「インサイド・ヘッドの感情キャラって、英語だと何ていう名前なんだろう?」——結論からお伝えすると、ヨロコビはJoy、カナシミはSadness、イカリはAnger、ムカムカはDisgust、ビビリはFear。そして2作目で加わったシンパイはAnxiety、イイナーはEnvy、ハズカシはEmbarrassment、ダリィはEnnuiです。
この作品がすごいのは、キャラクターの名前がそのまま「感情を表す英単語」になっていること。つまりキャラ名を覚えるだけで、感情に関する英単語が9個まとめて頭に入るということです。この記事では、1作目の5感情から2作目の新しい感情、ライリーと家族、ビンボンなどの脇役まで、英語原名・英語版オリジナル声優・日本語吹替声優をディズニー公式サイトとピクサーの公式プレスキットで一つずつ確認して一覧にしました。
なお、Disney+に加入すれば、日本のアカウントのまま英語音声・英語字幕に切り替えられるので、ここで紹介する名前の発音や綴りを自分の耳と目で確かめられます。切り替え手順は記事の後半で紹介します。
Contents
インサイド・ヘッドのキャラ英語名を見る前に知っておきたい3つの前提
結論から言うと、この作品のキャラ英語名を調べるときは、私たちが見ているのは「英語への翻訳」ではなく「原名そのもの」という前提を持っておくと理解が一気に進みます。日本アニメのキャラ英語名とは、成り立ちが逆になっているからです。
原題は Inside Out。英語名は翻訳ではなく「原名」
『インサイド・ヘッド』はピクサー・アニメーション・スタジオがアメリカで制作した作品で、原題はInside Out(2作目はInside Out 2)。企画も脚本も英語で作られているので、JoyやSadnessという名前のほうがオリジナルです。私たちが親しんでいる「ヨロコビ」「カナシミ」のほうが、後から日本語向けに付けられた名前ということになります。
ちなみにinside outは英語の熟語で「裏返し」という意味。You're wearing your shirt inside out.(シャツが裏返しだよ)のように使います。邦題の「インサイド・ヘッド」は日本オリジナルの言い回しで、英語ではそのまま通じません。英題まわりの詳細はインサイド・ヘッドの英語タイトル一覧で整理しています。
感情キャラの名前はピクサー初の42言語でローカライズされた
もう1つ知っておきたいのが、この作品の感情キャラの名前は「音をカタカナにしただけ」ではないという点です。映画.comの2015年2月28日の報道によれば、感情たちの名前はピクサー作品として初めて42の言語でそれぞれ現地の言葉に置き換えられました。日本語版の「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」も、その42言語版の1つです。
つまりJoy→「ヨロコビ」は、Elsa→「エルサ」のような音の写し取りではなく、意味を訳した名前。だからこそ、日本語名と英語名を並べるだけで「この日本語はこの英単語なんだ」という対応が自然に頭に入ります。
英語名はそのまま「感情を表す英単語」として使える
3つ目の前提が、キャラ英語名がすべて普通名詞(感情を表す名詞)であるということ。JoyもAnxietyもEnnuiも、辞書に載っている一般的な英単語です。
これは英語学習者にとってかなり大きなメリットです。キャラの見た目や性格がそのまま単語のイメージになるので、抽象的で覚えにくい感情語が「顔つき」とセットで記憶に残ります。私自身、Ennuiのような普段あまり使わない単語は、ダリィのあのソファに寝そべった姿を思い出せば意味が出てくるようになりました。
【1作目】5つの感情キャラの英語名・声優一覧
結論として、1作目の5感情はすべて基本的な感情名詞がそのまま名前になっています。英語版オリジナル声優もコメディ畑の実力派が揃っていました。まずは一覧表で確認しましょう。
| 日本語表記 | 英語名 | 英語版声優(2015) | 日本語吹替声優(2015) |
|---|---|---|---|
| ヨロコビ | Joy | Amy Poehler | 竹内結子 |
| カナシミ | Sadness | Phyllis Smith | 大竹しのぶ |
| イカリ | Anger | Lewis Black | 浦山迅 |
| ムカムカ | Disgust | Mindy Kaling | 小松由佳 |
| ビビリ | Fear | Bill Hader | 落合弘治 |
ヨロコビ=Joy/カナシミ=Sadness
ヨロコビの英語名Joyは「喜び・歓喜」を表す名詞です。似た単語のhappinessが「幸せな状態」を指すのに対し、joyはもっと瞬間的でこみ上げるような喜びを指します。演じているのはAmy Poehler(エイミー・ポーラー)。アメリカのコメディ番組出身の俳優です。
カナシミのSadnessは、形容詞sadに「〜な状態」を作る接尾辞-nessが付いた形。sad+ness=「悲しいという状態」という組み立てが見えると、kindness(優しさ)やdarkness(暗さ)にも応用が効きます。英語版はPhyllis Smith(フィリス・スミス)、日本語吹替は1作目から2作目まで大竹しのぶが続投しています。
イカリ=Anger/ムカムカ=Disgust
イカリのAngerは「怒り」。形容詞はangryです。演じるLewis Black(ルイス・ブラック)は「怒れるコメディアン」として知られる人物で、まさに適役のキャスティングでした。
ムカムカのDisgustは少し難しい単語で、「強い嫌悪感」「うんざりする気持ち」を表します。動詞としても使え、That smell disgusts me.(あのにおいは気持ち悪い)のような形になります。日常でよく耳にするのはむしろ形容詞のdisgusting(気持ち悪い、最低な)のほう。「ムカムカ」という日本語名は、このdisgustが持つ生理的な不快感をうまく訳し取った名前だと言えます。1作目の英語版声優はMindy Kaling(ミンディ・カリング)でした。
ビビリ=Fear
ビビリの英語名はFear(恐れ・恐怖)。形容詞にするとafraidやscaredになります。名詞はfear、形容詞はafraidと、形が変わるタイプの単語なので要注意です。I have a fear of heights.(高所恐怖症です)のように使います。
1作目の英語版声優はBill Hader(ビル・ヘイダー)。日本語吹替の落合弘治さんは1作目から2作目まで続投しており、公式サイトのコメントで「前作の『インサイド・ヘッド』でビビリ役をやらせてもらってから、『僕の頭の中にあるビビリがいたから、今まで無事に過ごせてきたんだな』って『ビビリ』という感情に感謝した」と語っています。
【2作目】新しく現れた「大人の感情」5人の英語名・声優一覧
結論として、2作目『インサイド・ヘッド2』で登場する新しい感情は、シンパイ・イイナー・ハズカシ・ダリィの4人+短い出番のナツカシで合計5人です。1作目の5感情より明らかに難易度の高い英単語が並びます。
| 日本語表記 | 英語名 | 英語版声優(2024) | 日本語吹替声優(2024) |
|---|---|---|---|
| シンパイ | Anxiety | Maya Hawke | 多部未華子 |
| イイナー | Envy | Ayo Edebiri | 花澤香菜 |
| ハズカシ | Embarrassment | Paul Walter Hauser | 村上(マヂカルラブリー) |
| ダリィ | Ennui | Adèle Exarchopoulos | 坂本真綾 |
| ナツカシ | Nostalgia | June Squibb | 定岡小百合(※後述) |
シンパイ=Anxiety
Anxietyは「不安・心配」を表す名詞で、まだ起きていない未来のことに対する落ち着かない気持ちを指します。形容詞はanxious。発音は「アンザイエティ」に近く、綴りにxが入るのに「クス」と読まない点が落とし穴です。
演じるのはMaya Hawke(マヤ・ホーク)。ディズニー公式の作品紹介ではシンパイを「最悪の将来を想像し、あたふたと必要以上に準備してしまう」感情と説明しており、これはまさにanxietyという単語のニュアンスそのものです。日本語吹替は多部未華子さんが担当しています。
イイナー=Envy
イイナーのEnvyは「うらやましさ・妬み」。他人が持っているものを自分も欲しいと思う気持ちを指します。動詞としても使えて、I envy you.(うらやましいなあ)は日常会話でよく登場する表現です。
英語版声優はAyo Edebiri(アヨ・エデビリ)、日本語吹替は花澤香菜さん。「シット(嫉妬)」でも「ウラヤミ」でもなく「イイナー」という口語的な名前にしたのは、envyが持つ子どもっぽくて憎めない感じをうまく捉えた訳だと思います。
ハズカシ=Embarrassment
Embarrassmentは「きまり悪さ・気恥ずかしさ」を表す名詞。綴りが非常に間違えやすく、rが2つ・sが2つ入ります。動詞はembarrass、形容詞はembarrassed(恥ずかしいと感じている)とembarrassing(恥ずかしい思いをさせるような)で、この2つの使い分けも定番の学習ポイントです。
英語版はPaul Walter Hauser(ポール・ウォルター・ハウザー)、日本語吹替はお笑いコンビ・マヂカルラブリーの村上さんが担当しました。
ダリィ=Ennui
この作品で一番「見慣れない」英単語がこれです。Ennuiはフランス語から英語に入った単語で、「倦怠感・退屈・気だるさ」を意味します。発音は「アーンウィー」に近く、綴りからは想像しづらい読み方です。
演じるAdèle Exarchopoulos(アデル・エグザルコプロス)はフランスの俳優で、劇中でもフランス語なまりの英語で話します。しかも彼女はヨーロッパ・フランス語版とカナダ・フランス語版でも同じ役を担当しています。日本語吹替は坂本真綾さん。Ennuiは日本語の「アンニュイ」の語源にあたる言葉ですが、英語では日常会話で頻繁に使う単語ではなく、やや文語的・気取った響きを持つ点に注意してください。
ナツカシ=Nostalgia
もう1人、ごく短い出番で登場するのがNostalgia(ナツカシ)です。「懐かしさ・郷愁」を表す名詞で、形容詞はnostalgic。過去を振り返って温かい気持ちになることを指します。まだ13歳のライリーには早いということで、司令部に顔を出しては追い返されるのがギャグになっていました。
英語版声優はアカデミー賞ノミネート歴もあるベテラン俳優June Squibb(ジューン・スキッブ)で、これはディズニー公式のプレスキットで確認できます。一方、日本語吹替の担当者はディズニー公式サイトのキャスト一覧には掲載がなく、吹替情報サイトや日本語版Wikipediaでは定岡小百合さんとされています。公式の記載がないため、本記事では参考情報として扱います。
ライリーと家族・友達の英語名一覧
結論として、人間キャラクターの名前は英語圏の一般的な人名がそのまま使われています。ただし苗字の綴りに大きな落とし穴があります。
| 日本語表記 | 英語名 | 英語版声優 | 日本語吹替声優 |
|---|---|---|---|
| ライリー(1作目) | Riley Andersen | Kaitlyn Dias | 伊集院茉衣 |
| ライリー(2作目) | Riley Andersen | Kensington Tallman | 横溝菜帆 |
| ママ | Jill Andersen | Diane Lane | 田中敦子 |
| パパ | Bill Andersen | Kyle MacLachlan | 花輪英司 |
| ヴァル・オルティス(2作目) | Valentina "Val" Ortiz | Lilimar | 清水理沙 |
| グレイス(2作目) | Grace | Grace Lu | 上原千果 |
| ブリー(2作目) | Bree | Sumayyah Nuriddin-Green | 淺岡和花 |
| ロバーツコーチ(2作目) | Coach Roberts | Yvette Nicole Brown | 村中知 |
ライリーの苗字の綴りは Andersen(-son ではない)
主人公ライリーのフルネームはRiley Andersen。よくあるAnderson(-son)ではなく、Andersen(-sen)が正解です。日本語表記も「アンダーソン」ではなく「アンダーセン」。
-senはデンマークやノルウェーなど北欧系に多い綴りで、-sonは英語圏・スウェーデン系に多い綴りです。作品の舞台がミネソタ州から始まることを考えると、北欧系移民の多い土地柄が名前に反映されているとも読めます。英語字幕をオンにして名前が出るシーンを確認すると、この-senがはっきり見えます。
なお、ライリー役の英語版声優は1作目のKaitlyn Diasから2作目のKensington Tallmanへ、日本語吹替も伊集院茉衣さんから横溝菜帆さんへと、両言語とも交代しています。ライリーが11歳から13歳に成長したためです。
両親は Jill と Bill、2作目の友達は Val・Grace・Bree
両親の名前は本編でほとんど呼ばれませんが、ディズニー公式の作品紹介ではママ=ジル(Jill)、パパ=ビル(Bill)と明記されています。英語版声優はDiane LaneとKyle MacLachlanで、1作目・2作目とも続投。日本語吹替も田中敦子さん・花輪英司さんが続投しています。
2作目でライリーが憧れる上級生はValentina "Val" Ortiz。Valentinaの愛称がValという構造で、英語圏の愛称の作り方が分かる好例です。中学からの親友2人はGraceとBree。BreeはBriannaなどの愛称としても使われる名前です。ホッケーキャンプの指導者はCoach Robertsで、英語では「役職+姓」を呼びかけにそのまま使うという点も学べます。
ビンボンたち脇役キャラの英語名一覧
結論として、脇役の英語名は「そのまま英語表現として使えるもの」と「完全な造語」の2種類に分かれます。ここは競合記事があまり触れていない部分なので、まとめて押さえておくとお得です。
1作目の主な脇役
| 日本語表記 | 英語名 | 英語版声優 |
|---|---|---|
| ビンボン | Bing Bong | Richard Kind |
| ジャングルズ(ピエロ) | Jangles the Clown | Josh Cooley |
| フリッツ | Fritz | John Ratzenberger |
| 記憶消しポーラ | Forgetter Paula | Paula Poundstone |
| 記憶消しボビー | Forgetter Bobby | Bobby Moynihan |
| 夢監督 | Dream Director | Paula Pell |
| 潜在意識の守衛フランク | Subconscious Guard Frank | Dave Goelz |
| 潜在意識の守衛デイヴ | Subconscious Guard Dave | Frank Oz |
| レインボーユニコーン | Rainbow Unicorn | クレジット未確認 |
2作目の「秘密の保管庫」で出会うキャラ
| 日本語表記 | 英語名 | 英語版声優 | 日本語吹替声優 |
|---|---|---|---|
| ブルーフィー | Bloofy | Ron Funches | 武内駿輔 |
| ポーチー | Pouchy | James Austin Johnson | 花江夏樹 |
| ランス・スラッシュブレード | Lance Slashblade | Yong Yea | 中村悠一 |
| クライヒミツ | Deep Dark Secret | Steve Purcell | 北村謙次 |
ビンボン=Bing Bong と、1作目の頭の中の住人たち
ライリーの空想上の友達ビンボンの英語名はBing Bong。これは意味のある単語ではなく、呼び鈴の音のような響きから作られた造語です。演じたのはRichard Kind、日本語吹替は佐藤二朗さんが声優初挑戦で担当しました。
一方、役割がそのまま名前になっているキャラも多数います。記憶を捨てていく作業員はForgetter(forget+-er=「忘れさせる人」)、夢を作る監督はDream Director、潜在意識の見張り番はSubconscious Guard。英語の-erは「〜する人・もの」を作る接尾辞なので、Forgetterという造語の作り方はそのまま英語の造語感覚の練習になります。ピエロはJangles the Clownで、the Clownという付け方はAlexander the Great(アレクサンダー大王)と同じ「〜という肩書きの人」を表す形です。
2作目の Bloofy・Pouchy・Lance Slashblade・Deep Dark Secret
2作目の保管庫キャラは、名前の作り方が実に英語的です。犬のキャラクターBloofyと、その相棒のウエストポーチPouchyは、pouch(小袋・ポーチ)に親しみを込める-yを付けた形。英語ではdoggyやkittyのように、語尾に-yを付けると幼児語っぽく可愛くなります。
ゲームキャラのLance Slashbladeは、lance(槍)+slash(切りつける)+blade(刃)を組み合わせた、いかにも派手な造語。日本のRPGの主人公をモチーフにしたキャラで、日本語吹替は中村悠一さんです。
そして学習価値が一番高いのがクライヒミツの英語名Deep Dark Secret。これは造語ではなく、「誰にも言えない重大な秘密」を意味する英語の定型表現そのものです。She has a deep dark secret.のように、日常会話でもそのまま使えます。日本語名の「クライヒミツ」もdark=暗いをうまく訳し込んでいます。
1作目と2作目で声優が交代したキャラクター
結論として、英語版・日本語吹替版のどちらでも複数のキャラで声優が交代しています。同じキャラなのに声が違うと感じたら、それは気のせいではありません。
英語版:Fear と Disgust、そしてライリー役の交代
英語版では、1作目でビビリを演じたBill Haderと、ムカムカを演じたMindy Kalingが2作目には参加していません。報道によれば出演料をめぐる交渉がまとまらず続投を辞退したとされ、2023年11月に公開されたティザー予告で、後任がTony Hale(ビビリ)とLiza Lapira(ムカムカ)であることが明らかになりました。
ライリー役もKaitlyn DiasからKensington Tallmanへ交代。一方でヨロコビ(Amy Poehler)、カナシミ(Phyllis Smith)、イカリ(Lewis Black)、両親役(Diane Lane/Kyle MacLachlan)は続投しています。
日本語吹替版:ヨロコビ役が竹内結子さんから小清水亜美さんへ
日本語吹替版では、1作目でヨロコビを演じた竹内結子さんが2020年に逝去されたため、2作目では小清水亜美さんが新たにヨロコビ役を担当しました。公式サイトに寄せたコメントで小清水さんは「いつも前向きさを失わずライリーの幸せを願って奮闘するヨロコビ。生きるパワーをもらえる存在だと感じました」と語っています。
一方、カナシミ(大竹しのぶ)、イカリ(浦山迅)、ムカムカ(小松由佳)、ビビリ(落合弘治)の4人は1作目から続投。ここは英語版と逆で、英語版では交代したビビリとムカムカが、日本語版では同じ声優のままという面白いねじれが起きています。
感情キャラの英語名を「使える単語」にする類義語の使い分け
結論として、キャラ英語名を「読んで終わり」にせず、似た意味の単語との違いまで押さえると一気に実用レベルになります。ここは辞書の直訳だけでは分かりにくい部分なので、実際の使われ方ベースで整理します。
Anxiety と Worry と Fear
この3つはどれも「不安・恐れ」ですが、指す範囲が違います。
fear:目の前にある具体的な対象への恐怖。クマ、高い場所、暗闇など。worry:具体的な物事についてくよくよ考えること。I'm worried about the exam.のように日常的。anxiety:対象がはっきりしない、漠然と落ち着かない状態。医学・心理学の文脈でも使われる硬めの語。
シンパイ(Anxiety)が「最悪の将来を想像して先回りする」キャラとして描かれているのは、このanxiety=「まだ起きていないことへの漠然とした不安」というニュアンスを可視化したものです。
Envy と Jealousy
日本語ではどちらも「嫉妬」と訳されますが、英語では役割が分かれます。
envy:自分が持っていないものを他人が持っているときの気持ち。「いいなあ」。jealousy:自分が持っているものを他人に奪われそうなときの気持ち。恋愛や人間関係の独占欲に使われることが多い。
イイナーがEnvyと名付けられているのは、ライリーが憧れの先輩を「いいなあ」と見上げる感情だからです。jealousyだったら、まったく別のキャラクターになっていたはずです。
Embarrassment と Shame
embarrassment:人前でつまずいた、名前を間違えた、といった一時的なきまり悪さ。深刻ではありません。shame:道徳的な後ろめたさを含む恥・恥辱。もっと重い言葉です。
ハズカシがフードで顔を隠すあのコミカルな描写は、まさにembarrassment。ここをShameにしてしまうと、笑えないキャラクターになってしまいます。訳語選びの精度が伝わる好例です。
Sadness と Sorrow と Grief
sadness:一般的で日常的な「悲しさ」。もっとも守備範囲が広い。sorrow:やや文語的で深い悲しみ。文章や歌詞でよく見かけます。grief:大切な人を失ったときの深い悲嘆。特別に重い場面で使われます。
カナシミがもっとも一般的なSadnessという名前なのは、彼女が特別な悲劇ではなく日常の中の悲しみを担当しているキャラだからだと考えると腑に落ちます。
綴り・発音で間違えやすいキャラ英語名5つ
結論として、この作品のキャラ名で書き間違い・読み間違いが起きやすいのは次の5つです。テストの前に確認するつもりでチェックしてみてください。
Andersen:ライリーの苗字。Anderson(-son)ではなく-sen。この作品で一番の落とし穴です。Embarrassment:rが2つ、sが2つ。embarasmentと書いてしまう人が非常に多い単語です。Ennui:nが2つ。読みは「アーンウィー」に近く、綴りから素直には読めません。Disgust:disgustと最後にtが必要。disgusでは止まりません。Anxiety:xがあるのに「アンクサイエティ」ではなく「アンザイエティ」に近い音になります。
こうした細かい綴りは、英語字幕を実際に目で追って確認するのが一番確実です。次の章で、その手順を紹介します。
Disney+で英語音声・英語字幕に切り替えてキャラ名を確認する方法
結論として、Disney+に加入すれば、日本で契約したアカウントのまま、再生画面の設定から英語音声・英語字幕に切り替えるだけで、ここまで紹介したキャラクターたちの実際の呼び名や発音を確認できます。海外サーバーへの接続や、海外用アカウントの作成は必要ありません。
手順はとてもシンプルです。
- Disney+アプリで『インサイド・ヘッド』または『インサイド・ヘッド2』を再生する
- 再生画面のメニュー(音声・字幕のアイコン)をタップまたはクリックする
- 「音声」から
Englishを選ぶ - 「字幕」からも
English(またはCC)を選ぶ
英語音声のセリフと英語字幕の文字がほぼ一致しているので、AnxietyやEmbarrassmentといった綴りをその場で目で確認できます。本記事執筆時点(2026年8月)で、両作品ともDisney+の日本向けカタログに英語の音声・字幕トラックが用意されていることを確認しています。ただし配信側の都合で構成が変わる場合があるため、視聴前に最新の状態をご確認ください。
Disney+なら、インサイド・ヘッドシリーズだけでなく、ピクサー・ディズニー作品を幅広く英語音声・英語字幕で楽しめるので、感情語だけでなく日常表現までまとめて拾えます。スピンオフ短編『ライリーの初デート?』(Riley's First Date?)やDisney+オリジナルシリーズ『ライリーの夢の製作スタジオ』(Dream Productions)も同じアカウントで視聴可能です。より詳しい視聴手順はDisney+でインサイド・ヘッドを英語音声・英語字幕で見る方法にまとめました。
キャラ英語名を使った英語学習法【YOSHI流】
ここからは、留学せずにTOEIC990・VERSANT76点(80点満点中)まで伸ばした筆者YOSHIが、キャラクター名を実際の英語学習にどう使っているかを紹介します。「勉強」と身構えるのではなく、好きな作品だから話の流れをだいたい知っていて、英語そのものに集中できるという状態を作るのがコツです。
反復学習法(ダウンロード・バックグラウンド再生)
私が続けているのは、Disney+アプリのダウンロード機能を使って、同じシーンを繰り返し聴く方法です。インサイド・ヘッドは司令部での会話が中心なので、感情名が何度も呼び合われます。通勤中や家事の合間にバックグラウンド再生しておくだけで、Joy!Sadness!Anxiety!と呼びかける音が、綴りとセットで自然に定着します。
とくにおすすめなのが2作目の司令部シーン。新旧9つの感情が入り乱れるので、短い時間で感情語のシャワーを浴びられます。1回で覚えようとせず、何周もするつもりで取り組むのがポイントです。
スクリプト×AI活用法
もう1つ私がよく使うのが、「Inside Out script」で検索して英語のセリフ一覧(スクリプト)を探す方法です。キャラ名は聞き取れても、その周辺のセリフは意外と難しかったりします。台本形式のテキストなら、Deep Dark Secretのような言い回しがどんな文脈で出てきたのかを目で追えます。
気になった箇所を見つけたら、それをコピーしてChatGPTなどのAIに「このセリフのニュアンスと文法を解説して」と投げてみてください。辞書だけでは分からない語感の違い(envyとjealousyなど)まで具体例つきで説明してくれるのが、この方法の最大のメリットです。作品全体から使える表現を拾いたい方はインサイド・ヘッドの使える英語フレーズ集もあわせてどうぞ。アニメ・海外作品を使った英語学習の全体設計は、英語×アニメ学習の総合ガイドでも詳しく解説しています。
まとめ
インサイド・ヘッドのキャラクター英語名は、ヨロコビ=Joy、カナシミ=Sadness、イカリ=Anger、ムカムカ=Disgust、ビビリ=Fearという1作目の5感情に、2作目のシンパイ=Anxiety、イイナー=Envy、ハズカシ=Embarrassment、ダリィ=Ennui、ナツカシ=Nostalgiaが加わる構成でした。あわせて、
- ライリーの苗字の綴りは
AndersonではなくAndersen - 感情名はピクサー初の42言語でそれぞれの言語に訳された
- 英語版はビビリとムカムカ、日本語版はヨロコビの声優が2作目で交代
- クライヒミツの
Deep Dark Secretはそのまま使える英語の定型表現
といった、一次情報を確認して初めて分かるポイントも数多くありました。キャラ名が感情語そのものなので、覚えた瞬間から使える単語が9つ増える——これがこの作品ならではの強みです。
作品全体の英語トピック(英題・視聴方法・主題歌まで)を横断的に知りたい方はインサイド・ヘッドを英語で楽しむ完全ガイドをどうぞ。心に残るセリフを英語で読みたい方はインサイド・ヘッドの英語名言・セリフ集、主題歌や劇中曲の背景を知りたい方は主題歌・挿入歌の英語ガイドもあわせてご覧ください。
まずはDisney+で『インサイド・ヘッド』を開き、音声をEnglishに切り替えて、JoyとSadnessの本当の声を聞いてみてください。