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【推しの子】

【推しの子】の英語名言・セリフ集|アイ・アクア・ルビー・かな・アカネの名台詞をYen Press公式英語版で確認して解説

「あのセリフ、英語版だとどう訳されてるんだろう」——【推しの子】([Oshi No Ko])を英語で追いかけていると、必ず一度は気になるところだと思います。結論からお伝えすると、この記事ではYen Press公式英語版のページで実際に確認できた英文7本を「確認済み」として、英語圏の作品Wikiに載っている英訳7本を「出典つきの参考」として、はっきり分けて紹介します。逆に、星野アイの「嘘」をめぐるあの有名なセリフは、公式訳を一次確認できなかったため、逐語引用はせず趣旨だけをお伝えします。

筆者は留学経験なしでTOEIC990点・VERSANT76点(80点満点中)を取得し、前職では海外事業を担当していました。単に英訳を並べるのではなく、なぜその単語なのか、その構文で何が表現されているのかまで踏み込みます。そして【推しの子】ならではの目玉が、芸能・アイドル業界の英語とSNS炎上まわりの英語が丸ごと学べること。バトル作品の造語と違い、ここで覚えた語彙はニュース英語や実務でそのまま使えます。

【ネタバレについて】この記事は名言を扱う都合上、物語の展開に触れる箇所があります。重大な展開に関わるセリフには、その都度「ネタバレ注意」と明記しますので、未見の方は読み飛ばしてください。

英語版の実際の演技を耳で確かめたい方へ先にお伝えすると、日本のアカウントで配信サービスを開いても英語音声はまず選べません。NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続してから、いつも通り配信サービスを開くと、英語音声・英語字幕つきの海外版カタログにアクセスできるようになります。 手順は記事後半で詳しく説明します。なお「【推しの子】×英語」の全体像(タイトル表記、「推し」の英語、キャラ名一覧など)は、ピラー記事【推しの子】は英語で?にまとめています。


まず結論:この記事が「引用してよい」と判断した英文の基準

名言記事でいちばん起きやすい事故は、出典不明の英訳を「公式の英語版ではこう言っている」と書いてしまうことです。最初にこの記事のルールをはっきりさせておきます。

【推しの子】の「英語版」は3種類あり、訳文は一致しない

一口に「英語版」と言っても、【推しの子】には少なくとも次の3つが存在します。

  • Yen Press刊行の英語版コミック(北米版。訳はTaylor Engel)
  • 配信の英語字幕(HIDIVE/Crunchyrollなど)
  • 英語吹き替え(口の動きに合わせる制約があるぶん、字幕とは別の訳になる)

同じ日本語のセリフでも、この3つで言い回しが違うのが普通です。だから「英語版ではこう言う」と一本化して書くこと自体に無理があります。実際、英語圏の名言まとめサイトを何本か読み比べると、同じセリフの英訳が3通りも4通りも出てきます。しかもそれらのサイトは、どれ一つとして出典を書いていません

逐語で紹介するのはYen Press公式で現物確認できたものだけ

そこでこの記事では、Yen Press公式サイトの各巻紹介ページに、Yen Press自身が掲げている英文だけを「公式確認済み」として逐語で紹介します。これはYen Pressが自社の英語版から抜き出して看板に掲げているものなので、英文としての出所は確実です。ただし公式ページには話者や登場場面が書かれていないため、「これは誰のセリフ」という断定はしません。巻数だけは、各巻ページで実際に確認できたものを記載しています。

それ以外は、英語圏の作品Wiki(Oshi no Ko Wiki/Fandom)に掲載されている英訳として出典を明示したうえで参考扱いにします。分からないことを分からないと書く——名言記事の信頼性は、結局そこに尽きると思っています。


Yen Press公式英語版で確認できた名言7選

ここからが本題です。以下はすべて、2026年7月時点でYen Press公式サイトの該当巻ページに掲げられている英文です。

“In show business, lies are a weapon.”(第5巻)

「ショービジネスでは、嘘は武器だ」。作品全体のテーマを一文で言い切った、【推しの子】でもっとも有名な英文でしょう。ポイントはshow businessという語で、日本語の「芸能界」に最も近い日常語です。会話では短縮形のshow bizもよく使われます。そしてlies are a weaponと、複数形の主語に単数のa weaponを受けているところ。「嘘の一つひとつが武器」ではなく、「嘘というもの=一個の武器」という括り方になっていて、抽象名詞を単数の比喩で受ける英語らしい言い方です。

“To me, acting is revenge.”(第7巻)

「私にとって、演技とは復讐だ」。中学英語レベルの単語しか使っていないのに、これ以上ないほど強い一文です。文頭のTo me(私にとっては)は、価値観を語るときの定番の切り出し方。In my opinionより短く、I thinkより断定的で、「他人はどうか知らないが自分にとっては」というニュアンスが出ます。英作文で意見を述べるとき、To me, 〜 から始めるだけで一気に自然になります。

“The actor who’s written off as lousy—If they start doing something completely epic out of nowhere, it’s dynamite.”(第6巻)

「下手だと切り捨てられている役者が、突然とんでもないことをやり出したら、それは爆発的な威力を持つ」という趣旨です。ここは語彙の宝庫で、write off(見限る、価値なしと切り捨てる/会計では「償却する」)、lousy(ひどい、下手な)、out of nowhere(どこからともなく、突然)、epic(とてつもない、最高の。ネットスラング寄りの誉め言葉)と、実用表現が4つも詰まっています。it's dynamiteは「破壊力抜群だ」という比喩。write offは "Don't write me off yet."(まだ見限らないでくれ)の形で覚えておくと、そのまま会話で使えます。

“The hearts and lives of those children get broken by this ever-moving industry.”(第11巻)

「この止まることのない業界が、あの子たちの心も人生も壊していく」。芸能界の残酷さを突いた一文です。文法的な見どころはget brokenというget受動態are brokenではなくget brokenを使うことで、「(じわじわと)壊されていく」という変化のプロセスが強調されます。もう一つがever-moving(絶えず動き続ける)というハイフン形容詞。ever-ever-growing(増え続ける)、ever-changing(変わり続ける)のように、名詞の前で「〜し続ける」を作れる便利な接頭要素です。

“How much of this was you? …No, how far back did you start pulling the strings?”(第10巻)

「これのどこまでがお前の仕業だ? いや、どこまで遡ってお前は糸を引いていた?」という趣旨。pull the strings「(陰で)糸を引く、裏で操る」という定番イディオムで、操り人形の糸が語源です。まさに【推しの子】的な表現ですね。How much of this was you?(これのどれだけがお前だったのか)という、be動詞ひとつで「お前の仕業か」を表す言い方も英語らしい省エネ表現です。

“Ruby, what does ‘lying’ mean to you?”(第12巻)/“I’m more convinced than anyone that Ruby can make it to the top.”(第13巻)

第12巻は「ルビー、君にとって『嘘をつく』とは何だ?」What does X mean to you?(あなたにとってXとは何ですか)は、インタビューでも面接でも使える万能の問いかけ型です。第13巻は「ルビーが頂点に立てると、誰よりも私が確信している」be convinced that 〜(〜だと確信している)はbelieveより一段強く、「証拠を見て納得した結果としての確信」というニュアンス。そしてmake it to the topmake itは「たどり着く/成功する」を表す超万能表現です。英語の名言は難しい単語より、こうした基本動詞のイディオムでできていることの方がずっと多い——それがよく分かる2文だと思います。


星野アイの「嘘」の名言を、あえて逐語引用しない理由

さて、多くの方が真っ先に探しているのは、星野アイが「嘘」について語るあの一言だと思います。結論から言うと、この記事では逐語の英文を掲げません。

趣旨は「嘘こそが最上級の愛」。ところが英訳は乱立している

このセリフは概ね「嘘こそが最上級の愛だ」という趣旨で英訳されています。ところが英語圏のまとめサイトを回ると、"Lies are the most exquisite form of love" 系、"Lies are the weapon of love" 系など、訳文が複数流通していて一致しません。そして先ほど書いたとおり、それらのサイトはどこも出典を明記していないため、どれがYen Press公式版で、どれが配信字幕で、どれがファン訳なのかを判別できません。今回の調査ではYen Press公式ページ上でこの一文を確認できなかったため、逐語引用は要確認として見送ります。

HIDIVEの英語字幕は、公開後に修正が入っている(実例)

「そんなに神経質にならなくても」と思われるかもしれませんが、実際に起きた例があります。字幕を検証しているメディアFansubbing.comは2023年4月、HIDIVE版第1話の英語字幕について、誤字や訳の詰めの甘さを具体例つきで指摘する記事を公開しました。同記事の注記によれば、指摘された箇所のいくつかはその後アナウンスなしに修正されています。つまり、配信の英語字幕は「いま画面に出ているものが決定版とは限らない」のです。名言を英語で引用するときに出典と時点を添えるべき理由が、ここにあります。

それでも英語として味わえるポイントはある

逐語を出せなくても、味わい方はあります。このセリフの英語的な面白さは、lie(嘘)とlove(愛)という、英語では正反対に置かれる2語を一文に同居させている点です。英語でlieは「相手を欺く不誠実な行為」という強い負の含みを持つ語で、日本語の「嘘」より当たりが強い。その語をloveの最上級表現とつなぐには、訳者は必ずどこかで一工夫しています。どんな形容詞と語順でこの矛盾を成立させているかに注目して読むと、翻訳という仕事の面白さが一気に見えてきます。


アクア・かな・アカネ・MEMちょたちのセリフを英語で読む

ここからは、英語圏の作品Wiki「Oshi no Ko Wiki」(Fandom)の各キャラクターページ冒頭に掲げられている英訳を、出典を明示したうえで紹介します。これらはファンが運営するWikiに掲載されている英訳で、Yen Press公式版の訳文と一致するかどうかは未確認です。逐語の「公式訳」としては扱わないでください。

アクア(Aqua Hoshino):a means to an end

Wikiに掲げられているのは “To me, being an actor is nothing more than a means to an end.”(役者であることは、目的のための手段にすぎない)です。a means to an end「目的達成のための手段」という定型表現で、meansはこの形で単複同形。「それ自体に価値はなく、あくまで手段」という冷めた含みがあり、アクアの立ち位置をよく表しています。nothing more than 〜(〜にすぎない)とセットで、「Xは〜にすぎない」と言い切るときの型としてそのまま使えます

有馬かな(Kana Arima):Nobody looks at me.

“Nobody looks at me. Not my mom. Not my manager. They couldn’t care less about me.”(誰も私を見てくれない。母も、マネージャーも。私のことなんてどうでもいいんだ)から始まる長い独白がWikiに掲載されています。注目はcouldn’t care lessという言い回し。直訳は「これ以上少なく気にかけることはできない」=「まったく気にしていない」という意味の定番イディオムです。アメリカ英語では could care less と言う人もいますが、論理的に正しいのは couldn’t care less の方なので、書き言葉ではこちらを使いましょう。続く Tell me it’s okay for me to be here.(ここにいていいと言って)の It’s okay for A to do(Aが〜してもいい)も、日常会話でそのまま使える基本構文です。

黒川アカネ(Akane Kurokawa):I will be on your side.

“No matter what happens, I will be on your side.”(何があっても、私はあなたの味方でいる)。no matter what happens(何が起ころうとも)は譲歩の定番で、whatever happensとほぼ同義。be on someone’s side(〜の味方である)は、take someone’s side(〜の肩を持つ)と並べて覚えておくと便利です。ここでのwillは単なる未来ではなく「意志のwill」で、「そうすると決めている」という宣言のニュアンスが乗ります。

MEMちょ(Mem-Cho):I couldn’t fess up!

“…So I pitched myself as ‘a high school kid (LOL).’ I got way more popular than I expected… and picked up tons and tons of subscribers! After that, I couldn’t fess up!”(「女子高生(笑)」って売り込んだら、思った以上にウケて登録者が爆増して……もう本当のことを言えなくなった)。ここは現代語彙の宝庫です。pitch oneself as 〜(自分を〜として売り込む)はビジネスでも使う言い方、subscribersは「チャンネル登録者」、way more 〜 than expectedwayは比較級を強める副詞で「はるかに」。そしてfess up「白状する、正直に打ち明ける」というカジュアルな句動詞(confessのくだけた形)です。

五反田泰志・斉藤壱護・斉藤ミヤコ

大人組の英文も味があります。映画監督・五反田は “Everyone’s got the right to dream. You can’t win the lottery unless you buy a ticket.”(誰にだって夢を見る権利はある。宝くじは買わなければ当たらない)。unless(〜しない限り)の使い方の見本のような一文です。事務所社長・斉藤壱護は “…everyone lies. … See, my Ai… is a professional liar!”(人は誰でも嘘をつく。……見ろ、うちのアイは、プロの嘘つきなんだ)。professional liarという矛盾した名詞の組み合わせが、この作品のテーマそのものです。斉藤ミヤコは “…miracles don’t happen twice.”(奇跡は二度は起こらない)と、現在形で語られる「一般的な真理」の英語らしい言い方を見せてくれます。

ちなみに斉藤壱護=Ichigo Saitou、斉藤ミヤコ=Miyako Saitou、五反田泰志=Taishi Gotandaというように、大人組の英語表記もローマ字がそのまま使われます。苺プロダクションや劇団ララライまで含めた約40名分の英語名は、【推しの子】キャラクター英語名一覧に陣営別でまとめてあります。


【目玉①】名言と公式あらすじで学ぶ「芸能・アイドル業界の英語」

【推しの子】が英語教材として本当に強いのは、実はセリフ以上に周辺の語彙です。しかもYen Press公式サイトの各巻あらすじは、無料で読める公式の英語散文という最高の教材になっています。

Yen Press公式あらすじで確認できる業界英語12選

以下はすべて、Yen Press公式の巻あらすじで実際に使われている表現です。

  • the entertainment industry(芸能界)/the glitz and glamour of 〜(〜のきらびやかさ)
  • rising star(売り出し中のスター)
  • stand in the spotlight(表舞台に立つ)
  • work behind the scenes(裏方で働く)
  • dating reality show(恋愛リアリティショー)
  • be in it for the exposure(露出目当てで参加している)
  • not all publicity is good publicity(話題になればいいというものではない)
  • be edited for maximum drama(過剰に盛られた編集をされる)
  • leave someone’s reputation on the cutting room floor(編集でイメージを台無しにする)
  • land an acting gig(役の仕事を勝ち取る)
  • carry the film’s leading role(映画の主演を務める)
  • get one’s act together(態勢を立て直す、しっかりする)

on the cutting room floor(編集で切り落とされて)のような比喩は、辞書を引いても出てこないのに英語ニュースでは普通に出てきます。これを無料で、しかも公式の英語で読めるのは大きな利点です。

「表舞台」と「裏方」を対で覚える

特に使い勝手がいいのがstand in the spotlightwork behind the scenesの対比です。この2つは【推しの子】の双子の生き方そのものですが、ビジネスでもそのまま使えます。She prefers to work behind the scenes.(彼女は裏方仕事を好む)、He finally stood in the spotlight.(彼はついに脚光を浴びた)のように、人の役割を一言で説明するのに便利。behind the scenesは名詞的にa behind-the-scenes look(舞台裏を覗く企画)としても使えます。

revenge / vengeance / retribution の使い分け

【推しの子】を英語で追うと必ずぶつかるのが「復讐」の3語です。revengeが最も一般的で「個人的な仕返し」、vengeanceは激情や情念を伴う文語的な「復讐」(flames of vengeance=復讐の炎、という言い方が公式あらすじにも登場します)、retributionは「因果応報としての報い」で、宗教的・司法的な含みがあります。同じ「復讐」でも温度と視点が違うので、この3語を区別できると英語の表現力が一段上がります。


【目玉②】SNS炎上・ネット世論の英語を【推しの子】で覚える

もう一つの目玉がこちらです。【推しの子】は炎上・エゴサ・スキャンダルが物語の駆動装置になっているため、現代のネット英語をまとめて学べる稀有な作品になっています。

「炎上」は英語で? flaming / online backlash / get flamed

日本語の「炎上」に一対一で対応する英単語はありませんが、Yen Press公式のあらすじには実例が2種類あります。一つはflaming——ある巻の紹介文では、ルビーの企画が triggered some serious flaming(かなりの炎上を引き起こした)と表現されています。もう一つがonline backlash(ネット上の反発・バックラッシュ)で、同じ巻の別バージョンの紹介文で使われています。なお、同じ巻でページ本文とメタ情報とで英文が違っていました。公式の宣伝コピーですら改稿されるという良い実例なので、「英語版の文言は固定ではない」と覚えておいてください。

実務的には、backlash(反発)/get flamed(叩かれる)/go viral for the wrong reasons(悪い意味で拡散される)/cancel culture(キャンセルカルチャー)あたりを押さえておけば、たいていの「炎上」は説明できます。

エゴサは egosurfing、バズるは buzz

英語版アニメの各話タイトルも語彙の宝庫です。英語版Wikipediaのエピソード一覧で確認すると、第1期には “Egosurfing”(エゴサーフィン=自分の名前を検索すること)、“Buzz”(話題、バズ)という回があり、以降のシーズンにも “Down Bad”(すっかり夢中/ぞっこん、という近年のネットスラング)、“Blind”“Idols and Relationships”“Greed and Passion” といったタイトルが並びます。「エゴサする」は egosurf / ego-search、「バズる」は go viral または blow up が自然です。Her post blew up overnight.(彼女の投稿が一晩でバズった)のように使います。

スキャンダル対応の英語:paparazzi / publicity / damage control

芸能スキャンダルまわりの語彙も、公式あらすじから拾えます。paparazzi photos(パパラッチ写真。単数形はpaparazzo)、publicity(世間の注目・宣伝効果)、destroy someone’s career(キャリアを潰す)、swing the controversy in one’s favor(論争を自分に有利に転じる)。これらに、実務でよく使うdamage control(火消し・事態の収拾)とPR crisis(広報危機)を足せば、英語ニュースの芸能・企業スキャンダル記事はかなり読めるようになります


名言から学ぶ英文法・語彙のポイント3つ

ここまでの英文から、特に応用が利く3つを取り出して整理します。

nothing more than 〜(〜にすぎない)

アクアの nothing more than a means to an end に出てきた形です。nothing more than 〜は「〜以上の何物でもない=〜にすぎない」と、対象を冷静に格下げする言い方。It's nothing more than a rumor.(ただの噂にすぎない)のように使えます。逆に持ち上げたいときはnothing less than 〜(まさに〜そのものだ)。moreとlessで意味が正反対になるので、セットで覚えると忘れません。

make it to the top(make it の守備範囲)

第13巻の make it to the topmake itは、英語学習者が意外と使いこなせていない表現です。基本の意味は「(なんとか)たどり着く/間に合う/うまくやり遂げる」。I can't make it tonight.(今夜は行けない)、He made it as an actor.(役者として成功した)、We made it!(やったぞ)と、文脈次第で「到着」「成功」「達成」を全部カバーします。make it to 〜の形なら「〜まで到達する」。make it to the finals(決勝に進む)のように応用できます。

無生物主語+get受動態で「業界が壊す」を表す

第11巻の The hearts and lives of those children get broken by this ever-moving industry. は、無生物(industry)を加害者として立てる英語らしい構文です。日本語なら「業界のせいで子どもたちが壊れていく」と受け身寄りに言うところを、英語はby this industryと行為者を明示します。get + 過去分詞にすることで、「一瞬で壊された」ではなく「壊れていく過程」が出るのもポイント。get hired(採用される)、get fired(クビになる)、get promoted(昇進する)など、getの受動態はビジネス英語で本当によく出てきます。


英語版【推しの子】に自分で当たる方法

ここまで紹介した英文を「自分の目と耳で確かめたい」と思ったら、ルートは2つあります。

英語版コミックはYen Press(訳はTaylor Engel)

北米での英語版コミックの出版元はYen Pressで、翻訳はTaylor Engel、レタリングはAbigail Blackmanが担当しています。本記事執筆時点(2026年7月)で英語版は第13巻まで刊行済み(第13巻は2026年4月28日発売)。第14巻はYen Press公式に商品ページがありますが、Release Dateは2026年11月24日で、本記事執筆時点ではまだ発売前です。全巻を通して訳者が同じなので、訳語や言い回しのクセが一貫していて、読み進めるほど楽になるのが学習教材としての利点です。まず無料で文体を確かめたいなら、Yen Press公式サイトの各巻紹介ページを読むだけでも十分に勉強になります。

アニメの英語音声・英語字幕はHIDIVE/Crunchyroll

アニメの英語吹き替えはHIDIVEが初出で、Crunchyrollでも英語音声トラック・英語字幕つきで視聴できます。配信状況は地域・時期によって変わります。上記は2026年7月時点で確認した内容ですので、契約前に必ず各サービスの公式サイトで最新の取り扱いをご確認ください。

VPNで英語圏サーバーに接続する3ステップ

ただし、日本から通常の接続で開いても英語音声は選べないことがほとんどです。配信サービスは接続元の国によって出すカタログと音声・字幕オプションを変えているためです。そこで必要になるのがVPNで、手順は3ステップだけ。

  • NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続する
  • その状態で、いつも通り配信サービスを開く
  • 英語圏向けカタログが表示され、英語音声・英語字幕で視聴できるようになる

VPNで英語圏サーバーに接続すると、海外からアクセスしているものとして扱われ、その国向けのカタログと音声オプションが開きます。 逆に言えば、VPN接続が英語版視聴の前提条件です。NordVPNはVPNサービスの中でも定番で、初めての方にも選ばれやすいサービスです。この記事で紹介した英文が実際にどう発音され、どんな感情で演じられているのか——ぜひ1話だけでも耳で確かめてみてください。

なお、アニメで英語を学ぶという方法そのものの効果や始め方は、アニメ×英語学習の全体像をまとめた記事にまとめています。また、筆者が長年続けているのが、気になった英文だけをコピーしてAIに「このセリフのニュアンスと文法を解説して」と投げるという学習法と、配信アプリのダウンロード機能で同じ話を通勤中に繰り返し聴く方法です。すでに内容を知っている話なら、意味を追う負荷がゼロになり、英語の音だけに集中できます。


まとめ|出典を分けて読むと、名言はもっと面白い

この記事では、【推しの子】の名言・セリフを英語で読むために、次の3つを軸に整理しました。

  • Yen Press公式で確認できた英文7本を逐語で紹介In show business, lies are a weapon. / To me, acting is revenge. / The hearts and lives of those children get broken by this ever-moving industry. など、巻数まで実地確認できたものだけを掲載しました。
  • 英語圏の作品Wiki掲載の英訳7本は出典を明示して参考扱い:アクア・かな・アカネ・MEMちょ・五反田・壱護・ミヤコのセリフは、Fandom掲載訳であることを明記しています。
  • 芸能界とSNS炎上の英語という現代語彙work behind the scenes / not all publicity is good publicity / online backlash / egosurfing / paparazzi など、ニュース英語にそのまま使える語彙を、公式の英語散文から拾いました。

一方で、星野アイの「嘘」をめぐる有名なセリフは、公式訳を一次確認できなかったため逐語引用を見送り、趣旨のみをお伝えしました(要確認)。また、Fandom掲載の英訳がYen Press公式版と一致するかも未確認です。分からないことを分からないと書く誠実さこそ、名言まとめ記事でいちばん大事な部分だと考えています。

もっと深く【推しの子】×英語を掘りたい方は、タイトル表記や「推し」の英語表現、キャラクター名までまとめた【推しの子】は英語で?完全ガイドへどうぞ。また、この記事で拾った online backlashegosurfing のような語が気になった方には、炎上=Up in Flames、エゴサ=Egosearch/Egosurfing のように章タイトルの公式英訳を100語超そろえた【推しの子】芸能・SNS用語の英語一覧がそのまま続きの教材になります。他作品の名言記事もご用意していますので、チェンソーマンの英語名言集SPY×FAMILYの英語名言集とも読み比べてみてください。同じ「名言の英訳」でも、作品によって翻訳のアプローチがまったく違うことが見えてきて、これがなかなか面白いんです。まずは推しキャラの一言から、英語で味わってみてください。

  • この記事を書いた人

YOSHI

アニメ・海外ドラマ・サッカーなどエンタメで楽しく英語学習中。留学経験はなし。大学時代に英語を始めて就職後は海外事業を担当。現在は独立してフリーランス。2児の父。TOEIC990。VERSANT76。

-【推しの子】

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