOWDOWN(聖夜の決戦)
713-14巻HEARTS ARE BROKEN EVERY DAY(心は毎日壊れていく)
815-16巻THE TERROR OF TENJIKU(天竺の恐怖)
917-18巻WHEN THERE'S NO WAY BACK TO THE FUTURE(未来へ戻る道がなくなったとき)
1019-20巻TOMAN'S DARKEST HOUR(東卍、最も暗い時)
1121-22巻RIVALS ACROSS TIME(時を越えた宿敵)
1223-24巻NO HAPPY ENDINGS(ハッピーエンドはない)
1325-26巻THE REIGN OF THE TITANS(三天の支配)
1427-28巻CLAWING BACK FROM ROCK BOTTOM(どん底から爪で這い上がる)
1529-31巻CLASH OF THE TWO MANJI(二つの卍の激突)

第9冊の WHEN THERE'S NO WAY BACK TO THE FUTURE は、有名なタイムトラベル映画のタイトルを踏まえた言い回し。第5冊は英語圏の読者ならすぐピンとくる有名なフレーズを下敷きにしています(歌詞の引用にあたるため、ここでは元ネタ名は挙げません)。英語圏の編集者が、読者の共有知識を使って売り文句を作っているのがよく分かります。

第10冊の darkest hour は「最も苦しい時期」という決まり文句で、原作の第34話タイトルと同じ語。第14冊の rock bottom(どん底)は、Kodansha USA版の第1巻あらすじにも At the height of his rock-bottom life という形で出てきます。東リベの英語版を貫くキーワードです。

「関東事変」が Kanto Uprising と Kanto Incident に割れる/三天戦争は3通り

もうひとつ、翻訳のリアルが見える話を。同じKodansha USA版の中で、同じ固有名詞の英訳が揺れています。

  • 関東事変:第15巻・第19巻のあらすじでは the Kanto Uprising、第20巻では the "Kanto incident"、第21巻・第22巻では the Kanto Incident
  • 三天戦争:第25巻では the "Era of the Three Titans"、第27巻では the War of the Three Titans、第28巻では the Battle of the Three Titans
  • 二代目東京卍會:第28巻では Second Gen Tokyo Manji、第29巻・第30巻では Second Generation Tokyo Manji

同じ出版社の同じシリーズの、隣り合った巻ですらこうなります。長期連載を訳し続けるというのは、こういう揺れとの戦いなのだと思います。

一方で、両社が一致している語もあります。黒い衝動=dark impulse は、Kodansha USA版の第30巻・第31巻でも、Seven Seas版の最終巻でも "dark impulse" と引用符つきで書かれていました。作品のキーワードとして訳語が固まっている証拠です。

「東リベの英語版漫画をどう買うか」という話は、東京リベンジャーズの英語版漫画で英語学習でもう少し詳しく扱っています。


第4期『War of the Three Titans Arc』の公式英語あらすじ

【出版社公式あらすじ】

本記事執筆時点(2026年7月)で、アニメ第4期『東京リベンジャーズ 三天戦争編』の英題は Tokyo Revengers: War of the Three Titans Arc2026年10月2日25時53分(実質10月3日1時53分)からMBS・TBS・CBCほかで放送開始、配信は全世界(中国本土を除く)でDisney+の独占と発表されています。オープニング主題歌はJO1の「IGNITE」(2026年7月20日発表)です。

ポニーキャニオンが出した英語あらすじ

第4期の英語あらすじは、ポニーキャニオンが公式に用意したものが公開されています。

The conflict between Tokyo Manji Gang and Tenjiku came to a gruesome end. As each individual carries their sorrow and moves forward on their own path, Takemichi Hanagaki (TAKE-MITCHY) finds himself in awe of the late Tetta Kisaki. Upon hearing the full truth behind the time leaps, Manjiro Sano (Mikey) makes a crucial decision. After leaving the past behind, Takemichi finally reaches the ultimate future where his beloved Hinata is alive. However, "he" is nowhere to be found. In the era of the "Three Titans," where three teams battle for dominance, the final revenge begins!

語彙が渋くて、読みごたえがあります。come to a gruesome end(凄惨な結末を迎える)、be in awe of ~(~に畏敬の念を抱く)、the late ~(故~)、nowhere to be found(どこにも見当たらない)、battle for dominance(覇権を争う)。特に the late Tetta Kisakilate は「遅い」ではなく「亡くなった」という用法で、英字新聞でよく出てきます。

タケミっちの公式英語表記は TAKE-MITCHY

この英文でもうひとつ注目したいのが、Takemichi Hanagaki (TAKE-MITCHY) という表記です。

「タケミっち」の公式英語表記が TAKE-MITCHY(全部大文字・ハイフンあり) になっています。名前は Takemichi Hanagaki と名→姓の順。つまり、ここでもKodansha USA版と同じ並びです。

日本語の愛称を英語でどう綴るかは、媒体ごとに判断が分かれるところ。「タケミっち」ひとつ取っても、どこの誰が書いた英語かで姿が変わるという、この記事のテーマがまた出てきました。

第4期の英題や配信情報については、東京リベンジャーズを英語で観る方法の記事も合わせてどうぞ。


名言から学べる英語表現・文法ポイント7選

ここまでに出てきた表現の中から、実際の会話・仕事・TOEICで使い回しが効くものを7つに絞ってまとめます。名言記事を読んで終わりにせず、ここだけでも持ち帰ってもらえたら嬉しいです。

①接頭辞 re-:動詞に足すだけで「もう一度」

read → rereadwatch → rewatchbuild → rebuild。東リベの33本のチャプタータイトルは、この感覚を叩き込むのに最適な教材です。ただし respect realize のように、re- がついていても「もう一度」の意味がない語もある点は押さえておいてください。

②It is what it is/When it rains, it pours:会話でそのまま出る2本

前者は「まあ、そういうものだよね」。変えられない現実の前での、諦めと納得の中間です。後者は「悪いことは重なる」。天気を主語にした it の使い方と、pour(土砂降りになる)の語義がまとめて入ります。It's pouring outside. で「外は土砂降りだよ」。

③It takes two to tango/Better late than never

前者は「相手がいないと成立しない」=もめごとは双方に責任がある。後者は「やらないよりマシ」。どちらも会話の中でそのまま投げられる完成した文なので、覚えたその日から使えます。

④have a heart/bow:体を使った言い回し

Have a heart.(思いやりを持てよ)は講談社公式の英訳に出てきました。bow は「お辞儀する」。日本語も英語も、感情や態度を体の動作で表す点は共通しています。直訳ではなく「英語ではどの身体表現を使うか」を探すのが、いい翻訳の勘所です。

⑤Not a one/be scared of:強い否定と素直な動詞

Not a one!!Not a single one. の省略。「一人もいない」を最短で言い切る形です。be scared of ~ は「~が怖い」。afraid より口語的で、子どもから大人まで使います。

⑥free-for-all/beat the hell out of:喧嘩の英語

free-for-all は「収拾のつかない大乱闘」、beat the hell out of ~ は「~をぼこぼこにする」。どちらも荒っぽい表現なので、ビジネスの場では絶対に使わないでください。こうした語は「読んで分かる」ところに置いておき、自分から使う語彙には入れないのがコツです。

⑦rock-bottom/time-leap:公式あらすじで拾える語

hit rock bottom で「どん底に落ちる」。time-leap は本来の英語では time travel が一般的ですが、東リベの英語版あらすじでは he suddenly time-leaps 12 years back動詞として使われています

このあたりの「名言から文法を取り出す」やり方は、NARUTOの英語名言記事でも同じ方針でやっているので、興味があれば覗いてみてください。


名言を「音」と「紙」で確かめる|英語版の視聴・入手方法

ここまで読んで「実際に英語版を見てみたい」と思われたはずなので、確認方法をまとめます。

日本のNetflixでは英語音声も英語字幕も選べない

まず現実的な話から。本記事執筆時点(2026年7月)で、日本のNetflixで東京リベンジャーズ第1期を開いても、音声は日本語のみ、字幕も日本語のみです。ピラー記事の調査で実際にNetflixのページを確認していますが、英語のトラックはそもそも表示されません。

これはNetflixに限りません。配信サービスのカタログと音声トラックは、アクセスしている国によって切り替わるためです。日本から接続している限り、日本向けの構成しか出てきません。

配信サービスごとの詳しい状況は、東京リベンジャーズを英語で観る方法にまとめています。

NordVPNで英語圏サーバーに接続する3ステップ

そこで使うのがVPNです。仕組みはシンプルで、次の3ステップだけです。

  1. NordVPNに登録し、アプリをインストールする(パソコンでもスマホでもOK)
  2. アプリでアメリカなど英語圏のサーバーを選んで接続する
  3. その状態で、いつも通り配信サービスを開く

これだけで、あたかも海外からアクセスしているかのように扱われ、英語音声・英語字幕を含む海外版のカタログが表示されるようになります。 日本のアカウントはそのまま使えるので、海外用アカウントを新規に作る必要はありません。

大事なのは、VPNに接続していない状態では英語音声は出てこないという点です。「VPNがなくても見られる」と書いているサイトもありますが、少なくとも東リベに関しては、日本から普通に開いても英語トラックは出ません。VPN接続が前提だと理解したうえで使ってください。NordVPNは利用者が多く日本語の情報も豊富なので、初めての方でも詰まりにくいと思います。

英語吹き替えキャストは A.J. Beckles/Aleks Le/Sean Chiplock

英語吹き替えで聞くなら、声も知っておくと楽しさが変わります。第1期の英語吹き替えは2021年5月29日にCrunchyrollで配信開始され、主要3人のキャストは次の通りです。

キャラクター英語吹き替えキャスト
Takemichi Hanagaki(花垣武道)A.J. Beckles
Manjiro "Mikey" Sano(佐野万次郎)Aleks Le
Ken "Draken" Ryuguji(龍宮寺堅)Sean Chiplock

この3人の対応を「Aleks Le=タケミチ、Sean Chiplock=マイキー」と書いている日本語記事がありますが、誤りです。上記はCrunchyrollの発表をもとにした情報で、Aleks Leがマイキー、A.J. Becklesがタケミチです。

なお第3期(天竺編)の英語吹き替えは別のチームが担当し、2025年3月に配信開始されました。同じ作品でもシーズンによって吹き替えの制作元が違うため、セリフの英文も一貫しているとは限らないという点は頭の片隅に置いておいてください。

紙とデジタルで英文を読む|Seven Seas・Kodansha USA・K MANGA

「音」より「文字」で確かめたい方は、こちらのほうが確実です。

  • Seven Seas Entertainment(紙のオムニバス/2巻合本で全15冊完結):日本語版31巻ぶんが15冊にまとまっています。名前が姓→名の順で表記される版です。
  • Kodansha USA(デジタル版・全31巻):日本語版と同じ巻構成。名前は名→姓の順。公式サイトで各巻のあらすじが英語で読めるので、買わなくても英文の雰囲気は掴めます。
  • K MANGA(講談社の英語版マンガ公式サービス):チャプター単位で英語で読めます。2024年9月18日から日本国内でもサービスが始まっているので、VPNなしで日本から利用できます(16歳以下は利用不可)。

英文をきちんと確認したいなら、まずはKodansha USAとSeven Seasの公式サイトで、各巻のあらすじを読み比べてみるのがおすすめです。無料で、しかも出版社が書いた正真正銘の公式英語が読めます。


まとめ|「どの英語か」を書くことが、名言記事の誠実さ

最後にもう一度整理します。

  • 講談社の公式サイトが公開している英訳は2本。 Is anyone here scared of Moebius? See?! Not a one!!You don't even have to bow. Just care about others. Have a heart.
  • アニメ全50話のサブタイトルは全部英語で、テレビ東京のアニメ公式サイトで確認できます。第1〜12話は Re- 始まり。
  • 原作のチャプタータイトルはさらにすごく、第1〜33話が33本連続で Re- 始まり。K MANGA公式で269話ぶんを確認しました。
  • アニメのサブタイトルは原作のチャプタータイトルから採られています。
  • 出版社公式の英語あらすじは、Kodansha USA版とSeven Seas版で文も名前の順番も違います。
  • それ以外の「東リベ名言の英訳」は、出所を確認できないものが大半です。

東リベは、名言記事にとってはむしろ難しい作品です。英語吹き替えのセリフを日本から検証するのが難しく、その空白をまとめサイトの意訳が埋めてしまっている。だからこそ、「作品自身が公式に出している英語」を主役に据えるというのが、私の出した答えでした。サブタイトルもチャプタータイトルも、和久井健先生と編集部が最初から英語で選んだ言葉です。訳ではなく、原文なんです。

英語を作品で学ぶ最大の利点は、「勉強」ではなく「好きな話をもう一度たどる」時間になることだと思っています。東リベなら、内容はもう頭に入っているはず。だから英語だけに集中できます。まずは第1〜12話のサブタイトルを声に出して読んでみるところから、始めてみてください。

作品全体の英語表記や英語版の基礎情報は、ピラー記事「東京リベンジャーズは英語で何という?」にまとめています。アニメ×英語学習という方法論そのものについては、英語×アニメ学習は効果ある?もどうぞ。

東京リベンジャーズのクラスタでは、キャラクター名の英語表記チーム名・不良用語の英語をすでに公開しています。英語版漫画の買い方は東京リベンジャーズの英語版漫画で英語学習に、劇場版・実写版を含む英語タイトルは東京リベンジャーズの英語タイトル一覧にまとめました。OP・EDの曲名を英語の切り口で追った東リベの主題歌・OP/EDを英語で読む記事も公開しました。第1期OPの Cry Baby と第24話のサブタイトル A Cry baby が呼応している件は、そちらでも曲名の側から掘り下げています。

  • この記事を書いた人

YOSHI

アニメ・海外ドラマ・サッカーなどエンタメで楽しく英語学習中。留学経験はなし。大学時代に英語を始めて就職後は海外事業を担当。現在は独立してフリーランス。2児の父。TOEIC990。VERSANT76。

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