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ジョジョの奇妙な冒険

ジョジョの奇妙な冒険は英語で何という?JoJo's Bizarre Adventureの意味・第1部〜第9部の英題・スタンド名の改名・擬音・視聴方法まで完全ガイド

ジョジョの奇妙な冒険は英語でJoJo's Bizarre Adventure|第1部〜第9部の公式英題とスタンド名の改名を解説

「ジョジョの奇妙な冒険って、英語だと何ていうんだろう?」——結論からお伝えすると、公式の英語タイトルは JoJo's Bizarre Adventure です。そして、ジョジョにはほかの作品にはない特殊な事情がふたつあります。ひとつは、第1部から第9部までのすべてに公式の英題があり、しかもその英題が「権利元の英語サイト」と「英語版コミックスを出しているVIZ Media」とで微妙に食い違っていること。もうひとつは、スタンド名の多くが英語版で別の名前に改名されていることです。クレイジー・Dは英語版で Shining Diamond、パープル・ヘイズは Purple Smoke。これは噂ではなく、VIZが実際に販売しているスピンオフ作品の商品名で確認できる事実です。このページでは、①英題 JoJo's Bizarre Adventure の意味と発音、②第1部〜第9部の公式英題(本記事の目玉)、③アニメの「シーズン番号」と原作の「部」がズレている問題、④スタンド名が改名される理由と対応表、⑤英題から学べる英文法、⑥擬音「ゴゴゴゴ」の扱い、⑦キャラクター名の英語表記、⑧配信状況と英語版コミックスの読み方、⑨具体的な学習法までを1本にまとめてご案内します。私は留学経験がないままアニメ・海外ドラマ・サッカー観戦で英語を身につけ、TOEIC990点・VERSANT76点(80点満点中)を取得し、元海外事業担当として実務でも英語を使ってきました。好きな作品なら「勉強している」という感覚がほとんどなく、話の展開を知っているぶん英語そのものに集中できます。ジョジョは、そのための教材として本当に優秀です。なお、視聴方法についてうれしいニュースがあります。本記事執筆時点(2026年7月)で、ジョジョは日本のNetflixアカウントのまま英語音声・英語字幕を選べます(実際に日本リージョンの作品ページで確認しました)。ただし、Crunchyrollや米国Huluなど日本からは使えないサービスの英語版ラインナップを観たい場合には、NordVPNのようなVPNで英語圏のサーバーに接続する一手間が必要になります。この線引きは記事後半で詳しく解説しますので、視聴環境の話だけ先に知りたい方はジョジョを英語で見る方法もあわせてご覧ください。


「ジョジョの奇妙な冒険」は英語で何という?公式英題は JoJo's Bizarre Adventure

結論から言うと、『ジョジョの奇妙な冒険』の公式英題は JoJo's Bizarre Adventure。JoJo のあとにアポストロフィとsが付き、「ジョジョの」という所有格になります。ここを間違えている解説や商品説明が少なくないので、まずは根拠から丁寧に確認していきましょう。

公式英題は JoJo's Bizarre Adventure。権利元の英語サイトとVIZで確認した

英題を調べるとき、私がいちばん信頼しているのは権利元自身が運営している英語サイトです。ジョジョにはまさにそれがあります。「JOJO'S BIZARRE ADVENTURE Portal site」という公式ポータルサイトには英語版のページが用意されていて、フッターには「©Hirohiko Araki & LUCKY LAND COMMUNICATIONS/Shueisha」というクレジットが入っています。つまり荒木飛呂彦先生の版権管理会社と集英社が、自ら JoJo's Bizarre Adventure という英語表記を使っているわけです。

もうひとつの決定的な根拠が、英語版コミックスを出版しているVIZ Mediaの公式作品ページです。こちらもタイトルは JoJo's Bizarre Adventure。作品紹介文は「A multigenerational tale of the heroic Joestar family and their never-ending battle against evil!(何世代にもわたるジョースター家の物語と、悪との終わりなき戦い!)」となっています。しかも公式ポータルのCOMICSページは、英語版を読みたい人の遷移先としてVIZ Mediaのページだけを案内しています。英語版コミックスの版元がVIZであることは、これで確定です。

さらに動画配信でも、Netflixの作品名は JoJo's Bizarre Adventure です。権利元・出版社・配信サービスの3つが一致しているので、これは疑いようがありません。

bizarre の意味|strange・weird・odd との使い分け

英語学習の観点でいちばん面白いのが、この bizarre という単語です。「奇妙な」と訳される英単語はいくつもありますが、bizarre はその中でもかなり強い部類に入ります。

単語ニュアンス使う場面の例
strange「変だな」と感じる。主観的で、いちばん一般的見慣れないもの全般
odd「ちょっと妙だ」。控えめで、少し古風な響き予想と合わない事実
weird「気味が悪い」「ヘンだ」。くだけた口語友達との会話
bizarre「常識の範囲を超えて異様だ」。かなり強い常軌を逸した出来事
eerie「不気味だ」。恐怖寄り静かで薄気味悪い場面

Cambridge Dictionary は bizarre を「very strange and unusual(非常に奇妙で、普通ではない)」と定義しています。strange が「私には変に見える」という主観寄りの語なのに対し、bizarre は「誰が見ても常軌を逸している」という客観寄りの強さを持っているのがポイントです。

石仮面をかぶって吸血鬼になる、幽波紋という不思議なビジョンが実体化して戦う、時間が止まる——これらは「ちょっと変」どころではありません。「奇妙な」を strange ではなく bizarre で訳したのは、原作の異常さの度合いにきちんと見合った選択だったと言えます。英作文で「変わっている」と書きたくなったとき、strange と bizarre のどちらを選ぶかで文章の温度がまるで変わる。この感覚はぜひ覚えて帰ってください。

bizarre はフランス語・イタリア語由来。第5部の伊語表記とつながる

bizarre はもともと英語の単語ではありません。フランス語の bizarre から英語に入り、さらにさかのぼるとイタリア語の bizzarro(風変わりな)にたどり着くとされています。英語の中では今も少し「よそ行き」の響きを残していて、日常会話よりは書き言葉やニュース、レビューでよく見かける単語です。

ここでジョジョファンなら「おや」と思うはずです。第5部『黄金の風』は舞台がイタリアで、日本国内でもイタリア語の表記が使われてきたからです。ファンのあいだで広く知られているその表記は LE BIZZARRE AVVENTURE DI GIOGIObizarre がイタリア語では bizzarre、adventure が avventure、そして JoJo がイタリア語風に GioGio になっているわけです。

英語の bizarre とイタリア語の bizzarre。zの数が違うだけで、ほとんど同じ形をしていますよね。英単語の3割前後はフランス語経由でラテン系の語彙が入ってきたもので、bizarre はその代表例のひとつです。こうやって「見た目が似ている単語は、たいてい親戚である」と気づけるようになると、英語の語彙を丸暗記しなくてよくなります。

なお、LE BIZZARRE AVVENTURE DI GIOGIO はあくまで日本国内の商品で使われてきた表記として知られているもので、英語圏に向けた公式英題は一貫して JoJo's Bizarre Adventure です。海外の商品を検索するときは英語表記のほうを使ってください。

発音の注意|アクセントは第2音節

カタカナで「ビザール」と書かれることが多いせいで、日本人が最も間違えやすいのが bizarre のアクセントです。

  • 正しい発音記号は /bɪˈzɑːr/(アメリカ英語)
  • アクセントは第2音節。「ビザール」ではなく「ビザーァ」に近く、後ろを強く長く読みます
  • 最初の bi- は弱く、ほとんど「ビ」と「バ」の中間くらいに潰れます

つまり JoJo's Bizarre Adventure を口に出すと、「ジョウジョウズ・ビザーア・アドヴェンチャー」という感じで、強く読む場所が2か所(bizarre の後半と adventure の真ん中)にあります。英語は強弱のリズムでできている言語なので、ここを外すと通じにくくなります。

アクセントを間違えて覚えている単語は、リスニングでも聞き取れません。自分が発音できない音は聞き取れない、というのはリスニング学習の鉄則です。作品タイトルは何百回も口にする言葉ですから、ここで正しい形を入れておくと後がラクになります。

「JoJo」の綴り|JOJO / JoJo / Jojo のどれが正しいのか

意外と迷うのが JoJo の大文字・小文字です。ネット上では JOJO・JoJo・Jojo の3種類が入り乱れています。

  • JoJo(JとJが大文字、oが小文字)……権利元の英語ポータル、VIZ、Netflixがそろって使っている表記
  • JOJO(全部大文字)……ロゴやグッズなど、デザイン上の総大文字表記として使われる
  • Jojo(2つ目のjが小文字)……英語圏でもたまに見かけますが、公式には使われていません

つまり文章の中で書くなら JoJo が正解です。なぜ真ん中のJが大文字なのかというと、これが「ジョナサン」と「ジョースター」というふたつの単語の頭文字を並べた愛称だからです。公式ポータルにも「『ジョ』ナサン・『ジョ』ースターと、頭の音をとると"ジョジョ"になる」と説明されています。ふたつの語をくっつけた合成語では、それぞれの頭文字を大文字にする書き方が英語では一般的(例:YouTubePowerPointiPhone)。JoJo もその流儀に沿っているわけですね。

【比較軸】意訳型・ローマ字型・そのまま型──ジョジョはどれか

日本のアニメ・漫画タイトルの英語表記は、大きく3つのパターンに分かれます。

ジョジョは、このうち①の直訳・意訳型にきれいに当てはまります。「奇妙な」を bizarre、「冒険」を adventure と置き換えた、ほぼ逐語訳です。ただしジョジョが独特なのは、作品全体の英題が素直な直訳なのに、各部の副題になると急に「直訳」「意訳」「もともと英語」「イタリア語」が入り乱れる点です。次のセクションで、その全9部を一気に見ていきましょう。


【保存版】第1部〜第9部の英語タイトル一覧|日本語副題との対応

ここからが本記事の中心です。ジョジョは第1部から第9部まで、それぞれに副題があります。そしてそのすべてに公式の英語表記が存在します。以下の表は、権利元の公式ポータルサイトの日本語版と英語版を突き合わせて作成しました。「英語版Wikipediaにこう書いてあった」という話ではなく、権利元自身がどう書いているかを基準にしています。

全9部 英題早見表【9部】

日本語副題権利元の英語表記英題のタイプ
第1部ファントムブラッドJoJo's Bizarre Adventure Phantom Bloodもともと英語
第2部戦闘潮流JoJo's Bizarre Adventure Battle Tendency意訳
第3部スターダストクルセイダースJoJo's Bizarre Adventure Stardust Crusadersもともと英語
第4部ダイヤモンドは砕けないJoJo's Bizarre Adventure Diamond is Unbreakable意訳
第5部黄金の風JoJo's Bizarre Adventure Golden Wind直訳
第6部ストーンオーシャンJoJo's Bizarre Adventure Stone Oceanもともと英語
第7部STEEL BALL RUNSTEEL BALL RUN JoJo's Bizarre Adventureもともと英語・語順が逆
第8部ジョジョリオンJOJOLIONもともと英語(造語)
第9部The JOJOLandsThe JOJOLandsもともと英語(造語)

9部のうち5部は「日本語題がもともとカタカナ英語」なので、翻訳の余地がそもそもありません。英語に訳す必要があったのは第2部・第4部・第5部の3つだけ。ここに翻訳者の判断が凝縮されています。

なお、英語版コミックスを出しているVIZ Mediaは、少し違う書き方をしています。VIZは JoJo's Bizarre Adventure: Part 4--Diamond Is Unbreakable のように「Part(番号)」を入れ、ハイフン2つでつなぐ形式です。どちらも公式なので、検索するときは両方の形を試してみてください。

第1部 Phantom Blood|phantom は「幻・亡霊」

第1部の副題「ファントムブラッド」は、そのまま Phantom Blood です。日本語題がすでに英語なので訳す必要がなかったパターンですね。

phantom は「幻」「幽霊」「亡霊」を意味する名詞です。ghost(幽霊)よりも「実体がない」「まぼろし」というニュアンスが強く、目に見えているのに掴めないもの、あるいは実在しないのに存在するかのように感じられるものを指します。医学用語の「幻肢痛(phantom limb pain)」——失った手足がまだあるように痛む現象——にも使われる単語です。

Phantom Blood を直訳すれば「幻の血」「亡霊の血」。ジョナサンとディオという、血のつながりのないふたりが「兄弟」として同じ家で育ち、その因縁が100年以上続いていくという物語の骨格を、たった2語で言い当てています。形容詞のように名詞を前に置く(phantom + blood)のは英語のタイトルでよく使われる手法で、短く強い印象を作れます。

ちなみに phantom は形容詞的に「実体のない」という意味でも使われ、a phantom company(実体のないペーパーカンパニー)のような表現もあります。ビジネス英語でも出てくる単語です。

第2部 Battle Tendency|tendency をどう捉えるか

第2部「戦闘潮流」の英題は Battle Tendencyここは日本語から英語への「訳」が入っている数少ない部です。

tendency は「傾向」「性向」「しがちなこと」を意味する名詞。動詞 tend(〜する傾向がある)から派生しています。

  • He has a tendency to talk too much.(彼は喋りすぎる傾向がある)
  • a tendency toward violence(暴力に走りやすい性向)

日本語の「潮流」は、本来なら current(流れ)や tide(潮)と訳したくなるところです。それを tendency にしたのは、「戦いという大きな流れ」ではなく「戦いへと向かっていく性質・傾向」という内面寄りの意味を選んだからだと読めます。

英語学習としては、tendency to dotendency toward + 名詞 の2つの型を覚えておくと使えます。TOEICでも頻出の語です。「〜する傾向がある」を英語で言おうとして There is a tendency that... と書いてしまう人が多いのですが、これは不自然。tendency のあとは to不定詞か toward + 名詞が基本形です。

第3部 Stardust Crusaders|crusader という重い単語

第3部「スターダストクルセイダース」は、日本語題がすでに英語なので Stardust Crusaders そのままです。ただしこの crusader という単語、英語圏ではかなり重いので解説しておきます。

Crusade は歴史用語の「十字軍」。11世紀から13世紀にかけて、キリスト教勢力が聖地エルサレムの奪還を掲げて行った遠征のことです。crusader はその「十字軍の兵士」を指します。

そこから転じて、現代英語では「(悪と戦う)改革運動」「信念に基づく闘い」という比喩でも使われます。

  • a crusade against corruption(汚職撲滅運動)
  • He is a crusader for human rights.(彼は人権擁護の闘士だ)

承太郎たちが、エジプトにいるDIOを倒すために日本から中東へ旅していく物語に Crusaders という語を当てたのは、地理的にも意味的にも見事です。「聖地に向かって進む一団」という十字軍のイメージが、そのまま作品の構造と重なります。

ただし注意点もあります。crusade は歴史的な背景から、宗教的・政治的にセンシティブな語でもあります。ビジネスの場で軽々しく「これは我々のcrusadeだ」と言うのは避けたほうが無難です。こういう「意味は分かるが、使うと危ない単語」を知っておくのも、英語力の一部だと私は考えています。

第4部 Diamond Is Unbreakable|isIs が公式内で割れている

さて、ここが本記事でいちばん細かい話です。第4部「ダイヤモンドは砕けない」の英題は Diamond Is Unbreakable。ところが——この is を大文字で書くか小文字で書くかが、公式の中で割れています。

出典表記
権利元の英語ポータルサイトDiamond is Unbreakable
VIZ Mediaの英語版コミックスPart 4--Diamond Is Unbreakable
Netflix(日本リージョン)のシーズン名Diamond Is Unbreakable

どちらかが間違いというわけではありません。これは英語の「タイトルケース(title case)」という書式のルールに関わる問題です。

英語のタイトルでは、原則としてすべての単語の先頭を大文字にします。ただし例外があって、短い前置詞(in, on, at)・冠詞(a, an, the)・等位接続詞(and, but, or)は小文字のままにするのが一般的な作法です。問題は「be動詞の is をどうするか」。

多くのスタイルガイド(シカゴ・マニュアルなど)では、is は動詞なので大文字にすべきとされています。「短い単語だから小文字」と勘違いされやすいのですが、is は前置詞でも冠詞でもなく、れっきとした動詞です。この観点でいえば、VIZやNetflixの Is のほうが英語の作法に忠実、ということになります。

一方で、権利元のポータルサイトが is と書いているのも事実。ですから記事や商品説明でどちらを使っても「間違い」ではありません。検索するときは両方試す、というのが実用的な結論です。

こういう細部にこだわるのは、単なる重箱の隅つつきではありません。英語のタイトルケースを知っていると、海外のニュース見出しや論文タイトル、プレゼン資料の作り方まで一段レベルが上がります。実務でいちばん効く知識のひとつです。

【要注意】「Diamond is not Crash」は英語として成立しない

第4部の英題については、もうひとつ有名な話があります。日本語版Wikipediaなどによれば、かつて文庫版に印刷されていた英語表記は Diamond is not Crash だったとされています。のちにゲーム・画集・アニメ・実写などでは Diamond is Unbreakable に統一されました。

この Diamond is not Crash は、英語として2か所おかしいです。

①crash に「砕ける」という意味はない

  • crash = (車などが)衝突する、(飛行機が)墜落する、(システムが)落ちる
  • 「砕ける」に近いのは shatter(粉々に砕ける)や break(壊れる)
  • ダイヤモンドが割れないことを言いたいなら、crash はまったく別の単語です

is not のあとに動詞の原形は置けない

  • is はbe動詞。そのあとに来るのは名詞か形容詞です
  • Diamond is not Crash は「ダイヤモンドは衝突ではない」と読むしかなく、意味が通りません

正しく言うなら Diamond Is Unbreakableunbreakableun-(否定)+ break(壊す)+ -able(〜できる)で「壊すことができない」という、非常にきれいな組み立ての形容詞です。

私はこの一件を、ジョジョ英語のいちばん重要な教訓だと思っています。日本側で付けられた英語表記と、英語圏に向けた公式英題は、別物になりうる。だからこそ、英語圏の商品を探すときは「日本のグッズに書いてある英語」ではなく「VIZや権利元の英語サイトが使っている英題」を基準にすべきなのです。

※なお Diamond is not Crash の件は、集英社の商品ページ上で直接は確認できませんでした。日本語版Wikipedia等で紹介されている情報として扱ってください。

第5部 Golden Wind と Vento Aureo の関係

第5部「黄金の風」の英題は Golden Wind素直な直訳です。権利元の英語ポータルもVIZも、そしてアニメの配信タイトルもすべて Golden Wind で統一されています。

一方、日本のファンのあいだでは Vento Aureo(ヴェント・アウレオ)という表記もよく知られています。これはイタリア語で「黄金の風」。第5部の舞台がイタリアであることにちなんで、日本国内向けの表記に使われてきたものです。前述の LE BIZZARRE AVVENTURE DI GIOGIO Parte5 VENTO AUREO という長い表記の一部ですね。

つまり第5部には「英語圏に向けた公式英題(Golden Wind)」と「日本国内で親しまれてきたイタリア語表記(Vento Aureo)」の2つがあるということです。海外のファンと話すときや英語版の商品を探すときは、必ず Golden Wind を使ってくださいVento Aureo で検索してもヒットしないわけではありませんが、公式のラインナップにはたどり着きにくくなります。

ちなみに goldengold の違いも押さえておきましょう。

  • gold = 名詞の「金」。a gold ring(金の指輪=素材が金)
  • golden = 形容詞の「金色の」「黄金のような」。golden hair(金色の髪)、a golden opportunity(絶好の機会)

Golden Wind は「金でできた風」ではなく「黄金色に輝く風」。比喩として使うときは golden、というのが基本ルールです。

第6部 Stone Ocean|名詞+名詞の比喩

第6部「ストーンオーシャン」は Stone Ocean そのまま。VIZの英語版コミックスも Part 6--Stone Ocean で、Netflixのシーズン名は STONE OCEAN と総大文字で表示されています。

stone + ocean(名詞+名詞)という組み立ては、英語では「石でできた海」とも「石の海のようなもの」とも読める、余白の広い表現です。舞台となる刑務所の閉塞感と、フロリダの海という設定が両方かかっているように読めます。

英語では名詞をふたつ並べて、前の名詞を形容詞のように使うのがごく普通です。

  • a stone wall(石の壁)
  • a glass door(ガラスのドア)
  • a paper bag(紙袋)

日本人が英作文でつい a wall of stone と書きたくなるところを、英語ネイティブは a stone wall と短く言います。この「名詞を前に置く」感覚が身につくと、英語が一気に自然になります。Phantom BloodStone OceanBattle Tendency はどれもこの型です。ジョジョの副題は、この構文の練習帳みたいなものだと思ってください。

第7部 Steel Ball Run|この部だけ語順が違う

第7部は日本語題からしてすでに STEEL BALL RUN という英語です。ところが——この部だけ、公式の英語表記の語順が他と違います。

  • 他の部:JoJo's Bizarre Adventure + 副題(例:JoJo's Bizarre Adventure Golden Wind)
  • 第7部:STEEL BALL RUN + JoJo's Bizarre Adventure

権利元の英語ポータルの各部紹介ページも、Netflixの作品名も、どちらも STEEL BALL RUN JoJo's Bizarre Adventure という順序です。第7部が独立した新シリーズとして企画された経緯を考えると、「作品名が先、シリーズ名が後」という並びには納得感があります。

ただしVIZの英語版コミックスは JoJo's Bizarre Adventure: Part 7--Steel Ball Run という他の部と同じ形式なので、ここでも公式内で表記が割れています。アニメを探すなら STEEL BALL RUN JoJo's Bizarre Adventure、コミックスを探すなら JoJo's Bizarre Adventure Part 7 Steel Ball Run。使い分けると検索がスムーズです。

単語としての run にも触れておきましょう。run は動詞の「走る」が有名ですが、ここでは名詞で「(一定区間を走る)レース」「行程」の意味です。a long run(長距離走)、a trial run(試運転)のように使います。Steel Ball Run は「鉄球のレース」。動詞のイメージしかないと読み違えるので、英語では同じ綴りが名詞にも動詞にもなるという感覚を持っておくと安全です。

第8部 JOJOLION・第9部 The JOJOLands|日本語題がもともと英語

第8部「ジョジョリオン」の公式英語表記は JOJOLION。第9部「The JOJOLands」は日本語題の時点ですでに The JOJOLands です。どちらも荒木先生による造語なので、訳しようがありません。

JOJOLION は JoJo に何かをくっつけた造語で、公式には由来の説明が出ていません(英語圏のファンのあいだでは、フランス語の「-ion」やイタリア語との関連など諸説ありますが、いずれも推測です)。私は「意味を追わずに固有名詞として丸ごと覚える」のが正解だと思っています。

The JOJOLands のほうは、JoJo + lands(土地・国々)と読めます。舞台がハワイであることを考えると、「ジョジョの土地」あるいは「ジョジョ的な世界」といったニュアンスでしょうか。ここでも公式の説明はないので断定は避けます。

英語学習として押さえておきたいのは、land の複数形 lands の使い方です。

  • land(不可算)= 土地、陸地。a piece of land(一区画の土地)
  • lands(複数)= (文学的に)国々、領地。distant lands(遠い国々)

複数形の lands は日常会話ではあまり使わず、物語や詩の中で「遠い異国」を指す文学的な響きを持ちます。作品タイトルとしては非常に効果的な選択です。

スピンオフの英題|露伴シリーズは媒体で姓名の順が違う

最後に、スピンオフ作品の公式英題も整理しておきます。ここには面白い発見があります。

日本語作品名公式英語表記媒体
岸辺露伴は動かない(アニメ)Thus Spoke Kishibe Rohan権利元の英語ポータル/Netflix
岸辺露伴は動かない(英語版コミックス)Thus Spoke Rohan KishibeVIZ Media
岸辺露伴 ルーヴルへ行くRohan at the LouvreNetflix
クレイジー・Dの悪霊的失恋JoJo's Bizarre Adventure: Shining Diamond's Demonic HeartbreakVIZ Media
恥知らずのパープルヘイズ(小説)JoJo's Bizarre Adventure: Purple Smoke DistortionVIZ Media

お気づきでしょうか。同じ「岸辺露伴」なのに、アニメは Kishibe Rohan(姓→名)、コミックスは Rohan Kishibe(名→姓)同じ権利元の同じキャラクターでも、媒体が違えば名前の並び順が変わるという、非常に分かりやすい実例です。

Thus Spoke という言い回しにも注目してください。これは「かく語りき」という古風で荘重な言い方で、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』の英題 Thus Spoke Zarathustra を踏まえたものです。Thus(このように)+ spoke(語った)+ 主語、という倒置になっているのが特徴で、現代英語ではまず使いません。日本語の「〜はかく語りき」と同じで、あえて古めかしく響かせる表現です。

そして表の下2つ——Shining DiamondPurple Smoke に、目を留めてください。これがスタンド名の改名を証明する動かぬ証拠です。次のセクションで詳しく見ていきます。

英題の考え方をもっと知りたい方は、同じく英題が独特な鋼の錬金術師の英語まとめもあわせてどうぞ。造語をタイトルにした作品の代表例として、ジョジョと比べると面白い発見があります。


【混乱の元】アニメの「シーズン番号」と原作の「部」はズレている

英語で情報を集めるときに、ジョジョでいちばんつまずくのがここです。「Part 3」と「Season 2」が同じものを指している——そんなことが実際に起きます。海外のレビューや掲示板を読むとき、この対応表を頭に入れておかないと確実に迷子になります。

権利元の公式サイトは「1st Season=第1部+第2部」で数えている

権利元の英語ポータルサイトのANIMEページを開くと、シーズンが次のように整理されています。

公式サイトの表記収録されている原作の部
1st SeasonJoJo's Bizarre Adventure Phantom Blood / JoJo's Bizarre Adventure Battle Tendency(第1部+第2部)
2nd SeasonJoJo's Bizarre Adventure Stardust Crusaders(第3部)
3rd SeasonJoJo's Bizarre Adventure Diamond is Unbreakable(第4部)
4th SeasonJoJo's Bizarre Adventure Golden Wind(第5部)
5th SeasonJoJo's Bizarre Adventure STONE OCEAN(第6部)
6th SeasonSTEEL BALL RUN JoJo's Bizarre Adventure(第7部)
OVAThus Spoke Kishibe Rohan(岸辺露伴は動かない)

原因ははっきりしています。2012年放送の第1期アニメが、第1部と第2部をまとめて1クール+αで放送したからです。そのためシーズン番号が原作の部より常に1つ少なくなるという、ややこしい状態が生まれました。

第3部=2nd Season、第4部=3rd Season、第5部=4th Season、第6部=5th Season、第7部=6th Season。この「1つずれる」という関係だけ覚えておけば、たいていの場面で対応できます。

Netflix上のシーズン表記はまた別

ところがNetflixを開くと、また別の数え方に出会います。日本のNetflixで JoJo's Bizarre Adventure の作品ページを見ると、シーズン選択のプルダウンはこうなっています。

  • Phantom Blood/Battle Tendency
  • Stardust Crusaders
  • Diamond Is Unbreakable
  • Golden Wind
  • STONE OCEAN

Netflixは数字ではなく副題そのものをシーズン名にしているわけです。これはこれで分かりやすいのですが、「Season 2」という言い方には対応していません。しかも第1シーズンだけ Phantom Blood/Battle Tendency とスラッシュでつながれていて、第1部と第2部が同居していることがひと目で分かる作りになっています。

さらにややこしいのは、第7部の『STEEL BALL RUN』はNetflix上でまったく別の作品ページとして独立していることです。同じ作品ページの中に第7部は入っていません。「シーズン一覧に第7部がない」と焦らないでください。別タイトルとして探す必要があります。

第7部アニメは公式サイトで「6th Season」

第7部『STEEL BALL RUN』のアニメは、権利元の英語ポータルでは 6th Season として扱われています。作品ページも他のシーズンとは別に用意されていて、シリーズの続きでありながら独立した1本、という位置づけです。

英語圏では、この作品を指すときに次のような呼び方が混在します。

  • Steel Ball Run(いちばん一般的。原作でもアニメでもこう呼ぶ)
  • SBR(略称。掲示板やSNSではほぼこれ)
  • Part 7(原作基準)
  • Season 6(公式サイトのシーズン番号基準)

実用上は Steel Ball RunSBR を使うのがいちばん安全です。数字で呼ぶと、相手が原作基準かアニメ基準かで食い違いが起きます。

英語の掲示板・レビューを読むときの実用ルール

まとめると、英語圏でジョジョの話をするときは以下のルールで動くと事故りません。

  • 数字ではなく副題で呼ぶStardust CrusadersGolden Wind のように言えば絶対に誤解されない
  • 略称を覚えておくPB(Phantom Blood)、BT(Battle Tendency)、SDC(Stardust Crusaders)、DIU(Diamond Is Unbreakable)、GW(Golden Wind)、SO(Stone Ocean)、SBR(Steel Ball Run)、JJL(JoJolion)
  • Part N は原作基準:英語圏でも Part 4 と言えば第4部を指すのが普通
  • Season N は要注意:アニメの何期目かを指すため、原作の部とは1つずれる

英語圏のファンは略称を多用しますI just finished SDC and started DIU と書かれていたら「第3部を見終わって第4部を始めた」という意味です。これが読めるだけで、海外のコミュニティが一気に身近になります。


スタンド名は英語版で変わる|洋楽由来という「翻訳の地雷」

ここがジョジョの英語を語るうえで、いちばん面白くていちばん複雑な部分です。ジョジョのスタンド名は、英語版で名前そのものが変わっていることがあります。「翻訳されている」のではなく「別の名前に置き換えられている」のです。

なぜ変わるのか|スタンド名の多くが実在のバンド名・曲名

理由は単純で、スタンド名の多くが実在する洋楽のバンド名・アルバム名・曲名だからです。

第3部の途中から、荒木先生はスタンドの命名に洋楽の固有名詞を使い始めました。第4部・第5部になるとほぼ全面的にこの方式になります。日本国内では、こうした名称は作品内の固有名詞として問題なく使われてきました。

ところが海外、とくに英語圏で商品として展開するとなると事情が変わります。バンド名やアルバム名は商標として保護されていることが多く、そのまま使うと権利上のリスクを抱えることになるからです。

そこで英語版では、元の名前を連想させつつ、権利的に安全な別の名前に置き換えるという処理が行われています。この置き換えは、ある種の翻訳者の腕の見せどころにもなっていて、英語学習の教材としてはむしろ宝の山です。

【一次確認】VIZ公式の商品名が改名の証拠になっている2例

「英語版でスタンド名が変わっている」という話はネット上でよく見かけますが、実はその証拠は、VIZ Mediaが今まさに売っている商品の名前そのものの中にあります。

証拠①:クレイジー・D → Shining Diamond

  • 日本語版タイトル:『クレイジー・Dの悪霊的失恋』
  • VIZ公式の英語版タイトル:JoJo's Bizarre Adventure: Shining Diamond's Demonic Heartbreak

「クレイジー・D」の部分が、そのまま Shining Diamond に置き換わっています。全3巻で、第3巻は2025年4月1日発売の最終巻。VIZの商品ページにも「Final Volume!」と表示されています。

証拠②:パープル・ヘイズ → Purple Smoke

  • 日本語版タイトル:『恥知らずのパープルヘイズ』(上遠野浩平先生による小説)
  • VIZ公式の英語版タイトル:JoJo's Bizarre Adventure: Purple Smoke Distortion

こちらもPurple HazePurple Smoke に変わっています。VIZの商品ページによれば発売日は2026年4月28日、264ページの小説です。

スピンオフ作品のタイトルにスタンド名が入っているおかげで、改名の事実がVIZの公式商品ページで直接確認できる。これは他の資料では代替できない、非常に強い根拠です。「英語版でスタンド名が変わるらしい」ではなく「変わっている」と断言できます。

第4部のスタンド 日英対応表【23件】

以下は第4部のスタンド名の日英対応です。Shining Diamond 以外は、配信の英語字幕・英語版コミックス・ゲームなどで用いられている名称として知られているものをまとめたもので、すべてを一次ソースで確認したわけではありません。参考としてご覧ください。

日本語英語版変更の有無
クレイジー・D(クレイジー・ダイヤモンド)Shining Diamond変更あり
ザ・ハンドThe Handそのまま
エコーズReverb変更あり
ヘブンズ・ドアーHeaven's Doorそのまま
キラークイーンDeadly Queen変更あり
アクア・ネックレスAqua Necklaceそのまま
バッド・カンパニーWorse Company変更あり
レッド・ホット・チリ・ペッパーChili Pepper変更あり
ザ・ロックThe Lockそのまま
サーフィスShow Off変更あり
ラブ・デラックスLove Extra変更あり
パール・ジャムPole Jam変更あり
アクトン・ベイビーInvisible Baby変更あり
ラットRattそのまま
ハーヴェストHarvestそのまま
シンデレラFashionista変更あり
アトム・ハート・ファーザーHeart Father変更あり
ボーイ・II・マンBoys Man Man変更あり
アース・ウインド・アンド・ファイヤーTerra Ventus変更あり
ハイウェイ・スターHighway Go Go変更あり
ストレイ・キャットFeral Cat変更あり
スーパーフライSuper Flyそのまま
エニグマMisterioso変更あり
チープ・トリックCheap Trap変更あり

24件中18件が変更されているという、なかなかの改名率です。

第5部のスタンド 日英対応表【25件】

第5部はさらに徹底しています。

日本語英語版変更の有無
ゴールド・エクスペリエンスGolden Wind変更あり
スティッキィ・フィンガーズZipper Man変更あり
ムーディー・ブルースMoody Jazz変更あり
セックス・ピストルズSix Bullets変更あり
エアロスミスLi'l Bomber変更あり
パープル・ヘイズPurple Smoke変更あり
スパイス・ガールSpicy Lady変更あり
キング・クリムゾンEmperor Crimson変更あり
ブラック・サバスShadow Sabbath変更あり
ソフト・マシーンTender Machine変更あり
クラフト・ワークArts & Crafts変更あり
リトル・フィートTiny Feet変更あり
マン・イン・ザ・ミラーMirror Man変更あり
ミスター・プレジデントMr. Presidentそのまま
ビーチ・ボーイFisher Man変更あり
ザ・グレイトフル・デッドThe Thankful Death変更あり
ベイビィ・フェイスBabyhead変更あり
ホワイト・アルバムWhite Ice変更あり
クラッシュCrush変更あり
トーキング・ヘッドTalking Mouth変更あり
ノトーリアス・B・I・GNotorious Chase変更あり
メタリカMetallic変更あり
グリーン・ディGreen Tea変更あり
オアシスSanctuary変更あり
ローリング・ストーン(ズ)Prophecy Stones変更あり

25件中24件が変更。第5部はほぼ全滅です。主人公のスタンド名が Golden Wind(=部の英題そのもの)になっているのが象徴的ですね。

【独自】改名の型は4つに分類できる

ここからが、私が英語教材としてこの表をおすすめしたい理由です。改名のやり方を眺めていくと、きれいに4つのパターンに分けられます。

①類義語に置き換える型——いちばん多いパターン。元の単語を、似た意味の別の単語に差し替えます。

  • Soft Machine → Tender Machine(soft ≒ tender:やわらかい・優しい)
  • Little Feet → Tiny Feet(little ≒ tiny:小さい)
  • Grateful Dead → The Thankful Death(grateful ≒ thankful:感謝している)
  • Crazy Diamond → Shining Diamond(crazy を shining に)
  • Purple Haze → Purple Smoke(haze=もや ≒ smoke=煙)
  • Killer Queen → Deadly Queen(killer ≒ deadly:致命的な)

これはそのまま「英単語の言い換えトレーニング」になります。ライティングで同じ語を繰り返さないために類義語を探す作業と、まったく同じ思考です。

②別の言語に逃がす型——英語をやめて、ラテン語やイタリア語にする方法。

  • Earth Wind and Fire → Terra Ventus(ラテン語で terra=大地、ventus=風)
  • Enigma → Misterioso(イタリア語で「神秘的な」。英語なら mysterious)

③能力を説明する型——元の名前を捨てて、そのスタンドが何をするかを名前にしてしまう方法。

  • Sticky Fingers → Zipper Man(ジッパーを作る能力から)
  • Sex Pistols → Six Bullets(6体の小さなスタンドであることから)
  • Aerosmith → Li'l Bomber(小型爆撃機の姿から。li'llittle のくだけた綴り)
  • Acton Baby → Invisible Baby(透明にする能力から)
  • Rolling Stone(s) → Prophecy Stones(未来を示す石であることから)

④ほぼ別物にする型——元の名前との関連がかなり薄い、思い切ったパターン。

  • Green Day → Green Tea(緑つながり)
  • Oasis → Sanctuary(オアシス=安息の地 → 聖域)
  • Notorious B.I.G → Notorious Chase(notorious=悪名高い、だけを残す)

この4分類を知っていると、単語帳をめくるより効率よく類義語が身につきます。「haze と smoke はどう違うのか」「tender と soft の使い分けは」と考えるプロセスそのものが、語彙力を立体的にしてくれるからです。

【重要】どの媒体の英語版かで名前が違う

ただし、ここで必ず注意していただきたいことがあります。「英語版」はひとつではありません。

  • VIZ Mediaの英語版コミックス
  • Netflix・Crunchyrollなどの英語字幕
  • 英語版のゲーム(オールスターバトル、アイズオブヘブンなど)
  • 英語吹き替えの音声

これらは制作会社も時期も違うため、同じスタンドでも名称が一致しないことがあります。上の表も、出典によって「どの媒体の名前か」が明示されていないものが含まれています。

ですから、記事やSNSで「英語版では◯◯という」と書くときは、できるだけ媒体を添えるのが誠実です。私自身、この記事で断定しているのはVIZ公式の商品名で確認できた Shining DiamondPurple Smoke の2件だけで、あとは「そう呼ばれていることが知られている」というレベルで書いています。

なお、この「媒体で訳語が割れる」現象はジョジョ特有ではありません。進撃の巨人の用語・9つの巨人の英語でも、Colossal Titan と Colossus Titan、Survey Corps と Scout Regiment のように訳語が複数存在します。アニメの英語を扱うときは「唯一の正解を探さない」というのが大事な姿勢です。

「スタンド」そのものは stand のまま

ここまで改名の話をしてきましたが、「スタンド」という概念そのものは英語でも Stand のままです。訳されていません。

  • Stand(スタンド)
  • Stand user(スタンド使い)
  • Stand ability(スタンド能力)

stand は英語では「立つ」「立場」「屋台」「観客席」など多くの意味を持つ日常語ですが、ジョジョの文脈では固有の専門用語として、大文字始まりの Stand で使われます。英語圏の読者にとっては「よく知っている単語が、まったく新しい意味で使われている」という体験になるわけですね。

日本語の「幽波紋(スタンド)」というルビ表記に対応する英語表現は特に用意されておらず、英語版では単に Stand です。このシンプルさは、英語学習者にとってはありがたいポイントでもあります。


英題から学ぶ英文法|タイトルは短い英語の教材

ジョジョの英題は、どれも2〜3語という短さです。ところがこの短さの中に、英語の基本的な作り方がぎゅっと詰まっています。単語帳より効率がいいので、順に分解していきましょう。

unbreakable の分解|un- + break + -able

Diamond Is Unbreakableunbreakable は、英語の造語ルールを学ぶのに完璧な単語です。

  • break(動詞)=壊す、割る
  • -able(接尾辞)=「〜されうる」という受け身の可能を表す形容詞を作る → breakable(壊れやすい)
  • un-(接頭辞)=否定 → unbreakable(壊すことができない)

この「un- + 動詞 + -able」という型を知っていると、初見の単語も意味を推測できます

  • unbelievable(信じられない)
  • unforgettable(忘れられない)
  • unstoppable(止められない)
  • unavoidable(避けられない)

-able は受け身の意味を含むのがポイントです。breakable は「壊す能力がある」ではなく「壊されうる」。ここを取り違えると意味が逆になるので注意してください。

ちなみに unbreakable は日常でもよく使われる単語で、an unbreakable promise(決して破られない約束)、an unbreakable bond(切れることのない絆)のように、比喩でも活躍します。第4部のタイトルが「ダイヤモンドは砕けない」=「東方仗助たちの絆は壊れない」という二重の意味を持つのと、まったく同じ構造です。

Golden Wind と Gold Experience|golden と gold の違い

第5部には Golden Wind(部の英題)と Gold Experience(ジョルノのスタンドの日本名)という、よく似た2語が登場します。ここで goldgolden の違いを押さえておきましょう。

品詞意味
gold名詞金(金属そのもの)a gold medal(金メダル=金製・金色)
gold名詞を修飾金でできたa gold ring(金の指輪)
golden形容詞金色の、黄金のような、素晴らしいgolden hair(金髪)、a golden opportunity(絶好の機会)

素材が本当に金なら gold、色や比喩なら golden、というのが基本の線引きです。

Golden Wind は「金でできた風」ではありえないので golden。一方 Gold Experience は「金の経験」——素材ではなく抽象的な組み合わせなので、英語としてはやや不思議な響きになります。もっとも、これは元がプリンスのアルバム名から取られた固有名詞なので、文法的な正しさを問うものではありません。

英会話で使えるのは a golden opportunity(またとない好機)と the golden rule(黄金律、いちばん大事な原則)。どちらもビジネスの場でよく出てきます。

Steel Ball Run の run は名詞

Steel Ball Runrun は、動詞ではなく名詞です。ここを読み違える人がとても多い。

英語の run は名詞になると、次のような意味を持ちます。

  • 「(一定区間の)走行、レース」…… a 10-kilometer run(10キロ走)
  • 「連続、続くこと」…… a run of bad luck(不運続き)
  • 「試運転、実行」…… a trial run(試運転)、a test run(テスト実行)

Steel Ball Run は「鉄球のレース」。英語では同じ綴りの語が名詞にも動詞にもなるのが当たり前で、どちらで読むかは語順から判断します。この場合、Steel Ball という名詞のかたまりのあとに来ているので、run は名詞と読むのが自然です。

この「品詞は語順で決まる」という感覚は、英語を読むスピードを劇的に上げます。日本語のように助詞で役割が示されないぶん、位置がすべてを決めるのが英語です。

Phantom Blood / Stone Ocean|名詞を形容詞のように使う

すでに触れましたが、あらためて整理します。ジョジョの副題には「名詞+名詞」という組み立てが繰り返し登場します。

  • Phantom Blood(幻の血)
  • Stone Ocean(石の海)
  • Battle Tendency(戦いの傾向)
  • Steel Ball Run(鉄球のレース)
  • Stardust Crusaders(星屑の十字軍)

前の名詞が、後ろの名詞を説明する形容詞のような働きをしています。英語ではこれを「名詞の連結」と呼び、非常に一般的です。

日本人が英作文で苦労するのは、つい of を使いたくなるからです。「石の海」を the ocean of stone と書きたくなる。もちろん間違いではありませんが、英語ネイティブは短く stone ocean と言うことが圧倒的に多い

  • ×(不自然)the box of paper → ○ a paper box(紙の箱)
  • ×(不自然)the accident of traffic → ○ a traffic accident(交通事故)
  • ×(不自然)the problem of environment → ○ an environmental problem(環境問題)

英語を短く言えるようになると、それだけで「英語らしい英語」になります。ジョジョの副題は、この感覚を身体に入れるのにちょうどいい教材です。

タイトルの大文字ルール(タイトルケース)を知ると表記ゆれが読める

最後に、本記事で何度か出てきた「表記ゆれ」の正体を整理しておきます。英語のタイトルには「タイトルケース」という書式のルールがあり、これを知っていると公式サイト同士の違いが読み解けます。

タイトルケースの基本ルール

  • 原則としてすべての単語の頭文字を大文字にする
  • ただし、3〜4文字以下の前置詞(in, on, at, for, with)、冠詞(a, an, the)、等位接続詞(and, but, or, nor)は小文字のまま
  • 最初の単語と最後の単語は、何であっても大文字にする
  • 動詞・名詞・形容詞・副詞・代名詞は長さに関係なく大文字

このルールで見ると、Diamond Is UnbreakableIs動詞なので大文字が正統ということになります。VIZやNetflixが Is と書いているのは、英語の作法に忠実だからです。一方、権利元のポータルサイトが is としているのは、おそらく「短い語は小文字」という感覚によるものでしょう。どちらも実在する公式表記なので、優劣をつける必要はありません。

このルールは、あなたが英語でプレゼン資料を作ったり、レポートのタイトルを付けたりするときにそのまま使えます。「英語のタイトルで全部大文字にしてしまう」「全部小文字にしてしまう」という日本人はとても多いので、ここを押さえるだけで印象が変わります。

セリフレベルの英語をもっと味わいたい方は、ジョジョの英語の名言・セリフ集もあわせてご覧ください。タイトルとは違う、話し言葉としての英語が見えてきます。


擬音「ゴゴゴゴ」「ドドドド」は英語でどうなる?

ジョジョを語るうえで欠かせないのが擬音です。「ゴゴゴゴ」「ドドドド」「ズキュウウゥン」「メメタァ」——これらは英語でどう扱われているのでしょうか。結論から言うと、そもそも英語には対応する仕組みがありません。ここが本当に面白いところです。

公式サイトが挙げるジョジョの3大擬音

権利元の公式ポータルサイト(日本語版)のABOUTページには、「ONOMATOPOEIA 擬音」という専用のセクションがあります。そこで代表例として挙げられているのが次の3つです。

  • メメタァ(蛙を殴るシーンの背景に描かれた擬音)
  • ズキュウウゥン(強引に唇を奪うシーンで描かれた擬音)
  • ゴゴゴゴゴ…(不穏なシーンで頻繁に登場する擬音)

公式サイト自身が「『ジョジョ』の世界では、聞いたこともないような音が鳴っている」と書いているとおり、これらは実在する音の模写ではなく、荒木先生が場面の空気を表すために作り出した独自の表現です。デザインとしての存在感も強く、視覚的なインパクトが作品の顔になっています。

興味深いのは、同じポータルサイトの英語版ABOUTページには、この擬音のセクションが存在しないことです。英語版には「WHAT IS "JOJO"」と「EACH PART」しかありません。名セリフ・ポージング・擬音・イラストレーションのセクションは、日本語版だけに用意されています。単に翻訳が省略されただけかもしれませんが、擬音が言語をまたいで説明しにくいものであることを、なんとなく物語っている気がします。

ゴゴゴゴは「擬音語」ではなく「擬態語」

英語で説明するとき、ここを整理しておくと格段に伝わりやすくなります。日本語のオノマトペは、大きくふたつに分かれます。

  • 擬音語(onomatopoeia)……実際に鳴っている音を写したもの。「ワンワン」「ガシャン」「ドンドン」
  • 擬態語(mimetic word / ideophone)……音が鳴っていない状態や様子を表すもの。「キラキラ」「ぬるぬる」「そわそわ」

「ゴゴゴゴ」は後者、つまり擬態語です。作中の登場人物が実際に「ゴゴゴゴ」という音を聞いているわけではありません。「ただならぬ気配が漂っている」という状態を表しているのです。

そして、ここが決定的なポイントなのですが、英語には擬態語の体系がほとんどありません。英語にもオノマトペはあります(bang, crash, splash など)。しかしそのほとんどが「実際に鳴っている音」を表す擬音語で、日本語のように「様子」を音の形で表す語彙はごくわずかしかありません。

つまり「ゴゴゴゴ」に対応する英単語は、原理的に存在しないのです。だから訳せない。訳せないから、そのまま残すか、説明的な言葉に置き換えるしかない。ジョジョの英語版が抱える最大の難所は、実はセリフではなくここにあります。

「menacing」は英語圏のファン発の訳で、公式の英訳ではない

英語圏では「ゴゴゴゴ」に menacing(脅かすような、不気味な)という語が当てられることが広く知られています。ネットミームとしても定着していて、キャラクターの背景に menacing の文字と「ゴゴゴゴ」を並べた画像は世界中で作られています。

ただし、ここは正確に書かせてください。menacing という訳は、英語圏のファンのあいだで定着したものであって、公式の英訳として確認できるものではありません。

  • Know Your Meme をはじめとするミーム解説サイトも、これを「fan translation(ファンによる訳)」と説明しています
  • VIZの英語版コミックスで擬音がどう処理されているかは、試し読みが画像で提供されているため、本記事の調査では確認できませんでした
  • 配信の英語字幕では、そもそも擬音は字幕化されないことがほとんどです

ですので、「英語版では menacing と訳されている」と断言するのは正確ではありません。「英語圏のファンのあいだでは menacing と呼ばれている」が正しい書き方です。

とはいえ、英単語としての menacing はとても使い勝手のいい語なので覚えておいて損はありません。

  • a menacing look(威嚇するような視線)
  • The sky looked menacing.(空模様が不穏だった)
  • 動詞は menace(脅かす)、名詞も menace(脅威)

threatening とほぼ同じ意味ですが、menacing のほうがやや文語的で、じわじわ迫ってくる不気味さを含みます。まさにゴゴゴゴの感じですね。

英語のオノマトペは日本語よりずっと少ない|rumble / thud / thump

とはいえ、英語にも音を表す語はあります。ジョジョ的な場面で使えそうなものを挙げておきます。

英単語表す音日本語のイメージ
rumble低く長く響く音ゴロゴロ、ゴウゴウ
thud重いものが落ちる鈍い音ドスン
thump何かを強く叩く音ドンドン、ドスドス
crash激しくぶつかる音ガシャン
clang金属がぶつかる音カーン
whoosh風を切る音ヒュッ
thwack平手で打つ音バシッ
hiss空気が漏れる音シューッ

「ゴゴゴゴ」に音として近いのは rumble でしょう。The ground rumbled beneath them.(足元の地面がゴロゴロと鳴った)のように使います。ただし rumble はあくまで「実際に鳴っている低い音」なので、ジョジョの「気配としてのゴゴゴゴ」とはやはり性質が違います。

英語のオノマトペは日本語の1割にも満たないと言われます。日本語話者が当たり前に使っている「しっとり」「ふんわり」「もちもち」といった感覚語を英語にしようとして詰まるのは、語彙力の問題ではなく、そもそも英語にその仕組みがないからです。この「言語ごとに得意な表現領域が違う」という感覚を持てると、翻訳された英語を読むときの解像度が一段上がります。

「オラオラ」「無駄無駄」は訳されない

ジョジョといえば「オラオラオラ」と「無駄無駄無駄」。これらは英語版でどうなっているのでしょうか。

答えは基本的にそのままです。英語圏でも ORA ORA ORA MUDA MUDA MUDA と、ローマ字表記のまま使われています。海外のファンも普通に ORA と書きますし、掛け声としてそのまま定着しています。

理由は、これも訳しようがないからです。

  • 「オラ」は、もともと日本語の「おら」「こら」といった呼びかけ・威嚇の声。英語の Hey!Take that! に近いですが、ラッシュの掛け声としての機能が中心なので、意味を訳しても無意味になります
  • 「無駄」uselessfutile と訳せますが、連呼したときのリズムが完全に失われますUseless useless useless! では締まりません

固有名詞的な掛け声は、訳さずに音のまま残すのが正解という判断ですね。日本のアニメの英語版では、senseisenpaiitadakimasu のように、あえて訳さない語がだんだん増えています。訳さないことも翻訳の技術のひとつなのです。

セリフの英訳をもっと詳しく知りたい方は、ジョジョの英語の名言・セリフ集で個別に取り上げています。


キャラクター名の英語表記|「最初から英語圏の名前」だから起きること

ジョジョは、キャラクターの名前がもともと英語圏・イタリア語圏の名前であることが多い作品です。訳す必要がない代わりに、別の種類のややこしさが生まれています。

ジョースター家は Joestar。JoJo の由来を英語で説明する

主人公一族の姓「ジョースター」は英語で JoestarJoe + star という組み立てで、実在する英語圏の姓ではありません。荒木先生による造語です。

初代主人公は Jonathan JoestarJonathan と Joestar の頭2文字を取ると JoJo になる——これが作品タイトルの由来です。公式ポータルにも明記されています。英語で説明するなら、こんな感じになります。

  • The nickname "JoJo" comes from the first two letters of Jonathan Joestar's first and last names.

以降の主人公も、名前のどこかから「ジョジョ」が取り出せる仕掛けになっています。Joseph Joestar(第2部)、Jotaro Kujo(第3部)、Josuke Higashikata(第4部)、Giorno Giovanna(第5部)、Jolyne Cujoh(第6部)、Johnny Joestar(第7部)、Josuke Higashikata(第8部)、Jodio Joestar(第9部)。

Giorno Giovanna だけは英語読みだと「ジョジョ」に見えませんが、イタリア語では Gio が「ジョ」と読まれるため、GioGio になります。前述の LE BIZZARRE AVVENTURE DI GIOGIO という表記は、ここから来ているわけですね。言語をまたぐと語呂合わせが崩れる、その代表例として非常に面白いポイントです。

英語版は「名→姓」の順になる

日本語では「空条承太郎」と姓→名の順で書きますが、英語版では Jotaro Kujo と名→姓の順になります。

日本語英語表記
空条承太郎Jotaro Kujo
東方仗助Josuke Higashikata
岸辺露伴Rohan Kishibe
空条徐倫Jolyne Cujoh
広瀬康一Koichi Hirose
虹村億泰Okuyasu Nijimura
吉良吉影Yoshikage Kira

ただし前のセクションで触れたとおり、アニメ『岸辺露伴は動かない』の公式英題は Thus Spoke Kishibe Rohan で、こちらは日本語のまま姓→名です。同じ権利元でも、媒体によって並び順の方針が違います。

近年は「日本人の名前は日本語の順序(姓→名)で表記する」という流れも強まっているので、古い作品ほど名→姓、新しい表記ほど姓→名になりやすい傾向があります。英語で日本人名を書くときにどちらを選ぶか迷ったら、その作品・その組織の公式表記に合わせるのがいちばん安全です。

DIO と Dio|大文字表記の使い分け

ジョジョ最大の敵役「ディオ」の表記には、実は使い分けがあります。

  • Dio Brando …… 第1部の若きディオ。普通の固有名詞表記
  • DIO …… 第3部で復活した存在。全部大文字

これは日本語版でも同じで、第1部は「ディオ・ブランドー」、第3部は「DIO」と書き分けられています。公式ポータルの英語ページでも、第1部の説明では Dio Brando、第3部の説明では DIO と書き分けられていることが確認できます。Netflixの第1話タイトルも Dio The Invader で、こちらは通常表記です。

英語で全部大文字にすることを all caps と言い、強調や「別格の存在」を示すのに使われます。メールで全部大文字を使うと「怒鳴っている」と受け取られるので実務では避けるべきですが、固有名詞やブランド名を意図的に総大文字にするのは、デザインとしてよくある手法です。ジョジョの DIO は、まさにそのお手本のような使い方ですね。

イタリア語・スペイン語由来の名前は英語圏でも読みが割れる

第5部はイタリアが舞台なので、登場人物の名前もイタリア語です。これが英語圏の読者にとっても難読になっています。

日本語英語表記英語圏での読みにくさ
ジョルノ・ジョバァーナGiorno GiovannaGi- を「ジ」と読む規則が英語にない
ブローノ・ブチャラティBruno Bucciaraticci を「チ」と読むのはイタリア語の規則
レオーネ・アバッキオLeone Abbacchiocchi を「ッキ」と読む
グイード・ミスタGuido MistaGui- の u が読まれない
ナランチャ・ギルガNarancia Ghirgaci を「チ」、gh を「ギ」と読む
パンナコッタ・フーゴPannacotta Fugo食べ物の名前でもある
トリッシュ・ウナTrish Una英語名+イタリア語の姓

イタリア語では c + i / e が「チ」、ch が「ク」、gh が「グ」と、英語とは逆に近い読み方をします。英語話者が Bucciarati を素直に読むと「バッキアラティ」になってしまうため、海外のファンのあいだでも発音が話題になるほどです。

英語だけを勉強していると、アルファベットは全部英語読みだと思い込みがちですが、実際には同じアルファベットでも言語ごとに読み方の規則がまったく違います。ジョジョ第5部は、その事実を体感できる貴重な教材でもあります。

表記ゆれが起きやすい名前の例

最後に、媒体によって表記が割れやすい名前をまとめておきます。英語で検索するときに引っかからない原因の多くがここです。

日本語よく見る表記別の表記
空条徐倫Jolyne CujohJolyne Kujo
ンドゥールN'DoulNdour
ペット・ショップPet Shop(そのまま)
ホル・ホースHol HorseHol Horse
ジャン・ピエール・ポルナレフJean Pierre PolnareffJean-Pierre Polnareff

とくに CujohKujo は要注意です。承太郎の姓は Kujo なのに、娘の徐倫は Cujoh と綴られることが多いという、公式でも揺れている部分があります。検索でヒットしないときは、KとC、hの有無を入れ替えて試してみてください。

同じように「キャラクター名の英語表記が媒体で割れる」現象は、NARUTOの英語まとめでも起きています。忍術名の訳が版によって違うのと、まったく同じ構造です。


英語版『ジョジョ』はどこで観られる?【2026年7月時点】

ここからは実際に英語で観る方法です。このセクションの情報は、すべて2026年7月に私が実際に配信サービスの作品ページを確認した結果にもとづいています。配信状況は変わりやすいので、必ずご自身でも最新の表示をご確認ください。

結論:日本のNetflixのままで英語音声・英語字幕が選べる

まず、多くの方が驚くであろう結論から。ジョジョは、日本のNetflixアカウントのままで英語音声と英語字幕を選べます。

アニメで英語学習をしようとすると、たいていは「日本のNetflixには日本語音声しか入っていないので、VPNで海外リージョンに切り替える必要がある」という壁にぶつかります。実際、多くの作品はそうです。ところがジョジョは違いました。

日本リージョンのNetflix作品ページ(netflix.com/jp/title/80179831)を開いて「Audio」の欄を見ると、English がしっかり入っています。「Subtitles」の欄にも English があります。つまりVPNなしで、英語吹き替え+英語字幕という英語学習に最強の組み合わせが作れるということです。

これは非常に大きなアドバンテージです。VPNの契約も、リージョン切り替えの手間もいりません。今日から始められます。

実際に確認できたこと一覧

私が確認した3タイトルの結果は以下のとおりです。

作品名(Netflix上の表記)音声トラック字幕
JoJo's Bizarre Adventure(第1部〜第6部相当・全5シーズン)英語/日本語(音声解説)/日本語(オリジナル)/ポルトガル語(ブラジル)英語/日本語/韓国語/ポルトガル語(ブラジル)/中国語(簡体字)
STEEL BALL RUN JoJo's Bizarre Adventure英語/日本語(音声解説)/日本語(オリジナル)/ポルトガル語(ブラジル、音声解説)/ポルトガル語(ブラジル)英語/日本語/韓国語/ポルトガル語(ブラジル)/中国語(簡体字)
Thus Spoke Kishibe Rohan(岸辺露伴は動かない)英語/日本語(音声解説)/日本語(オリジナル)/ポルトガル語(ブラジル)英語/日本語/韓国語/ポルトガル語(ブラジル)/中国語(簡体字)

3タイトルすべてで英語音声と英語字幕が用意されています。

ただし、正確を期すために留保も書いておきます。

  • これは作品ページの詳細欄の表示であり、実際のプレーヤーの音声メニューそのものを確認したわけではありません
  • Netflix公式のヘルプにも「シーズンごとに音声・字幕の提供元が異なる場合がある」という趣旨の記載があり、タイトル単位の表示ではシーズン別の可否までは読み取れません
  • 配信ラインナップと言語トラックは予告なく変わります

とはいえ、「日本では英語音声が選べない」というよくある思い込みが、ジョジョに関しては当てはまらないのは確かです。まずはご自身のアカウントで音声メニューを開いてみてください。

STEEL BALL RUN は Netflix の世界独占配信

第7部『STEEL BALL RUN』のアニメは、Netflixの世界独占配信という形になっています。公式のアニメーションシリーズアカウントも「Netflixにて世界配信決定」と発表しています。

本記事執筆時点(2026年7月)で、日本のNetflixでは第1話にあたる「1st STAGE」(47分の特別編)が配信中です。作品ページの表示は「2026 / 1 Episode」となっています。

そして続きについて。Anime News Networkの2026年7月3日付の報道およびAnime Expo 2026でのパネル発表によれば、2nd STAGEと3rd STAGEをまとめた全11話が、2026年9月25日からNetflixで毎週1話ずつ配信される予定とのことです。※あくまで発表時点の予定なので、変更の可能性はあります。

最新作を英語音声・英語字幕で追いかけられるというのは、英語学習者にとって理想的な状況です。放送が進むにつれて教材が増えていくわけですから。

岸辺露伴シリーズも英語音声つき

スピンオフの『岸辺露伴は動かない』(英題 Thus Spoke Kishibe Rohan)も、日本のNetflixで英語音声・英語字幕つきで配信されています。全4話の限定シリーズで、1話24分。

  • At a Confessional(懺悔室)
  • Mutsu-kabe Hill(六壁坂)
  • Millionaire Village(富豪村)
  • The Run(ザ・ラン)

本編に比べてバトルが少なく、会話の比重が高いため、英語学習の入り口としてはむしろこちらのほうが取り組みやすいかもしれません。1話完結なので途中で挫折しにくいのも利点です。実写版の『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(英題 Rohan at the Louvre)もNetflixのラインナップに並んでいます。

Crunchyroll・米国Huluは日本から使えない|VPNが要るのはここ

権利元の公式ポータルのSTREAMING INFORMATION欄には、Netflixのほかに CrunchyrollHulu も掲載されています(第1部〜第5部)。ところが——このどちらも、日本からは利用できません。

  • Crunchyroll は日本を提供対象国に含めていません。日本からアクセスすると「お住まいの地域では利用できません」という趣旨のページに飛ばされます
  • Hulu(英語版のリンク先は米国Hulu)は、日本のHuluとは別サービスです。日本のHuluは日本テレビ系の運営で、ラインナップも音声トラックも米国版とは別物です

つまり、英語吹き替え・英語字幕のラインナップという意味では、日本から普通にアクセスできるのはNetflixだけということになります。

では、どんなときにVPNが必要になるのか。正直にお伝えします。

  • Crunchyrollにしかない英語版コンテンツ(コメンタリー、独自の英語字幕バージョンなど)を観たいとき
  • 米国Huluや米国Netflixにしかないラインナップを観たいとき
  • 日本のNetflixから配信が終了してしまった作品を、海外リージョンで探したいとき
  • 英語圏のNetflixで「英語圏の視聴者が実際に見ている画面」(英語のあらすじ、英語のカテゴリ表示)を体験したいとき

ジョジョ本編を英語音声で観るだけなら、VPNは必要ありません。ここを曖昧にして「VPNがないと英語で観られません」と書くのは、読者に対して不誠実だと私は思います。

NordVPNで英語圏サーバーにつなぐ3ステップ

そのうえで、上に挙げたような「日本からは届かない場所」に用があるなら、VPNは非常に有効な道具です。私自身も海外の配信ラインナップを確認するときに使っています。

手順は3ステップだけです。

  1. NordVPNなどのVPNサービスに登録し、アプリをインストールする(PC・スマホ・タブレットのどれでも可)
  2. アプリを開いてアメリカなど英語圏のサーバーに接続する(国を選んでボタンを押すだけ)
  3. その状態で、いつもどおり配信サービスを開く。海外からアクセスしているものとして扱われ、英語圏向けのカタログが表示されます

VPNに接続していない状態では、英語圏限定のカタログにはアクセスできません。これはVPNが「前提条件」になる場面がある、ということです。逆に言えば、ジョジョ本編のように日本版で完結する用途なら、VPNは不要です。必要な場面と不要な場面をきちんと区別して使うのが、いちばん賢い付き合い方だと思います。

NordVPNはVPNサービスの中でも利用者が多く、日本語の情報も豊富なので、初めて使う方にも選ばれやすい選択肢です。アプリの操作もシンプルで、国名を選んで接続ボタンを押すだけ。

配信サービスごとの詳しい比較や、字幕設定の細かい手順はジョジョを英語で見る方法にまとめていますので、視聴環境を整えたい方はそちらもあわせてご覧ください。


英語版コミックスで読む|VIZ Mediaの刊行状況と日本からの買い方

配信と並ぶもうひとつの選択肢が、英語版のコミックスです。セリフを自分のペースで読み返せるという点で、リスニングとは違う学習効果があります。

英語版の版元はVIZ Media。公式サイトも VIZ を案内している

英語版コミックスを出しているのは VIZ Media(ヴィズ・メディア)。北米最大手の日本マンガ出版社で、NARUTO、ONE PIECE、鬼滅の刃、呪術廻戦なども手がけています。

権利元の公式ポータルサイトのCOMICSページには「English (VIZ Media)」というリンクが1本だけ置かれており、遷移先はVIZの作品ページです。つまり権利元自身が「英語版はVIZで読んでください」と案内しているわけで、これ以上ない裏付けです。

VIZの版はハードカバーの豪華版で、日本の単行本2冊ぶんが英語版1冊にまとまる構成になっています。カラーページも再現されており、コレクションとしての完成度も高いシリーズです。

VIZの刊行状況【2026年7月時点】

VIZでのシリーズ名状況(2026年7月時点)
第1部JoJo's Bizarre Adventure: Part 1--Phantom Blood刊行済み
第2部JoJo's Bizarre Adventure: Part 2--Battle Tendency刊行済み
第3部JoJo's Bizarre Adventure: Part 3--Stardust Crusaders刊行済み
第4部JoJo's Bizarre Adventure: Part 4--Diamond Is Unbreakable刊行済み
第5部JoJo's Bizarre Adventure: Part 5--Golden Wind全9巻・全155話で完結
第6部JoJo's Bizarre Adventure: Part 6--Stone Ocean第9巻に「Final Volume!」表示
第7部JoJo's Bizarre Adventure: Part 7--Steel Ball Run刊行中。第8巻が2026年7月28日発売、第9巻は予約受付中

第7部の第8巻は402ページ、税別25.00ドル。日本語版に追いつくにはまだ時間がかかりますが、着実に刊行が続いています。

なお、第8部『ジョジョリオン』と第9部『The JOJOLands』については、VIZ公式サイト上で英語版コミックスの商品ページを確認できませんでした。「存在しない」と断言はできません(別の形で刊行されている可能性、あるいはこれから刊行される可能性があります)。本記事執筆時点で、VIZ公式サイト上で確認できるのは第1部〜第7部、という書き方にとどめておきます。

スピンオフでは、Thus Spoke Rohan Kishibe(岸辺露伴は動かない)、Shining Diamond's Demonic Heartbreak(クレイジー・Dの悪霊的失恋、全3巻完結)、小説の Purple Smoke Distortion(恥知らずのパープルヘイズ、2026年4月28日発売)も刊行されています。

Shonen Jump・VIZ Manga アプリは日本が提供対象外

ここで絶対に間違えてはいけないポイントがあります。

英語版マンガを紹介するとき、「Shonen Jumpアプリなら月額数ドルで2万話以上が読み放題」という案内をよく見かけます。ジョジョの各部もVIZのShonen Jumpのラインナップに入っています。ところが——

Shonen Jump も VIZ Manga も、日本は提供対象国に含まれていません。

VIZ公式のFAQには、はっきりこう書かれています。

  • Shonen Jump:利用できるのはアメリカ、カナダ、イギリス、アイルランド、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、フィリピン、シンガポール、インドの10か国
  • VIZ Manga:利用できるのはアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドの6か国

どちらのリストにも日本は入っていません。つまり、日本にお住まいの方が「アプリで無料で読める」と期待してアクセスしても、読むことはできません。

これは出版社ごとに事情が正反対なので、本当に注意が必要です。参考までに、講談社のK MANGAは2024年9月18日から日本国内でもサービスを開始しています(※16歳以下は利用不可という注記あり)。集英社/VIZ系のアプリは日本不可、講談社のK MANGAは日本可。この違いを覚えておいてください。

日本から買うなら紙の輸入版が現実的

では日本からどうやって英語版のジョジョを手に入れるか。現実的な選択肢は、紙の輸入版を買うことです。

  • Amazon.co.jp の洋書カテゴリ……VIZの各巻がISBNで検索できます。在庫があれば数日で届きます
  • 紀伊國屋書店などの洋書取扱店……VIZの商品ページにも紀伊國屋のリンクが販売先として並んでいます。店頭で実物を確認できるのが利点
  • 海外の電子書店……Kindleストアなどで英語版が購入できる場合があります。※提供状況は変動するため、購入前に必ずご確認ください

検索するときは、必ず英語のシリーズ名を使ってください。JoJo's Bizarre Adventure Part 4 Diamond Is Unbreakable のように、Part番号と副題まで入れると一発でヒットします。日本語で「ジョジョ 英語版」と検索するより、はるかに確実です。

英語の難易度は「上」。理由3つと対策

正直に書きます。ジョジョの英語版は、決してやさしくありません。私の体感では、アニメ英語学習の教材としては上位の難易度です。理由は3つあります。

①固有名詞が異常に多い スタンド名、能力名、地名、そして改名された名前。一般的な英単語ではないものが、1ページに何度も出てきます。辞書を引いても載っていません。

②説明的なセリフが長い ジョジョの戦闘は「頭脳戦」です。能力の説明、状況の分析、相手の思考の推理といった長いモノローグが多く、一文が長くなりがち。関係代名詞や仮定法が普通に出てきます。

③古風な言い回し・独特の語法 第1部・第2部は19世紀〜20世紀前半のイギリスやアメリカが舞台なので、英語版でも意図的に古めかしい言い回しが使われています。Thus Spoke のような表現がその典型です。

対策はシンプルです。

  • 第4部か第6部から読み始める……現代日本・現代アメリカが舞台で、会話が現代的
  • アニメを日本語で観たエピソードの巻を選ぶ……話の流れを知っていれば、知らない単語は文脈から推測できます
  • 全部理解しようとしない……1ページに3語くらい知らない単語があるのが「ちょうどいい教材」です。10語以上あるなら難しすぎるので、別の巻に変えましょう

ダークファンタジー系で同じくらいの難易度の作品としては、チェンソーマンの英語まとめも参考になります。読みやすさを比べてみると、自分に合った教材が見つかりやすくなります。


実は集英社公式の「ジョジョ×英語」学習書がある

意外と知られていないのですが、集英社から「ジョジョで英語を学ぶ」ための公式の書籍が出ています。ファンブックではなく、れっきとした語学書です。

マーティ・フリードマン監修のシリーズ第3弾

書名は『『ジョジョの奇妙な冒険』で英語をたっぷり学ぶッ!』。

項目内容
原作荒木飛呂彦
監修マーティ・フリードマン
訳・文北浦尚彦
発売日2023年11月24日
判型・ページ数A5判・128ページ
価格1,430円(税込)
ISBN978-4-08-781737-9

監修はマーティ・フリードマン。元メガデスのギタリストで、日本在住・日本語堪能なミュージシャンです。洋楽由来のスタンド名を持つ作品の英語本の監修者として、これ以上ない人選ではないでしょうか。集英社の紹介文にも「熱いロックな視点で『ジョジョの奇妙な冒険』の世界にアプローチしています」とあります。

そしてこれはシリーズ第3弾です。第8部『ジョジョリオン』を中心に、第1部〜第7部と第9部『The JOJOLands』からも名シーン・名ゼリフを英訳しているとのこと。前作までも刊行されており、集英社のサイトから前巻をたどることができます。

「英語で言うぞッ!!」タイトル編・スタンド編というコラム

この本の目次を見て、私は思わず唸りました。本記事で扱ってきたテーマと、そのまま重なっているのです。

集英社の商品ページに掲載されている目次には、次のようなコラムが並んでいます。

  • ジョジョの奇妙な発音強化トレーニング
  • 英語で言うぞッ!! 「タイトル&サブタイトル編」
  • 英語で言うぞッ!! 「スタンド編」

「タイトル&サブタイトル編」は本記事のH2-2に、「スタンド編」はH2-4に、「発音強化トレーニング」はH2-1の発音の話に対応します。つまり公式サイドも「ジョジョで英語を学ぶなら、まず英題とスタンド名と発音だ」と考えているということです。この記事の構成が的外れでなかったと確認できて、正直ほっとしました。

本編の構成は、PART 1が『ジョジョリオン』の名シーン・キメゼリフ・敵の名ゼリフ、PART 2が「Fist & Faith」として第1部〜第7部の主人公と宿敵のセリフ、EXTRAが第9部『The JOJOLands』の紹介、となっています。オリジナルのセリフと英訳を対比させ、下に文法解説を載せるという構成で、コミックスの巻数・サブタイトルも付いているので原作と照らし合わせやすいそうです。

公式教材を使うメリットと、それでも配信を併用すべき理由

公式の学習書を使うメリットは、英訳の出どころがはっきりしていることに尽きます。

ネット上には「ジョジョの名言 英語版」という記事が無数にありますが、その英文がどの媒体の訳なのか、そもそも公式の訳なのか、書いていないものがほとんどです。書籍なら訳者が明記されており、文法解説まで付いています。学習素材としての信頼性が違います。

一方で、書籍だけでは足りない部分もあります。

  • 音がない……発音・イントネーション・スピードは、音声でしか学べません
  • 量が限られる……128ページで学べるセリフの数には限りがあります
  • リスニング力は伸びない……読むだけでは聞き取れるようになりません

だからこそ、書籍と配信の併用がいちばん効率的です。書籍で「正確な英訳と文法」を押さえ、Netflixで「音とスピード」を浴びる。この組み合わせなら、リーディングとリスニングの両方が同時に伸びます。しかもジョジョは、日本のNetflixで英語音声が選べるという恵まれた条件がそろっています。やらない手はありません。


ジョジョで英語を学ぶ|筆者おすすめの6ステップ

ここまで読んでくださった方に、実際の学習手順をお伝えします。「アニメで英語を勉強する」と言うと、なんとなく続かないイメージがあるかもしれません。教材として真面目に取り組もうとすると、結局はテキストを開くのと同じ苦しさが出てくるからです。

でも、好きな作品を使ういちばんのメリットは「話の内容をすでに知っている」ことにあります。英語が半分しか聞き取れなくても、何が起きているかは分かる。だから止まらない。だから続く。これは初級者にも上級者にも効く、非常に強力な仕組みです。ジョジョのように展開が濃くてキャラが立っている作品なら、なおさらです。以下の6ステップは、私自身が実際にやってきた順番でもあります。

①英題と部の対応を先に固める

いちばん最初にやるべきは、本記事のH2-2の表を1回だけ通して読むことです。

英語で情報を探すときも、英語版のコミックスを買うときも、海外のレビューを読むときも、「第3部=Stardust Crusaders」という対応が頭に入っていないと、そもそも入口にたどり着けません。逆に言えば、9部ぶんの英題を覚えるだけで、英語圏の情報がまるごと使えるようになります。

覚え方のコツは、日本語の副題と一緒に音読すること。「だいさんぶ、スターダストクルセイダース、Stardust Crusaders」と3回。これを9部ぶんやれば、10分もかかりません。この10分の投資が、以降のすべてを楽にしてくれます。

②日本語音声+英語字幕で1話観る

いきなり英語音声から入ると、たいていの人は5分で心が折れます。最初は「日本語音声+英語字幕」から始めてください。

この組み合わせの何がいいかというと、聞こえている日本語のセリフが、画面の下で英語に変換されていく様子をリアルタイムで見られることです。「この日本語が、この英語になるのか」という発見の連続になります。

おすすめは第4部の第1話か、『岸辺露伴は動かない』の1話。どちらも現代日本が舞台で、日常会話の比率が高いので、実用的な英語表現が拾えます。第1部から順番に観る必要はまったくありません。英語学習という目的なら、教材として適した部から入るのが正解です。

③英語音声+英語字幕に切り替える

日本語音声+英語字幕で数話こなしたら、次は「英語音声+英語字幕」に切り替えます。ジョジョはこれが日本のNetflixでそのままできるので、本当にありがたい。

このステップの目的は、音と文字を結びつけることです。英語は、書かれた文字と実際の音がかなり違って聞こえる言語です。What are you doing? が「ワラユドゥーイン」に聞こえる、というあれですね。字幕を出しておけば「今のはこう言っていたのか」と即座に答え合わせができます。

ここで絶対にやってはいけないのが、日本語字幕を出すこと。日本語字幕があると、脳は楽なほう(日本語)しか処理しません。英語は完全に素通りします。英語音声のときは、字幕も必ず英語にしてください。

④ダウンロード+バックグラウンド再生で反復する

ここからが、私がいちばんおすすめしたい方法です。Netflixアプリのダウンロード機能を使って、同じエピソードを繰り返し「聴く」。

やり方は簡単です。

  1. スマホのNetflixアプリで、英語音声で観たエピソードをダウンロードしておく
  2. 通勤・通学・散歩・家事の時間に再生する
  3. 画面は見ない。音だけ聴く

一度観たエピソードなら、映像がなくても何が起きているか分かります。画面を見ないぶん、脳のリソースが全部「音」に向くので、リスニングの負荷トレーニングとしてとても効率がいいのです。

同じ話を5回聴くと、3回目あたりから急に聞き取れる部分が増えます。これは経験してみると本当に驚きます。新しい話をどんどん観るより、同じ話を繰り返すほうがリスニング力は伸びる。私はこのやり方で、留学せずにVERSANT76点(80点満点中)まで到達しました。

⑤「JoJo's Bizarre Adventure script」で検索してAIに解説させる

聞き取れなかった箇所、意味が取れなかった箇所は、文字で確認するのがいちばん早いです。

やり方はこうです。

  1. Googleで JoJo's Bizarre Adventure scriptJoJo's Bizarre Adventure transcript と検索する(作品名は必ず英語で)
  2. 該当のエピソードのセリフ一覧を見つける
  3. 気になったセリフをコピーして、ChatGPTなどのAIに投げる
  4. 「このセリフのニュアンスと文法を解説して」と頼む

これが本当に強力です。従来なら辞書と文法書を何冊も引いて、それでも「なぜこの語順なのか」が分からずに終わっていた疑問が、数秒で解消します。

さらに一歩進めるなら、こんな頼み方も有効です。

  • 「このセリフを、もっとカジュアルな言い方に書き換えて」
  • 「このセリフの Thus Spoke みたいな古風な表現を、現代英語にすると?」
  • 「この文の関係代名詞がどこにかかっているか図解して」

私がこの方法を始めてから、英語の伸び方が明らかに変わりました。「分からないまま流す」がゼロになるからです。

⑥スタンド名の改名を「言い換えクイズ」にする

最後に、ジョジョならではの学習法をひとつ。H2-4の改名対応表を、そのまま単語のトレーニングに使います。

やり方は簡単で、日本語のスタンド名を見て「英語版では何になっているか」を当てるだけ。ただし、ポイントは正解を当てることではなく、「なぜその言い換えになったか」を説明できることです。

  • Soft Machine → Tender Machine:なぜ tender? → soft と tender はどちらも「やわらかい」。ただし tender は「肉がやわらかい」「気持ちが優しい」方向に寄る
  • Grateful Dead → The Thankful Death:なぜ thankful? → grateful と thankful はほぼ同義。grateful のほうがやや改まった響き
  • Purple Haze → Purple Smoke:なぜ smoke? → haze は「もや・かすみ」、smoke は「煙」。視界を遮るという点で共通する

この作業は、英作文で同じ単語を繰り返さないための「言い換え力」を鍛える訓練そのものです。TOEICのPart 7でも、選択肢は本文の語を別の語に言い換えて出題されます。言い換えに強くなることは、そのまま得点力になります。

しかも題材がスタンド名なので、まったく退屈しません。「英単語帳が続かない」という人にこそ試してほしい方法です。

ここまでの6ステップは、ジョジョ以外の作品でもそのまま使えます。アニメを使った英語学習がなぜ効果的なのか、その根拠と全体像についてはアニメで英語学習は効果ある?TOEIC990・元海外事業担当が解説で詳しく書いています。


まとめ|ジョジョ×英語の全体像

長い記事になりましたので、覚えて帰っていただきたいことを8点にまとめます。

  • ①公式英題は JoJo's Bizarre Adventure 権利元の英語ポータル、VIZ Media、Netflixの3つが一致しています。bizarre は「常識の範囲を超えて異様」という強い語で、strange や weird より重い。発音は第2音節にアクセントです。
  • ②第1部から第9部まで、すべてに公式英題がある。 Phantom Blood / Battle Tendency / Stardust Crusaders / Diamond is Unbreakable / Golden Wind / Stone Ocean / Steel Ball Run / JOJOLION / The JOJOLands。9部のうち5部は日本語題がもともと英語です。
  • ③公式の中でも表記は割れる。 第4部の isIs、第7部だけ語順が逆(STEEL BALL RUN JoJo's Bizarre Adventure)、露伴シリーズはアニメが Kishibe Rohan でコミックスが Rohan Kishibeどちらかを誤りと決めつけず、両方で検索するのが正解です。
  • ④アニメのシーズン番号は原作の部より1つ少ない。 第1期が第1部と第2部をまとめたためです。英語圏で話すときは数字ではなく副題(Stardust Crusaders など)か略称(SDC、DIU、GW、SBR)を使いましょう。
  • ⑤スタンド名は英語版で改名されている。 洋楽のバンド名・曲名が元になっているためです。VIZ公式の商品名 Shining Diamond's Demonic Heartbreak(クレイジー・D)と Purple Smoke Distortion(パープル・ヘイズ)が、その動かぬ証拠。改名は「類義語置換」「別言語」「能力の説明」「ほぼ別物」の4パターンに分けられ、そのまま英単語の言い換え練習になります
  • ⑥擬音は英語に訳せない。 「ゴゴゴゴ」は擬音語ではなく擬態語で、英語には擬態語の体系がほとんどないからです。英語圏で menacing と呼ばれているのはファン発の訳で、公式の英訳としては確認できていません。「オラオラ」「無駄無駄」はそのまま残されています。
  • ⑦日本のNetflixのままで英語音声・英語字幕が選べる。(2026年7月時点で確認)第1部〜第6部の本編、STEEL BALL RUN、岸辺露伴シリーズすべてに英語トラックがあります。VPNが必要なのは、Crunchyrollや米国Huluなど日本から使えないサービスに用があるときだけです。
  • ⑧英語版コミックスの版元はVIZ Media。 2026年7月時点で第1部〜第7部を確認できます。ただしShonen Jump・VIZ Manga のアプリは日本が提供対象外なので、日本からは紙の輸入版が現実的です。集英社公式の学習書『『ジョジョの奇妙な冒険』で英語をたっぷり学ぶッ!』も選択肢になります。

ジョジョは、英語学習の教材として本当に贅沢な作品です。タイトルからスタンド名、擬音、キャラクター名まで、言語をまたぐときに何が起きるかの見本市になっています。しかも日本のNetflixで英語音声がそのまま選べる。始めない理由がありません。

まずは1話、英語字幕をオンにして観てみてください。「この日本語が、この英語になるのか」という発見が1個でもあれば、その日は勝ちです。それを100日続ければ、100個の発見が積み上がります。

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※本記事の配信状況・刊行状況は、いずれも本記事執筆時点(2026年7月)に確認したものです。時間の経過とともに変わる可能性がありますので、実際に視聴・購入される際は各サービスの最新の表示をご確認ください。

  • この記事を書いた人

YOSHI

アニメ・海外ドラマ・サッカーなどエンタメで楽しく英語学習中。留学経験はなし。大学時代に英語を始めて就職後は海外事業を担当。現在は独立してフリーランス。2児の父。TOEIC990。VERSANT76。

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