「鋼の錬金術師の英語タイトルって、結局どれが正しいの?」——結論からお伝えすると、ハガレンには「正しい英語タイトル」が1つではなく、作品ごとに別々に存在します。TVアニメだけで2作あり、2003年版の英題は副題なしの Fullmetal Alchemist、2009年版だけが Fullmetal Alchemist: Brotherhood。しかも Brotherhood という副題は、日本語の正式タイトルにはどこにも存在しません。ここを知らないまま英語版を探すと、まず確実に目的の作品にたどり着けません。さらに厄介なのが各話サブタイトルで、2003年版51話+2009年版64話=合計115話ぶんの英題は、Funimation・Netflix・Crunchyroll・英語版Wikipediaで細かく食い違っています。この記事では、①アニメ2作の英題がなぜ違うのか、②BROTHERHOOD全64話の日英対照サブタイトル(本記事の目玉①)、③2003年版全51話の日英対照サブタイトル(目玉②)、④同じ話なのに英題が割れる実例と出所(目玉③)、⑤劇場版アニメ2作の英題、⑥実写映画3部作の英題が3系統に割れている件、⑦原作漫画の英題とどこまで確認できたか、⑧英題から拾える英語表現、⑨2026年7月時点の配信状況と検索のコツ、という順でまとめました。私は留学経験がないままアニメ・海外ドラマ・サッカー観戦で英語を身につけ、TOEIC990点・VERSANT76点(80点満点中)を取得し、元海外事業担当としても日々英語を使ってきました。好きな作品なら「勉強している」感覚がほとんどないまま、英語そのものに集中できます。作品全体の英語まわりを俯瞰したい方は、先に鋼の錬金術師は英語で?完全ガイドもあわせてどうぞ。なお、英題を並べるだけでなく実際に英語音声・英語字幕で観たい場合は、NordVPNで英語圏のサーバーに接続してから配信サービスを開くという一手間が前提になります(NordVPN)。ここには例外もあるので、記事後半で実際に確認した結果とあわせて解説します。
Contents
- 1 「鋼の錬金術師」の英語タイトルは?アニメ2作で英題が違う
- 2 【早見表】シリーズ・劇場版・実写・原作の英語タイトル総覧
- 3 この記事の英題はどこから取ったか|出典の優先順位と限界
- 4 【本記事の目玉①】BROTHERHOOD 全64話の英語サブタイトル日英対照
- 5 【本記事の目玉②】2003年版 全51話の英語サブタイトル日英対照
- 6 【本記事の目玉③】同じ話なのに英題が割れる|媒体別の食い違い
- 7 劇場版アニメ2作の英語タイトル
- 8 実写映画3部作の英題は媒体で割れる
- 9 原作漫画の英語タイトルと章題は確認できたのか
- 10 英題から学べる英語表現
- 11 英語タイトルで検索・視聴するときの実務メモ【2026年7月時点】
- 12 英題を入り口にした学習ステップ5つ
- 13 まとめ|鋼の錬金術師の英語タイトル早見
「鋼の錬金術師」の英語タイトルは?アニメ2作で英題が違う
結論から言うと、『鋼の錬金術師』の英語タイトルは、どの作品を指しているかで変わります。原作漫画とTVアニメ2003年版は Fullmetal Alchemist、TVアニメ2009年版だけが Fullmetal Alchemist: Brotherhood。この「アニメが2作あって英題が別」という構造こそ、ハガレンの英語タイトルを分かりにくくしている最大の原因です。まずはここを完全に整理してから、各話サブタイトルへ進みます。
結論|2003年版=Fullmetal Alchemist/2009年版=Fullmetal Alchemist: Brotherhood
いちばん大事な区別を、先に表で確定させます。
| 項目 | 2003年版 | 2009年版 |
|---|---|---|
| 日本語タイトル | 鋼の錬金術師 | 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST |
| 公式英題 | Fullmetal Alchemist | Fullmetal Alchemist: Brotherhood |
| 話数 | 全51話 | 全64話 |
| 英語圏の通称 | FMA / FMA 2003 | FMAB |
| 最終話の英題 | Laws and Promises | Journey's End |
| 完結の仕方 | 劇場版『シャンバラを征く者』へ接続 | TVシリーズ内で完結 |
この2作を混同したまま話を進めると、各話サブタイトルの一覧も配信状況もすべて噛み合わなくなります。本記事では以降、「2003年版」「BROTHERHOOD(2009年版)」という呼び方で徹底的に書き分けます。どちらの話をしているのか常に明示しますので、読み飛ばしても迷子にならないはずです。
英題そのものの根拠も押さえておきましょう。原作漫画を英語圏で出版しているVIZ Mediaの公式作品ページは、タイトルを Fullmetal Alchemist と表記しています(公式サイトの <title> は "VIZ | The Official Website for Fullmetal Alchemist")。配信側では、Crunchyrollのシリーズページが2003年版を Fullmetal Alchemist (2003)、2009年版を Fullmetal Alchemist: Brotherhood として区別しています。Netflixの作品ページの og:title も "Watch Fullmetal Alchemist: Brotherhood | Netflix" で、2009年版には必ず副題が付きます。
「Brotherhood」は英語版だけの副題。2009年3月のAnimax Asia発表が出所
ここは本記事でいちばん驚かれるポイントかもしれません。Brotherhood という副題は、日本語の正式タイトルには存在しません。2009年版の日本での正式タイトルは『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』であって、どこにも Brotherhood は入っていないのです。
では、この副題はどこから来たのか。出所は2009年3月の発表です。英語圏のアニメニュースサイトであるAnime News Networkが2009年3月20日付で報じた記事には、次のように書かれています。"Animax Asia's press release also confirmed the English name for the second Fullmetal Alchemist television series: Fullmetal Alchemist: Brotherhood."(Animax Asiaのプレスリリースは、2作目の『鋼の錬金術師』テレビシリーズの英語名が Fullmetal Alchemist: Brotherhood であることも確認した)。
同じ記事によれば、Animax Asiaでの英語圏向け初放送は2009年4月10日20時30分で、日本での放送(4月4日)のわずか6日後。英語字幕・中国語字幕つきでの放送でした。つまり Brotherhood は「後から海外ファンが付けた通称」ではなく、放送開始とほぼ同時に権利元サイドから発表された正式な英語タイトルなのです。英語版Wikipediaの「Fullmetal Alchemist: Brotherhood」の記事も、同じAnime News Networkの記事を出典として引いています。
なぜ副題が必要だったかは、考えてみればすぐ分かります。2003年版の英題がすでに Fullmetal Alchemist で埋まっていたからです。同じ英題の作品が2つ並ぶと、英語圏の視聴者もショップも区別できません。そこで「兄弟の物語」という作品の核を一語で言い表す Brotherhood を足した、というわけです。日本では『FULLMETAL ALCHEMIST』という副題で区別し、英語圏では『Brotherhood』という副題で区別する。同じ問題を、日英でまったく別の言葉で解決しているのがハガレンの面白さです。
面白い傍証もあります。英語版Wikipediaのインフォボックスには、編集者向けのコメントとして「Do not add Fullmetal Alchemist to the romanji.(ローマ字表記に Fullmetal Alchemist を足さないこと)」「この英語の副題は、2003年版との区別が必要な場合を除いて日本の視聴者には一般的に使われていない」という趣旨の注記まで入っています。英語圏側も、日本語題と英語題で副題が違うことをはっきり意識しているわけです。
日本の正式タイトルは『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』
日本側の表記も確認しておきましょう。TVアニメ公式サイト(hagaren.jp)の <title> は「TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト」で、サイト内のロゴ・表記は FULLMETAL ALCHEMIST。Brotherhood は日本の公式サイトのどこにも使われていません。
つまり日本の公式サイド自身が、副題として1語でつなげた FULLMETAL ALCHEMIST を使っているということです。ここが「Fullmetal は1語か2語か」問題の決定的な答えになります。Full Metal Alchemist と2語に割った表記をよく見かけますが、VIZ Mediaも、Netflixも、Crunchyrollも、そして日本の公式タイトルそのものも、すべて1語の Fullmetal です。英語版の商品や配信を検索するときは、必ず1語で入力してください。
なお日本のファンは、2009年版を「鋼FA(はがねエフエー)」と略して2003年版と区別します。英語圏の FMAB に相当する呼び分けですね。綴りの由来や steel ではなく fullmetal になった理由については、Fullmetalが1語である理由と意味の解説で詳しく掘り下げていますので、そちらをご覧ください。本記事はあくまで「どの作品がどの英題か」の一覧に特化します。
略称 FMA / FMAB / Hagaren の使い分け
英語圏のフォーラムやレビューを読むときに必須の略称も整理しておきます。
| 略称 | 指すもの |
|---|---|
| FMA | シリーズ全体、または文脈によって2003年版 |
| FMA 2003 | 2003年版アニメ(区別が必要なとき) |
| FMAB | Fullmetal Alchemist: Brotherhood(2009年版) |
| Hagaren | 日本語の略称をそのままローマ字化。海外のコアファンも使う |
英語圏のファンは「どちらのアニメの話か」を日本語圏よりはるかに厳密に区別します。日本語で「ハガレン」とだけ言えば作品全体を指せますが、英語で FMA と書くと「2003年版のこと?」と聞き返されることがあるくらいです。海外の掲示板やレビューを読むときは、FMAB の一文字が付いているかどうかを必ず確認してください。 各話サブタイトルの英題を検索するときも、この一文字の有無で結果がまるごと変わります。
【早見表】シリーズ・劇場版・実写・原作の英語タイトル総覧
まず全体像を1枚にまとめます。この表さえ押さえておけば、以降の細部は必要になったときに戻ってくれば十分です。
| 区分 | 日本語 | 英語タイトル | 出所・補足 |
|---|---|---|---|
| 原作漫画 | 鋼の錬金術師 | Fullmetal Alchemist | VIZ Media公式サイト |
| TVアニメ①(2003) | 鋼の錬金術師 | Fullmetal Alchemist | 副題なし。全51話 |
| TVアニメ②(2009) | 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST | Fullmetal Alchemist: Brotherhood | Animax Asia発表(2009年3月)。全64話 |
| 劇場版アニメ①(2005) | 劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 | Fullmetal Alchemist the Movie: Conqueror of Shamballa | Funimation公式ページ/英語版Wikipedia記事名 |
| 劇場版アニメ②(2011) | 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 | Fullmetal Alchemist: The Sacred Star of Milos | Funimation公式ページ/英語版Wikipedia記事名 |
| 実写①(2017) | 鋼の錬金術師 | FullMetal Alchemist(Netflix)/Fullmetal Alchemist(IMDb・英語版Wikipedia) | 媒体で表記差あり |
| 実写②(2022) | 鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー | Fullmetal Alchemist The Revenge of Scar(Netflix、コロンなし)/Fullmetal Alchemist: The Revenge of Scar(IMDb・英語版Wikipedia) | 媒体で表記差あり |
| 実写③(2022) | 鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成 | Fullmetal Alchemist The Final Alchemy(Netflix)/Fullmetal Alchemist: The Final Alchemy(英語版Wikipedia)/Fullmetal Alchemist: Final Transmutation(IMDb) | 3通りに割れる |
| OVA(BROTHERHOOD) | 未放送エピソード | The Blind Alchemist ほか4本 | Funimation公式の個別ページで確認 |
この表でいちばん注意していただきたいのは、下から2〜4行目の実写3部作です。同じ映画なのに、Netflix・IMDb・英語版Wikipediaで表記が違います。 とくに完結編『最後の錬成』は3通りあり、どれか1つを「正しい英題」と決めることができません。根拠は記事後半の実写セクションで、出所つきで全て示します。
もう1点。劇場版アニメ1作目だけ the Movie: という語が挟まっているのも見落としやすいポイントです。2作目は Fullmetal Alchemist: The Sacred Star of Milos で、the Movie は入りません。英題は「たぶんこういう形だろう」と類推すると必ず外れるので、コピーして使うのが安全です。
この記事の英題はどこから取ったか|出典の優先順位と限界
結論から言うと、本記事の各話英題は「Funimation公式サイト(Wayback Machineのアーカイブ)」を主軸に、NetflixとCrunchyrollで裏取りしたものです。そして、確認できなかった範囲も隠さず書きます。英題の一覧記事でいちばん多い失敗は、英語版Wikipediaやファンサイトの表記をそのまま「公式英題」として掲げてしまうことだからです。
使った一次ソース3つ(Funimation公式・Netflix・Crunchyroll)
本記事が英題の出所として使ったのは、次の3つです。
| ソース | 種別 | 取得できた範囲 |
|---|---|---|
| Funimation 公式サイト(Wayback Machineのアーカイブ) | 当時の北米ライセンサー=権利元 | 2003年版 全51話/BROTHERHOOD 全64話+劇場版2作+OVA4本 |
| Netflix(作品ページ内のエピソードデータ) | 配信公式 | BROTHERHOOD 50話ぶん |
| Crunchyroll(シリーズページ) | 配信公式 | BROTHERHOOD 16話ぶん(第1〜16話) |
主軸をFunimationに置いたのには理由があります。Funimationは、ハガレンの英語吹き替えを実際に制作した会社だからです。英題は「誰かが日本語を訳したもの」ではなく、「英語版を作った当事者が名付けたもの」であるべきというのが、本記事の考え方です。
ただしFunimationは2017年以降Crunchyrollへ統合され、単独のサイトは消滅しています。そこでWayback Machineのアーカイブから、2013年〜2015年当時のエピソード一覧ページを取得しました。BROTHERHOODは第1〜20話・第33〜64話がエピソード一覧のスナップショットから、残る第21〜32話は各エピソードの個別ページのタイトルタグから復元しています。2003年版は第1〜51話が1つのスナップショットに揃っていました。
NetflixとCrunchyrollは、「いま実際に配信されている画面でどう表示されているか」を確認するために使いました。読者が英語字幕で観るときに目にするのは、こちらの表記だからです。
なぜ英語版Wikipediaを最上位に置かないのか
英語版Wikipediaは便利です。全115話ぶんの英題が1ページに並んでいて、コピーもしやすい。それでも本記事は英語版Wikipediaを最下位の参照先として扱っています。理由は明確で、英語版Wikipediaの話数一覧には、公式英題ではなく編集者による訳が混ざることがあるからです。
私は過去に別作品で、英語版Wikipediaの章題一覧をそのまま信じて痛い目を見たことがあります。出版社の公式目次と突き合わせたら、130話中25話で英題が違っていたのです。「センター」が Lead(正しくは Center)、「禊」が Ritual Purification(正しくは Purification)といった具合で、しかも一見それらしく読めてしまうのが厄介でした。
そこで本記事では、英題の優先順位を次のように固定しています。
- ①権利元・配信公式(Funimation公式・Netflix・Crunchyroll・VIZ Media)
- ②作品公式Wiki(Fandom。既刊分は公式に追随するが最新は遅れる)
- ③英語版Wikipedia(最下位。差分の検証にのみ使う)
英語版Wikipediaは「①と食い違っていないか」をチェックするために使い、①と違うときは①を採る。そして違いがあった箇所は隠さず併記します。この方針は、同じく各話英題を扱った進撃の巨人の英語タイトルの記事でも一貫させています。
確認できなかったこと(正直に書きます)
一覧記事として誠実であるために、取得できなかった範囲も明記します。本記事執筆時点(2026年7月)で、次の点は確認できていません。
- NetflixのBROTHERHOOD各話表記は、64話中50話しか確認できていません。非会員が開けるページでは各パートの先頭10話ずつしか描画されないため、第11・12・13話/第24・25・26話/第37・38・39話/第50・51・52話/第63・64話の計14話はNetflix上の表記を確認していません。これらの話については、Funimation公式と英語版Wikipediaの照合結果のみで書いています。
- CrunchyrollのBROTHERHOOD各話表記は、第1〜16話までしか確認できていません。残る48話は未確認です。
- 2003年版は、Crunchyrollのシリーズページが「Unfortunately, this show's videos aren't available.」と表示され、各話一覧そのものが出ませんでした。したがって2003年版全51話の英題は、Funimation公式(アーカイブ)が唯一の権利元ソースになります。英語版Wikipediaとの差分は本文中で併記しますが、Netflix・Crunchyrollでの裏取りはできていません。
- 原作漫画の章題(チャプタータイトル)の公式英題は、確認できませんでした。VIZ Mediaの試し読み機能がJavaScriptビューアで、目次を抽出できなかったためです。本記事では章題の一覧は掲載しません。
「載っていない情報」より「間違った情報が載っている」ほうが読者にとって有害だと考えているので、確認できなかったものは空欄のままにしてあります。以降の一覧表は、この前提でお読みください。
【本記事の目玉①】BROTHERHOOD 全64話の英語サブタイトル日英対照
ここからが本記事の中心です。『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』(英題 Fullmetal Alchemist: Brotherhood)は、2009年4月5日から2010年7月4日まで全64話が放送されました。 その全64話の日英対照サブタイトルを、4ブロックに分けて掲載します。
各表の見方は次のとおりです。英題の列は、Funimation公式(アーカイブ)の表記を本記事の採用形としています。Netflix・Crunchyroll・英語版Wikipediaで表記が違った話数だけ、右端の「媒体差」欄に記載しました。空欄は「確認した範囲では食い違いがなかった」という意味です。
第1〜16話|イシュヴァール以前、旅立ちのブロック
物語の入口です。第1話のサブタイトルがシリーズ名と同じ Fullmetal Alchemist になっているのが、いきなり面白いところですね。
| # | 日本語サブタイトル | 英題 | 媒体差 |
|---|---|---|---|
| 1 | 鋼の錬金術師 | Fullmetal Alchemist | ― |
| 2 | はじまりの日 | The First Day | ― |
| 3 | 邪教の街 | City of Heresy | ― |
| 4 | 錬金術師の苦悩 | An Alchemist's Anguish | ― |
| 5 | 哀しみの雨 | Rain of Sorrows | ― |
| 6 | 希望の道 | Road of Hope | ― |
| 7 | 隠された真実 | Hidden Truths | ― |
| 8 | 第五研究所 | The Fifth Laboratory | ― |
| 9 | 創られた想い | Created Feelings | ― |
| 10 | それぞれの行く先 | Separate Destinations | ― |
| 11 | ラッシュバレーの奇跡 | Miracle at Rush Valley | ― |
| 12 | 一は全、全は一 | One is All, All is One | Fandomは One Is All, All Is One |
| 13 | ダブリスの獣たち | Beasts of Dublith | ― |
| 14 | 地下にひそむ者たち | Those Who Lurk Underground | ― |
| 15 | 東方の使者 | Envoy From the East | 3通りに割れる(後述) |
| 16 | 戦友(とも)の足跡 | Footsteps of a Comrade-in-Arms | ― |
このブロックで注目していただきたい英題を3つ挙げます。
第3話「邪教の街」→ City of Heresy。 heresy は「異端・異教」を意味する名詞で、英検準1級レベルの語です。日本語の「邪教」をそのまま evil religion のように訳さず、キリスト教文化圏で歴史的な重みを持つ heresy を選んでいるのがポイント。レト教団の話に、宗教史のニュアンスがひと匙加わっています。
第4話「錬金術師の苦悩」→ An Alchemist's Anguish。 anguish は「激しい苦悩・苦悶」。pain や suffering より深く、精神的な苦しみに使う語です。しかも Alchemist と Anguish で頭韻(あたまいん)を踏んでいるのがうまい。英語のタイトルは、意味だけでなく音の響きも計算して付けられます。
第16話「戦友(とも)の足跡」→ Footsteps of a Comrade-in-Arms。 comrade-in-arms はハイフンでつないだ複合名詞で「戦友」。ハイフンを外して comrade in arms と書くと、公式表記から外れます。英題を引用するときにいちばん壊れやすいのは、こうしたハイフンとスペースなので、必ずコピーして使ってください。
第17〜32話|イシュヴァールの真実から、北へ向かうまで
物語が一気に重くなるブロックです。英題も抽象語・軍事用語が増えます。
| # | 日本語サブタイトル | 英題 | 媒体差 |
|---|---|---|---|
| 17 | 冷徹な焰 | Cold Flame | ― |
| 18 | 小さな人間の傲慢な掌 | The Arrogant Palm of a Small Human | ― |
| 19 | 死なざる者の死 | Death of the Undying | ― |
| 20 | 墓前の父 | Father Before the Grave | ― |
| 21 | 愚者の前進 | Advance of the Fool | ― |
| 22 | 遠くの背中 | Backs in the Distance | ― |
| 23 | 戦場(いくさば)の少女 | Girl on the Battlefield | Funimation=Girl On the Battlefield |
| 24 | 腹の中 | Inside the Belly | ― |
| 25 | 闇の扉 | Doorway of Darkness | ― |
| 26 | 再会 | Reunion | ― |
| 27 | 狭間の宴 | Interlude Party | ― |
| 28 | おとうさま | Father | ― |
| 29 | 愚者の足掻き | Struggle of the Fool | ― |
| 30 | イシュヴァール殲滅戦 | The Ishvalan War of Extermination | ― |
| 31 | 520センズの約束 | The 520 Cens Promise | ― |
| 32 | 大総統の息子 | The Fuhrer's Son | ウムラウトなしの表記 |
第19話「死なざる者の死」→ Death of the Undying。 undying は「死なない・不滅の」という形容詞で、the + 形容詞 で「〜な人々」を表す用法です。Death of the Undying(不死なる者たちの死)という矛盾が、そのまま英語でも成立しているのが見事ですね。
第30話「イシュヴァール殲滅戦」→ The Ishvalan War of Extermination。 extermination(絶滅・根絶)は、Ishvalan(イシュヴァール人の)という形容詞形とセットで使われています。なお2003年版の同種の回は The Ishbal Massacre と訳されており、同じ民族名が Ishvalan と Ishbal で綴りから違います。2作の英題を並べて検索すると混乱するのは、こうした固有名詞の綴りが統一されていないためです。
第32話「大総統の息子」→ The Fuhrer's Son。 キング・ブラッドレイの「大総統」はドイツ語由来の Führer ですが、Funimation公式の表記はウムラウト(¨)を落とした Fuhrer です。理由は次の「英題から学べる英語表現」で詳しく扱いますが、英語圏のメタデータでは特殊記号が落ちるのが常態だと覚えておいてください。
第33〜48話|ブリッグズから「約束の日」へ
物語の核心が明かされていくブロックです。このあたりから英題も一気にドラマチックになります。
| # | 日本語サブタイトル | 英題 | 媒体差 |
|---|---|---|---|
| 33 | ブリッグズの北壁 | The Northern Wall of Briggs | ― |
| 34 | 氷の女王 | Ice Queen | ― |
| 35 | この国のかたち | The Shape of This Country | ― |
| 36 | 家族の肖像 | Family Portrait | ― |
| 37 | 始まりの人造人間(ホムンクルス) | The First Homunculus | ― |
| 38 | バズクールの激闘 | Conflict at Baschool | ― |
| 39 | 白昼の夢 | Daydream | ― |
| 40 | フラスコの中の小人(ホムンクルス) | The Dwarf in the Flask | 3通りに割れる(後述) |
| 41 | 奈落 | The Abyss | ― |
| 42 | 反撃の兆し | Signs of a Counter Offensive | 英語版Wikipedia=Signs of a Counteroffensive |
| 43 | 蟻のひと噛み | Bite of the Ant | ― |
| 44 | バリンバリンの全開 | Revving at Full-throttle | 英語版Wikipedia=Revving at Full Throttle |
| 45 | 約束の日 | The Promised Day | ― |
| 46 | 迫る影 | Looming Shadows | ― |
| 47 | 闇の使者 | Emissary of Darkness | ― |
| 48 | 地下道の誓い | The Oath in the Tunnel | ― |
第40話は本記事でもっとも表記が割れた話です。Funimation公式が (Homunculus) The Dwarf in the Flask、英語版Wikipediaが Homunculus (The Dwarf in the Flask)、Netflixが The Dwarf in the Flask。括弧の位置が3通りに分かれ、Netflixに至っては Homunculus の語ごと落ちています。日本語の「フラスコの中の小人(ホムンクルス)」というルビ構造を、英語でどう再現するかで判断が割れたわけですね。本記事は表では最短形の The Dwarf in the Flask を掲げ、括弧つきの2形を併記しています。
第44話「バリンバリンの全開」→ Revving at Full-throttle。 rev は「エンジンを吹かす」という動詞で、rev up の形でよく使われます。Funimation公式はハイフンつきの Full-throttle、英語版Wikipediaはハイフンなし2語の Full Throttle。意味は同じですが、文字列としては別物です。
第45話「約束の日」→ The Promised Day。 BROTHERHOODを英語圏で語るときの最重要キーワードで、海外の掲示板でも the Promised Day はそのまま固有名詞のように使われます。promised(約束された)は過去分詞の形容詞用法ですね。
第49〜64話|決戦、そして Journey's End へ
最終ブロックです。最終話の英題 Journey's End は、日本語の「旅路の涯(はて)」を見事に写し取っています。
| # | 日本語サブタイトル | 英題 | 媒体差 |
|---|---|---|---|
| 49 | 親子の情 | Filial Affection | ― |
| 50 | セントラル動乱 | Upheaval in Central | ― |
| 51 | 不死の軍団 | The Immortal Legion | ― |
| 52 | みんなの力 | Combined Strength | ― |
| 53 | 復讐の炎 | Flame of Vengeance | ― |
| 54 | 烈火の先に | Beyond the Inferno | ― |
| 55 | 大人たちの生き様 | The Adults' Way of Life | ― |
| 56 | 大総統の帰還 | The Return of the Fuhrer | ウムラウトなしの表記 |
| 57 | 永遠の暇(いとま) | Eternal Leave | ― |
| 58 | ひとばしら | Sacrifices | ― |
| 59 | 失われた光 | Lost Light | ― |
| 60 | 天の瞳、地の扉 | Eye of Heaven, Gateway of Earth | ― |
| 61 | 神を呑みこみし者 | He Who Would Swallow God | Funimation=He Who would Swallow God |
| 62 | 凄絶なる反撃 | A Fierce Counterattack | ― |
| 63 | 扉の向こう側 | The Other Side of the Gateway | ― |
| 64 | 旅路の涯(はて) | Journey's End | ― |
第49話「親子の情」→ Filial Affection。 filial は「子としての」という硬い形容詞で、filial piety といえば「孝行・孝心」。日常英語ではまず出てきませんが、東アジア文化を英語で説明するときには頻出する語です。私も海外事業の仕事で「親孝行」を英語で説明する場面があり、この語に助けられました。
第58話「ひとばしら」→ Sacrifices。 日本語の「人柱」は、直訳すれば human pillar ですが、英題は複数形の Sacrifices(生贄たち)。BROTHERHOODでは「人柱」が特定の人物群を指す固有の概念なので、複数形にすることで「その5人」を指し示しているわけです。うまい訳だと思います。
第61話「神を呑みこみし者」→ He Who Would Swallow God。 He who 〜 は「〜する者」を表す古風で文語的な構文です。Funimation公式のページでは He Who would Swallow God と would が小文字になっていましたが、これは英題の書式(タイトルケース)としては不統一で、単なる入力ミスの可能性が高いと考えられます。英語版Wikipedia・Fandomはいずれも Would を大文字にしています。本記事は大文字を採用し、事実として小文字表記の存在も併記しておきます。
そして第64話「旅路の涯(はて)」→ Journey's End。 たった2語で、しかもアポストロフィひとつで「旅の終わり」を言い切る。この英題については、後半の英語表現セクションで文法的に掘り下げます。
未放送エピソード(OVA)の英題4本
BROTHERHOODには、日本のDVD/BDに収録された未放送エピソードが5本あります。
- 盲目の錬金術師(第1巻収録)
- シンプルな人々(第5巻収録)
- 師匠物語(第9巻収録)
- 師匠初恋物語(第9巻収録)
- それもまた彼の戦場(第13巻収録)
これに対して、Funimation公式が個別ページを持っていた英題は4本でした。
| 英題 | 対応すると考えられる日本語 |
|---|---|
| The Blind Alchemist | 盲目の錬金術師 |
| Simple People | シンプルな人々 |
| The Tale of Teacher | 師匠物語 |
| Yet Another Man's Battlefield | それもまた彼の戦場 |
英語版WikipediaのOVA一覧も、同じ4本を挙げています。日本版が5本、英語版が4本と数が合いません。同じ第9巻に収録された「師匠物語」と「師匠初恋物語」が、英語版では1本にまとめられている可能性が高いと考えられますが、本記事執筆時点(2026年7月)では権利元の一次ソースでこれを確認できていません。したがって、「英語版のOVAは4本として扱われている」という事実だけを確定情報とし、5本→4本になった経緯は断定しません。
なお、ここまでの各話英題に登場した人名・地名の英語表記(Edward Elric、Roy Mustang、Ishval/Ishbal など)を体系的に確認したい方は、鋼の錬金術師 キャラクター英語名一覧にまとめてあります。サブタイトルの英題を検索するときは、キャラ名の綴りが分かっているだけでヒット率がまるで違います。
【本記事の目玉②】2003年版 全51話の英語サブタイトル日英対照
続いて、2003年版TVアニメ『鋼の錬金術師』(英題 Fullmetal Alchemist、副題なし)の全51話です。2003年10月4日から2004年10月2日まで放送されました。BROTHERHOODとは物語そのものが違う別作品なので、同じ話数を比べても内容は一致しません。
この一覧の出所と、2003年版だけ事情が違う理由
先に、この一覧の性格をはっきりさせておきます。2003年版の英題は、Funimation公式サイト(Wayback Machineのアーカイブ)が唯一の権利元ソースです。2013年12月のスナップショットに残っていたエピソード一覧ページから、第1話から第51話までを完全な形で取得しました。
なぜ1ソースだけなのか。理由は単純で、現行の配信サービスで2003年版の各話一覧を確認できなかったからです。本記事執筆時点(2026年7月)で、Crunchyrollには Fullmetal Alchemist (2003) のシリーズページ自体は存在しますが、開くと「Unfortunately, this show's videos aren't available.」と表示され、エピソード一覧が描画されません。Netflixも、日本のアカウントからは「この作品は現在お住まいの国では視聴できません」という趣旨の表示になります。
つまり2003年版は、英語圏でも「かつて配信されていた作品」の状態にあり、現行サービスの画面から英題を拾うことができないのです。そのぶん、英語吹き替えを実際に制作したFunimationの表記が、いっそう重い意味を持ちます。以下の表の英題列は、すべてFunimation公式のものです。右端には、英語版Wikipediaとの差分だけを記載しました。
第1〜17話|リゼンブールからイシュヴァールへ
| # | 日本語サブタイトル | 英題(Funimation公式) | 英語版Wikipediaの表記差 |
|---|---|---|---|
| 1 | 太陽に挑む者 | To Challenge the Sun | Those Who Challenge the Sun |
| 2 | 禁忌の身体 | Body of the Sanctioned | ― |
| 3 | おかあさん… | Mother | ― |
| 4 | 愛の錬成 | A Forger's Love | ― |
| 5 | 疾走! 機械鎧(オートメイル) | The Man with the Mechanical Arm | ― |
| 6 | 国家錬金術師資格試験 | The Alchemy Exam | ― |
| 7 | 合成獣(キメラ)が哭く夜 | Night of the Chimera's Cry | ― |
| 8 | 賢者の石 | The Philosopher's Stone | ― |
| 9 | 軍の狗(いぬ)の銀時計 | Be Thou for the People | ― |
| 10 | 怪盗サイレーン | The Phantom Thief | ― |
| 11 | 砂礫の大地・前編 | The Other Brothers Elric, Part I | The Other Brothers Elric: Part 1 |
| 12 | 砂礫の大地・後編 | The Other Brothers Elric, Part II | The Other Brothers Elric: Part 2 |
| 13 | 焔 vs 鋼 | Fullmetal VS. Flame | Fullmetal vs. Flame |
| 14 | 破壊の右手 | Destruction's Right Hand | ― |
| 15 | イシュヴァール虐殺 | The Ishbal Massacre | ― |
| 16 | 失われたもの | That Which is Lost | That Which Is Lost |
| 17 | 家族の待つ家 | House of the Waiting Family | ― |
このブロックで、いきなり最大級の食い違いが第1話に出ます。 Funimation公式は To Challenge the Sun(太陽に挑むこと)、英語版Wikipediaは Those Who Challenge the Sun(太陽に挑む者たち)。日本語の「太陽に挑む者」は後者に近いのですが、英語吹き替えを制作した側の表記は前者です。意味の近さではなく、権利元の表記を採るのが本記事の方針なので、表では To Challenge the Sun を掲げています。
第9話「軍の狗の銀時計」→ Be Thou for the People。 日本語のサブタイトルとまったく違う英文ですが、これは作中で銀時計に刻まれた文言を英題に持ってきたものです。thou は古英語の「あなた(主格)」で、現代英語ではまず使いません。この英題については後半の英語表現セクションで詳しく解説します。
第13話「焔 vs 鋼」→ Fullmetal VS. Flame。 日本語では「焔」が先、英語では Fullmetal が先と、語順が反転しています。しかも VS. の大文字小文字が媒体で割れており、Funimationは VS.、英語版Wikipediaは vs. です。
第18〜34話|マルコー・ノートから、アニメオリジナルへの分岐
2003年版は、原作漫画がまだ連載中の時期に制作されました。このあたりから物語が原作と分岐していきます。
| # | 日本語サブタイトル | 英題(Funimation公式) | 英語版Wikipediaの表記差 |
|---|---|---|---|
| 18 | マルコー・ノート | Marcoh's Notes | ― |
| 19 | 真実の奥の奥 | The Truth Behind Truths | ― |
| 20 | 守護者の魂 | Soul of the Guardian | ― |
| 21 | 紅い輝き | The Red Glow | ― |
| 22 | 造られた人間 | Created Human | ― |
| 23 | 鋼のこころ | Fullmetal Heart | ― |
| 24 | 思い出の定着 | Bonding Memories | ― |
| 25 | 別れの儀式 | Words of Farewell | ― |
| 26 | 彼女の理由 | Her Reason | ― |
| 27 | せんせい | Teacher | ― |
| 28 | 一は全、全は一 | All is One, One is All | ― |
| 29 | 汚れなき子ども | The Untainted Child | ― |
| 30 | 南方司令部襲撃 | Assault on South Headquarters | ― |
| 31 | 罪 | Sin | ― |
| 32 | 深い森のダンテ | Dante of the Deep Forest | ― |
| 33 | 囚われたアル | Al, Captured | ― |
| 34 | 強欲の理論 | Theory of Avarice | ― |
このブロックには、2作の英題を並べたときにいちばん面白い対比が隠れています。第28話「一は全、全は一」の英題は All is One, One is All。 ところがBROTHERHOODの第12話は、同じ日本語サブタイトルなのに One is All, All is One です。同じ日本語に対して、前半と後半がそっくり入れ替わった英題が並んでいるわけです。
これは誤訳ではありません。日本語の「一は全、全は一」は、英語にすると One is All, All is One が語順どおりです。2003年版はあえて逆から始めており、BROTHERHOODは語順に忠実。同じ言葉を、10年近く離れた2つの制作チームが別々に訳した結果が、この対称形として残っているのです。英語学習の教材としても、これほど分かりやすい「訳の分かれ道」はなかなかありません。
第34話「強欲の理論」→ Theory of Avarice。 avarice は「強欲・貪欲」で、greed よりずっと硬く文語的な語です。ホムンクルスのグリードは英語版でも Greed ですが、サブタイトルではあえて avarice を使っているのが芸の細かいところ。同じ「強欲」でも、キャラ名は短く鋭い語、サブタイトルは重々しい語、と使い分けています。
第35〜51話|ホーエンハイム、人体錬成、そして最終話
| # | 日本語サブタイトル | 英題(Funimation公式) | 英語版Wikipediaの表記差 |
|---|---|---|---|
| 35 | 愚者の再会 | Reunion of the Fallen | ― |
| 36 | 我が内なる科人(トガビト) | The Sinner Within | ― |
| 37 | 焔の錬金術師、戦う少尉さん、第十三倉庫の怪 | The Flame Alchemist, the Bachelor Lieutenant, and the Mystery of Warehouse 13 | The Flame Alchemist, The Bachelor Lieutenant & The Mystery of Warehouse 13 |
| 38 | 川の流れに | With the River's Flow | ― |
| 39 | 東方内戦 | Secret of Ishbal | ― |
| 40 | 傷痕 | The Scar | ― |
| 41 | 聖母 | Holy Mother | ― |
| 42 | 彼の名を知らず | His Name is Unknown | ― |
| 43 | 野良犬は逃げ出した | The Stray Dog | ― |
| 44 | 光のホーエンハイム | Hohenheim of Light | ― |
| 45 | 心を劣化させるもの | A Rotted Heart | ― |
| 46 | 人体錬成 | Human Transmutation | ― |
| 47 | ホムンクルス封印 | Sealing the Homunculus | ― |
| 48 | さようなら | Goodbye | ― |
| 49 | 扉の向こうへ | The Other Side of the Gate | ― |
| 50 | 死 | Death | ― |
| 51 | ミュンヘン1921 | Laws and Promises | ― |
第37話は、全115話中でもっとも長い英題です。Funimation公式は日本語の読点を , で写し、最後を and でつないでいます。英語版Wikipediaは同じ位置を & にし、The を大文字にしている。どちらも読めば同じ話ですが、文字列としては完全に別物なので、検索するときは注意が必要です。
第39話「東方内戦」→ Secret of Ishbal。 日本語は「内戦」、英語は「秘密」と、切り取っている面が違います。日本語がイシュヴァール内戦という出来事そのものを指すのに対し、英語は「そこで何があったのか」という謎の側に寄せた訳ですね。
第46話「人体錬成」→ Human Transmutation。 ハガレンの世界観を英語で語るときの最重要語です。transmutation(変成・変換)は錬金術の文脈で使われる専門語で、動詞形は transmute。作中の「錬成する」はほぼこの語です。錬金術・軍隊まわりの用語をまとめて押さえたい方は、鋼の錬金術師の錬金術・軍隊用語の英語に一覧があります。
最終話だけタイトルが丸ごと違う|ミュンヘン1921 → Laws and Promises
2003年版の最終話は、日本語が「ミュンヘン1921」、英題が Laws and Promises。共通する語が1つもありません。固有名詞も年号も、英題からきれいに消えています。
これは翻訳ミスではなく、明確な判断の結果だと考えられます。日本語の「ミュンヘン1921」は、終着点の場所と年号を突きつけることで、視聴者に「ここへ来てしまったのか」と思わせるタイトルです。前話までの流れを知っている人にだけ効く、余韻型の付け方ですね。
一方の Laws and Promises(法則と約束)は、シリーズ全体を貫くテーマ語を2つ並べた総括型です。law は等価交換の「法則」、promise は兄弟が交わした「約束」。51話かけて描いてきたものを、最後に2語で名指しして終わるという構成になっています。
なぜ英語版だけ総括型にしたのか。 断定できる資料は確認できていませんが、英語圏では最終話のサブタイトルがそのままエピソードガイドやパッケージに並びます。地名+年号だけでは、英語圏の視聴者に何も伝わらないという判断が働いた可能性は高いでしょう。ここは推測なので、そう明示しておきます。
ちなみにBROTHERHOODの最終話は Journey's End。2003年版が「法則と約束」で終わり、BROTHERHOODが「旅路の終わり」で終わる。同じ原作から生まれた2作の性格が、最終話の英題2つに凝縮されているように私には見えます。この2作の名セリフを英語で読み比べたい方は、鋼の錬金術師の英語名言・セリフ集もあわせてどうぞ。
【本記事の目玉③】同じ話なのに英題が割れる|媒体別の食い違い
結論から言うと、ハガレンの各話英題は、媒体によって細かく食い違っています。 しかもその多くは「大文字か小文字か」「ハイフンかスペースか」といった、意味に影響しない差です。それでも検索やコピーの場面では致命的になるので、確認できた差分をまとめて示します。
食い違い一覧表
本記事で確認できた主な食い違いを、出所つきで並べます。
| 作品 | # | 差の内容 |
|---|---|---|
| BROTHERHOOD | 12 | One is All, All is One(Funimation・Netflix)/One Is All, All Is One(Fandom) |
| BROTHERHOOD | 15 | The Envoy From the East(Funimation)/Envoy from the East(Netflix・英語版Wikipedia)/Envoy From the East(Crunchyroll)=3通り |
| BROTHERHOOD | 23 | Girl on the Battlefield/Girl On the Battlefield(Funimation) |
| BROTHERHOOD | 32・56 | Fuhrer(ウムラウトなし)/Führer(ウムラウトあり) |
| BROTHERHOOD | 40 | (Homunculus) The Dwarf in the Flask(Funimation)/Homunculus (The Dwarf in the Flask)(英語版Wikipedia)/The Dwarf in the Flask(Netflix)=3通り |
| BROTHERHOOD | 42 | Signs of a Counter Offensive(Funimation)/Signs of a Counteroffensive(英語版Wikipedia) |
| BROTHERHOOD | 44 | Revving at Full-throttle(Funimation)/Revving at Full Throttle(英語版Wikipedia) |
| BROTHERHOOD | 61 | He Who would Swallow God(Funimation)/He Who Would Swallow God(英語版Wikipedia・Fandom) |
| 2003年版 | 1 | To Challenge the Sun(Funimation)/Those Who Challenge the Sun(英語版Wikipedia)=意味も違う |
| 2003年版 | 11・12 | Part I / Part II(Funimation、ローマ数字)/Part 1 / Part 2(英語版Wikipedia、算用数字) |
| 2003年版 | 13 | Fullmetal VS. Flame(Funimation)/Fullmetal vs. Flame(英語版Wikipedia) |
| 2003年版 | 16 | That Which is Lost(Funimation)/That Which Is Lost(英語版Wikipedia) |
| 2003年版 | 37 | 読点+and(Funimation)/読点+&(英語版Wikipedia) |
いちばん深刻なのは、いちばん下ではなくいちばん上の行——2003年版の第1話です。To Challenge the Sun と Those Who Challenge the Sun は、文法構造からして別物で、片方は不定詞句、もう片方は関係代名詞節。これは表記ゆれではなく、別の英題が2つ存在している状態です。
なぜ割れるのか|吹き替え制作時期・配信メタデータ・ウムラウト
食い違いの原因は、大きく3つに分けられます。
- ①訳した主体と時期が違う。 Funimationの英題は、2004年〜2011年にかけて英語吹き替えを制作した当事者が付けたものです。一方、英語版Wikipediaの一覧は編集者が整備したもので、両者は独立に作られています。同じ日本語から出発しても、別のチームが別の時期に訳せば、細部は必ずずれます。
- ②配信メタデータは「打ち込まれたテキスト」である。 NetflixやCrunchyrollの各話タイトルは、配信用のデータベースに入力された文字列です。タイトルケース(各単語の頭文字を大文字にする書式)の適用が担当者や時期によってぶれるため、
from/From、is/Isのような差が生まれます。第15話が3通りに割れているのは、まさにこの前置詞の大文字問題です。 - ③特殊記号は落ちる。
Führerのウムラウト(¨)は、配信メタデータやURLでは扱いが面倒なので、Fuhrerと落とされるのが常態です。英語版Wikipediaのように記号を保つ媒体と、落とす媒体が併存します。
補足すると、Funimation側の表記にも明らかな不統一が混じっています。 第61話の He Who would Swallow God は、他のタイトルと比べて would だけが小文字で、書式として一貫していません。「権利元だから完璧」ではなく、「権利元が実際にそう表示していた」という事実として扱うのが正確な態度だと思います。
引用するときの実務ルール(英題+放送年+媒体名)
では実務的にどうすればいいのか。元海外事業担当として日本のコンテンツを英語で扱ってきた経験から、3つのルールをお伝えします。
- ①作品名は、必ず「英題+放送年」または「英題+FMAB」で書く。
Fullmetal Alchemist (2003)/Fullmetal Alchemist: Brotherhood (2009)のように書けば一意に定まります。Fullmetal Alchemistとだけ書くのは、英語圏では「どっち?」と必ず聞き返される書き方です。 - ②各話を特定したいときは、英題ではなく話数で指定する。
FMAB episode 40のほうが、The Dwarf in the Flaskと書くよりはるかに確実に伝わります。英題が3通りある以上、英題は識別子として信頼できません。 - ③英題を引用するときは、出所を一言添える。 「Funimation公式の表記では」「Netflixの表示では」と書くだけで、その情報の寿命が何倍にも伸びます。正解を1つに決めようとせず、代わりに出所を明示する。これが、情報がバラバラな領域を扱うときの唯一まともな作法だと私は思っています。
劇場版アニメ2作の英語タイトル
結論から言うと、劇場版アニメは2作あり、英題はそれぞれ Fullmetal Alchemist the Movie: Conqueror of Shamballa(2005年)と Fullmetal Alchemist: The Sacred Star of Milos(2011年)です。2作は続編どうしではなく、それぞれ別のTVシリーズにぶら下がっています。ここを取り違えると、観る順番がまるごと狂います。
| 日本語タイトル | 公開日 | 上映時間 | 英題 |
|---|---|---|---|
| 劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 | 2005年7月23日 | 105分 | Fullmetal Alchemist the Movie: Conqueror of Shamballa |
| 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 | 2011年7月2日 | 110分 | Fullmetal Alchemist: The Sacred Star of Milos |
シャンバラを征く者|Conqueror of Shamballa の綴りに注意
2005年7月23日公開の『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』の英題は Fullmetal Alchemist the Movie: Conqueror of Shamballa。 配給は松竹、監督は水島精二、上映時間105分、興行収入は約13億円。2003年版TVシリーズの完結編にあたる作品で、最終話「ミュンヘン1921」から地続きの物語です。主題歌はL'Arc〜en〜Cielの「LOST HEAVEN」でした(著作権に配慮し、歌詞の引用は控えます)。
英題で押さえるべきポイントを3つ挙げます。
- ①
the Movie:が挟まる。 Funimation公式ページのタイトルは "Fullmetal Alchemist - The Movie - Conqueror of Shamballa" という表記で、「劇場版であること」を英題に明示しているのが特徴です。日本語版Wikipediaが記載する英題表記、および英語版Wikipediaの記事名もFullmetal Alchemist the Movie: Conqueror of Shamballaの形を採っています。 - ②
ConquerorにTheは付かない。The Conqueror of ShamballaではなくConqueror of Shamballa。冠詞の1語で検索結果が変わるので、コピーして使うのが安全です。 - ③
Shamballaは L が2つ。 一般的な英語表記ではShambhalaやShambalaが使われますが、本作の英題はShamballaです。固有名詞の綴りは辞書ではなく権利元が決めるので、ここは作品の表記に従います。
なお、本記事執筆時点(2026年7月)でCrunchyrollの検索結果には Fullmetal Alchemist: The Conqueror of Shamballa という別表記のページが存在することを確認しました。ただし本調査の環境からは地域制限でページ本文を開けなかったため、「Crunchyrollではこの表記も見られる」という事実の指摘までにとどめます。どちらが現行の正式表記かは断定しません。
嘆きの丘(ミロス)の聖なる星|The Sacred Star of Milos
2011年7月2日公開の『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』の英題は Fullmetal Alchemist: The Sacred Star of Milos。 配給は松竹とアニプレックス、監督は村田和也、脚本は真保裕一、上映時間110分、興行収入は約6億5400万円。BROTHERHOOD(2009年版)の系譜に連なるオリジナルストーリーです。主題歌は同じくL'Arc〜en〜Cielの「GOOD LUCK MY WAY」でした。
英題で注意したい点は2つです。
- ①
the Movieは入りません。 1作目と違い、Fullmetal Alchemist:の直後にサブタイトルが来ます。2作の英題の形が揃っていないので、片方の形からもう片方を類推しないでください。 - ②
Milosは1語・Lは1つ。 日本語の「ミロス」をそのままローマ字化した形で、Milosです。日本語タイトルの「嘆きの丘」という部分は英題に含まれていません。
もう1つ興味深いのが、Funimation公式ページのタイトルが "Fullmetal Alchemist: Brotherhood - The Sacred Star of Milos" になっていたことです。つまり英語圏の権利元は、この劇場版を「BROTHERHOODの作品」として整理していたことが分かります。作品名としての正式な英題は Fullmetal Alchemist: The Sacred Star of Milos ですが、サイト上の分類ではBROTHERHOODの下にぶら下げられていた、という二重構造ですね。
劇場版2作の主題歌はどちらもL'Arc〜en〜Cielが担当しています。TVシリーズを含めたOP/EDの英語表現については、鋼の錬金術師の主題歌・OP/EDの英語にまとめました。
どちらのTVシリーズの続きか|観る順番が変わる
ここが実務的にいちばん大事です。2作の劇場版は、それぞれ別のTVシリーズに接続しています。
| 劇場版 | 接続するTVシリーズ | 観る順番 |
|---|---|---|
| Conqueror of Shamballa(2005) | 2003年版(Fullmetal Alchemist、全51話) | 2003年版 全51話 → この劇場版で完結 |
| The Sacred Star of Milos(2011) | BROTHERHOOD(2009年版、全64話) | BROTHERHOOD本編とは独立した外伝的な物語 |
Conqueror of Shamballa を先に観てしまうと、2003年版の結末が丸ごとネタバレになります。英語圏のレビューで「the movie」とだけ書かれていたら、まずどちらの劇場版を指しているのか確認してください。BROTHERHOODしか観ていない人が Conqueror of Shamballa を観ると、知らないキャラクターと知らない設定が並んでいて混乱します。そもそも別の物語の続きだからです。
一方、The Sacred Star of Milos はBROTHERHOODの本編に組み込まれた話ではなく、独立した外伝として楽しめる構成になっています。時系列としてはBROTHERHOOD中盤にあたる時期の物語ですが、本編の理解に必須ではありません。
実写映画3部作の英題は媒体で割れる
結論から言うと、実写映画3部作の英題は、Netflix・IMDb・英語版Wikipediaの3つで表記が食い違っています。本記事執筆時点(2026年7月)で、「これが正解」と言い切れる単一の英題は存在しません。したがって、以下ではどの媒体がどう表記しているかを、すべて出所つきで併記します。
3作の日英対照表(Netflix/IMDb/英語版Wikipedia)
| # | 日本語タイトル | 公開日 | Netflix表記 | IMDb表記 | 英語版Wikipedia |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 鋼の錬金術師 | 2017年12月1日 | FullMetal Alchemist | Fullmetal Alchemist | Fullmetal Alchemist |
| 2 | 鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー | 2022年5月20日 | Fullmetal Alchemist The Revenge of Scar | Fullmetal Alchemist: The Revenge of Scar | Fullmetal Alchemist: The Revenge of Scar |
| 3 | 鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成 | 2022年6月24日 | Fullmetal Alchemist The Final Alchemy | Fullmetal Alchemist: Final Transmutation | Fullmetal Alchemist: The Final Alchemy |
基本情報も添えておきます。監督は3作とも曽利文彦、主演はエドワード・エルリック役の山田涼介、日本国内の配給はワーナー・ブラザース映画、国際配信はNetflixです。上映時間は1作目が133分、2作目が123分、3作目が142分。興行収入は1作目が約11.1億円、2作目が約2億8600万円、3作目が約2億4000万円と記録されています。
なお日本語版Wikipediaの実写1作目のインフォボックスは、原題を全て大文字の FULLMETAL ALCHEMIST と記載しています。大文字表記まで含めると、実写1作目だけで3系統の表記が存在することになります。
1作目だけ FullMetal と M が大文字になる
Netflixにおける実写1作目の表記は FullMetal Alchemist で、Metal の M が大文字です(作品ID 80223731のページのog:titleで確認)。同じNetflixでも、2作目・3作目は Fullmetal と M が小文字なので、シリーズ内で表記が揃っていません。
念のため確認しておくと、これは Full Metal と2語に割った誤記とは別の話です。FullMetal は1語のままで、途中のMだけが大文字になった状態(いわゆるキャメルケース)。語を2つに割ってしまう Full Metal Alchemist は、どの媒体でも公式表記として確認できませんでした。
一方でIMDb(作品ID tt5607028)と英語版Wikipediaは、実写1作目を Fullmetal Alchemist とアニメ・原作と同じ形で表記しています。つまり実写1作目には、FullMetal Alchemist(Netflix)・Fullmetal Alchemist(IMDb/英語版Wikipedia)・FULLMETAL ALCHEMIST(日本語版Wikipediaが記す原題)の3系統があるということです。
「最後の錬成」は3通りある|The Final Alchemy / Final Transmutation
もっとも割れているのが、完結編の2作目にあたる『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』(2022年6月24日公開)です。確認できた表記は次の3つです。
- ①
Fullmetal Alchemist The Final Alchemy— Netflix(作品ID 81266981)。コロンなし。 - ②
Fullmetal Alchemist: The Final Alchemy— 英語版Wikipedia。コロンあり。 - ③
Fullmetal Alchemist: Final Transmutation— IMDb(作品ID tt18671660)。Theがなく、AlchemyではなくTransmutation。
①と②はコロンの有無だけの差ですが、③は単語そのものが違います。日本語の「錬成」を、Netflix・英語版Wikipedia側は Alchemy(錬金術)、IMDb側は Transmutation(錬成・変成)と訳しているわけです。作中用語としては「錬成」=transmutation が正確なので、IMDbの訳のほうが用語的には忠実とも言えます。それでも、国際配信を担っているNetflixの表記が The Final Alchemy である以上、こちらを主として扱うのが実務的です。
なお、英語版Wikipediaの実写映画の記事("Fullmetal Alchemist (film)")の本文には、続編2作について "Two sequels were released in 2022: Fullmetal Alchemist: The Revenge of Scar and Fullmetal Alchemist: The Final Alchemy."(2022年に2本の続編が公開された)と書かれています。つまり英語版Wikipediaは The Final Alchemy 系であり、The Last Transmutation のような別表記は本記事執筆時点(2026年7月)では確認できませんでした。このタイトルのページもリダイレクトも存在しないことを確認済みです。
2作目『復讐者スカー』も、Netflixがコロンなしの Fullmetal Alchemist The Revenge of Scar、IMDbと英語版Wikipediaがコロンありの Fullmetal Alchemist: The Revenge of Scar と割れています。完結編2作については「コロンの有無は媒体差」と理解しておけば十分です。
英語で紹介するときの安全な書き方
では、実写3部作を英語で紹介したいときはどう書けばよいのか。私が海外事業の仕事で日本の作品名を英語メールに書くときに使っている型をそのままお伝えします。
- ①
Fullmetal Alchemist (2017 live-action film)のように、公開年+live-action を添える。live-action(実写の)を付けるだけで、アニメ版との取り違えがゼロになります。 - ②完結編2作は、Netflixの表記+公開年で書く。
Fullmetal Alchemist The Revenge of Scar (2022)/Fullmetal Alchemist The Final Alchemy (2022)。国際配信の主体がNetflixなので、相手が検索したときに確実に当たります。 - ③相手がIMDbを見る可能性があるなら、別表記を括弧で添える。
Fullmetal Alchemist The Final Alchemy (2022; listed as "Final Transmutation" on IMDb)のように書けば、どちらの表記で調べても迷いません。 - ④シリーズを指すときは
the live-action trilogyが便利。 3部作という構造をひと言で伝えられます。
「正しい英題を1つ選ぶ」のではなく、「相手がどこで検索しても同じ作品にたどり着ける書き方をする」。これが実務の答えです。
原作漫画の英語タイトルと章題は確認できたのか
結論から言うと、原作漫画の英題は Fullmetal Alchemist で確定。ただし各章のタイトル(チャプタータイトル)の公式英題は、本記事では確認できませんでした。 ここは正直に書きます。
巻に副題がない|Fullmetal Alchemist, Vol. N という形
英語版コミックを出版しているのはVIZ Mediaです。公式サイトの作品ページのタイトルは Fullmetal Alchemist。各巻は Fullmetal Alchemist, Vol. 1 のように、シリーズ名+カンマ+巻数という形で、巻ごとのサブタイトルを持ちません。
これは日本語版と同じ構造です。『鋼の錬金術師』の単行本には巻タイトルが付いていないので、英語版でもそのまま巻数だけになっています。スラムダンクのように巻ごとの副題がある作品と混同しないでください。
VIZ公式の書誌情報によれば、第1巻の刊行日は2005年5月3日、192ページ、ISBNは978-1-59116-920-8。英題を書くときは Fullmetal Alchemist, Vol. 1 (VIZ Media) のようにカンマと Vol. を正確に入れると、日本語版のどの版とも混同されません。
版が複数ある|通常版/3-in-1/Fullmetal Edition/Complete Box Set
VIZ公式サイトを見ると、英語版のハガレンには複数の刊行形態があることが分かります。
| 版の名称 | 特徴 |
|---|---|
| Fullmetal Alchemist(通常版) | 日本語版と同じ巻構成 |
| Fullmetal Alchemist (3-in-1 Edition) | 3巻を1冊にまとめた合本版 |
| Fullmetal Alchemist: Fullmetal Edition | 大判・ハードカバーの愛蔵版 |
| Fullmetal Alchemist Complete Box Set | 全巻セット |
| Fullmetal Alchemist: The Complete Four-Panel Comics | 4コマ漫画をまとめたもの |
関連書籍としては、Fullmetal Alchemist 20th Anniversary Book や、小説版の Fullmetal Alchemist: The Ties That Bind / The Valley of White Petals / Under the Faraway Sky といった英題がVIZ公式サイトに掲載されています。
英語版を購入するときは、「どの版か」を必ず確認してください。同じ Fullmetal Alchemist という英題でも、通常版・3-in-1・Fullmetal Edition では巻数の数え方がまるごと違います。 3-in-1の第1巻は通常版の1〜3巻に相当するので、「英語版の5巻」と言われても、どの版の5巻かで中身が違うのです。英語版コミックの選び方や、実際に読み進めるコツについては鋼の錬金術師の英語版漫画・勉強法で詳しく解説しています。
章題(チャプタータイトル)の英題は一次確認できませんでした
一覧記事としては悔しいところですが、正直に書きます。原作各章のチャプタータイトルの公式英題は、本記事では確認できませんでした。
理由は技術的なものです。VIZ Mediaの公式サイトには各巻の試し読み(Look inside)機能がありますが、これがJavaScriptベースのビューアで、目次ページのテキストを抽出できませんでした。他の作品では、この試し読みの目次から公式の章題英題を1話ずつ拾えることがあるのですが、ハガレンについては到達できていません。
英語版Wikipediaやファンサイトには章題の一覧が載っています。 ですが本記事の方針として、出版社公式の目次で裏が取れていない章題を「公式英題」として掲げることはしません。過去に別作品で、英語版Wikipediaの章題一覧が出版社公式と大きく食い違っていた例を実際に見ているからです。
したがって、本記事に原作章題の一覧はありません。 アニメの各話サブタイトル(115話ぶん)は権利元の一次ソースで揃っていますので、そちらをご活用ください。「載せない」という判断も、一覧記事の誠実さのうちだと考えています。
英題から学べる英語表現
ここからは、英語学習の話です。115話ぶんの英題は、実はかなり質の高い語彙リストになっています。 短いフレーズなので負荷が低く、しかも内容を知っているぶん意味が推測しやすい。私は英語学習の教材として、この「英題読み」をかなり推しています。
heresy / anguish / avarice|英検準1級レベルの抽象語が拾える
まず、英題には日常会話ではまず出てこない硬い抽象語がゴロゴロ転がっています。
| 英題の語 | 意味 | 出典の話 |
|---|---|---|
| heresy | 異端・異教 | BROTHERHOOD 第3話 City of Heresy |
| anguish | 激しい苦悩・苦悶 | BROTHERHOOD 第4話 An Alchemist's Anguish |
| avarice | 強欲・貪欲 | 2003年版 第34話 Theory of Avarice |
| extermination | 絶滅・根絶 | BROTHERHOOD 第30話 The Ishvalan War of Extermination |
| upheaval | 動乱・激変 | BROTHERHOOD 第50話 Upheaval in Central |
| emissary | 使者・特使 | BROTHERHOOD 第47話 Emissary of Darkness |
| filial | 子としての・孝の | BROTHERHOOD 第49話 Filial Affection |
| transmutation | 錬成・変成 | 2003年版 第46話 Human Transmutation |
この8語はいずれも英検準1級〜1級レベルで、TOEICでも Part 7 の長文記事で顔を出すタイプの語彙です。単語帳で avarice を覚えるのは苦行ですが、「グリードの回の英題」として覚えると一発で定着します。
私自身、留学経験がないまま英語を身につけてきたので、「文脈のない単語は覚えられない」というのは身をもって知っています。英題の強みは、その1語が「どの場面のことか」と結びついている点にあります。
語順が反転する訳|焔 vs 鋼 → Fullmetal VS. Flame
英題を読む醍醐味のひとつが、日本語と英語で順番が入れ替わる現象です。
- 2003年版 第13話:焔 vs 鋼 →
Fullmetal VS. Flame(鋼 vs 焔) - 2003年版 第28話:一は全、全は一 →
All is One, One is All(全は一、一は全)
なぜひっくり返るのか。第13話については、英語のタイトルでは「主人公側を先に置く」のが自然だからと考えるのが素直です。この回はエドとロイの戦いで、視点人物はエド。英語では主語を先に立てる言語感覚が強いので、Fullmetal が先頭に来るわけですね。
第28話はもっと面白いケースです。すでに書いたとおり、BROTHERHOODの第12話は同じ日本語に対して One is All, All is One と語順どおりに訳しています。同じ言葉を、別のチームが別の時期に訳すと、こういう鏡像が生まれる。どちらが正しいという話ではなく、2つの選択肢が実際に並んでいるのです。
英語学習の練習としては、この2つを声に出して読み比べてみてください。All is One, One is All のほうが結論から入る力強さがあり、One is All, All is One のほうが階段を上るような順序性がある。こういう語感の差を自分で判定できるようになることが、英語力そのものだと私は思っています。
Journey's End|無生物のアポストロフィ+s
BROTHERHOOD最終話の英題 Journey's End は、たった2語ですが文法的に見どころがあります。
学校英語では、「アポストロフィ+s(所有格)は人や動物に使い、無生物には of を使う」と習った方が多いはずです。その原則でいけば the End of the Journey になりそうなものですが、実際の英題は Journey's End 。
実は無生物にもアポストロフィ+sを使う定型表現は、英語にたくさんあります。
journey's end(旅の終わり)a day's work(一日の仕事)at arm's length(腕の長さのところに=距離を置いて)for goodness' sake(後生だから)today's news(今日のニュース)
時間・距離・旅程など、「単位や区切りを表す名詞」はアポストロフィ+sを取りやすいという傾向があります。しかも Journey's End は英語圏で第一次世界大戦を描いた有名な戯曲のタイトルでもあり、英語話者にとっては聞き慣れた響きです。The End of the Journey と訳していたら、この余韻は出ませんでした。
Comrade-in-Arms / Filial Affection|ハイフン複合語と硬い形容詞
BROTHERHOOD第16話 Footsteps of a Comrade-in-Arms。 comrade-in-arms はハイフンで3語をつないだ複合名詞で、直訳すれば「武器を共にする仲間」=戦友。同じ型の英語には次のようなものがあります。
brother-in-law(義理の兄弟)commander-in-chief(最高司令官)editor-in-chief(編集長)mother-in-law(義母)
複数形にするとき、s が付くのは真ん中ではなく最初の語(comrades-in-arms / brothers-in-law)というのが定番の落とし穴です。語尾に付けて comrade-in-armss としてしまう間違いを、英語学習者はよくやります。
BROTHERHOOD第49話 Filial Affection の filial も押さえておきたい語です。filial piety(孝行)はアジアの家族観を英語で説明するときの定番表現で、私も海外の取引先に日本の家族観を説明する場面で使ったことがあります。Filial Affection は「親子の情」という日本語に対して、これ以上ないくらい的確な選択だと思います。
Führer と Fuhrer|ウムラウトが落ちる問題
BROTHERHOOD第32話 The Fuhrer's Son、第56話 The Return of the Fuhrer。 大総統の役職名はドイツ語由来の Führer ですが、Funimation公式の表記ではウムラウト(¨)が落ちて Fuhrer になっています。
これは誤記というより、英語圏のメタデータ環境ではありふれた処理です。理由は3つあります。
- ①URLやファイル名で特殊記号が扱いにくい。 配信サービスのデータベースは、ASCII範囲の文字だけで運用されることが今なお多いのです。
- ②英語のキーボードで直接入力できない。 検索する読者の側も
Fuhrerと打つので、Führerだけで登録すると検索に当たりません。 - ③ドイツ語には
ü→ueと書き換える正式なルールがある。 つまりFuehrerという表記も英語圏では見かけます。同じ語にFührer/Fuhrer/Fuehrerの3系統があるということです。
検索するときは Fuhrer(記号なし)で打つのが最もヒットします。 これは軍隊用語全般に言える実務のコツで、ハガレンの階級名や役職名を英語で調べるときにも同じ問題が起きます。
Be Thou for the People|古風な thou が残った英題
最後に、全115話でいちばん変わった英題を紹介します。2003年版 第9話「軍の狗(いぬ)の銀時計」の英題は Be Thou for the People。 日本語とまったく共通点がありません。
これは、作中で国家錬金術師の銀時計に刻まれた文言を英題に持ってきたものです。thou は古英語・中英語の「あなた(主格)」で、現代英語ではまず使われません。聖書の欽定訳(King James Version)やシェイクスピアの世界の言葉です。
| 古語 | 現代英語 |
|---|---|
| thou | you(主格) |
| thee | you(目的格) |
| thy / thine | your / yours |
| ye | you(複数主格) |
Be Thou for the People を現代英語に直せば Be for the people(民衆のためにあれ)。命令文に主語 thou をあえて残すのは、古い英語の荘重な言い回しです。時計に刻まれた戒めという設定に、この古風さがぴたりと合っています。
英語圏の作品で thou が出てくるのは、たいてい「神聖なもの」「古い誓い」「呪文」の文脈です。ハガレンの英題でこの語に出会っておくと、洋画や海外ドラマで thou が出てきたときに「あ、荘重に響かせたいんだな」と一発で分かるようになります。
英語タイトルで検索・視聴するときの実務メモ【2026年7月時点】
結論から言うと、検索するときは1語の Fullmetal に「作品を特定する語」を必ず添えてください。 そして視聴については、作品によって「日本のアカウントのままで英語音声が選べるもの」と「選べないもの」がはっきり分かれます。ここは実際に確認した結果をそのまま書きます。
検索するときは1語の Fullmetal +作品を特定する語を添える
英語圏のサイトで情報を探すときのコツを、4つにまとめます。
- ①
Fullmetalは必ず1語で入力する。Full Metal Alchemistと2語で打つと、まったく別の作品(Full Metal Panic!やFull Metal Jacket)が混ざってきます。公式表記はすべて1語です。 - ②2009年版を探すなら
BrotherhoodかFMABを足す。Fullmetal Alchemist Brotherhood episode 40のように書けば一発です。副題を省くと2003年版の結果が混ざります。 - ③2003年版を探すなら
(2003)かFMA 2003を足す。 英語圏では2003年版を年号で呼び分けるのが定着しているので、これが最短ルートです。 - ④実写を探すなら
live-actionと公開年を足す。Fullmetal Alchemist live-action 2017のように書けば、アニメの結果に埋もれません。
逆に、各話の英題そのもので検索するのはおすすめしません。 すでに見たとおり英題は媒体で割れているので、The Dwarf in the Flask で検索しても、(Homunculus) The Dwarf in the Flask を採用しているページには当たらないことがあるからです。話数で指定するのが最も確実です。
2026年7月時点の配信状況(Netflix日本/Crunchyroll)
英題を調べた流れで、本記事執筆時点(2026年7月)の配信状況も実際に確認しました。 結果は次のとおりです。
| 作品 | Netflix(日本)で確認できた音声 | 字幕 |
|---|---|---|
| Fullmetal Alchemist: Brotherhood | 日本語[オリジナル]のみ | 日本語のみ |
| Fullmetal Alchemist(2003年版) | ― | 日本では配信を確認できず |
| FullMetal Alchemist(実写1作目) | 日本語(音声解説)/日本語[オリジナル] | 日本語 |
| Fullmetal Alchemist The Revenge of Scar(実写2作目) | English/日本語(音声解説)/日本語[オリジナル] | English/日本語/韓国語/ポルトガル語(ブラジル)/中国語(簡体字) |
| Fullmetal Alchemist The Final Alchemy(実写3作目) | English/日本語(音声解説)/日本語[オリジナル] | English/日本語/韓国語/ポルトガル語(ブラジル)/中国語(簡体字) |
この表でいちばん大事なのは、実写完結編2作だけは日本のNetflixアカウントのままで英語音声・英語字幕が選べるという事実です。「ハガレンを英語で観たい」という目的だけなら、いちばん手軽な入口は実写の完結編2作ということになります。ここは正直にお伝えしておきます。
一方で、BROTHERHOODは日本のNetflixでは日本語音声・日本語字幕しか選べません。2003年版に至っては、日本のNetflixでは作品自体が視聴できませんでした。つまり「TVアニメ本編を英語で観る」という目的には、日本のNetflixだけでは届かないのです。
Crunchyrollについても確認しました。本記事執筆時点(2026年7月)で、Crunchyrollのシリーズページ上では Fullmetal Alchemist: Brotherhood に音声=日本語・英語・ヒンディー語・タミル語・テルグ語、字幕=英語・スペイン語(中南米)・ポルトガル語(ブラジル)・ヒンディー語・タミル語・テルグ語が表示されています。 対して Fullmetal Alchemist (2003) は、シリーズページはあるものの「Unfortunately, this show's videos aren't available.」と表示され視聴できません。なおCrunchyrollは地域によって視聴可能なカタログが異なるため、上記の表示がそのまま日本からの視聴可否を意味するわけではない点はご留意ください。
配信状況は変動しますので、実際に契約する前には必ずご自身で最新の状況をご確認ください。 サービスごとの詳しい比較は鋼の錬金術師を英語で見る方法にまとめています。
NordVPNで英語音声・英語字幕にする3ステップ
では、BROTHERHOODを英語音声・英語字幕で観たい場合はどうすればいいのか。
前提の理解から始めましょう。配信サービスは、接続元の国・地域によって視聴できるカタログや音声・字幕のオプションが変わる仕組みになっています。上の表で見たとおり、日本から接続したNetflixのBROTHERHOODには日本語の音声トラックしか用意されていません。これは「日本向けのカタログ」だからです。
この壁を越える方法が、VPN(Virtual Private Network)で英語圏のサーバーを経由してアクセスするというやり方です。手順は3ステップだけです。
- ① NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続する
- ② その状態で、いつも通りNetflixなどの配信サービスを開く
- ③ 英語圏向けのカタログが表示され、英語音声・英語字幕で視聴できるようになる
VPNサービスで英語圏のサーバーに接続すると、あたかも海外からアクセスしているかのように扱われ、その国向けの配信カタログ・音声オプションにアクセスできるようになります。NordVPNはVPNサービスの中でも利用者が多く、初めての方でも設定でつまずきにくいのが選ばれている理由です。VPN接続が、BROTHERHOODを英語音声で観るための前提条件になります。
そのうえで、ハガレンについては次の3点を正確に押さえておいてください。
- ①実写の完結編2作は、VPNなしで英語音声・英語字幕を選べます。まずここから試すのが、いちばんお金も手間もかからない入口です。
- ②BROTHERHOODを英語音声で観るには、VPNでの英語圏サーバー接続が前提になります。日本のカタログには英語トラックが用意されていません。
- ③2003年版は、そもそも日本のNetflixでは配信されていません。英語で観たい場合は、英語圏で配信しているサービスを探すことになります。
英題を入り口にした学習ステップ5つ
英語タイトルの一覧は、眺めて終わりにするにはもったいない教材です。 ここでは、私が実際にやってきた使い方を5ステップでご紹介します。「勉強」という感覚をできるだけ薄くするのがコツです。
①英題を先に読んでから本編を観る
いちばん簡単で、いちばん効果があるのがこれです。次に観る話の英題だけを、この記事の一覧から先に読む。 それだけです。
たとえば次に観るのがBROTHERHOOD第18話なら、The Arrogant Palm of a Small Human という英文を1行読んでから再生ボタンを押す。たった1行ですが、「arrogant って何だっけ」「palm は手のひらか」と頭が英語モードに切り替わるんです。その回の英語字幕への集中度が、まるで変わります。
しかも英題は、その回のテーマを凝縮した一文です。観終わったあとにもう一度英題を読み返すと、「なるほど、この場面のことか」と意味が確定する。この「先に読む→観る→読み返す」の3回転が、単語1つを長期記憶に落とし込んでくれます。
②日本語音声+英語字幕で1話まるごと観る
いきなり英語音声はハードルが高い、という方はここから。日本語音声のまま、字幕だけ英語にするという方法です。
この方法の利点は、意味が100パーセント分かっている状態で英文を読めることです。リスニングの負荷がゼロなので、英文を読むことだけに集中できます。 私も英語学習を始めた頃はこの形から入りました。
ハガレンの場合、BROTHERHOODは日本のNetflixでは英語字幕も選べませんので、この方法を取るにはVPN接続か、英語圏で配信しているサービスが必要になります。一方で実写の完結編2作は、日本のNetflixのままで「日本語音声+英語字幕」の組み合わせが選べます。まずはここで感触を掴むのが現実的です。
③ダウンロード+バックグラウンド再生で反復する
同じ1話を5回聴くほうが、5話を1回ずつ観るよりずっと定着します。 これは私が長年やってきた方法で、いまも続けています。
配信アプリのダウンロード機能を使えば、通勤中や家事の最中に音声だけを繰り返し聴くことができます。映像を観ずに音だけ流すと、映像に頼っていた理解が一気に剥がれて、自分が本当は何を聞き取れていないかが見えてくるんです。
選ぶ話は、英題で決めるのがおすすめです。 たとえば The Promised Day(第45話)のように、自分が好きな回・展開を覚えている回を選ぶと、聴き続けても苦になりません。「好きな作品だから、話の内容を大体知っていて英語に集中できる」——これがアニメで英語を学ぶ最大の利点です。
④「Fullmetal Alchemist Brotherhood script」でAIに解説させる
これは私が長く使ってきた方法です。Fullmetal Alchemist Brotherhood script のように検索すると、英語のセリフ一覧(スクリプト)が見つかります。 そこから気になった一文をコピーして、ChatGPTなどのAIに「このセリフのニュアンスと文法を解説して」と投げるのです。
辞書では分からない語感——なぜ will ではなく would なのか、この語は硬いのか砕けているのか——まで拾えるので、学習効率が跳ね上がります。
ここで英題が効いてきます。 検索するときに Fullmetal Alchemist Brotherhood episode 40 script のように、正しい英題+話数で指定すると、目的のスクリプトに一発でたどり着けるからです。英題を1語でも間違えると(Full Metal と割るなど)、検索結果が別作品で埋まります。
⑤英語版漫画で同じ場面を精読する
最後は文字での精読です。漫画は自分のペースで止められるので、字幕より精読向きです。
アニメで観た場面を、英語版コミックで読み返す。同じ台詞を音(アニメ)と文字(漫画)の両方で受け取ると、記憶の定着がまったく違います。VIZ Media版なら英題は Fullmetal Alchemist, Vol. N で統一されているので、どの巻を買えばいいかも迷いません。
「アニメで英語を学ぶ」という方法そのものの効果や始め方を体系的に知りたい方は、アニメ×英語学習は効果ある?もあわせてご覧ください。私自身、留学なしでTOEIC990点・VERSANT76点(80点満点中)まで到達した過程で、いちばん長く続いたのがこの「好きな作品を英語で観る」というやり方でした。
まとめ|鋼の錬金術師の英語タイトル早見
この記事では、鋼の錬金術師の英語タイトルを、シリーズ名・TVアニメ全115話・劇場版2作・実写3部作・原作漫画という階層で整理しました。最後に要点を7つにまとめます。
- TVアニメは2作あり、英題が違います。2003年版=
Fullmetal Alchemist(副題なし・全51話)、2009年版=Fullmetal Alchemist: Brotherhood(全64話)。この区別がすべての出発点です。 Brotherhoodは英語版だけの副題。 日本の正式タイトルは『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』で、Brotherhoodは入っていません。出所は2009年3月のAnimax Asiaのプレスリリースで、Anime News Networkが同年3月20日に報じています。- 各話サブタイトルは全115話ぶん、権利元の一次ソースで確認しました。 BROTHERHOOD全64話・2003年版全51話とも、Funimation公式(アーカイブ)から完全に取得しています。ただしNetflixでの表記確認は64話中50話、Crunchyrollは16話までにとどまります。
- 同じ話でも英題が媒体で割れます。BROTHERHOOD第15話と第40話は3通り、2003年版第1話は
To Challenge the SunとThose Who Challenge the Sunで意味レベルから違います。引用するときは出所を添えてください。 - 劇場版アニメは2作。
Fullmetal Alchemist the Movie: Conqueror of Shamballa(2005年・2003年版の完結編)とFullmetal Alchemist: The Sacred Star of Milos(2011年・BROTHERHOOD系の外伝)。前者だけthe Movie:が挟まります。 - 実写3部作の英題は3系統に割れます。1作目はNetflixだけ
FullMetal Alchemist(Mが大文字)。完結編『最後の錬成』はFullmetal Alchemist The Final Alchemy(Netflix)/Fullmetal Alchemist: The Final Alchemy(英語版Wikipedia)/Fullmetal Alchemist: Final Transmutation(IMDb)の3通りです。 - 原作漫画は
Fullmetal Alchemist、巻はFullmetal Alchemist, Vol. Nで副題なし。 章題(チャプタータイトル)の公式英題は、本記事では確認できませんでしたので、一覧は掲載していません。
英題が割れているという事実は、英語学習者にとってむしろ好都合です。同じ日本語に対する複数の英訳が並んでいるのですから、「なぜこの訳を選んだのか」を考える練習が、教材を買わずにできるということです。One is All, All is One と All is One, One is All のどちらが自分の耳に自然かを判定できるようになったとき、その判断力こそが英語力そのものだと私は思っています。
鋼の錬金術師については、鋼の錬金術師は英語で?完全ガイド、鋼の錬金術師の英語名言・セリフ集、鋼の錬金術師を英語で見る方法、鋼の錬金術師 キャラクター英語名一覧、鋼の錬金術師の錬金術・軍隊用語の英語、鋼の錬金術師の英語版漫画・勉強法、鋼の錬金術師の主題歌・OP/EDの英語を公開しています。同じく各話英題が媒体で割れている例としては、進撃の巨人の英語タイトルも読み比べていただくと面白いはずです。まずは次に観る1話の英題を先に読むところから、始めてみてください。