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ハイキュー!!

ハイキューの英語名言・セリフ集|日向・影山・及川・月島・烏養コーチ・武田先生の名台詞を出典つきで解説

「あの一言、英語版だとどう言ってるんだろう」——『ハイキュー!!』を英語で追いかけていると、必ず気になるところだと思います。この記事では、日向翔陽・影山飛雄・及川徹・月島蛍・烏養繋心コーチ・武田一鉄先生の名言を、「どの媒体で確認できたか」を1本ずつ明記しながら紹介します。そして本記事の切り口は、ただの名言集ではなく「スポーツ・チームワークの英語がまとめて学べる名言集」であること。connect(繋ぐ)、room to grow(伸びしろ)、bring out 100% of 〜(力を引き出す)——ハイキューの名言は、そのままチームで働く人の英語になります。

筆者は留学経験なしでTOEIC990点・VERSANT76点(80点満点中)を取得し、前職では海外事業を担当してきました。海外のスポーツ中継を英語で聞いてきた立場から、名言の紹介で終わらせず、なぜその英単語が選ばれたのか、どんな文法が使われているのかまで踏み込んで解説します。

先にひとつお断りしておきます。この記事では逐語(一言一句そのまま)の引用として断定することは避け、「概ねこう訳されています」という形で紹介します。ハイキューの英語には複数のバージョンがあり、ネット上に出回っている「英語名言」の多くは出典が不明だからです。裏が取れないものは正直に要確認と書きます。

英語版の実際の声を聞いてみたい方に先にお伝えすると、日本からCrunchyrollやNetflixをそのまま開いても英語音声は基本的に選べません。NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続してから、いつも通り配信サービスを開くと、英語音声・英語字幕つきの海外版カタログにアクセスできるようになります。 手順は記事後半で詳しく説明します。

なお、「そもそもハイキューって英語でどう表記するの?」「レシーブやトスは英語で何と言うの?」というテーマ全体は、ピラー記事「ハイキューは英語で何という?」にまとめてあります。この記事は名言・セリフに絞って深掘りしていきます。


まず前提:ハイキューの「英語版」は3つあります

本題の前に、どうしても先にお伝えしておきたいことがあります。それは、「ハイキューの英語版」と一口に言っても中身は1つではないということです。ここを飛ばすと、この記事の残り全部の読み方がずれてしまいます。

VIZ英語版コミック/Crunchyroll英語字幕/英語吹き替え——3ルートの違い

ハイキューの英語には、大きく3つのルートがあります。

  • VIZ Media公式の英語版コミック(北米で刊行。原作と同じ全45巻。図書館の書誌情報では翻訳者に Adrienne Beck 氏の名前が記載されています)
  • Crunchyrollの英語字幕(第1期から配信。ネット上の「ハイキュー英語名言」の多くは、この字幕の書き起こしがベースとみられます)
  • 英語吹き替え(口の動きに合わせる制約があるため、字幕より意訳・言い換えが多くなります)

この3つは、同じ日本語のセリフでも訳が違うことがあります。しかもハイキューの場合、セリフどころかキャラクターの名前の綴りすら公式内で割れているという、なかなか強烈な実例があります(後ほど及川徹のセクションで詳しく取り上げます)。どれかひとつが「正解」なのではなく、それぞれが別の制約のもとで最適化された結果、というのが正しい理解です。

この記事のルール:確認できた媒体を書く。話数・巻数は推測で書かない

そこでこの記事では、名言ごとに「どの媒体で確認できたか」を必ず添えることにしました。具体的には次の3ラベルを使い分けます。

  • 【VIZ公式】:VIZ Mediaの公式サイト(viz.com)に掲載されている英文そのもの。この記事で唯一、逐語引用として断定できるカテゴリです。
  • 【Fandom Wiki】:英語圏の大手ファンWiki「Haikyu!! Wiki」(haikyuu.fandom.com)のQuotes欄に掲載されている英文。おおむね英語字幕の書き起こしですが、ファン運営のため逐語一致は保証されません
  • 【要確認】:まとめサイト・引用サイトでしか確認できず、公式・準公式の裏付けが取れなかったもの。趣旨だけをお伝えします。

そしてもうひとつ。セリフの登場話数・巻数を推測で書きません。 名言まとめ記事でいちばん起きやすい事故が、この誤帰属だからです。Fandom Wikiが巻数・話数を明記している場合に限り、「Fandom Wikiの出典表記では」と主語を付けて言及します。なお筆者は、Netflixの英語字幕とCrunchyrollの英語吹き替え音声を一言一句照合するところまでは実施できていません。この限界も含めて明示しておきます。分からないことを分からないと書く——それが名言記事の信頼性そのものだと考えています。


日向翔陽の英語名言|「背は高くない。でも跳べる」

主人公・日向翔陽のセリフは、難しい単語をほとんど使わないのに、意志の強さがまっすぐ伝わるのが特徴です。英語学習の教材としても、主要キャラの中でいちばん扱いやすい部類だと思います。

「オレは背が高くない。でも、跳べる」

日向を象徴する一言といえば、やはりこれでしょう。

  • 日本語:確かにオレは背が高くない。でも、跳べる(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"It's true that I'm not very tall; however, I can jump/fly!"

文法的に見どころなのが、"It's true that A; however, B"(確かにAだ。しかしBだ)という譲歩→逆接の型です。いったん相手の言い分を認めてから、セミコロンで一拍置いて反論する。この形はビジネスメールでも英作文でもそのまま使えます。"It's true that the cost is high; however, the return is much higher." のように応用できるので、日向のセリフごと覚えてしまうのが早いです。however は接続副詞なので、but とは違ってセミコロンやピリオドで区切る必要がある——という点も、この一文で自然に身につきます。

jumpか、flyか——VIZ公式コピーが選んだのは "fly" だった

さて、先ほどの英文をもう一度見てください。"I can jump/fly!" と、スラッシュで2語が併記されています。これは筆者が迷って書いたのではなく、Fandom Wiki自身が jump と fly の2通りを並べて掲載しているのです。訳が1つに定まっていない、という何よりの証拠です。

そして面白いのが、VIZ Mediaの公式サイトが採用しているのは "fly" のほうだという点。viz.comのハイキュー作品ページには、次のキャッチコピーが掲げられています。

Shoyo Hinata is out to prove that in volleyball you don't need to be tall to fly!

"you don't need to be tall to fly"(飛ぶために背が高い必要はない)。烏野の横断幕「飛べ」が英語版で "fly" と訳されていることとも、きれいに響き合っています。つまり「跳ぶ」を jump と訳すか fly と訳すかで、セリフの詩的な重さが変わってくる。逐語で覚えるのではなく、この揺れごと味わうのが正解です。

「小さな巨人」=the Little Giant はVIZ公式訳

日向がバレーを始めるきっかけになった「小さな巨人」。この二つ名は【VIZ公式】the Little Giant で確定しています。viz.comの作品紹介文にこうあります。

Ever since he saw the legendary player known as "the Little Giant" compete at the national volleyball finals, Shoyo Hinata has been aiming to be the best volleyball player ever!

"the legendary player known as 〜"(〜として知られる伝説的な選手)という言い回しは、人物紹介の定型です。known as は「(通称として)〜と呼ばれる」で、二つ名を英語で紹介するときの最頻出フレーズ。ハイキューの二つ名は英語で読んでも意味が通るものが多く、語彙学習の宝庫です。この点はピラー記事「ハイキューは英語で何という?」で一覧にしてありますので、あわせてどうぞ。


影山飛雄の英語名言|「コート上の王様」の英語

天才セッター・影山飛雄のセリフは、短く、断定的で、余計な修飾がないのが特徴です。英語版でもその硬さがきちんと再現されています。

「コートに立ち続けられるのは強い者だけだ」

影山の価値観を端的に表した一言です。

  • 日本語:コートに立ち続けられるのは、強い者だけだ(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:概ね "The only ones who get to stay on the court... are the best." と訳されています

注目したいのは "get to 〜" の使い方です。can(できる)でも may(許される)でもなく get to。これは「〜する機会を得る」「〜させてもらえる」という、権利や特権のニュアンスを持つ表現です。"I get to work with great people."(素晴らしい人たちと働かせてもらえている)のように、恵まれている感じを出したいときに使います。「コートに立てるのは当たり前ではない、勝ち取るものだ」という影山の世界観が、この2語に凝縮されているわけです。"the best" も、strong ではなく最上級の名詞用法を選んでいるのが効いています。

「コート上の王様」=the King of the Court もVIZ公式訳

影山の二つ名「コート上の王様」は、【VIZ公式】the King of the Court。VIZのコミックス第1巻の公式あらすじにそのまま登場します。

After losing his first and last volleyball match against Tobio Kageyama, "the King of the Court," Shoyo Hinata swears to become his rival after graduating middle school.

ここで学びたいのが "swear to 〜"(〜すると誓う) です。promise より重く、自分自身への決意表明にも使える動詞で、"He swore to never make the same mistake."(二度と同じ過ちは繰り返さないと誓った)のように使います。ちなみに「王様」という二つ名は作中では侮蔑的なあだ名ですが、英語の king にも "act like a king"(王様気取り)のような否定的な使い方があるため、ニュアンスがきれいに移し替えられています。訳語が1語で決まった幸運な例と言っていいでしょう。

及川が影山に言った「攻撃の主導権を握っているのはお前じゃない」

影山を語るうえで外せないのが、先輩・及川徹からの一言です。Fandom Wikiは出典表記として第2期第6話を挙げています。

  • 日本語:攻撃の主導権を握ってるのはお前じゃない、あのチビだ(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"The one who has leadership in an attack isn't you, it's the shrimp."

"the shrimp"(エビ=チビ) という訳が絶妙です。日本語の「チビ」を直訳して "shorty" とすることもできたはずですが、shrimp を選んだことで「小さくて素早い」という日向の身体的特徴まで一語に入っています。英語の shrimp は「small person」を指す口語としても実在する語で、辞書にも載っています。"have leadership in 〜"(〜の主導権を握る) も、チーム論を語るときにそのまま使える表現です。


【この記事の目玉】及川徹の英語名言|才能・努力・チームを語る言葉

ここが本記事でいちばん読み応えのあるパートです。青葉城西のキャプテン・及川徹は、「才能」と「努力」と「チーム」について語る言葉がとにかく多いキャラクター。英語で読むと、その一つひとつが自己啓発書の一文のように立ち上がってきます。

「打つなら、壊れるまで打て」

Fandom Wikiの及川ページで、いちばん上に掲げられている代表引用がこれです。

  • 日本語:打つなら、壊れるまで打て(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"If you're going to hit it, hit it until it breaks."
  • 出典表記:Fandom Wikiは「作中の雑誌『月刊バレーボール』のインタビュー、第2期第1話」と記載。同ページのTrivia欄にも「月刊バレーボールによれば及川の座右の銘」とあります

英語として見事なのが、hit という1語を2回繰り返しているだけという点です。If節と主節で同じ動詞を反復し、最後に until it breaks(壊れるまで)と付け足すだけで、恐ろしいほどの気迫が出る。 難しい単語はひとつもありません。"be going to 〜" はここでは「〜するつもりなら」という意志の条件、"until 〜" は「〜するまで(ずっと)」の継続。中学英語の部品だけで、これだけの一文が組めるという好例です。

「才能が花開くチャンスは今日かもしれない」

及川の思想がもっとも長い形で語られるのが、次の一節です。

  • 日本語:才能が花開くチャンスは今日かもしれない。明日か、明後日か、来年か。あるいは30歳になってからかもしれない。体格のことは分からないが、自分に才能がないと思ったら、たぶん一生ないままだ(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"The chance to let your talent truly blossom, perhaps it's today. Or maybe, it's tomorrow, the day after tomorrow, or next year. Or perhaps even when you're 30? In regards to physique, I can't say much. But if you yourself think that you don't have talent, then you'll probably never have it."

ポイントは3つ。まず "let your talent blossom"——let O 原形 の使役で「才能が花開くのを許す・妨げない」というニュアンスになります。make(無理やり咲かせる)ではなく let を選ぶところに、及川の才能観が出ています。次に "in regards to 〜"(〜に関して言えば)、これは会議やメールで頻出の前置き表現。そして最後の "if you yourself think that 〜"再帰代名詞 yourself を主語の直後に置いて「ほかでもない君自身が」と強調する用法で、この一語があるかないかで文の刺さり方がまるで違います。

要確認「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」は英文が2種類ある

そして、この記事の主張を実演する例がこれです。日本語圏でも英語圏でも有名な及川の名言「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」。ところがその英文が、引用サイトによって違います

  • 【要確認】バージョンA:"Talent is something you make bloom, Instinct is something you polish."
  • 【要確認】バージョンB:"Talent is something you bloom, Instinct is something you polish."

大手書評サイトGoodreadsには、この2つが別々の引用ページとして登録されています。さらに言えば、Fandom WikiのQuotes欄には、この一文自体が載っていません(代わりに前項の長い一節が掲載されています)。つまり「才能は開花させるもの」という有名フレーズは、英語圏でも訳文が固まっていない可能性が高い。SNSのプロフィールやタトゥーに使いたい方は、必ず実物のVIZ英語版コミックか英語字幕で確認してからにしてください。

なお英語表現としては、make bloom(咲かせる)bloom(咲く) では文法上の意味が変わります。前者は使役で「あなたが咲かせるもの」、後者は自動詞の他動詞的用法で少し座りが悪い。polish(磨く) は名詞なら「靴墨・つや出し」、動詞なら「磨いて仕上げる」で、"polish my English"(英語を磨く)のように能力にも使えます。

「六人で強いほうが強い」

チームスポーツの本質を6語で言い切った一文です。

  • 日本語:六人で強いほうが強い(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"Six who are strong together, are stronger!"

"strong" → "stronger" という比較級の落とし方が気持ちいい訳です。同じ形容詞を原級と比較級で並べるだけで、「個の強さ」より「六人の強さ」が上だと一瞬で伝わる。 冠詞のない "Six" が「六人(のチーム)」を名詞として指しているのも英語らしいところです。"together" の位置にも注目してください。強さを修飾するのではなく、「六人が一緒である」ことを説明している——チームワーク英語の教科書のような一文だと思います。及川はほかにも「スパイカーは全員違う。その一人ひとりの強みを100%引き出せたとき、本物のセッターになれる」という趣旨の言葉を残しており、こちらもFandom Wikiに "bring out 100% of the strengths of each and every one of them" という形で記録されています。


及川徹は「Oikawa Toru」か「Tohru Oikawa」か——公式内でも割れている

ここで、この記事の前提を裏づける決定的な事実をお伝えします。及川徹の英語表記は、公式のなかで2通りに割れています。

Crunchyrollは Oikawa Toru、VIZは Tohru Oikawa

Fandom Wikiの及川ページのTrivia欄には、はっきりこう書かれています。

In official English media, Crunchyroll (anime) has his name written as 'Oikawa Toru' and VIZ Media (manga) has his name written as 'Tohru Oikawa'.

アニメ(Crunchyroll)は Oikawa Toru、漫画(VIZ Media)は Tohru Oikawa 姓名の順序だけでなく、長音の綴りまで違います。日本語の「とおる」をローマ字に落とすとき、長音を省いて Toru とするか、h を足して Tohru とするか——ここで方針が分かれたわけです。ちなみに厳密な学術表記ではマクロンを使って Tōru と書きます。英語で検索するときは Oikawa Toru / Tohru Oikawa / Tōru Oikawa の3通りを試すのが確実です。

名前で割れるのだから、セリフが割れるのは当然

この事実が示しているのは、シンプルな話です。キャラクターの名前という、いちばん基本的で、いちばん揺れてはいけない情報ですら、媒体が違えば表記が変わる。 ならば、文脈やコマ割り、口の動きの制約を受けるセリフの訳が一致しないのは、むしろ当然です。

だからこそ、「ハイキューの英語名言はこれです」と1つの英文を断定的に提示する記事は、それだけで少し疑ってかかるべきだと筆者は考えています。この記事が名言ごとに媒体ラベルを付けているのは、そのためです。ちなみにVIZ英語版は各巻のサブタイトルまで英訳しており、第1巻は "Hinata and Kageyama"、第8巻は "Former Lonely Tyrant"(元・孤独な暴君)といった英題が付けられています。訳せるものは訳すというVIZの方針がよく分かります。

名前の表記そのものが気になった方は、烏野・青城・音駒・白鳥沢など学校別に約90名分の英語表記と、長音・マクロンの揺れを整理したハイキュー キャラクター英語名一覧をどうぞ。小さな巨人=the Little Giant のような二つ名の英訳も一覧にしてあります。


月島蛍の英語名言|「たかが部活」と言っていた男の言葉

烏野の頭脳派ブロッカー・月島蛍。皮肉屋の口調と、論理で押し切る長めの構文が英語版でもきちんと再現されています。彼のセリフは、英語の「反論の型」を学ぶ教材として非常に優秀です。

「考えているのはお前だけじゃない」

影山に向けた、月島らしい静かな反撃です。

  • 日本語:考えてるのはお前だけじゃない。相手のディフェンスがどうなっていて、どう反応しているか。どの攻撃が通って、どれが通らないか。全員が考えている(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"You aren't the only one who's thinking out there. What the opponent's defense looks like and how it's reacting. Which shots are working and which aren't. All of us think about that."

"You aren't the only one who 〜"(〜しているのはお前だけじゃない) は、英語の反論表現として最も使い勝手のいい型のひとつです。相手を直接否定せず、「あなただけではない」と主語の範囲を広げることで角が立ちにくい。会議で使うなら "You're not the only one who's concerned about the schedule." のように応用できます。後半の "Which shots are working and which aren't." も見どころで、which aren't の後ろに working が省略されています。繰り返しを省く英語の呼吸が、そのまま月島の口調のクールさになっているわけです。

「キルブロックだけが良いブロックという考えは古い」

月島のブロック論を象徴する一言です。

  • 日本語:シャットアウトだけが良いブロックだという考えは、もう古い(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"The idea that the only good blocking is kill blocking is way outdated."

ここで押さえたいのが "way outdated"way形容詞や副詞の前に置いて「めちゃくちゃ〜」「断然〜」と強める口語の副詞で、way too expensive(高すぎ)、way better(断然いい)のように使います。very より砕けていて、しかも強い。そして "The idea that S V is 〜" は同格のthat節を使った構文で、「〜という考えは〜だ」と論を立てるときの基本形です。"kill blocking" はバレーの専門用語で、相手のスパイクを真下に叩き落とすブロックのこと。ちなみに月島は、灰羽リエーフに向けて「roofing(相手のスパイクを真上から屋根のように塞ぐこと)は確かに気持ちいい」という趣旨の解説もしており、この roof も競技英語として覚えておくと英語実況が一気に分かりやすくなります。

「自分で言うのはいい。他人に言われるのは気に入らない」

月島が変わりはじめる瞬間のセリフです。

  • 日本語:自分で「できない」と言うのはいい。でも、他人に言われるのは気に入らない(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"Me saying I can't is one thing. But if somebody else tells me that, I don't like it."

"A is one thing, but B"(Aはひとつの話だが、Bは別だ) という対比の型が使われています。2つの事柄を並べて「同じに見えるが違う」と切り分ける、英語の議論では極めてよく出る構文です。"Knowing the answer is one thing, but explaining it is another." のように、後半を another で受ける形が定型。さらに "Me saying" という動名詞の意味上の主語に、I ではなく me という目的格を使っているのがポイントです。口語では所有格(my)より目的格(me)が自然で、この一語だけで文の温度がぐっと下がる。月島の斜に構えた口調が、文法選択のレベルで再現されています。


烏養繋心コーチの英語名言|チームスポーツの英語が詰まっている

烏野の監督・烏養繋心のセリフは、そのままスポーツ指導の英語です。ビジネスのチームマネジメントにも流用できる表現が驚くほど多く、この記事でいちばん実用性が高いパートかもしれません。

「繋いだチームが勝つ」

烏養コーチの言葉のなかで、作品のテーマをもっとも短く言い当てているのがこれです。

  • 日本語:繋いだチームが勝つ(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"Victory goes to the team that connects."(Fandom Wikiは出典表記として原作第27話を挙げています)

たった6語です。"Victory goes to 〜"(勝利は〜のものになる) という、英語の格言でよく使われる型を採用しているのが上手い。win という動詞を使わず、victory を主語に立てて go to で受けることで、「勝利のほうが歩み寄ってくる」という運命論めいた響きが出ます。 そして最重要語が connect。バレーの「繋ぐ」を英語でどう言うかという問題に、この訳は真正面から connect で答えています。音駒高校の横断幕「繋げ」も英語版では "Connect" と紹介されており、ハイキューにおける「繋ぐ」=connect はほぼ定訳と考えてよさそうです。

「これが最後の一本だと思って追え」

練習に対する姿勢を語った、烏養コーチらしい一言です。

  • 日本語:「これが最後の一本だ」と常に思って追え。そうしないと、試合で「あのとき見送った一本」を後悔することになる(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"'This is the final ball!' Think that at all times, and go after it! If you don't, then in the match, you'll regret the one ball you chose to ignore during practice!"(Fandom Wikiの出典表記では原作第35話)

"go after 〜"(〜を追いかける、取りに行く) は、ボールにも目標にも使える句動詞です。"go after your dream"(夢を追え)のように、スポーツと自己啓発の両方で機能するのが便利なところ。"at all times"(常に) は always より硬く、規則やルールの文脈で使われる表現です。そして "the one ball you chose to ignore"——the one 〜 you chose to ...(あなたが〜することを選んだ、あの一つの)という言い回しが痛烈です。見送ったのではなく「無視することを選んだ」と言い切る。choose to の一語が、この叱咤の厳しさを決めています。

「食え、食え。少しずつ、でも強くなれ」

インターハイで青葉城西に敗れた直後、烏養コーチがチームを食事に連れて行く場面の言葉です。

  • 日本語:食え……食え……少しずつでいい……でも、必ず……強くなれ(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"Eat... eat... a little at a time... but be sure... to grow stronger."(Fandom Wikiの出典表記では原作第24話)

"a little at a time"(少しずつ) は、a little by little とも言い換えられる定型句。"be sure to 〜"(必ず〜しろ) は命令文で使うと「忘れずに〜すること」という念押しになります。そして白眉が "grow stronger" です。become stronger でも get stronger でもなく grow。「育つ」という自動詞を選ぶことで、食事の場面と「強くなる」ことが一本の線で繋がります。 敗戦の夜に「食え」と言い、その同じ文のなかで「育て」と言う。動詞1語の選択が、この場面の全部を背負っている訳だと思います。


武田一鉄先生の英語名言|「弱いということは、伸びしろがある」

顧問の武田一鉄先生は、現代文の教師です。比喩を多用した、文学的で構造のはっきりした言葉を話すため、英語版のセリフも一段レベルの高い英文になっています。ここが本記事でいちばん「英語として読み応えのある」パートです。

「負けとは、膝をついたまま立てるかを試される試練だ」

インターハイで青葉城西に敗れ、うずくまる日向と影山に向けた言葉です。Fandom Wikiは出典表記として第8巻第69話を挙げています。

  • 日本語:負けるのは辛いことか? それは、膝をついたところから立ち上がれるかどうかを試される試練ではないのか。膝をついたままなら、それは弱いということの証明だ(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"Isn't losing difficult for all of you? A challenge where, ending up on your hands and knees, you must see if you can stand up again? If you stay on your hands and knees, that proves that you are weak."

キーになるのが "on your hands and knees"(四つん這いで) という身体表現です。英語では「打ちのめされた状態」をこの姿勢で表現することが多く、日本語の「膝をつく」より一段惨めな絵が浮かびます。 そして "a challenge where 〜" の where は場所ではなく「〜という状況において」を指す関係副詞。"see if you can 〜"(〜できるかどうか確かめる) は日常会話でも頻出で、"Let me see if I can help."(力になれるか見てみます)のように使えます。否定疑問文(Isn't 〜?)で始めて、相手に考えさせながら結論へ導く——現代文教師らしい話法が、英語でもきちんと保たれています。

「弱いということは、伸びしろがあるということ」

東京合宿で歯が立たなかったチームに向けた、武田先生の代表的な一言です。Fandom Wikiの出典表記では第10巻第81話。

  • 日本語:君たちが弱いということは、それだけ伸びしろがあるということだ。これほど嬉しいことはない(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"You guys being weak means you have room to grow. And there's no greater joy than that."

"room to grow" ——これがこの記事で最も覚えて帰ってほしい表現です。英語の room には「部屋」のほかに不可算名詞で「余地・スペース」という意味があり、room to grow で「成長の余地=伸びしろ」になります。ビジネス英語の定番 "room for improvement"(改善の余地) も同じ用法。"There's still room for improvement." は評価コメントの決まり文句です。冠詞が付かないことに注意してください(× a room to grow)。文頭の "You guys being weak" は動名詞句が主語になった形で、"There's no greater joy than that."(それ以上の喜びはない) は比較級を使った最上級表現。1文のなかに学習ポイントが3つという、非常に密度の高いセリフです。

「色は混ざれば濁る。だが全部混ざれば黒になる」

烏野というチームを色に喩えた、武田先生の名スピーチです。Fandom Wikiの出典表記では第11巻第96話。

  • 日本語:色は混ざれば濁る。だが、すべてが混ざりきったとき、最後に残るのはあらゆる色に勝つ色——黒だ。君たちが背負う烏のように、黒いチームになれ(という趣旨)
  • 英語【Fandom Wiki】:"When 'colors' mix, they become muddy and messy. But when they all blend together, the final result is the color that wins against all others: black. Become a team of black, like the crows you represent."

英語として最高に上手いのが、mix と blend の使い分けです。前半の「濁る」は mix(ただ混ざる)、後半の「混ざりきる」は blend together(溶け合って一体になる)。 日本語では同じ「混ざる」でも、英語は2語を使い分けることで「烏合の衆」と「チーム」の違いを表現しているわけです。"muddy"(濁った、泥のような)"messy"(ぐちゃぐちゃの) を並べて韻を踏ませているのも見事。締めの "the crows you represent"(君たちが背負う烏)represent は「代表する・象徴する」で、"I represent my country."(国を代表する)のようにスポーツ文脈で頻出します。武田先生はほかにも「偉大な人物になるには、まず謙虚な人間として、正しい順序で一歩ずつ進むことだ」という趣旨の言葉を残しており、英語では "begin as someone humble and then proceed one step at a time in the proper order" と記録されています。


名言から学べるスポーツ・チームワーク英語5選

ここまで紹介したセリフから、実際の仕事や日常でも使える表現を5つ選んで整理します。名言を覚えるついでに、使える英語も持ち帰ってください。

connect/keep the ball alive——「繋ぐ」を英語でどう言うか

烏養コーチの "Victory goes to the team that connects." に出てきた connect は、バレーの「繋ぐ」の定訳として機能しています。人と人を繋ぐなら connect with 〜、話が繋がるなら link up試合中の「まだ落とすな、繋げ!」に相当する英語なら "Keep it alive!""Keep the ball alive!" が実際の試合でよく飛ぶ掛け声です。日本語の「繋ぐ」を1語で置き換えようとせず、場面ごとに動詞を選び分けるのがコツです。

room to grow——「伸びしろ」は room で表す

武田先生の "room to grow" は、そのまま人事評価や1on1で使えます。room は不可算名詞で「余地」。関連表現として room for improvement(改善の余地)、leave room for 〜(〜の余地を残す)を一緒に覚えてください。「まだ伸びます」と英語で言いたいとき、"He can still grow." より "He still has a lot of room to grow." のほうが圧倒的に英語らしいです。

A is one thing, but B——月島式・対比の型

月島の "Me saying I can't is one thing. But if somebody else tells me that, I don't like it." に出てきた型です。"A is one thing, B is another." という形が最も一般的で、「AとBは別問題だ」と切り分けたいときに使います。議論で相手の論点をずらさずに反論する、英語のもっとも上品な武器のひとつ。プレゼンなら "Having data is one thing; acting on it is another." のように応用できます。

bring out 100% of 〜——及川式・人を動かす英語

及川の "bring out 100% of the strengths of each and every one of them" に出てきた bring out は、「(潜在的なものを)引き出す」という意味のマネジメント頻出句動詞です。"bring out the best in people"(人の最良の面を引き出す)は英語圏のリーダーシップ論の定番フレーズ。"each and every one" は each と every をあえて重ねて「一人ひとり全員」を強調する言い方で、スピーチでよく使われます。

kill/dig/tool/roof——名言と一緒に覚える競技英語

最後に競技英語です。kill(決まったスパイク)、dig(スパイクを拾う守備=日本語のレシーブ)、tool/wipe(ブロックアウト)、roof(相手のスパイクを真上から叩き落とすブロック)、kill blocking(決めにいくブロック)。これらは辞書の一般的な語義とまったく違う意味で使われるため、英語実況を聞くときの最大の壁になります。 バレーボール用語の英語は数が多いので、ハイキュー バレーボール用語の英語一覧に、日本語・ハイキュー英語版・FIVB公式表現の3列で120語以上を対照させた一覧を用意しました。筆者がTOEIC990点を取るまでの過程でも、単語帳より「印象的な文の中で出会った語」のほうが圧倒的に忘れませんでした。この学び方については「アニメ×英語学習は効果ある?」にまとめています。


名言を「音」で確かめる|英語版ハイキューの視聴方法

ここまで紹介してきたのは、あくまでテキストとしての英語です。実際に英語吹き替えを聞くと、テキストでは絶対に分からない発見があります。及川の軽薄さと執念、月島の抑えた皮肉、武田先生の熱——演技が乗った瞬間に、同じ英文がまったく別のものに聞こえます。

全4期の英語吹き替えがCrunchyrollで配信済み

ハイキューは長らく「英語吹き替えがサブスクで見られない作品」でしたが、状況が変わりました。

ルート取り扱い英語音声
Crunchyroll英語字幕版は第1期から配信。2025年11月に第1期・第2期の英語吹き替え配信を公式ニュースで告知し、同月後半に第3期・第4期分も追加あり(TVシリーズ全85話)
Netflix国・時期によって取り扱いが大きく異なる要確認
VIZ英語版コミック原作と同じ全45巻+3-in-1版−(読む教材。字幕との訳の違いを比べる楽しみあり)

上表は公開情報から確認できた範囲の目安です。配信ライセンスは国ごと・版ごとに切り売りされており、数か月単位で変わります。契約前に必ずご自身で最新の状況をご確認ください。最終的には、自分のアカウントで音声・字幕トラックを開いて確かめるのが唯一確実な方法です。サービスごとの比較や登録手順は「英語版ハイキューの視聴方法」で詳しく解説しています。

NordVPNで英語圏サーバーに接続する3ステップ

日本から通常の接続で配信サービスを開いても、英語音声を選べる作品はほとんどありません。これは設定ミスではなく、配信ライセンスが国ごとに分かれているという構造上の問題です。この壁を越える手段がVPNです。

  • 手順①NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続する
  • 手順②:その状態で、いつも通りCrunchyrollやNetflixを開く
  • 手順③:海外リージョン向けのカタログが表示され、英語音声・英語字幕が選べるようになる

VPN接続は、英語版カタログにアクセスするための前提条件です。 VPNなしで日本から英語音声版のハイキューを見るのは基本的に難しい、という点だけは曖昧にせずお伝えしておきます。NordVPNはVPNサービスの中でも定番で、初めての方にも選ばれやすいサービスです。この記事で紹介した名言が実際にどう演じられているのか、ぜひご自分の耳で確かめてみてください。


まとめ|出典を書くことが、名言記事のいちばんの誠実さ

この記事では、『ハイキュー!!』の名言・セリフを、日向翔陽・影山飛雄・及川徹・月島蛍・烏養繋心コーチ・武田一鉄先生を中心に、確認できた媒体を明示しながら20本以上紹介しました。押さえておきたいポイントは3つです。

  • 英語版は1つではない。VIZ英語版コミック/Crunchyrollの英語字幕/英語吹き替えで訳が違うことがある。及川徹の名前ですら、Crunchyrollは Oikawa Toru、VIZは Tohru Oikawa と割れている
  • 訳が固まっていない名言が実在する。日向の「跳べる」は jump と fly の両方が流通し、及川の「才能は開花させるもの」は引用サイトによって英文が2種類ある
  • 名言はチームワーク英語の宝庫。connect(繋ぐ)、room to grow(伸びしろ)、bring out 100% of 〜(引き出す)、A is one thing, but B(切り分ける)は、そのまま仕事で使える

裏付けが十分に取れなかったものは、正直に要確認として趣旨だけをお伝えしました。分からないことを分からないと書く誠実さこそ、名言まとめ記事の信頼性そのものだと考えています。

ハイキュー×英語というテーマの全体像(英語タイトルの意味、キャラクターの英語名、レシーブ=dig・トス=setといったバレーボール用語の和製英語、英語版漫画の読み方など)は、ピラー記事「ハイキューは英語で何という?」にまとめてあります。他作品の名言が英語でどう訳されているかに興味のある方は、「NARUTOの英語名言・セリフ集」「チェンソーマンの英語名言・セリフ集」もあわせてどうぞ。

まずは推しキャラの名言ひとつからで構いません。先ほどの手順でVPNをつないで、英語音声で聞いてみてください。 文字で読んだときの何倍もの情報が、そこには入っています。

  • この記事を書いた人

YOSHI

アニメ・海外ドラマ・サッカーなどエンタメで楽しく英語学習中。留学経験はなし。大学時代に英語を始めて就職後は海外事業を担当。現在は独立してフリーランス。2児の父。TOEIC990。VERSANT76。

-ハイキュー!!

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