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SLAM DUNK

【全101話一覧】スラムダンクの英語タイトルは?劇場版5作・TVアニメ各話サブタイトル・英語版コミック全31巻の英題を一次ソースで検証

「スラムダンクって、英語版だとタイトルは何になるんだろう?」——結論からお伝えすると、シリーズ名は訳されておらず、そのまま Slam Dunk(ロゴ表記は SLAM DUNKです。そして2022年公開の新作劇場版『THE FIRST SLAM DUNK』も、英題は日本語題と一字一句同じ。ここまでは、調べればすぐ出てきます。ところが、そこから一歩踏み込むと景色が一変します。1994〜1995年の旧劇場版4作にも、東映アニメーション公式の英語版サイトが用いている英題があります(第4作なら SLAM DUNK 4 Roar!! Basket Man Spirit)。これは英語版Wikipediaなどが載せている英訳とは、まったくの別物です。さらにTVアニメ全101話の各話サブタイトルにいたっては、英題が1つに定まっていません。筆者が一次ソースで突き合わせられた22話のうち、14話で英題が食い違っていました。この記事では、①シリーズ名と劇場版5作の英題、②TVアニメ全101話の日英対照サブタイトル一覧、③英題が2系統に割れている実態と、その理由、④VIZ英語版コミック全31巻の巻サブタイトル日英対照、⑤英題から学べる英語表現、という順で、「スラムダンク×英語タイトル」を丸ごと1本にまとめました。私は留学経験がないままアニメ・海外ドラマ・サッカー観戦で英語を身につけ、TOEIC990点・VERSANT76点(80点満点中)を取得し、元海外事業担当としても英語を使ってきました。好きな作品なら「勉強している」感覚がほとんどないまま、英語そのものに集中できます。作品全体の英語まわりを俯瞰したい方は、先にスラムダンクは英語で?完全ガイドもあわせてどうぞ。なお、英語音声・英語字幕で実際に観るには、NordVPNで英語圏のサーバーに接続してから配信サービスを開くという一手間が前提になります(NordVPN)。この点は記事後半で手順つきで解説します。


「スラムダンク」の英語タイトルは?結論は SLAM DUNK のまま

結論から言うと、スラムダンクは「英語に訳されなかった」作品です。鬼滅の刃が Demon Slayer、進撃の巨人が Attack on Titan と大きく意訳されたのに対し、スラムダンクは日本語タイトルがそもそも英語だったので、訳す必要そのものがありませんでした。ただし「訳されていない」で終わらせると、劇場版や各話サブタイトルで必ず混乱します。訳されていないのはシリーズ名だけで、その下の階層(劇場版のサブタイトル、各話サブタイトル、コミックの巻サブタイトル)はすべて別問題だからです。

本文表記は Slam Dunk、ロゴ表記は SLAM DUNK

北米で英語版コミックを出版しているVIZ Mediaの公式作品ページは、タイトルを Slam Dunk と表記しています。英語版Wikipediaも見出しは Slam Dunk で、あわせて「stylized in all caps(全て大文字でスタイライズされる)」と注記しています。つまり地の文では Slam Dunk、ロゴやパッケージでは SLAM DUNK という使い分けです。

この2段構えは、英語圏の出版・配信では珍しくありません。英語には「タイトルは各単語の頭文字を大文字にする(title case)」という書き方の慣習があるため、ロゴがどれだけ全部大文字でも、本文中では title case に直されます。「SLAM DUNK と書くのが正しいのか、Slam Dunk が正しいのか」という疑問の答えは、「場面によって両方正しい」ということになります。作者名の英語表記は Takehiko Inoue(井上雄彦)です。

意訳型・ローマ字型・そのまま型|スラムダンクは第3類型

日本のアニメ・漫画タイトルの英語表記は、大きく3つに分かれます。

  • ①大幅な意訳型:鬼滅の刃 → Demon Slayer、進撃の巨人 → Attack on Titan
  • ②ローマ字型:呪術廻戦 → Jujutsu Kaisen、ハイキュー!! → Haikyu!!
  • ③そのまま型SLAM DUNK → SLAM DUNK、ONE PIECE → ONE PIECE

スラムダンクは③です。②のローマ字型と字面は似ていますが、中身はまったく違います。「Haikyu」は英語ネイティブにとって意味のない音の並びですが、「Slam Dunk」は最初から意味の通る英語だからです。英語圏で a slam dunk と言えば「まず失敗しようのない確実なこと」という比喩にもなり、The deal was a slam dunk.(あの契約は楽勝だった)のようにビジネス英語でも普通に使われます。日本の漫画タイトルとしては例外的に、英語圏の読者が最初から意味を理解できるタイトルなのです。

同じスポーツアニメでもローマ字型を選んだケースとしては、ハイキュー 劇場版・シーズンの英語タイトルが対照的です。ハイキューはシリーズ名こそローマ字ですが、劇場版と各話サブタイトルは英訳されています。「訳されるのはどの階層か」は作品ごとにまったく違うので、読み比べると法則が立体的に見えてきます。


【早見表】シリーズ・劇場版・原作の英語タイトル総覧

まず全体像を1枚にまとめます。この表さえ押さえておけば、以降の細部は必要なときに戻ってくれば十分です。

対象日本語英語タイトル補足
シリーズ名(本文表記)スラムダンクSlam DunkVIZ Media公式・英語版Wikipedia
シリーズ名(ロゴ表記)SLAM DUNKSLAM DUNK英語版Wikipediaは "stylized in all caps"
原作漫画(日本語版)SLAM DUNK 全31巻Slam Dunk全276話
英語版コミックSlam Dunk(VIZ Media)全31巻・2013年12月3日完結
TVアニメスラムダンク(全101話)Slam Dunk1993年10月16日〜1996年3月23日
劇場版①スラムダンク(1994)SLAM DUNK 1東映アニメーション公式の英語版サイト
劇場版②スラムダンク 全国制覇だ! 桜木花道SLAM DUNK 2 National Tournament東映アニメーション公式の英語版サイト
劇場版③スラムダンク 湘北最大の危機! 燃えろ桜木花道SLAM DUNK 3 Crisis of Shohoku School東映アニメーション公式の英語版サイト
劇場版④スラムダンク 吠えろバスケットマン魂!! 花道と流川の熱き夏SLAM DUNK 4 Roar!! Basket Man Spirit東映アニメーション公式の英語版サイト
劇場版⑤THE FIRST SLAM DUNKTHE FIRST SLAM DUNK日本語題と完全に同一

この表でいちばん大事なのは、劇場版①〜④の4行です。旧劇場版4作は英語圏で劇場公開もソフト化もされていないのに、権利元である東映アニメーション自身の英語版サイトには、4作すべての英題ページが存在します。しかも英語版Wikipediaなどが載せている英訳とは、まったく違う文字列です。その根拠は次の見出しで検証します。


劇場版5作の英語タイトル|旧4作の英題は東映公式の英語版サイトにある

スラムダンクの劇場版は、1994〜1995年の4作と、2022年の『THE FIRST SLAM DUNK』の合計5作です。そしてこの5作は、英語タイトルという観点ではまったく性質が違います。新作は「訳す必要がないほど最初から英語」、旧4作は「英語圏で公開もソフト化もされていないのに、権利元が名乗る英題だけは存在する」——この非対称が、本記事の骨格です。

『THE FIRST SLAM DUNK』の英題は日本語題と完全に同一

2022年12月3日公開の新作劇場版『THE FIRST SLAM DUNK』の英題は、そのまま THE FIRST SLAM DUNK です。英語版Wikipediaも「stylized in all caps」と注記したうえで同じ表記を使っています。日本語題がもともと全部英語なので、ロゴごとそのまま海外に持っていけるという、非常に珍しいケースです。

原作者の井上雄彦が自ら監督・脚本を務め、東映アニメーションとDandeLion Animation Studioが制作。宮城リョータを主人公に据えて、原作のクライマックスである山王工業戦を描き直した作品です。北米配給はGKIDSが担当し、2023年7月28日に米国・カナダで劇場公開されました。英語吹き替えはNYAV Postが制作し、宮城リョータ役はPaul Castro Jr.、桜木花道役はBen Balmaceda、流川楓役はAleks Le、三井寿役はJonah Scott、赤木剛憲役はAaron Goodson。全世界興行収入は2億7900万ドル超に達し、バスケットボール映画として史上最高興収を記録しました。2023年の日本アカデミー賞 アニメーション作品賞も受賞しています。主題歌はThe Birthdayの「LOVE ROCKETS」と10-FEETの「第ゼロ感」です(歌詞の引用は控えます)。

ちなみにタイトルの THE FIRST は「最初の」という意味ですが、英語の first には「一番大事な/最優先の」というニュアンスもあるため、英語話者にとっては「初めてのスラムダンク」と「何よりもまずスラムダンク」が同時に立ち上がります。日本語で読むより、少しだけ意味の層が厚くなるタイトルです。

旧劇場版4作(1994〜1995)の英題は、東映アニメーション公式の英語版サイトにある

問題はこちらです。1994年から1995年にかけて公開された劇場版4作は、英語圏で劇場公開もソフト化もされていません。それでも、権利元である東映アニメーションの英語版サイト(作品ラインナップ)には、4作すべての英題ページが存在しますつまり「北米公開時の配給英題」は無いけれど、「権利元が英語で名乗っているタイトル」はある、という状態です。

#日本語タイトル公開日内容東映アニメーション公式の英語版サイトの英題
1スラムダンク1994年3月12日湘北 vs 武園の練習試合SLAM DUNK 1
2スラムダンク 全国制覇だ! 桜木花道1994年7月9日IH予選4回戦 湘北 vs 津久武SLAM DUNK 2 National Tournament
3スラムダンク 湘北最大の危機! 燃えろ桜木花道1995年3月4日湘北 vs 緑風の練習試合SLAM DUNK 3 Crisis of Shohoku School
4スラムダンク 吠えろバスケットマン魂!! 花道と流川の熱き夏1995年7月15日流川と水沢イチローの物語SLAM DUNK 4 Roar!! Basket Man Spirit

表記で見落としやすい点を4つ挙げておきます。①シリーズ名部分はすべて大文字の SLAM DUNK、続く番号は半角数字②番号のあとにコロンは入りませんSLAM DUNK 2: National Tournament ではありません)。③第4作の Roar!! は感嘆符が2つで、日本語題の「吠えろバスケットマン魂!!」の感嘆符をそのまま引き継いでいます。④同じく第4作の Basket Man は2語に分かち書きされており、Basketman と1語で書くと公式表記から外れます。英題を引用するときにいちばん壊れやすいのは、こうしたスペースと記号なので、コピーして使うのが安全です。

そのうえで、性格づけは正確に押さえてください。これは「権利元による公式英題」と言えますが、「北米公開時の正式な配給英題」ではありません。前述のとおり旧劇場版4作は英語圏で劇場公開もソフト化もされていないため、配給会社が付けた英題そのものが存在しないのです。本記事ではこの4本を「東映アニメーション公式の英語版サイトが用いている英題」と呼びます。

面白いのは、この英題が英語圏のデータベースにはまったく浸透していないことです。英語圏でもっとも参照されるアニメのデータベースである Anime News Network のエンサイクロペディアで、4作それぞれのページ(作品ID 1141〜1144)を個別に開き、Alternative title(別題)欄の実データを読み取りました。結果はこうです。

  • 1作目:別題は日本語題「スラムダンク」だけ。英題の登録なし。
  • 2作目:別題は Slam Dunk movie 2 と日本語題のみ。
  • 3作目:別題は Slam Dunk movie 3 と日本語題のみ。
  • 4作目:別題は Slam Dunk movie 4 と日本語題のみ。

つまり英語圏の代表的なデータベースですら、東映公式の英題を採用しておらず、ローマ字題+通し番号で処理しています。「権利元の英語版サイトに英題がある」ことと、「その英題が英語圏で流通している」ことは、まったくの別問題なのです。IMDbも同様に Slam Dunk: Zenkoku Seiha da! Sakuragi Hanamichi のようなローマ字題で登録されています。

背景を補足すると、TVアニメの北米ソフト化は2005年にDVD4巻で打ち切られており、旧劇場版4作が英語圏で正式に劇場公開・ソフト化されたという記録も、本調査の範囲では見つかりませんでした。配給会社が付ける「公開時の英題」は生まれようがなかった一方で、権利元が自社サイトの英語版で名乗る英題は用意されている——旧劇場版4作の英題は、この二重構造で理解するのが正確です。

東映公式の英題 vs 英語版Wikipedia・海外DBの「独自訳」

ここが本記事でいちばん注意していただきたいところです。英語版Wikipediaや海外の映画データベースには、東映公式とはまったく違う英題が載っています。しかも、その多くには出典が付いていません。

#東映アニメーション公式の英語版サイト英語版Wikipedia(出典のない独自訳)
1SLAM DUNK 1
2SLAM DUNK 2 National TournamentConquer the Nation, Hanamichi Sakuragi!
3SLAM DUNK 3 Crisis of Shohoku SchoolShohoku's Greatest Challenge!
4SLAM DUNK 4 Roar!! Basket Man SpiritHowling Basketman Spirit!!

英語版Wikipedia側は、日本語題を英語に置き換えた説明的な訳です。読めば内容は伝わりますが、どこにも「権利者がこの英題を使っている」という根拠が示されていませんちなみに英語版Wikipediaは、第3作の公開日も 1995-03-12 と誤記しています(正しくは1995年3月4日)。出典のない一覧表は、英題以外の項目もまとめて疑ってかかるのが安全です。

さらに海外の映画レビューサイトには、1994年の1作目に対して Slam Dunk: The Determined Shohoku Basketball Team のような英語タイトルが表示されることもあります。同じ作品なのにサイトごとに違う英文が載っているのは、それらが公式ではないことの何よりの証拠です。

本記事が英題として掲げるのは、東映アニメーション公式の英語版サイトが用いている4本だけです。それ以外の英文は「あるサイトの独自訳」として扱ってください。英語で旧劇場版の話をしたいときの実務的な解は、東映公式の英題+公開年をセットで書くことです。たとえば SLAM DUNK 3 Crisis of Shohoku School (1995) のように書けば、権利元の表記に沿ったうえで一意に伝わります。相手が東映の表記を知らない可能性まで考えるなら、SLAM DUNK 3 Crisis of Shohoku School (1995), the third Slam Dunk film と一言添えると確実です。これは私が海外事業の仕事で日本の作品名を英語メールに書くときに、実際に使っている書き方でもあります。


【本記事の目玉①】TVアニメ全101話の英語サブタイトル一覧

ここからが本記事の中心です。TVアニメ『スラムダンク』は1993年10月16日から1996年3月23日まで、テレビ朝日系で全101話が放送されました。制作は東映アニメーション(当時の東映動画)、シリーズディレクターは西沢信孝。なお原作の全国大会(インターハイ本戦)は未アニメ化なので、山王工業戦はTVアニメには存在しません。全101話は湘北の入部から神奈川県予選の決着、そして全国大会に向かうところまでを描いています。

この一覧の出所|どこまで確認できて、どこからが未確認か

一覧を出す前に、どのソースから取ったのかを必ずお伝えします。ここを曖昧にした一覧表は、あとで誤情報の発生源になるからです。

  • 日本語サブタイトル(101話ぶん):日本語版Wikipedia「SLAM DUNK」の各話リストから取得しました。日本語の固有名詞・表記は日本語のソースで確認するのが本ブログの原則です。
  • 英題(101話ぶん)米国リージョンの配信データベースに登録されている英題です。具体的には、配信横断検索サービスの米国リージョン向けデータ(全101話ぶん)を取得しました。
  • その裏取りAmazon Prime Video 米国で販売されている Slam Dunk, Volume 1 (English Subtitled)(1話 $1.99)の商品ページを実際に開き、第1〜15話の英題が上記と一致することを確認しました。つまりこの英題は、少なくとも実際の配信商品で使われているものです。
  • 東映公式YouTube版(22話ぶん):2023年に東映アニメーション公式YouTubeが公開した英語字幕版の動画タイトルです。確認できたのは22話ぶんだけなので、残りは「—」としています。理由は後述します。

確認できなかったこと(正直に書きます):本調査の実行環境からは米国Netflixの作品ページが開けず、「Oh no! This title currently isn't available to watch in your country.」と表示されました。したがってNetflixのアプリ内で各話がどう表記されているかは未確認です。本記事の英題は「米国リージョンの配信データに登録された英題」であって、「Netflixの画面表記」ではありません。

以下、3つに分けて掲載します。

第1〜34話|湘北入部から翔陽戦の入口まで

桜木花道の入部から、宮城リョータ・三井寿の合流、インターハイ予選の序盤までです。第20話「バスケットシューズ」のように、日本語も英語も同じ言葉で成立する回がある一方で、第16話「なんだコイツは!? 田岡の誤算」が Who the Hell is he? になるような、口語に振り切った訳も混ざります。

日本語サブタイトル英題(米国リージョンの配信データ)東映公式YouTube版(2023年)
1天才バスケットマン誕生!?Birth of a Basketball Genius!?The Birth of a Genius Basketball Man!?
2くたばれバスケ! 花道VS流川Go to Hell, Basketball! Hanamichi vs. RukawaGo to Hell, Basketball! Hanamichi vs. Rukawa
3ゴリラVS花道! 究極の対決!!Gorilla vs. Hanamichi - The Ultimate MatchGorilla vs Hanamichi! Big Showdown!!
4バスケットマン花道入部!Basketball Athlete Hanamichi Makes the TeamBasketball Athlete Hanamichi Makes the Team
5根性なしの午後A Spiritless AfternoonA Spiritless Afternoon
6流川VS赤木・本物対決!Rukawa vs. Akagi - Battle Between the Real Deals
7花道デビュー! ダンクさく裂Hanamichi's Debut - A Burst of DunksHanamichi's Debut - A Burst of Dunks
8花道ピンチ! 柔道男の罠Hanamichi in a Bind! The Judo Man's Trap!
9オレはバスケットをやる!I'm Sticking with Basketball!
10庶民のシュートはむずかしいThe Simple Shot is TrickyThe Simple Shot is Tricky
11二人だけの愛の秘密特訓!?Secret Special Training for Love
12倒せ陵南! 決戦前夜の猛特訓Beat Ryonan! Training the Night Before the Game!
13湘北VS陵南 燃える主将!Shohoku vs. Ryonan! The Fiery Captains!
14超高校級! 陵南ドトウの攻撃Ultimate High School Level! Ryonan's Aggressive Attack!!
15花道キンチョーの晴れ舞台!Hanamichi's Nerve-wracking Big Moment
16なんだコイツは!? 田岡の誤算Who the Hell is he? Taoka's Big Mistake!Who the Hell is he? Taoka's Big Mistake!
17リバウンド王 桜木花道の苦悩Rebound King hanamichi Sakuragi's Distress!
18ラスト2分! 仙道は俺が倒すTwo Minutes Left! I'll Take Sendo Down
19タイムアップ! 決着陵南戦Time's Up! Final Showdown with Ryonan
20バスケットシューズBasketball ShoesBasketball Shoes
21スーパー問題児! 花道VS宮城Super Problem Children! Hanamichi vs. Miyagi
22史上最悪どあほうコンビ誕生The Birth of the Ultimate Idiot Combination
23湘北バスケ部最後の日The Last Day for the Shohoku Basketball Team
24正義の味方・桜木軍団参上!Heroes of Justice - The Arrival of Sakuragi's Gang!
25全国制覇をめざした男The Man Who Aimed for the National Championship
26三井寿15歳の悩みMitsui's Peak, Trouble at 15
27バスケがしたいです!I Want to Play Basketball!I Want to Play Basketball!
28インターハイ予選開始The Beginning of Interhigh Preliminaries
29花道! 公式戦デビューHanamichi! Pennant Race Debut
30ハンセイ軍団の大反撃The Introspective Army's Big Counterattack
31強敵三浦台の秘密兵器Formidable Enemy Miuradai's Secret Weapon
32天才花道! 必殺ダンクGenius Hanamichi! Certain Death DunkGenius Hanamichi! Killer Dunk
33退場王!? 桜木花道Walkout King!? Sakuragi's Righteousness
34ゴリ直伝・眼で殺せ!Gorilla's Initiation, Kill with Your Eyes!

キャラクターの英語表記(Hanamichi Sakuragi、Kaede Rukawa など)を先に押さえておくと、この表はぐっと読みやすくなります。詳しくはスラムダンク キャラクター英語名一覧にまとめています。

第35〜68話|翔陽戦・海南戦・陵南戦

物語がもっとも密度を増す区間です。翔陽の藤真、海南の牧、陵南の仙道と、ライバル校のエースが次々に登場します。第55話「ゲームを支配する男」が The One that Dominates the Game になるあたりは、英語のほうがむしろ格好いいかもしれません。

日本語サブタイトル英題(米国リージョンの配信データ)東映公式YouTube版(2023年)
35男たちの熱き想いHot Blooded Guys
36シード校・翔陽登場A Well Seeded School, Enter Shoyo
37花道・初スタメン!Hanamichi's First Start
38流川の反撃!Rukawa's Counterattack!
39電光石火のリョータ!Lightning Flash Ryota!
40リバウンド王・桜木花道Hanamichi the Genius shows off!
41翔陽エース・藤真登場Shoyo Coach Enters the Court
42翔陽エース藤真の実力Shoyo Ace Fujima's Real Ability
43三井、限界か!?Has Mitsui Reached His Limit!?
44三井! 嵐の3ポイントMitsui! Stormy 3 Points
45退場目前!? 花道ピンチImminent Walkout!? Hanamichi's PinchImpending Foul-Out!?
46花道、熱きダンクHanamichi, Hot Dunk
47ライバルからの挑戦状Challenge from a Rival
48打倒海南を誓う男The Guy Who Pledged to Defeat Kainan
49武園・最後の闘志Takezono, Last Fight
50王者への挑戦Challenge to the King
51計算外!? 花道絶好調!Outside Accounts!? Hanamichi at His Best!
52桜木封じの秘密兵器!Sakuragi's Confinement's Secret Weapon
53ゴリ負傷! 絶体絶命!?The Gorilla's Injury! Desperate Situation!?
54キングコング・弟King Kong, Younger Brother
55ゲームを支配する男The One that Dominates the GameThe Man Who Controls the Game
56エース牧・全開!Ace Shepherd, Full Throttle
57安西・勝利への賭け!Anzai, Bet on Victory!
58しぶとい奴ら!Stubborn Guys!
59ラスト10秒! 完全決着Last 10 Seconds! A Perfect ConclusionThe Last Ten Seconds! The Final Score
60がけっぷちの湘北To relieve guilt: Shave Head ?!Shohoku on the Edge
61ボーズ頭の逆襲!Baldy attacks back!
62特訓3DAYSThree-day super training
63頂上決戦! 海南VS陵南Ryonan's genius plan
64本領発揮! 王者・海南Kainan rebounds!
65最強対決! 仙道VS牧The strongest rival
66仙道・一瞬の賭け!Sendoh's scheme
67最終決戦! 湘北VS陵南The final battle!
68救世主!? 桜木花道Sakuragi Hanamichi comes to rescue!

第69〜101話|陵南戦の決着から全国大会へ

陵南戦の決着から、全国大会に向けた準備、そして最終話までです。第84話「勝敗」がわずか3語の Win or Lose になり、最終話「栄光のスラムダンク」が SLAM DUNK! の一語に圧縮される——この潔さは、英語タイトルならではの気持ちよさです。

日本語サブタイトル英題(米国リージョンの配信データ)東映公式YouTube版(2023年)
69ゴリ異変!Gorilla goes astray
70ゴリラダンクIIKing Kong number two!Gorilla Dunk II
71ゴリ・復活の雄叫び!Gorilla revives!
72人生最大の屈辱The greatest shame of one's life
73流川・後半戦への賭けRukawa Kaede, gambling on the 2nd half
74最も危険な挑戦者The most dangerous challenger!
75ファインプレイPeak performance
76勝利の予感The feeling of victory
77君たちは強いYou guys are strong!
78復活! 闘将・魚住純Uozumi Revives
79BW! 陵南の反撃Blue waves - Ryonan attacks back!
80湘北の不安要素Shohoku's problemsShohoku's Negative Attributes
81仙道ファイヤー! 湘北崩壊!!Sendoh attacks! Shohoku loses
82ド素人・花道本領発揮Amateur Sakuragi Hanamichi shows off!
83副主将メガネ君の執念Kogure's determination
84勝敗Win or LoseVictory or Defeat
85あらたなる挑戦! 全国制覇New Challenge: the national championship!
86流川の野望Rukawa Kaede's Ambition
87日本一の高校生Japan's number basketball playerJapan's Number One High School Player
88バスケットの国アメリカThe basketball kingdom - United States of America
89鬼気迫る! 流川Rukawa Kaede's spirit
90湘北 真のエース!Shohoku's real aceShohoku's True Star!
91全国が危ない!The sudden barrier to the nationals
92男の友情!? 桜木軍団Guys - Sakuragi Gang
932万本への挑戦Going Toward 20000 Shoots
94静岡の激闘! 湘北VS常誠Shohoku vs. Jousei
95花道の最も熱き一日The day when Sakuragi's fired up!
96バスケットシューズIIBasketball Shoes Part II
97熱き思い・魚住再び!Mixed Feelings, Uozumi returns
98激闘開始! 湘北VS翔陽・陵南Shohoku vs. Shoyo/Ryonan
99湘北危うし! 脅威の最強軍団Facing the strongest team, Shohoku in danger!
100奇跡の男・桜木花道!The one who brought forth a miracle - Sakuragi!Man of Miracles, Hanamichi Sakuragi!
101栄光のスラムダンクSLAM DUNK!Glorious Slam Dunk

なお第12話については、取得した配信データの英題末尾に TV-14 というレーティング表記が紛れ込んでいました。上の表では取り除いて掲載しています。メタデータそのものに不具合があることの実例です。


【本記事の目玉②】スラムダンクの英題は2系統ある

さて、上の表を見て「東映公式YouTube版の列が、埋まっているところだけ微妙に違う」と気づいた方は鋭いです。スラムダンクのTVアニメには、少なくとも2系統の英題が流通しています。

  • A系統=東映アニメーション公式YouTube版(2023年):権利元である東映アニメーション自身が、英語字幕版を公開したときに付けた英題。
  • B系統=米国リージョンの配信メタデータ:Amazon Prime VideoやNetflixなど、配信サービスに登録されている英題。

そして、この2つは同じ話でも別のタイトルになっていることが多いのです。

22話を突き合わせたら14話で食い違った

一次確認できた22話ぶんを、そのまま並べます。

東映公式YouTube版米国リージョンの配信データ一致
1The Birth of a Genius Basketball Man!?Birth of a Basketball Genius!?
2Go to Hell, Basketball! Hanamichi vs. RukawaGo to Hell, Basketball! Hanamichi vs. Rukawa
3Gorilla vs Hanamichi! Big Showdown!!Gorilla vs. Hanamichi - The Ultimate Match
4Basketball Athlete Hanamichi Makes the TeamBasketball Athlete Hanamichi Makes the Team
5A Spiritless AfternoonA Spiritless Afternoon
7Hanamichi's Debut - A Burst of DunksHanamichi's Debut - A Burst of Dunks
10The Simple Shot is TrickyThe Simple Shot is Tricky
16Who the Hell is he? Taoka's Big Mistake!Who the Hell is he? Taoka's Big Mistake!
20Basketball ShoesBasketball Shoes
27I Want to Play Basketball!I Want to Play Basketball!
32Genius Hanamichi! Killer DunkGenius Hanamichi! Certain Death Dunk
45Impending Foul-Out!?Imminent Walkout!? Hanamichi's Pinch
55The Man Who Controls the GameThe One that Dominates the Game
59The Last Ten Seconds! The Final ScoreLast 10 Seconds! A Perfect Conclusion
60Shohoku on the EdgeTo relieve guilt: Shave Head ?!
70Gorilla Dunk IIKing Kong number two!
80Shohoku's Negative AttributesShohoku's problems
84Victory or DefeatWin or Lose
87Japan's Number One High School PlayerJapan's number basketball player
90Shohoku's True Star!Shohoku's real ace
100Man of Miracles, Hanamichi Sakuragi!The one who brought forth a miracle - Sakuragi!
101Glorious Slam DunkSLAM DUNK!

結果は22話中8話が一致、14話が不一致。一致率は4割を切ります。しかも食い違い方が一様ではありません。第5話や第20話のように完全一致する話がある一方で、第60話のようにそもそも別の話に見えるレベルで違うものまであります。

なぜ2系統になるのか|訳した主体も時期も違う

理由はシンプルで、英題を作った主体と時期が違うからです。

B系統の配信メタデータは、北米で配信・販売が始まった時期に整備されたものです。Amazon Prime Videoでの販売は2000年代後半にさかのぼります。一方A系統は、2023年に東映アニメーションが英語字幕版をYouTubeで公開したときに付け直したもの同じ会社の作品でも、20年近い時差があれば訳語の方針は変わります

面白いのは、この2系統が配信サービスの中でも混在しているという点です。Amazon Prime Videoの Volume 1 に入っている第1〜15話はB系統の英題ですが、Volume 3 に入っている第41〜50話はA系統(東映公式YouTube版)と同じ訳でした。たとえば第45話は、Amazonの商品ページでもYouTubeでも Impending Foul-Out!? です。同じ販売ページの中で、巻によって訳の世代が違うわけです。

これは決してスラムダンクだけの話ではありません。私は海外事業の仕事で、日本のコンテンツの英語資料を扱ってきましたが、「昔の英題」と「新しい英題」が両方生き残ったまま流通するのは、日本の作品では本当によくある現象です。大事なのは「どれが正解か」ではなく「どの媒体の英題を引用しているのかを明示すること」。名言の英訳が媒体でバラバラになる問題とまったく同じ構図で、こちらはスラムダンクの英語名言・セリフで詳しく扱っています。

配信メタデータ側には、明らかな不具合も混じっている

もう一歩踏み込みます。B系統の101話ぶんを通して眺めると、データとして明らかにおかしい箇所がいくつもあります

  • 第12話:英題の末尾に TV-14 というレーティング表記が紛れ込んでいる。
  • 第17話Rebound King hanamichi Sakuragi's Distress! と、人名の頭文字が小文字になっている。
  • 第87話Japan's number basketball player と、one が抜け落ちている(東映公式版は Japan's Number One High School Player)。
  • 第60話:日本語題は「がけっぷちの湘北」なのに、B系統は To relieve guilt: Shave Head ?!。東映公式版の Shohoku on the Edge のほうが日本語題に素直に対応します。
  • 第63話:日本語題は「頂上決戦! 海南VS陵南」なのに、B系統は Ryonan's genius plan

第60話・第63話については、なぜ日本語題と対応しない英題が入っているのか、原因を特定できませんでした。断定はしませんが、配信メタデータの英題を「公式の英題」として無条件に信頼するのは危険だ、ということは言えます。本記事が全101話のB系統を主表としつつ、東映公式版を別列で併記しているのは、この不確かさを読者に見えるようにするためです。

東映公式YouTubeの英語字幕版は、現在すべて非公開

そして、この記事でいちばんお伝えしたい事実がこれです。

東映アニメーションは2023年7月19日から、公式YouTubeチャンネルで英語字幕つきのTVアニメを10話ずつ公開し、同年9月26日の第91〜101話の追加で全101話が出揃いました。動画タイトルは Slam Dunk TV Series | Episode 01 - The Birth of a Genius Basketball Man!? | English Sub (HD) という形式で、これがA系統の出所です。

ところが本記事執筆時点(2026年7月)に確認したところ、当時の動画はすべて非公開(private)になっており、視聴できませんでした。検索結果に残っていた動画IDを7件ぶん個別に確認しましたが、いずれも「この動画は非公開です」という応答でした。YouTube公式の動画情報取得APIも同じくエラーを返し、プレイリストのページも中身が空になっています。つまり「東映公式YouTubeで無料の英語字幕版が観られる」という2023年の情報は、いまはもう有効ではありません

これは英題を調べるうえでも痛手で、A系統の英題を101話ぶん揃えることは、本記事執筆時点ではできませんでした。本記事に載せた22話ぶんは、検索エンジンのインデックスに残っていた動画タイトルから回収したものです。残り79話ぶんの東映公式英題は、確認できていません。これを「不明」と書くのは格好悪いのですが、架空の英題を埋めるよりはるかにマシだと考えています。

現時点で実際に観られるルートについては、スラムダンクを英語で見る方法で配信サービスごとに追っています。TVアニメは英語字幕での視聴が現実解(英語吹き替えが全101話ぶん存在しないため)、劇場版『THE FIRST SLAM DUNK』は米国Netflixで英語吹き替えつき、という違いも押さえておいてください。


各話サブタイトルの英題から学べる英語表現

ここからは、上の一覧を「英語教材」として読み直します。アニメのサブタイトルは、短い・具体的・感情が乗っている、という三拍子が揃った最高の英作文サンプルです。しかも同じ日本語に対する2通りの英訳が並んでいるので、「どちらがなぜ自然なのか」を考える練習にもなります。

「必殺」は Certain Death か Killer か

第32話「天才花道! 必殺ダンク」を見てください。

  • B系統:Genius Hanamichi! Certain Death Dunk
  • 東映公式版:Genius Hanamichi! Killer Dunk

日本語の「必殺」を字面どおり訳すと certain death(確実な死)です。間違いではありませんが、英語で certain death dunk と言われると「そのダンクで人が死ぬのか?」という物騒な絵が浮かびます。一方の killer は、英語の口語で「最高の」「とんでもない」という強い褒め言葉として使われます。That's a killer app.(あれは決定的なアプリだ)、a killer smile(悩殺的な笑顔)のように、名詞の前に置いて使うのが定番です。

killer は形容詞的に使われるとき、たいていポジティブな意味になる——これは辞書の語義を眺めているだけでは腑に落ちにくく、実例で覚えるのがいちばん早い語です。「必殺技」を英語にするなら killer movesignature move が自然で、certain death technique とは言いません。

on the edge / foul out |スポーツで本当に使う2語

第60話「がけっぷちの湘北」の東映公式版は Shohoku on the Edge です。on the edge は「崖っぷちに立っている」「一触即発の状態にある」という意味の定型句で、日本語の「がけっぷち」とほぼ完全に重なります。We're on the edge of elimination.(敗退の瀬戸際だ)のように、スポーツ中継でもニュースでも頻出します。日本語の比喩と英語の比喩がここまできれいに一致するのは、実はかなり珍しいので、覚えておくと得です。

第45話「退場目前!? 花道ピンチ」の東映公式版は Impending Foul-Out!?。ここには2つの学習ポイントがあります。

  • foul out:バスケットボールで「規定数のファウルを犯して退場になる」という動詞句。名詞にすると a foul-out桜木の退場シーンは、英語なら He fouled out. の一言で済みます
  • impending:「差し迫った、いまにも起きそうな」。impending doom(迫りくる破滅)、impending deadline(目前の締切)のように、良くないことが近づいているときに使う形容詞です。同じ「目前」でも upcoming(次に来る)は中立、impending はネガティブ、と使い分けます。

ちなみにB系統は同じ話を Imminent Walkout!? と訳していますが、walkout は「(抗議の)退場・ストライキ」であって、ファウルによる退場ではありません。訳語の選択でここまで意味がずれる、という好例です。

Go to Hell / Who the Hell |教科書に出ない強調表現

第2話「くたばれバスケ! 花道VS流川」は、2系統とも Go to Hell, Basketball! Hanamichi vs. Rukawa で一致しています。Go to hell. は直訳すれば「地獄へ行け」で、日本語の「くたばれ」にほぼ対応する強い罵倒です。実生活で人に向けて言う機会はまずありませんが、映画やドラマでは頻出するので、聞いて意味が分かる状態にはしておきたいフレーズです。

第16話「なんだコイツは!? 田岡の誤算」は Who the Hell is he? Taoka's Big Mistake!。ここで使われている the hell は疑問詞の直後に置いて「一体全体」という苛立ち・驚きを足す挿入句です。

  • Who the hell is he?(あいつは一体何者だ)
  • What the hell are you doing?(一体何をしているんだ)
  • Where the hell have you been?(一体どこに行っていたんだ)

the hell を抜けば、そのまま普通の疑問文に戻ります。つまり「感情のボリュームつまみ」として後付けできるわけで、英語の口語らしさを一段引き上げてくれる表現です。もう少し柔らかくしたいときは on earth に置き換えます(What on earth are you doing?)。

「ファインプレイ」が Peak performance になる理由

最後に、和製英語の話をひとつ。第75話の日本語サブタイトルは「ファインプレイ」ですが、英題は Peak performance です。fine play という英語表現は、スポーツの文脈ではまず使われません。英語で「ナイスプレー」と言うなら great play nice play、あるいは What a play! です。

  • 「ファインプレイ」→ great play / nice play
  • 「スタメン」→ starting lineup / starters
  • 「メンバーチェンジ」→ substitution(略して sub)
  • 「ダンクシュート」→ dunkdunk shoot とは言いません)
  • 「ナイスシュート」→ Nice shot!Nice shoot! は英語として成立しません)

サブタイトルの英題は、こうした和製英語をあぶり出す装置としても優秀です。なお「リングは和製英語で ring とは言わない」という説明を見かけることがありますが、これは誤りです。FIBA・NBA・日本バスケットボール協会の公式ルールはいずれも ring を正式名称として使っています(実況の口語では rim、一般語では hoop)。バスケットボール用語の英語を体系的に押さえたい方は、スラムダンク バスケットボール用語の英語一覧にまとめてあります。


【本記事の目玉③】英語版コミック全31巻の巻サブタイトル日英対照

アニメの話が続いたので、原作コミックに戻ります。日本語版の単行本(ジャンプ・コミックス全31巻)には、巻ごとにサブタイトルが付いています。 第1巻なら「桜木君」、第31巻なら「湘北高校バスケットボール部」。そしてVIZ Mediaの英語版全31巻にも、対応する英語サブタイトルが付いています。これを日英で並べた表は、調べた限りどこにもありませんでした。

全31巻の日英対照表

日本語側は日本語版Wikipedia(各巻に集英社の商品ページ参照が付いています)、英語側は書籍販売サイトの商品タイトルと図書館目録データから取得しました。

日本語版のサブタイトルVIZ英語版のサブタイトル
1桜木君Sakuragi
2NEW POWER GENERATIONNew Power Generation
3庶民のシュートは難しいThe Challenge of the Common Shot
4主役登場!!Enter the Hero!!
5REBOUNDRebound
6NOTHING TO LOSENothing to Lose
7バスケ部最後の日The End of the Basketball Team
8BASKETBALLBasketball
9問題児軍団A Team of Troubled Teens
10リバウンド王桜木Rebound King Sakuragi
11マグレだとしてもEven a Fluke
12王者への挑戦Challenging a King
13UNSTOPPABLE確認できず
14THE BESTThe Best
15天国と地獄Heaven & Hell
16サバイバル・ゲームSurvival Game
17最後の椅子The Last Spot
18落し穴の予感確認できず
19エースAce
20湘北崩壊確認できず
21勝敗Win/Loss
221st ROUNDThe First Round
23AランクとCランクA Rank vs. C Rank
24勝利のためにFor Victory
25最大の挑戦Greatest Challenge
26パワー勝負Power Match
27湘北 in TroubleShohoku in Trouble
282年間Two Years
29逸材Talent
30選手生命Career
31湘北高校バスケットボール部Shohoku High School Basketball Team

第13巻・第18巻・第20巻の英語サブタイトルは確認できませんでした。複数の書籍データベースで、この3巻だけが Slam Dunk, Vol. 13 のように巻番号のみで登録されており、サブタイトルを取得できなかったためです。「英語版にサブタイトルが無い」のではなく「確認できなかった」という意味なので、断定は避けます。全31巻中28巻ぶんが確認できた、というのが正確な言い方です。

日本語版のサブタイトルは、7本がもともと英語だった

この表を眺めていて面白いのは、日本語版のサブタイトル31本のうち、7本がもともと英語だったという点です。

  • 第2巻「NEW POWER GENERATION」
  • 第5巻「REBOUND」
  • 第6巻「NOTHING TO LOSE」
  • 第8巻「BASKETBALL」
  • 第13巻「UNSTOPPABLE」
  • 第14巻「THE BEST」
  • 第22巻「1st ROUND」

さらに第27巻は「湘北 in Trouble」と日本語と英語が同じタイトルの中で混ざっています。1990年代前半の少年漫画としては、かなり英語の比率が高い作りです。バスケットボールという競技そのものがアメリカ由来で、用語も英語のまま日本に入ってきたことが、この語感に直結しているのだと思います。

そして英語版は、これらを New Power Generation Rebound Nothing to Lose Basketball The Best The First Round と、すべて title case に整えて収録しています。全部大文字だった日本語版の表記が、英語版では普通の英語の書き方に戻る——シリーズ名の SLAM DUNKSlam Dunk の関係とまったく同じ現象です。

The End of the Basketball Team|訳し方の型を読む

英訳された24本のほうにも、学べる型がいくつもあります。

  • 第7巻「バスケ部最後の日」→ The End of the Basketball Team:日本語は「最後の日」と時間で言っていますが、英語は「終わり」そのものを名詞化しています。英語は the end of ~ という名詞句で状況をまるごと表すのが得意で、the end of an era(一つの時代の終わり)のように使います。The Last Day of the Basketball Team でも通じますが、締まりは The End of ~ のほうが上です。
  • 第9巻「問題児軍団」→ A Team of Troubled Teenstroubled は「問題を抱えた」。a troubled teen は英語圏で実際によく使われる言い回しで、「悪い子」ではなく「困難を抱えた若者」というニュアンスを含みます。原作の湘北メンバーの描かれ方に、驚くほど合っています。
  • 第11巻「マグレだとしても」→ Even a Flukefluke は「まぐれ、偶然の幸運」It was a fluke.(あれはまぐれだった)は日常会話でそのまま使えます。日本語の「マグレ」に一語で対応する英単語があるというのは、覚えておくと気持ちのいい発見です。
  • 第17巻「最後の椅子」→ The Last Spot:日本語の「椅子」を chair と訳さず、「枠・座席・出場権」を意味する spot にしているのが見事です。the last spot on the roster(ロースター最後の枠)はスポーツ英語の定番。比喩の「椅子」は英語では spotseat、と覚えておきましょう。
  • 第21巻「勝敗」→ Win/Loss:スポーツ統計で使う win-loss record(勝敗記録)に由来する簡潔な訳です。
  • 第29巻「逸材」→ Talenttalent は「才能」だけでなく「才能のある人材」そのものを指せる名詞。We need fresh talent.(新しい人材が必要だ)のように使います。
  • 第30巻「選手生命」→ Career:日本語の「選手生命」は英語では単に career です。player life のような直訳は通じません

英語版コミックそのものの入手方法や、実際に読むときの難易度・学習ステップについては、スラムダンク 英語版漫画・勉強法で詳しく扱っています。


原作全276話のチャプター英題は確認できたのか

正直にご報告します。原作全276話それぞれのチャプター英題(VIZ英語版の目次に載っている各話タイトル)は、本記事執筆時点(2026年7月)で一次確認できませんでした。

理由は3つあります。①VIZ Mediaの商品ページには各巻のあらすじは載っていても、チャプター一覧は掲載されていない。②書籍全文検索サービスは利用制限にかかり、目次データを取得できなかった。③英語版コミックのデジタル版(Kindle等)が見当たらず、目次を直接確認する手段がなかった。

ここで英語版Wikipediaのチャプター一覧を引き写すという手はありますが、それは絶対にやりません英語版Wikipediaの話タイトル・章タイトル一覧は、ファンによる非公式訳が混ざっていることがあり、一次ソースになりません。別作品では、英語版Wikipediaを出典にした話タイトル一覧が、出版社公式の目次と全130話中25話で食い違っていた例があります。

そのぶん、巻サブタイトルは28巻ぶんを実データで確認できました(前章)。「取れなかったものは取れなかったと書き、取れたものを厚くする」というのが、本記事の方針です。VIZ英語版の目次を直接確認できる環境が整ったら、この章は更新します。


版の違いに注意|31巻・24巻・20巻・英語版31巻

英語タイトルを調べていると、必ずぶつかるのが「スラムダンクって全何巻なの?」という混乱です。ここを整理しておかないと、上の巻サブタイトル表も読み違えます。

レーベル巻数刊行時期
単行本(通常版)ジャンプ・コミックス全31巻1991年2月8日〜1996年10月3日
完全版ジャンプ・コミックス デラックス全24巻2001年3月19日〜2002年2月2日
新装再編版愛蔵版コミックス全20巻2018年6月1日〜9月1日
VIZ英語版SHONEN JUMP全31巻2008年9月2日〜2013年12月3日(完結済み)

「スラムダンクは全24巻」「全20巻」という表記を見かけたら、それは完全版か新装再編版の話です。本記事の巻サブタイトル表は、日本語版の通常版31巻とVIZ英語版31巻の対応を示したものです。完全版24巻には巻サブタイトルの記載がなく、新装再編版20巻は「桜木花道」「湘北vs.山王工業1」のような別体系のサブタイトルが付いています。同じ作品なのに、版が変われば巻の切り方もタイトルも変わる、というのがややこしいところです。

なお、VIZ Mediaは2026年6月に Slam Dunk Deluxe Edition(ハードカバー豪華版)を2027年春に刊行すると発表しました。連載時のカラーページを収録し、ストーリーアーク単位で巻構成を再編するとのことです。第1巻は2027年4月27日発売予定で、本記事執筆時点(2026年7月)ではまだ発売されていません。全何巻になるかも未発表です。


英語タイトルで検索するときの実務メモ

ここまで読んでいただければ、「スラムダンクの英題を1つに決めるのは難しい」ということが伝わったと思います。では実務的にどうすればいいのか。私が海外事業の仕事で日本のコンテンツを英語で扱ってきた経験から、5つのコツをまとめます。

  • ①シリーズ名は Slam Dunk で検索する。 英語圏の検索では title case が標準です。全部大文字で検索しても結果は変わりませんが、文章に書くときは Slam Dunk が無難です。
  • ②各話を特定したいときは、英題ではなく話数で指定する。 Slam Dunk episode 45 のほうが、英題で検索するより確実に相手に伝わります。英題が2系統ある以上、英題は識別子として信頼できません
  • ③旧劇場版は東映公式の英題+年号で書く。 SLAM DUNK 3 Crisis of Shohoku School (1995) のように書けば、権利元の表記に沿ったうえで一意に定まります。相手が東映の表記を知らない場合に備えて、ローマ字題(Slam Dunk: Shohoku Saidai no Kiki!)を併記しておくとさらに確実です。英語版Wikipedia等の独自訳を、勝手に「公式英題」として使わないこと
  • ④英語版コミックを指すときは巻番号と出版社を添える。 Slam Dunk Vol. 21 (VIZ Media) のように書けば、日本語版のどの版とも混同されません。
  • ⑤英題を引用するときは、必ず出所を書く。 「東映公式YouTube版では」「Amazonの配信版では」と一言添えるだけで、その情報の寿命が何倍にも伸びます。

この5つは、スラムダンクに限らず、日本のアニメ・漫画を英語で語るときにそのまま使えます「正解を1つに決めようとしない」「代わりに出所を明示する」——これが、情報がバラバラな領域を扱うときの唯一まともな作法だと思っています。


英語タイトルを入り口に、スラムダンクを英語で味わう手順

英題の一覧を眺めていると、「実際に英語で観たり読んだりしてみたい」と思えてきます。ここでは、その具体的な手順をご案内します。

まずは英語音声・英語字幕にたどり着くための3ステップ

前提として、日本国内から通常の接続で配信サービスを開いても、英語音声・英語字幕の選択肢が出てこないことがほとんどです。配信サービスは接続元の国・地域によって、視聴できるカタログや音声・字幕のオプションが変わる仕組みになっているためです。実際、本記事の調査でも米国リージョンの作品ページは日本から開けませんでした。

この壁を越える方法が、VPN(Virtual Private Network)で英語圏のサーバーを経由してアクセスするというやり方です。手順は3ステップだけです。

  • NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続する
  • その状態で、いつも通りNetflixなどの配信サービスを開く
  • 英語圏向けのカタログが表示され、英語音声・英語字幕で視聴できるようになる

VPNサービスで英語圏のサーバーに接続すると、あたかも海外からアクセスしているかのように扱われ、その国向けの配信カタログ・音声オプションにアクセスできるようになります。NordVPNはVPNサービスの中でも利用者が多く、初めての方でも設定でつまずきにくいのが選ばれている理由です。VPN接続が、英語版アニメ視聴の前提条件になります。

そのうえで、スラムダンクには重要な注意点が2つあります。①TVアニメの英語吹き替えは、全101話ぶんが存在しません。歴史的に2系統の英語吹き替えが作られましたが、どちらも途中で終わっています。したがってTVアニメを英語で通しで観るなら、日本語音声+英語字幕が現実解です。②劇場版『THE FIRST SLAM DUNK』は、米国Netflixで英語吹き替え・英語字幕とも利用できます。英語音声でスラムダンクを浴びたいなら、最短ルートは劇場版ということになります。サービスごとの詳細は、前章でご案内した視聴方法の記事にまとめてあります。

英題を使った、筆者おすすめの学習ステップ

ここからが本題です。英語タイトルの一覧は、実は最高の学習ツールになります。

  1. 観る前に、その話の英題を見る。 上の一覧から次に観る話の英題だけを先に読み、「この日本語がこの英語になるのか」を1行だけ味わってから再生する。これだけで、その回の英語字幕への集中度がまるで変わります。
  2. 同じ1話を繰り返し観る。 配信アプリのダウンロード機能を使えば、通勤中でも音声を繰り返し聴けます。同じ1話を5回聴くほうが、5話を1回ずつ観るよりずっと定着します。これは私自身が長年やってきた方法です。
  3. 英題をそのまま検索語にして、英語の記事を読む。 Slam Dunk episode 45 のように検索すると、海外のファンが書いたレビューやまとめが出てきます。すでに内容を知っている話について英語を読むので、負荷が驚くほど低いのが利点です。
  4. 気になった英文をAIに投げる。Slam Dunk script」などで英語のセリフ一覧を探し、引っかかった一文をChatGPTなどのAIに「このセリフのニュアンスと文法を解説して」と質問する。辞書では分からない語感まで拾えるので、私はこの方法を長く使ってきました。
  5. 英語版コミックで同じ場面を読み返す。 漫画は自分のペースで止められるので、字幕より精読向きです。

「アニメで英語を学ぶ」という方法そのものの効果や始め方を体系的に知りたい方は、アニメ×英語学習は効果ある?もあわせてご覧ください。英語版コミックを教材にする具体的な手順は、前章でご案内した英語版漫画・勉強法の記事にまとめています。


まとめ|スラムダンクの英語タイトル早見まとめ

この記事では、スラムダンクの英語タイトルを、シリーズ名・劇場版5作・TVアニメ全101話・英語版コミック全31巻という4つの階層で整理しました。最後に要点を6つにまとめます。

  • シリーズ名は訳されていない。 本文表記は Slam Dunk、ロゴ表記は SLAM DUNK。日本語題がそのまま英語として通用する、稀有な作品です。
  • 『THE FIRST SLAM DUNK』の英題は日本語題と完全に同一。 北米配給はGKIDS、2023年7月28日公開。
  • 旧劇場版4作の英題は、東映アニメーション公式の英語版サイトにある。 SLAM DUNK 1SLAM DUNK 2 National TournamentSLAM DUNK 3 Crisis of Shohoku SchoolSLAM DUNK 4 Roar!! Basket Man Spirit の4本です。ただし英語圏の主要データベースはこれを採用しておらず、ローマ字題+通し番号でしか登録していません。英語版Wikipedia等が載せている英訳は出典のない独自訳なので、区別して扱ってください。
  • TVアニメ全101話の英題は、1つに定まっていない。 東映公式YouTube版と配信メタデータ版の2系統があり、一次確認できた22話のうち14話で食い違いました
  • 東映公式YouTubeの英語字幕版は、本記事執筆時点(2026年7月)ではすべて非公開。 2023年の「無料で全101話を英語字幕で観られる」という情報は、いまは有効ではありません。
  • 英語版コミック全31巻には巻サブタイトルがあり、28巻ぶんを日英対照で確認できた。 第13・18・20巻は確認できていません。

英題が割れているという事実は、英語学習者にとってむしろ好都合です。同じ日本語に対する2通りの英訳が並んでいるのですから、「なぜこの訳を選んだのか」を考える練習が、教材を買わずにできるということです。Certain Death DunkKiller Dunk のどちらが英語らしいかを自分で判定できるようになったとき、その判断力こそが英語力そのものだと私は思っています。

スラムダンクについては、スラムダンクは英語で?完全ガイドスラムダンクの英語名言・セリフスラムダンクを英語で見る方法スラムダンク キャラクター英語名一覧スラムダンク バスケットボール用語の英語一覧スラムダンク 英語版漫画・勉強法を公開しています。主題歌についてはスラムダンク 主題歌の英語(TVアニメ+劇場版)を公開しました。同じスポーツアニメでタイトルの扱いがまったく違うケースとして、ハイキュー 劇場版・シーズンの英語タイトルも読み比べていただくと面白いはずです。まずは次に観る1話の英題を先に読むところから、始めてみてください。

  • この記事を書いた人

YOSHI

アニメ・海外ドラマ・サッカーなどエンタメで楽しく英語学習中。留学経験はなし。大学時代に英語を始めて就職後は海外事業を担当。現在は独立してフリーランス。2児の父。TOEIC990。VERSANT76。

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