「『ゴミ捨て場の決戦』って英語だと何ていうの?」「海外の記事に出てくる To The Top ってどのシーズン?」「第9話『エースへのトス』の英題を調べたら、サイトによって違う名前が出てくるんだけど……」——ハイキューを英語で追いかけようとすると、多くの方がこの壁にぶつかります。結論からお伝えすると、作品名はHaikyu!!、TVアニメは第1期〜第4期の全85話、劇場版は総集編4作+『ハイキュー!! FINAL』2部作の合計6作です。そしてこの作品でいちばん厄介なのが、同じ日本語サブタイトルなのに、媒体によって英題が2通り・3通り・ときに4通りに割れるという点。実際に全85話ぶんを突き合わせたところ、85話中34話(およそ40%)で英題が一致しませんでした。この記事では、シーズン・劇場版・OVA・全85話のサブタイトルの英語表記を、英語版Wikipedia・Anime News Network・公式ファンWiki(haikyuu.fandom.com)・VIZ英語版漫画・アニメ公式サイトで一次確認したうえで一覧化し、なぜ表記が割れるのかまで踏み込んで解説します。筆者は留学経験なしでTOEIC990点・VERSANT76点(80点満点中)を取得し、前職では海外事業を担当していました。ハイキュー×英語の全体像はハイキューは英語で何という?完全ガイドにまとめていますので、あわせてご覧ください。
なお、実際に英語音声・英語字幕でハイキューを観たい方へ。前提として、日本から普通に配信サービスを開くと日本向けのカタログしか表示されず、英語音声を選べない作品がほとんどです。そこで使われるのがVPNで、NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続し、その状態でいつも通り配信サービスを開くと、英語音声・英語字幕で視聴できるようになります(NordVPN)。具体的な手順は記事後半で改めて紹介します。
Contents
- 1 ハイキューの英語タイトルは「Haikyu!!」──まずシリーズ名の表記から
- 2 【一覧表】アニメ4期・劇場版6作・OVA5本の英語タイトル早見表
- 3 TVアニメ第1期〜第4期の英語シーズン名と放送データ
- 4 【一覧表】劇場版6作の英語タイトル|総集編4作+『ハイキュー!! FINAL』2部作
- 5 劇場版タイトルの英語を分解して読む
- 6 【一覧表】第1期 全25話の英語サブタイトル
- 7 第1期サブタイトルで学ぶ英語表現
- 8 【一覧表】第2期 全25話の英語サブタイトル
- 9 【一覧表】第3期 全10話の英語サブタイトル
- 10 【一覧表】第4期(TO THE TOP)全25話の英語サブタイトル
- 11 第2期〜第4期の英題から拾える英単語メモ
- 12 【本記事の目玉】85話中34話で英題が食い違う──媒体差の全体像
- 13 OVA5本の英語タイトル|「陸VS空」は Land vs. Air か Land vs. Sky か
- 14 英語タイトルを入り口にハイキューを英語で楽しむ方法
- 15 まとめ|ハイキューの英語タイトル早見まとめと関連記事
ハイキューの英語タイトルは「Haikyu!!」──まずシリーズ名の表記から
まず大前提として、作品そのものの英語タイトルを押さえましょう。結論として、『ハイキュー!!』の英語版タイトルはHaikyu!!です。英語版Wikipediaも、北米で英語版コミックを出版するVIZ Mediaも、この表記で統一しています。感嘆符2つまで原題どおりで、鬼滅の刃が Demon Slayer になったような意訳はいっさいされていません。英語版Wikipediaは冒頭で、タイトルが漢字の「排球」(volleyball)に由来することも明記しています。
ただし英語圏ではHaikyuu!!(uが2つ)という綴りも根強く使われており、大手ファンWikiのドメインも haikyuu.fandom.com です。さらに、日本のアニメ公式サイトが2024年3月5日に出した英文の告知(劇場版の英語字幕版上映のお知らせ)では、#HAIKYU!! と全大文字で書かれていました。つまりシリーズ名の段階で、すでに Haikyu!! / Haikyuu!! / HAIKYU!! の3つの見え方が流通しているわけです。この表記揺れの背景はハイキューは英語で何という?完全ガイドで詳しく解説しています。本記事はそこから一段深く、シーズン・劇場版・全85話のサブタイトルを扱います。
【一覧表】アニメ4期・劇場版6作・OVA5本の英語タイトル早見表
まずは映像作品の英語タイトルを全体像で押さえましょう。ハイキューの映像シリーズは「TVアニメ4期(全85話)/劇場版・総集編4作/劇場版・完結2部作/OVA5本」という構成になっています(以下は本記事執筆時点=2026年7月に確認した内容です)。
| 区分 | 日本語表記 | 英語タイトル | 時期 |
|---|---|---|---|
| TVアニメ第1期 | ハイキュー!! | Haikyu!! | 2014年4月〜9月/25話 |
| TVアニメ第2期 | ハイキュー!! セカンドシーズン | Haikyu!! Second Season | 2015年10月〜2016年3月/25話 |
| TVアニメ第3期 | ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校 | Haikyu!! Karasuno High School vs Shiratorizawa Academy | 2016年10月〜12月/10話 |
| TVアニメ第4期 | ハイキュー!! TO THE TOP | Haikyu!! To The Top | 2020年1月〜12月/25話(分割2クール) |
| 劇場版・総集編① | ハイキュー!! 終わりと始まり | Haikyu!! The Movie: Endings and Beginnings | 2015年7月3日 |
| 劇場版・総集編② | ハイキュー!! 勝者と敗者 | Haikyu!! The Movie: Winners and Losers | 2015年9月18日 |
| 劇場版・総集編③ | ハイキュー!! 才能とセンス | Haikyu!! The Movie: Talent and Sense | 2017年9月15日 |
| 劇場版・総集編④ | ハイキュー!! コンセプトの戦い | Haikyu!! The Movie: Battle of Concepts | 2017年9月29日 |
| 劇場版 FINAL 第1部 | 劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 | HAIKYU!! The Dumpster Battle | 2024年2月16日 |
| 劇場版 FINAL 第2部 | 劇場版ハイキュー!! VS 小さな巨人 | Haikyu!! vs. The Little Giant | 2027年公開予定 |
| スペシャルアニメ | ハイキュー!! バケモノたちの行くところ | Haikyu!! Where Monsters Go | 2027年公開予定 |
| OVA① | リエーフ見参! | The Arrival of Lev! | 2014年11月9日 |
| OVA② | VS"赤点" | Vs. "Failing Grades" | 2016年5月2日 |
| OVA③ | 特集!春高バレーに賭けた青春 | Special Feature! Betting on the Spring High Volleyball | 2017年8月4日 |
| OVA④ | 陸VS空 | Land vs. Sky(別表記 LAND VS. AIR) | 2020年1月22日 |
| OVA⑤ | ボールの"道" | The "Path" of the Ball | 2020年1月22日 |
シリーズ名の「Haikyu!!」はローマ字のまま据え置き、サブタイトルだけを意味で英訳するというのが、この作品の一貫した方針です。ここからは1つずつ掘り下げていきましょう。
TVアニメ第1期〜第4期の英語シーズン名と放送データ
TVアニメの英語表記は、日本語の公式表記とほぼ素直に対応しています。制作は全期を通じてProduction I.G。順に整理しましょう。
第1期・第2期=Haikyu!! / Haikyu!! Second Season
第1期は2014年4月6日から9月21日まで放送された全25話(通算第1〜25話)。英題はシリーズ名そのままのHaikyu!!です。第2期は2015年10月4日から2016年3月27日まで放送された全25話(通算第26〜50話)で、英題はHaikyu!! Second Season。
面白いのは、日本語版の公式タイトルが最初から「セカンドシーズン」というカタカナ英語だったため、英題がそれをローマ字に戻すだけで済んでいる点です。second season は「第2シーズン」を表すごく普通の英語で、海外ドラマの文脈でもそのまま使われます。日本語版が Season 2 という数字表記ではなくカタカナを選んだおかげで、日英の対応が1対1になった珍しい例と言えます。
第3期は学校名がまるごと英題に入る唯一のシーズン
第3期は2016年10月8日から12月10日までの全10話(通算第51〜60話)。日本語タイトル「ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校」に対し、英題はHaikyu!! Karasuno High School vs Shiratorizawa Academyです。
ここで押さえておきたいのが、烏野高校=Karasuno High School、白鳥沢学園=Shiratorizawa Academy という学校名の英訳。「高校」は High School、「学園」は Academy と訳し分けられています。academy は本来「学術団体・専門学校」を指す語ですが、英語圏では私立の中等学校の名前によく使われるため、「学園」の訳として自然に収まっているわけです。全4期の中で、学校名がまるごとタイトルに入っているのはこの第3期だけ。学校名やキャラクター名の英語表記はハイキュー キャラクター英語名一覧に約90名分をまとめています。
第4期 TO THE TOP は分割2クール。話数の数え方に注意
第4期『ハイキュー!! TO THE TOP』の英題はHaikyu!! To The Top。全25話(通算第61〜85話)ですが、放送は一度で終わらず、2020年1月11日〜4月4日の13話と、2020年10月3日〜12月19日の12話に分かれた「分割2クール」でした。新型コロナウイルスの影響で第2クールが延期された経緯があり、英語版Wikipediaにもその旨が記載されています。
ここが混乱ポイントで、海外のデータベースでは第1クールと第2クールが別作品として登録されていることがあるため、「第4期は13話」と書かれた情報に出会うことがあります。正しくは13+12で全25話、シリーズ通算では全85話です。ちなみに日本語の「TO THE TOP」はもともと英語なので、英題は大文字・小文字の整形だけ。to the top は「頂点へ」という副詞句で、第1期第4話のサブタイトル「頂の景色」とも響き合うタイトルになっています。
【一覧表】劇場版6作の英語タイトル|総集編4作+『ハイキュー!! FINAL』2部作
ハイキューの劇場版は、性格の異なる2グループに分かれます。2015年・2017年に公開された総集編アニメ映画4作と、2022年8月に発表された完結2部作『ハイキュー!! FINAL』です。
| # | 日本語タイトル | 英語タイトル | 公開 | 内容 |
|---|---|---|---|---|
| ① | ハイキュー!! 終わりと始まり | Haikyu!! The Movie: Endings and Beginnings | 2015年7月3日 | 第1期 第1〜13話の総集編(89分) |
| ② | ハイキュー!! 勝者と敗者 | Haikyu!! The Movie: Winners and Losers | 2015年9月18日 | 第1期 第14〜25話の総集編(88分) |
| ③ | ハイキュー!! 才能とセンス | Haikyu!! The Movie: Talent and Sense | 2017年9月15日 | 第2期の総集編(90分) |
| ④ | ハイキュー!! コンセプトの戦い | Haikyu!! The Movie: Battle of Concepts | 2017年9月29日 | 第3期の総集編(89分) |
| ⑤ | 劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 | HAIKYU!! The Dumpster Battle | 2024年2月16日 | 完全新作(85分)。原作33〜37巻 |
| ⑥ | 劇場版ハイキュー!! VS 小さな巨人 | Haikyu!! vs. The Little Giant | 2027年公開予定 | 完全新作 |
総集編4作(2015年・2017年)の英題は媒体で割れる
まず注意していただきたいのが、総集編4作には「これが唯一の公式英題」と言い切れるものが存在しないという点です。上の表は英語版Wikipediaの表記ですが、実際に各サイトを見に行くと次のように分かれます。
- 『終わりと始まり』……英語版Wikipedia・公式ファンWikiは Haikyu!! The Movie: Endings and Beginnings。一方、IMDb・TMDB・Letterboxd・海外の配信ストアなどでは Haikyu!! the Movie: The End and the Beginning(あるいは "Haikyu!! The Movie 1")という単数形の表記が使われています。
- 『才能とセンス』……英語版Wikipediaは Talent and Sense。ところが Anime News Network は英題を付けずローマ字の Haikyu!! Sainō to Sense で登録しており、MyAnimeListも同様に Sainou to Sense。さらに Genius and Sense という別表記も流通しています。
- 『コンセプトの戦い』……Battle of Concepts でほぼ固まっていますが、VIZ英語版漫画の該当チャプター(第188話)は A Battle of Concepts と冠詞が付きます。
総集編は北米で大々的に劇場公開されなかったため、「配給が付けた正式な英題」が存在しないまま、各データベースが独自に訳した——というのが実態です。海外の情報を探すときは、複数の言い方で検索してみてください。
『ゴミ捨て場の決戦』=HAIKYU!! The Dumpster Battle
一方、完結編2部作の第1部は状況がまったく違います。『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』は2024年2月16日に東宝配給でIMAX同時公開され、英題はHAIKYU!! The Dumpster Battle。Crunchyroll が Sony Pictures Releasing を通じて2024年5月30日に米国公開したため、配給が正式に決めた英題が存在します(英語版Wikipedia)。原作コミックス第33〜37巻で描かれた烏野高校対音駒高校戦を、85分の完全新作として映像化した作品です。日本では公開75日間で観客動員699万人・興行収入100億円を突破しました(ORICON NEWS/MANTANWEB、2024年5月1日)。
そしてここが重要なのですが、The Dumpster Battle はVIZ英語版漫画がずっと使ってきた訳語でもあります。原作第294話のタイトルが、まさに The Dumpster Battle(日本語タイトル「ゴミ捨て場の決戦」)。つまり劇場版の英題は、漫画側の訳語に合わせて統一されたわけです。劇場版の配信状況や視聴方法はハイキューを英語で見る方法で詳しく扱っています。
第2弾『VS 小さな巨人』は2027年公開予定(本記事執筆時点で公開日は未発表)
ここは誤解が多いところなので、はっきり書いておきます。完結編の第2部『劇場版ハイキュー!! VS 小さな巨人』は、本記事執筆時点(2026年7月)ではまだ公開されていません。公式サイト(haikyu.jp/movie/)のクレジット表記は「©2027「ハイキュー!!」製作委員会」となっており、2027年公開予定であること、そして具体的な公開日はまだ発表されていないことが確認できます。制作決定が発表されたのは2025年3月2日開催の「ハイキュー!! 10th イベント -NEXT STEP-」で、鴎台高校戦(春高準々決勝)が描かれます。英語版Wikipediaでの表記はHaikyu!! vs. The Little Giantです。
同じイベントで、短編のスペシャルアニメ『ハイキュー!! バケモノたちの行くところ』の制作も発表されました。こちらも公式サイト(haikyu.jp/spanime/)で特設ページが公開されており、2027年公開予定。英語版WikipediaはHaikyu!! Where Monsters Goと表記しています。面白いのは、Where Monsters Go がVIZ英語版漫画の第336話タイトル(日本語タイトル「バケモノたちの行くところ」)とまったく同じという点。ここでも漫画の訳語がそのまま採用されているわけです。
劇場版タイトルの英語を分解して読む
一覧を眺めるだけではもったいないので、劇場版タイトルに使われている英単語を掘り下げてみましょう。どれも短いフレーズなので、そのまま覚えて使えるのが英語タイトルの良いところです。
dumpster と garbage dump ── 同じ「ゴミ捨て場」でも語が違う
dumpster は「(工事現場やビルの裏に置かれる)大型のゴミ収集容器」を指す語で、もともとは商標由来の言葉です。日本語の「ゴミ捨て場」=屋外に置かれた大きな容器、というイメージにぴったりはまります。英語圏では dumpster fire(=収拾のつかない大惨事)というスラングもあり、この単語自体になじみがあるのも強みでしょう。
対して、同じ「ゴミ捨て場の決戦」がCrunchyrollの英語版あらすじなどでは Battle of the Garbage Dump と表現されてきた経緯もあります。garbage dump は「ゴミ捨て場・埋立地」を指す一般的な言い方で、こちらのほうが直訳的です。さらに英語版Wikipediaのキャラクター一覧では Battle of the Trash Heap(trash heap=ゴミの山)という別表現も見られます。dumpster / garbage dump / trash heap ——「ゴミ捨て場」という一語だけで3系統の英語が存在するわけです。この訳語の割れ方についてはハイキュー バレーボール用語の英語一覧でも技名・二つ名の観点から取り上げています。
vs. と the Little Giant ── 冠詞ひとつで意味が変わる
第2部の英題Haikyu!! vs. The Little Giantで注目したいのが、vs. の書き方です。英語では versus の略として vs.(アメリカ式はピリオド付き、イギリス式は vs や v.)と書くのが一般的で、日本語のように全角の「VS」を単独で使う習慣はありません。第3期の英題が Karasuno High School vs Shiratorizawa Academy と小文字なのに対し、第2部が vs. とピリオド付きなのも、媒体ごとの表記ルールの違いです。
そしてthe Little Giant。「小さな巨人」は英語でも the Little Giant で、the が付くことで「あの伝説の小さな巨人」という特定の人物を指すようになります。a little giant だと「小さな巨人という種類の何か」になってしまい、烏野のOBとして語り継がれてきたあの選手を指せません。little と giant という正反対の語を並べる撞着語法(oxymoron)は英語でも成立するので、日本語の面白さがそのまま英語に移せた、幸運なタイトルだと思います。
Talent and Sense か Talent and Instinct か
総集編③の「才能とセンス」は、英語で二重に面白い例です。劇場版の英題としては Talent and Sense が使われますが、VIZ英語版漫画の該当チャプター(第146話)は Talent and Instinct。日本語の「センス」をどう訳すかで分かれています。
英語の sense は「感覚・判断力・意味」など幅の広い語で、日本語の「センスがいい」に当たる用法は実は弱い。一方 instinct は「本能・直感」で、「理屈ではなく体が知っている」というニュアンスを出すなら instinct のほうが的確です。VIZが instinct を選んだのは、競技のプレー描写として自然に読ませるための判断でしょう。ちなみに総集編④の concept は「概念・設計思想」。「コンセプトの戦い」=チームとしての設計思想がぶつかる試合、という含みが、英語のほうがむしろ明確に出ています。
【一覧表】第1期 全25話の英語サブタイトル
ここからは、日本語では意外と見つけにくい各話の英語サブタイトルを全85話ぶん一覧化していきます。表は次の4列構成です。
- 英語版Wikipedia表記……英語版Wikipedia「Haikyu!! season 1〜4」の各エピソード表
- 北米ライセンス/ファンWiki表記……Anime News Networkに登録された英語エピソードタイトル(北米のライセンス側・配信で使われる表記)と、公式ファンWiki(haikyuu.fandom.com)の表記。両者が違う場合は「/」で併記
- ★印は、媒体によって英題が食い違っている話です。「同左」は全媒体で一致していることを示します。
| 話数 | 日本語サブタイトル | 英語版Wikipedia表記 | 北米ライセンス/ファンWiki表記 |
|---|---|---|---|
| 第1話 | 終わりと始まり | The End and The Beginning | ★ The End & The Beginning/Endings and Beginnings |
| 第2話 | 烏野高校排球部 | Karasuno High School Volleyball Team | ★ Karasuno High School Volleyball Club/Karasuno High School's Volleyball Club |
| 第3話 | 最強の味方 | A Formidable Ally | ★ The Formidable Ally |
| 第4話 | 頂の景色 | The View From the Summit | 同左 |
| 第5話 | 小心者の緊張 | A Coward's Anxiety | 同左 |
| 第6話 | 面白いチーム | An Interesting Team | 同左 |
| 第7話 | VS「大王様」 | Versus the Great King | 同左 |
| 第8話 | 「エース」と呼ばれる人 | The One They Call "Ace" | ★ He Who Is Called "Ace" |
| 第9話 | エースへのトス | A Set For the Ace | ★ A Toss to the Ace |
| 第10話 | 憧れ | Yearning | 同左 |
| 第11話 | 決断 | The Decision | ★ Decision |
| 第12話 | ネコとカラスの再会 | The Cat and Crow Reunion | ★ The Neko-Karasu Reunion |
| 第13話 | 好敵手(ライバル) | Worthy Adversaries | ★ Rival |
| 第14話 | 強敵たち | Formidable Opponents | 同左 |
| 第15話 | 復活 | Revival | 同左 |
| 第16話 | 勝者と敗者 | Winners and Losers | 同左 |
| 第17話 | 鉄壁 | The Iron Wall | 同左 |
| 第18話 | 背中の護り | Guarding Your Back | 同左 |
| 第19話 | 指揮者 | The Conductor | ★ Coaches/Conductors |
| 第20話 | 及川徹は天才ではない | Oikawa Toru Is Not a Genius | ★ Oikawa Toru is not a Genius/Oikawa Tōru is not a Genius |
| 第21話 | 先輩の実力 | Senpai's True Abilities | 同左 |
| 第22話 | 進化 | Evolution | 同左 |
| 第23話 | 流れを変える一本 | The Play to Shift the Momentum | ★ The Point that Changes the Momentum |
| 第24話 | 脱・「孤独の王様」 | 'Lonely King' No More | ★ Removing the "Solitary King"/Removing the Lonely King |
| 第25話 | 三日目 | The Third Day | 同左 |
第20話のOikawa Toru / Oikawa Tōru のように、長音記号(マクロン)を付けるか外すかでも表記が割れます。人名の綴りの揺れについてはハイキュー キャラクター英語名一覧に早見表を用意しました。
第1期サブタイトルで学ぶ英語表現
25話ぶんの英題は、そのまま英語の教材になります。特に押さえておきたい表現を見ていきましょう。
The View From the Summit と The View from the Top
第4話「頂の景色」の英題はThe View From the Summit。ところが、VIZ英語版漫画の同じ日本語タイトルのチャプター(第8話)は The View from the Topで、単語が違います。summit は「山の頂上」、転じて「首脳会談(summit meeting)」にも使われる語。top はもっと日常的な「いちばん上」です。
アニメが summit を選んだのは「登りきった者にしか見えない景色」という比喩を強めるため、漫画が top を選んだのは第4期のタイトル To The Top と一続きに読ませるため——と考えると腑に落ちます。ちなみに「〜からの眺め」は英語で the view from 〜。The view from my window is amazing.(窓からの眺めが最高だ)のように、旅行や日常会話でそのまま使える型です。
The Iron Wall/Guarding Your Back/Evolution
第17話「鉄壁」のThe Iron Wallは、伊達工業の代名詞。「壁」で堅い守備を表す比喩は日英で共通なので、ここは訳しやすかったはずです。iron は「鉄の」という形容詞としても使え、iron will(鉄の意志)、iron grip(万力のような握力)のように「揺るがない」を表します。
第18話「背中の護り」のGuarding Your Backにも注目です。英語には I've got your back.(お前の背中は俺が守る=任せろ)という定番の言い回しがあり、「背後を守る=仲間を信頼して前に出られる」という意味まで含む、チームスポーツにぴったりの表現。この一文は、そのまま覚えて使う価値があります。第22話「進化」のEvolutionは説明不要に見えますが、英語の evolution は「生物の進化」だけでなく「段階的な発展」全般に使える語。The evolution of the team's offense(チームの攻撃の進化)のように、スポーツ記事でも頻出です。
【一覧表】第2期 全25話の英語サブタイトル
第2期(通算第26〜50話)です。このシーズンは★印が突出して多く、25話中14話で表記が割れています(第1期は12話、第3期・第4期は各4話)。表の見方は第1期と同じです。
| 話数 | 日本語サブタイトル | 英語版Wikipedia表記 | 北米ライセンス/ファンWiki表記 |
|---|---|---|---|
| 第1話(通算26) | レッツゴートーキョー!! | Let's Go to Tokyo! | 同左 |
| 第2話(通算27) | 直射日光 | Direct Sunlight | 同左 |
| 第3話(通算28) | 「村人B」 | 'Townsperson B' | 同左 |
| 第4話(通算29) | 「センターエース」 | 'Center Ace' | 同左 |
| 第5話(通算30) | 『欲』 | 'Greed' | 同左 |
| 第6話(通算31) | 「テンポ」 | 'Tempo' | 同左 |
| 第7話(通算32) | 月の出 | Moonrise | 同左 |
| 第8話(通算33) | 幻覚ヒーロー | Illusionary Hero | 同左 |
| 第9話(通算34) | VS「傘」 | Vs. 'Umbrella' | ★ VS. Umbrella/Umbrella |
| 第10話(通算35) | 歯車 | Gears | ★ Gear/Gears |
| 第11話(通算36) | 「上」 | 'Above' | ★ Above/Up Above |
| 第12話(通算37) | 試合開始!! | Let the Games Begin! | ★ Let the Games Begin!!/Match Begins!! |
| 第13話(通算38) | シンプルで純粋な力 | Simple And Pure Strength | ★ A Simple and Pure Strength/Simple, Pure Strength |
| 第14話(通算39) | 育ち盛り | Still Growing | ★ Still Growing/Growing Fast |
| 第15話(通算40) | アソビバ | A Place To Play | ★ Place to Play/Playground |
| 第16話(通算41) | 次へ | Next | ★ Next/To the Next |
| 第17話(通算42) | 根性無しの戦い | The Battle Without Will Power | ★ The Battle Without Willpower/The Fight of the Spineless |
| 第18話(通算43) | 敗北者達 | The Losers | 同左 |
| 第19話(通算44) | 鉄壁は何度でも築かれる | The Iron Wall Can Be Built Again and Again | ★ The Iron Wall Can Be Rebuilt Again and Again/The Iron Wall Can Be Constructed Any Number of Times |
| 第20話(通算45) | 払拭 | Wiping Out | ★ Wiping Out/Wiping Away |
| 第21話(通算46) | 壊し屋 | The Destroyer | ★ The Destroyer/The Breaker |
| 第22話(通算47) | 元・根性無しの戦い | The Former Coward's Fight | ★ The Former Coward's Fight/The Fight of the Previously Spineless |
| 第23話(通算48) | 「チーム」 | 'Team' | 同左 |
| 第24話(通算49) | 極限スイッチ | The Absolute Limit Switch | ★ The Absolute Limit Switch/Switch for the Utmost Limit |
| 第25話(通算50) | 宣戦布告 | Declaration of War | 同左 |
【一覧表】第3期 全10話の英語サブタイトル
第3期(通算第51〜60話)は白鳥沢学園戦だけを描いた全10話の短いシーズンです。
| 話数 | 日本語サブタイトル | 英語版Wikipedia表記 | 北米ライセンス/ファンWiki表記 |
|---|---|---|---|
| 第1話(通算51) | ごあいさつ | Greetings | 同左 |
| 第2話(通算52) | 「左」の脅威 | The Threat of "Left" | 同左 |
| 第3話(通算53) | GUESS・MONSTER | The Guessing Monster | ★ GUESS-MONSTER |
| 第4話(通算54) | 月の輪 | The Halo Around the Moon | 同左 |
| 第5話(通算55) | 個VS数 | One vs. Many | ★ Individual VS Numbers |
| 第6話(通算56) | 出会いの化学変化 | The Chemical Change of Encounters | 同左 |
| 第7話(通算57) | こだわり | Obsession | 同左 |
| 第8話(通算58) | 嫌な男 | An Annoying Guy | 同左 |
| 第9話(通算59) | バレー馬鹿たち | The Volleyball Freaks | ★ The Volleyball Idiots |
| 第10話(通算60) | コンセプトの戦い | A Battle of Concepts | ★ The Battle of Concepts |
第9話の「バレー馬鹿たち」がThe Volleyball Freaks と The Volleyball Idiots に割れているのは象徴的です。freak は「常識外れの人・熱狂的な愛好家」で、a fitness freak(トレーニング狂)のように褒め言葉にもなる語。一方 idiot は純粋に「ばか」で、褒める含みがありません。日本語の「バレー馬鹿」に込められた愛情をどう受け止めたかが、そのまま単語の選択に出ています。
【一覧表】第4期(TO THE TOP)全25話の英語サブタイトル
最後に第4期(通算第61〜85話)です。このシーズンは意外にも表記の一致率が高く、25話中★は4話だけ。放送が2020年で比較的新しく、Crunchyrollの同時配信が定着していたことが影響していると考えられます。
| 話数 | 日本語サブタイトル | 英語版Wikipedia表記 | 北米ライセンス/ファンWiki表記 |
|---|---|---|---|
| 第1話(通算61) | 自己紹介 | Introductions | ★ Introductions/Self-Introduction |
| 第2話(通算62) | 迷子 | Lost | 同左 |
| 第3話(通算63) | 視点 | Perspective | 同左 |
| 第4話(通算64) | 「楽」 | "Taking it Easy" | ★ Take It Easy |
| 第5話(通算65) | 空腹 | Hunger | 同左 |
| 第6話(通算66) | 昂揚 | Enhancements | 同左 |
| 第7話(通算67) | 返還 | Return | 同左 |
| 第8話(通算68) | チャレンジャー | Challenger | 同左 |
| 第9話(通算69) | それぞれの夜 | Everyone's Night | 同左 |
| 第10話(通算70) | 戦線 | Battle Lines | 同左 |
| 第11話(通算71) | 繋がれるチャンス | A Chance to Extend the Rally | ★ A Chance to Connect |
| 第12話(通算72) | 鮮烈 | Vivid | 同左 |
| 第13話(通算73) | 2日目 | Day Two | ★ The Second Day |
| 第14話(通算74) | リズム | Rhythm | 同左 |
| 第15話(通算75) | 見つける | Found | 同左 |
| 第16話(通算76) | 失恋 | Broken Heart | 同左 |
| 第17話(通算77) | ネコVSサル | Cats vs Monkeys | 同左 |
| 第18話(通算78) | 罠 | Trap | 同左 |
| 第19話(通算79) | 最強の挑戦者 | The Ultimate Challengers | 同左 |
| 第20話(通算80) | 頭 | Leader | 同左 |
| 第21話(通算81) | ヒーロー | Hero | 同左 |
| 第22話(通算82) | ハーケン | Pitons | 同左 |
| 第23話(通算83) | 静かなる王の誕生 | The Birth of the Serene King | 同左 |
| 第24話(通算84) | バケモンたちの宴 | Monsters' Ball | 同左 |
| 第25話(通算85) | 約束の地 | The Promised Land | 同左 |
第2期〜第4期の英題から拾える英単語メモ
シーズン後半の英題には、ニュース英語や小説でも見かける単語が多く登場します。いくつかピックアップして解説します。
Moonrise/Pitons/Monsters' Ball
第2期第7話「月の出」のMoonriseは、sunrise(日の出)と同じ「天体+rise」の作り方でできた語。月島蛍(Tsukishima=月島)にちなむ回に、月の語を重ねるタイトルが並ぶのがこの作品の妙です。第3期第4話「月の輪」=The Halo Around the Moon も同系統で、halo は「(聖人の)後光・光の輪」。気象用語としても「月暈(げつうん)」を表します。
第4期第22話「ハーケン」のPitonsは要注意。「ハーケン」はドイツ語由来のカタカナ語で、英語では piton(ピトン)と呼ぶ登山用の金具です。カタカナだからといってそのままローマ字にすると通じない典型例で、VIZ英語版漫画の巻タイトルでも Pitons が使われています。巻タイトルの日英対照はハイキュー英語版漫画で英語学習に全45巻ぶんまとめてありますので、あわせてどうぞ。
第4期第24話「バケモンたちの宴」のMonsters' Ballも面白い訳です。ここでの ball は「舞踏会・盛大な宴」を意味する名詞で、バレーボールの ball との掛詞になっています。日本語の「宴」を party ではなく ball としたことで、球技のアニメでありながら「バケモノたちの舞踏会」という詩的な絵が浮かぶ、二重の効いたタイトルになりました。
Declaration of War/The Promised Land/The Birth of the Serene King
第2期最終話「宣戦布告」のDeclaration of Warは、国際政治のニュースにそのまま出てくる硬い定型句。declaration は declare(宣言する)の名詞形で、declaration of independence(独立宣言)と同じ形です。
シリーズ最終話「約束の地」のThe Promised Landは、もともと旧約聖書でイスラエルの民に約束された土地(カナン)を指す表現で、そこから「理想郷・目指してきた場所」の意味で広く使われます。promised と過去分詞になっているのは「(神に)約束された」という受動の意味だから。日本語の「約束の地」も同じ由来の訳語なので、ここは日英でぴたりと重なります。
第4期第23話「静かなる王の誕生」のThe Birth of the Serene Kingでは、serene(静穏な・落ち着き払った)という格調高い形容詞が使われています。単なる quiet ではなく、乱れのない静けさを表す語で、影山飛雄の「コート上の王様」からの変化を一語で言い表しています。名台詞の英訳をもっと知りたい方はハイキューの英語名言・セリフ集もあわせてどうぞ。
【本記事の目玉】85話中34話で英題が食い違う──媒体差の全体像
ここからが本記事の中心です。結論からお伝えすると、全85話の英語サブタイトルを、英語版Wikipedia/Anime News Network(北米ライセンス側)/公式ファンWikiの3系統で突き合わせたところ、34話(約40%)で少なくとも1つの媒体が異なる英題を採用していました。さらに、VIZ英語版漫画のチャプタータイトルを4つ目の系統として加えると、食い違いはもっと増えます。
これは翻訳ミスではありません。翻訳する媒体ごとに「何を優先するか」の方針が違うため、同じ日本語から違う英語が生まれているのです。代表例を4媒体で並べてみましょう。
| 日本語 | 英語版Wikipedia | 北米ライセンス(ANN) | 公式ファンWiki | VIZ英語版漫画 |
|---|---|---|---|---|
| エースへのトス | A Set For the Ace | A Toss to the Ace | A Toss to the Ace | Setting for the Ace(第21話) |
| 脱・「孤独の王様」 | 'Lonely King' No More | Removing the "Solitary King" | Removing the Lonely King | Former Lonely Tyrant(第68話) |
| 指揮者 | The Conductor | Coaches | Conductors | The Conductor(第48話) |
| 流れを変える一本 | The Play to Shift the Momentum | The Point that Changes the Momentum | 同左 | Momentum Swing(第63話) |
| 根性無しの戦い | The Battle Without Will Power | The Battle Without Willpower | The Fight of the Spineless | Quitter's Battle(第119話) |
| 返還 | Return | Return | Return | Return of the King(第224話) |
| アソビバ | A Place To Play | Place to Play | Playground | Playground(第112話) |
| 好敵手(ライバル) | Worthy Adversaries | Rival | Rival | Rivals!(第31話) |
※VIZ英語版漫画のチャプター番号と日本語タイトルは、公式ファンWikiの各チャプターページで1件ずつ確認したものです。
「エースへのトス」は英語で3通り
もっとも有名なのがこれです。原作第21話・アニメ第1期第9話は、どちらも日本語タイトルが「エースへのトス」。ところが英題はA Set For the Ace(英語版Wikipedia)/A Toss to the Ace(配信・ファンWiki)/Setting for the Ace(VIZ英語版漫画)の3通りに分かれます。
分岐点は「トス」の訳語です。バレーボールの競技英語では、セッターが上げる球は set。英語の toss は、サーブを打つときに自分でボールを上げる動作を指します。つまりVIZと英語版Wikipediaは競技英語として正しい set を選び、配信側は日本語音声で聞こえる「トス」という音に字幕を合わせて toss を選んだ、ということ。どちらかが誤訳なのではなく、優先しているものが違うだけです。バレー用語の日英対照はハイキュー バレーボール用語の英語一覧に120語以上をまとめています。
「脱・"孤独の王様"」は英語で4通り
さらに極端なのが第1期第24話です。日本語タイトル「脱・"孤独の王様"」に対して、'Lonely King' No More/Removing the "Solitary King"/Removing the Lonely King/Former Lonely Tyrantの4通りが並存しています。
ここでは2つの判断が絡んでいます。1つ目は「孤独」を lonely(心が孤独)と訳すか solitary(物理的に一人)と訳すか。2つ目は「王様」を king のままにするか tyrant(暴君)に踏み込むか。VIZが tyrant を選んだのは、影山の「コート上の王様」という異名が恐れられる呼び名だったことを強調するためでしょう。そして「脱・」という日本語独特の接頭辞は、No More(もう〜ではない)、Removing(取り除く)、Former(かつての)と、3通りの品詞で処理されています。日本語1文字の接頭辞が、英語では文の構造ごと変わるという好例です。
「指揮者」がなぜ Coaches になるのか
第1期第19話「指揮者」も見逃せません。英語版Wikipediaとファンウィキ、VIZ英語版漫画はいずれも Conductor(s) を採用しているのに、北米ライセンス側に登録された表記は Coaches(コーチたち)。
理由は日本語の「指揮者」が多義的だからです。オーケストラの指揮者なら conductor、軍隊やチームを指揮する人なら commander や coach。この回は烏養コーチと及川徹という「試合を指揮する者」を描いた回なので、比喩を捨てて中身をそのまま伝える coach を選んだわけです。比喩を残すか、意味をほどくか——訳者が毎回迫られている選択が、タイトル1本に凝縮されています。
なぜ割れるのか──VIZは競技英語、配信は語感を残す
34話ぶんを並べて見えてきた傾向は、次の3点です。
- VIZ英語版漫画は、競技英語と英語の慣用句へ寄せる。 トス→setting、流れを変える一本→Momentum Swing(勢いの振れ)、根性無し→Quitter(すぐ諦める人)、返還→Return of the King。英語だけを読む読者が自然に読めることを最優先しているのが分かります。
- 配信・北米ライセンス側は、日本語の語感と字幕の同期を優先する。 トス→toss、根性無し→Spineless(背骨がない=意気地なし)。日本語音声と一緒に流れる字幕なので、耳と目がずれないことが大事という判断です。
- 英語版Wikipediaは第3の系統。 編集者が独自に訳し直した表記が多く、Worthy Adversaries、The Play to Shift the Momentum のように説明的で長めになる傾向があります。
つまり「正解が3つある」のではなく、「読者と場面が3つあるから訳が3つある」というのが、この現象の正体です。
検索でヒットしないときの実務的な対処
ここからは実務の話です。海外Wiki・グッズ・SNS・配信サイトで検索してヒットしないときは、必ずもう一方の言い方を試してください。set と toss、Dumpster Battle と Garbage Dump、Land vs. Air と Land vs. Sky、Talent and Sense と Talent and Instinct。
私も前職で海外事業を担当していたとき、同じ製品が英語圏で2つの呼び名で流通していて、片方だけで検索して「情報がない」と誤判断しかけた経験が何度もあります。特に危ないのが、検索結果が「0件」だったときに「存在しない」と結論してしまうこと。「1つの日本語に対して英語は1つ」という思い込みが、いちばん危ない。ハイキューの英題群は、その思い込みを外す最高の練習台です。日本語タイトル+Haikyu でファンWikiを引いて英題を確認してから、その英題で検索し直す——この2段構えを覚えておくと、海外の情報にたどり着く確率が一気に上がります。
そして同じ「検索してもヒットしない」問題は、作品名やサブタイトルだけでなく、OP/EDの曲名とアーティスト名でも起きます。「イマジネーション」「ヒカリアレ」「オレンジ」といった主題歌を海外のサブスクで探しても出てこないのは、綴りが媒体ごとに割れているからです。ハイキューの主題歌・OP/ED英語まとめに全16曲の曲名・アーティスト名の英語表記ゆれを早見表にしてありますので、曲が見つからないときはあわせてご覧ください。
OVA5本の英語タイトル|「陸VS空」は Land vs. Air か Land vs. Sky か
本編以外の映像作品にも、きちんと英語タイトルが付けられています。OVAは全部で5本です。
| # | 日本語タイトル | 英語版Wikipedia表記 | 別表記(Anime News Network等) | 公開日 |
|---|---|---|---|---|
| ① | リエーフ見参! | The Arrival of Lev! | Haikyū!! Lev Kenzan! | 2014年11月9日 |
| ② | VS"赤点" | Vs. "Failing Grades" | Haikyu!! VS Akaten | 2016年5月2日 |
| ③ | 特集!春高バレーに賭けた青春 | Special Feature! Betting on the Spring High Volleyball | Haikyu!! Special Feature! The Spring Tournament of Their Youth | 2017年8月4日 |
| ④ | 陸VS空 | Land vs. Sky | Haikyu!! LAND VS. AIR | 2020年1月22日 |
| ⑤ | ボールの"道" | The "Path" of the Ball | The Ball's Path(VIZ英語版漫画 第205話) | 2020年1月22日 |
ここでいちばんの注目が④です。日本語の「空」を、英語版Wikipediaは Sky、Anime News Networkは AIR、VIZ英語版漫画(第195話)も Land vs. Air と訳しています。3つのうち2つが AIR なので、Wikipediaの Sky のほうが少数派という珍しい構図です。
sky は「見上げたときに広がる空そのもの」、air は「空気・空中」。「陸(=地上でつなぐ音駒)VS 空(=跳んで叩く梟谷)」という対比を考えると、選手が跳び上がる「空中」を指す air のほうが競技的には自然でしょう。実際、英語版漫画の第22巻タイトルにも Land vs. Air が使われています。
②の「赤点」も面白い訳で、failing grade は「落第点」を表す英語の定型表現。日本語の「赤点」は答案に赤で書かれる点数という視覚由来ですが、英語には red のイメージがないため、意味だけを取り出して failing grade にしたわけです。③の Special Feature は「(雑誌やテレビの)特集」を表す定番語。この回がニュース番組風の構成であることを、英題が正確に伝えています。
英語タイトルを入り口にハイキューを英語で楽しむ方法
「英語タイトルが分かったので、実際に英語音声・英語字幕で観てみたい」という方に向けて、視聴方法と学習法を整理します。前提として、日本から普通に配信サービスを開くと日本向けのカタログしか表示されず、英語音声を選べない作品がほとんどだという壁があります。そこで使うのがVPNで、手順は次の3ステップだけです。
- NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続する
- その状態で、いつも通り配信サービスを開く(海外からアクセスしているように扱われ、英語音声・英語字幕を含む海外版カタログが表示されます)
- 英語音声・英語字幕を選んで、気になった話数を再生する
この流れで、普段お使いのアカウントのまま海外版カタログの英語音声・字幕にアクセスできるようになります。VPN接続は、英語版アニメを視聴するための実質的な前提条件で、NordVPNはVPNサービスの中でも人気が高く、初めての方にも選ばれやすいのが特徴です。配信サービスや対応地域・作品ラインナップは時期によって変わるため、視聴前に必ず各サービスの最新の案内をご確認ください。サービス別の詳しい比較はハイキューを英語で見る方法で解説しています。
英語で観る環境が整ったら、筆者が実際にやっていた学習法も試してみてください。1つ目はスクリプト×AI活用法です。「Haikyu script」「Haikyu transcript」のように英語タイトルで検索すると英語のセリフ一覧が見つかるので、気になったセリフをコピーしてChatGPTなどのAIに「このセリフのニュアンスと文法を解説して」と投げると、教科書には載っていない口語の背景まで教えてくれます。本記事の一覧表があれば、観たい回の英題をそのまま検索キーにできる——これが、タイトルを覚えておく実用的なメリットです。2つ目は反復学習法で、配信アプリのダウンロード機能・バックグラウンド再生を使えば、通勤や家事の合間に同じエピソードを繰り返し聴けます。「好きな作品だからこそ、話の内容を大体知っていて英語に集中しやすい」——これがアニメで英語を学ぶ最大の強みです。アニメを使った学習法の全体像はアニメ×英語学習は効果ある?にまとめています。
まとめ|ハイキューの英語タイトル早見まとめと関連記事
この記事では、『ハイキュー!!』の英語タイトルを階層ごとに整理しました。覚えて帰っていただきたいのは、次の5点です。
- 作品名は Haikyu!!(Haikyuu!! / HAIKYU!! という表記も流通)
- TVアニメは第1期25話・第2期25話・第3期10話・第4期25話の全85話。英題は Haikyu!! / Haikyu!! Second Season / Haikyu!! Karasuno High School vs Shiratorizawa Academy / Haikyu!! To The Top
- 劇場版は総集編4作+『ハイキュー!! FINAL』2部作の計6作。第1部『ゴミ捨て場の決戦』=HAIKYU!! The Dumpster Battle(2024年2月16日公開)
- 第2部『VS 小さな巨人』=Haikyu!! vs. The Little Giant は2027年公開予定で、本記事執筆時点(2026年7月)ではまだ公開されていません。短編『バケモノたちの行くところ』=Haikyu!! Where Monsters Go も2027年公開予定です
- 全85話中34話で、媒体によって英題が食い違う。エースへのトスは3通り、脱・"孤独の王様"は4通り
そして忘れてはいけないのが、VIZ英語版漫画は競技英語と英語の慣用句へ、配信・北米ライセンス側は日本語の語感へ寄せるという方針の違いです。「どちらが正しいか」ではなく「どちらも使われている」と覚えておくのが、英語で情報を追うときの正解。英語タイトルを入り口に、ぜひ英語版のハイキューにも触れてみてください。
- ハイキューは英語で何という?完全ガイド——英題の意味からキャラ名・用語・視聴方法まで、ハイキュー×英語の全体像をまとめたピラー記事です。
- ハイキュー バレーボール用語の英語一覧——レシーブ=dig、トス=setから変人速攻=Freak Quickまで、120語以上をVIZ英語版とFIVB公式表現で対照しています。
- ハイキュー キャラクター英語名一覧——約90名の英語表記と二つ名の英訳を学校別に整理。長音(マクロン)の表記揺れ早見表もあります。
- ハイキューの英語名言・セリフ集——名シーンのセリフを、確認できた媒体を明記したうえで英訳つきで解説しています。
- ハイキュー英語版漫画で英語学習——VIZ英語版の刊行状況と、全45巻の巻タイトル日英対照、擬音・掛け声の英訳をまとめています。
- ハイキューを英語で見る方法——各シーズン・劇場版を実際にどこで英語字幕・英語吹き替えで観られるかを比較しています。