「葬送のフリーレン(Frieren: Beyond Journey's End)」には、派手さはないのに、なぜか涙腺を直撃してくる名台詞がたくさんあります。ヒンメルの葬儀でフリーレンがこぼす後悔、ハイターの「勇者ヒンメルならそうしました」、そしてフェルンやアイゼンの静かな覚悟の言葉——どれも、大声で叫ぶわけではないのに、じんわり心に残る名言ばかりです。
この記事では、フリーレン・ヒンメル・フェルン・ハイター・アイゼン・フランメ・ゼーリエなど8キャラ・22本前後の名言を英訳つきで紹介します。以前公開したピラー記事(葬送のフリーレンは英語で何という?Frieren×英語 完全ガイド)では、タイトルの意味やキャラ名の英語表記とあわせて代表的な名言をダイジェストで扱いましたが、本記事はその続編として、キャラクター別にぐっと深掘りしてお届けします。
私は留学経験がないまま、アニメや海外ドラマ、サッカー観戦を通じて英語を身につけてきました。TOEICは990点、VERSANTは76点(80点満点中)を取得し、就職後は海外事業を担当、現在はフリーランスの2児の父としてこのサイトを運営しています。今回もその視点から、名言の面白さと英語表現のポイントを丁寧に解説していきます。ひとつ先にお伝えしておくと、フリーレンの「英語版」は実は一つではありません。Crunchyrollの英語字幕・英語吹替と、VIZ Mediaの公式英語版マンガでは、同じセリフでも訳が違うのです。その面白さも含めて楽しんでいただければと思います。
なお、この記事には第一級魔法使い試験編など物語中盤の展開に触れるセリフも含まれますので、まだ未視聴の方はネタバレにご注意のうえ読み進めてください。英語版の演技を実際に確認したい方へ先にお伝えしておくと、日本のNetflixをそのまま開いても英語音声・英語字幕は選べません。NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続してからNetflixやCrunchyrollを開くと、英語音声・英語字幕付きの海外版カタログにアクセスできるようになります。 この視聴の流れは記事の終盤でも改めて触れます。
Contents
名言の英訳は「一つ」じゃない――先に正直にお伝えしたいこと
フリーレンの名言を英語で紹介する記事はたくさんありますが、実は「英語版」と一口に言っても、その中身は一つではありません。主に次の3系統があります。
- Crunchyrollの英語字幕:アニメ配信の字幕。日本語版を観ながら切り替えて確認しやすい情報源です。
- Crunchyrollの英語吹替(English dub):英語の声優による音声版。字幕とは別に作られるため、字幕と吹替で言い回しが一致しないことも珍しくありません。
- VIZ Media公式英語版マンガ:北米で刊行されているコミックスの翻訳。字幕とは訳が変わる箇所があります。
この3つは、同じ日本語のセリフでも訳し方が微妙に、あるいははっきり異なることがあります。たとえば後で紹介するフリーレンの「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう」も、Crunchyroll字幕とVIZマンガで英文が違います。
そのため、この記事では可能な限り出典(話数や媒体)に触れつつ、逐語訳として断定できないものは「媒体によって訳が異なる」「おおむね〜という趣旨」と正直に書いていきます。英語学習コンテンツとして、正確性よりも見栄えを優先することはしたくない、というのがこのサイトのスタンスです。
フリーレンの英語名言
主人公フリーレンのセリフは、静かで淡々としているのに、後からじわじわ効いてきます。1000年以上を生きるエルフならではの「時間の感じ方」が、英語でもきれいに表れています。
「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう」
第1話、ヒンメルの葬儀でフリーレンがこぼす、シリーズの原点となるセリフです。ここが「英語版は一つじゃない」ことを最も象徴する名場面でもあります。
"So why didn't I try to get to know him better?"(Crunchyroll英語字幕)
"I knew that human lives were short, but... why didn't I ... think to learn more about them..."(VIZ公式英語版マンガ)
Crunchyroll字幕は"get to know him better"(彼のことをもっとよく知る)、VIZマンガは"think to learn more about them"(彼らについてもっと知ろうと考える)と、同じ日本語でも訳が分かれています。ポイントは"try to do"(〜しようとする)と、"get to know"という句動詞。"get to know someone"は「(時間をかけて)人となりを知る」という意味で、単なる"know"(知っている)よりも関係を築いていくニュアンスが出ます。文法は中学レベルなのに、フリーレンの悔恨がまっすぐ伝わってくる一文です。
「たった10年、一緒に旅しただけなのに」
葬儀で泣き崩れるフリーレンが、自分の涙に戸惑いながら口にする言葉です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"We only traveled together for a mere ten years."
"a mere ten years"の"mere"(ほんの、たった〜にすぎない)が効いています。人間なら重い10年も、1000年生きるフリーレンには"mere"(些細)に感じられてしまう——その時間感覚のズレが、この一語に凝縮されています。"only"と"mere"を重ねることで「たったの、ほんの10年」と強調が二重になっている点も見どころです。同じ「10年」でも、誰にとっての10年かで重みが変わるという、この作品のテーマそのものを表す名言です。
「魔法の一番の楽しみは、探すことにある」
グリモワ(魔導書)集めに何ヶ月も費やすフリーレンの価値観を表すセリフです。英語版ではおおむね次のように表現されます。
"The greatest joy of magic lies in searching for it."
注目は"lie in 〜"(〜にある、〜に存する)という表現です。"The joy lies in the process."(喜びは過程にある)のように、「本質・価値がどこにあるか」を語るときの定番フレーズで、少しフォーマルで知的な響きがあります。"searching for it"(それを探すこと)と動名詞で受けているのも自然な形です。強さではなく「探す過程そのもの」を愛するフリーレンらしさが出た一文ですが、逐語は媒体で揺れるため、"lie in"の型を味わうのがおすすめです。
「別れを告げて、思い出を作ってやれ」(ハイターへ)
自分の死をフェルンに見せたくないと言うハイターに、フリーレンが返す言葉です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"What you should be doing before you die is giving a proper farewell to that girl, and trying to make as many memories with her as possible."
ここで覚えておきたいのが"as many A as possible"(できるだけ多くのA)という頻出表現です。"make as many memories as possible"(できるだけ多くの思い出を作る)は、そのまま日常でも使えます。"a proper farewell"(きちんとした別れ)の"proper"(適切な、ちゃんとした)も便利な一語。自分がヒンメルにできなかったことを、ハイターとフェルンには繰り返してほしくないというフリーレンの優しさが、静かに滲むセリフです。
「アウラ、自害しろ」
アウラとの服従の魔法(マナ量勝負)の決着シーンで、フリーレンが放つ一言です。英語圏ではミーム化するほど有名で、おおむね次のように訳されます。
"Aura, kill yourself."
かなり強い表現なので日常で使う場面はまずありませんが、英語の"kill yourself"がそのまま命令形で置かれることで、フリーレンの圧倒的な力の差と冷徹さが際立ちます。逐語の言い回しは媒体により差があるため、あくまで「趣旨」としてご覧ください。静かなフリーレンの、数少ない"戦うエルフ"としての一面が出た場面です。
ヒンメルの英語名言
物語の起点となる勇者ヒンメル。彼の言葉は、亡くなった後もフリーレンの旅路をずっと導き続けます。使われている英語がとにかく平易で、英会話にそのまま応用できるのが特徴です。
「僕は君たちと冒険ができてよかった」
第1話、魔王を倒した後の晩餐でヒンメルが仲間に語るセリフです。Crunchyroll英語字幕では次のように訳されています。
"I'm glad I was able to go on an adventure with you all."
ポイントは"be able to(〜することができた)"と"I'm glad(〜で嬉しい)"という、どちらも日常英会話で頻繁に使う基本表現であること。名台詞なのに、使われている英語はとてもシンプルなのです。"I'm glad I was able to 〜"の形は、そのまま自分の経験を語るときに応用できます。"go on an adventure"(冒険に出る)もセットで覚えておくと便利です。
「君のおかげで最後にとても楽しい冒険ができた」
第1話、50年後に再会したパーティで彗星を見上げながら、ヒンメルが口にする言葉です。Crunchyroll字幕では次のように訳されます。
"Thanks to you, I was able to enjoy one last adventure."
"Thanks to you"(君のおかげで)は、感謝を伝える超定番フレーズ。"one last adventure"(最後の冒険)の"one last 〜"は「これで最後の〜」というニュアンスで、別れの予感がそっと込められた言い回しです。ここでも"be able to"が使われていて、ヒンメルの穏やかな語り口が英語でもよく再現されています。
「君のこの先の人生は、想像もできないほど長い」
第1話冒頭、フリーレンの長い寿命を思ってヒンメルがつぶやくセリフです。これも媒体で訳が分かれる好例です。
"You are probably going to live for so much longer than we can even imagine."(Crunchyroll英語字幕)
"The life ahead of you ... will be much longer ... than I can even imagine."(VIZ公式英語版マンガ)
注目は比較級の強調です。字幕の"so much longer"、マンガの"much longer"は、どちらも比較級 longer を much / so much で強めた形。"much"は比較級を強める副詞で、"very longer"とは言えない点が学習ポイントです。"than we can even imagine"(想像すらできないほど)の"even"も、後ろの語を強調する便利な副詞。自分がいなくなった後もずっと生き続けるフリーレンを思う、ヒンメルの優しさが英語でも伝わります。
「それはフリーレンの仕事だ。記憶を未来へ運んでくれる」
冒険の記念に銅像を作らせる場面で、ヒンメルが語る言葉です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"Then it will be Frieren's job. She will carry our memories into the future."
"carry A into the future"(Aを未来へ運ぶ)という言い回しが印象的です。銅像は他人にとっては「伝説」でしかないが、記憶を未来へ運べるのはフリーレンだけ——という、作品全体を貫く「記憶」と「継承」のテーマが凝縮された一文です。逐語は媒体で揺れますが、"carry ... into the future"という比喩の美しさは押さえておきたいところです。
「人助けに理由なんていらない」
ヒンメルの人柄を象徴し、後にフリーレン自身の行動原理にもなる言葉です。英語圏では次のように紹介されることが多いフレーズです。
"I don't need a reason to help someone."
"need a reason to do"(〜する理由が必要)というシンプルな型で、"I don't need a reason to 〜"は「〜するのに理由なんていらない」と、そのまま使えます。ただしこのセリフは英語まとめサイト由来で、Crunchyroll字幕・VIZマンガの逐語を突き合わせて確認できていないため、「おおむねこういう趣旨」としてご覧ください。
フェルンの英語名言
ハイターに育てられた魔法使いの少女フェルン。芯の強さと優しさが同居した彼女のセリフには、覚えておくと便利な英語表現が詰まっています。
「救って良かった、もう大丈夫だと思って欲しい」
第2話、なぜそこまで修行するのかと問われたフェルンが、ハイターへの想いを語る言葉です。Crunchyroll英語字幕では次のように訳されます。
"I want him to be glad that he saved me and know that I'll be fine."
ポイントは"want O to do"(Oに〜してほしい)という頻出構文です。"I want him to be glad ..."(彼に喜んでほしい)と、"want + 人 + to 動詞"の形がきれいに使われています。さらに"be glad that 〜"と"know that 〜"を"and"でつないでいる構造にも注目。助けてくれた人に「もう大丈夫」と思ってほしいというフェルンの健気さが、平易な英語でまっすぐ表現されています。
「過去なんてどうでもいい。戦士シュタルクは一度も逃げなかった」
自分の過去に苦しむシュタルクへ、フェルンがかける励ましの言葉です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"The past doesn't matter. The warrior Stark I've seen has never once run away."
"matter"(重要である)は"It doesn't matter."(どうでもいい/問題ない)の形で超頻出。そして"has never once run away"(一度も逃げたことがない)は、現在完了に"never once"(ただの一度も)を組み合わせた強調表現です。過去ではなく「私が見てきた今のあなた」を信じるというフェルンの言葉は、過去にとらわれがちなこの作品の中でも際立ちます。逐語は媒体で揺れる可能性がある点だけ、正直に添えておきます。
「いずれではダメなのです」
ハイターが倒れたと聞き、一人前になることを焦るフェルンがフリーレンに訴える言葉です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"It cannot be 'eventually.' When 'eventually' comes, Master Heiter will have passed away."
キーワードは"eventually"(いずれ、そのうち)。「いずれ」と悠長に構えていては間に合わない、というフェルンの切迫感が、この一語の繰り返しで表現されています。"will have passed away"(亡くなってしまっているだろう)は未来完了で、少し難しめですが「その時点で〜し終えている」という時間の先取りを表します。この場面で"eventually"の意味を体で覚えたという英語学習者も多い、名シーンです(ファン転記に基づくため逐語は要確認)。
ハイターの英語名言
「生臭坊主」と呼ばれながら、実は誰よりも深い言葉を残す僧侶ハイター。仮定法や不定詞など、英文法の宝庫でもあります。
「勇者ヒンメルならそうしました」
第2話、なぜ孤児だったフェルンを引き取ったのかと問われ、ハイターが返す言葉です。作中で繰り返される象徴的なセリフで、Crunchyroll英語字幕では次のように訳されます。
"Himmel the Hero would have done so."
ここで注目したいのが"would have done"という仮定法過去完了。「(今はもういないヒンメルだが)彼ならきっとそうしただろう」という、亡き勇者への敬意と「彼の生き方を受け継ぐ」というニュアンスが、この一つの英文法にきれいに込められています。英語圏のまとめサイトでは"It's what Himmel the Hero would have done."という形でも広く引用されています。ちなみにこのセリフはフェルンではなくハイターの言葉である点も、あわせて覚えておくと英語で語るときに正確です。
「大切な思い出があるなら、死ぬのは勿体ない」
第2話、後を追って自ら命を絶とうとするフェルンに、ハイターがかける言葉です。Crunchyroll英語字幕では次のように訳されます。
"If you also have precious memories, I believe it'd be a waste for you to die."
文法のヤマは"it is a waste for O to do"(Oが〜するのはもったいない)です。"for you"は不定詞"to die"の意味上の主語で、「あなたが死ぬこと」を指します。"a waste"(無駄、もったいないこと)はそのまま"What a waste!"(もったいない!)でも使える便利な語。自分が別れの痛みを乗り越えた経験を、フェルンに手渡している——ハイターの深さが光るセリフです。
「偉大な英雄も、いつかは忘れられる」
老いを迎えたハイターが、かつての冒険を思い返しながらつぶやく言葉です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"Even the greatest heroes are forgotten someday."
受動態"are forgotten"(忘れられる)と、冒頭の"Even"(〜でさえ)の組み合わせが効いています。「あの偉大なヒンメルでさえ、いつかは忘れられる」——時間はすべてを押し流すという、この作品の核心を突いた一文です。逐語の一次確認はできていないため「おおむねこういう趣旨」としてご覧ください。それでも、"Even the greatest 〜"という強調の型は覚えておいて損はありません。
アイゼンとシュタルク――強さと恐怖をめぐる名言
勇者パーティの戦士ドワーフ、アイゼン。そして彼の教えを受け継ぐシュタルク。二人の言葉は、"強さ"の定義をひっくり返してくれます。
「怖がることは悪いことじゃない。恐怖が俺をここまで連れてきた」
強敵を前にしたアイゼンが、フリーレンとシュタルクに語る言葉です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"Being afraid isn't a bad thing. It's my fear that's brought me this far."
前半は動名詞主語"Being afraid"(怖がること)、後半は"It is ~ that ..."の強調構文で"my fear"(自分の恐怖)を強調しています。「俺をここまで連れてきたのは、ほかでもない恐怖だ」というわけです。恐怖は克服するものではなく、力に変えるものというアイゼンの哲学が、シュタルクにも受け継がれていきます。逐語は媒体で揺れますが、強調構文の練習台としても優秀な一文です。
「立ち上がって技を叩き込め。最後に立っていた奴が勝つ」
かつてアイゼンがシュタルクに授けた、強敵の倒し方。ピンチのシュタルクを何度も救う言葉です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"Keep getting back up and bash them with your techniques. The last warrior standing wins."
"keep -ing"(〜し続ける)と、"get back up"(何度も立ち上がる)の組み合わせが、泥臭い粘りを表しています。そして"The last warrior standing wins."(最後に立っている戦士が勝つ)の"standing"は名詞を後ろから修飾する現在分詞。"the last man standing"(最後まで生き残った者)という決まり文句にも通じます。才能ではなく、立ち上がり続けることが強さだと教えてくれる、シンプルで力強い名言です。
フランメとゼーリエ――伝説の魔法使いの言葉
フリーレンの師フランメと、さらにその高みにいるゼーリエ。長い時を生きる魔法使いたちの言葉には、含蓄があります。
フランメ「いつか人を知らなかったことを後悔する。その時ここに戻れ」
かつてフランメがフリーレンに残した、時を超えて効いてくる言葉です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"Someday, you'll make a terrible mistake and wish you'd gotten to know people better. When that happens, return to this place. Then I, Flamme the legendary mage, will help you."
ここでの学習ポイントは"wish + 仮定法過去完了"。"wish you'd gotten to know people better"(=wish you had gotten to know)は「もっと人を知っておけばよかったと悔やむ」という、実現しなかった過去への後悔を表します。フリーレンが後に流す涙を、フランメははるか昔に予言していたわけです。逐語は媒体で揺れるため「おおむねこういう趣旨」としてご覧ください。
ゼーリエ「魔法とはイメージの世界だ」
大魔法使いゼーリエをはじめ、ウーベルら才能ある魔法使いが共有する魔法観を表す言葉です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"Magic is the world of visualization."
キーワードは"visualization"(イメージ化、視覚化)。動詞"visualize"(思い描く)の名詞形で、「頭の中で鮮明に思い描き、そうなると信じれば実現する」という、この作品の魔法システムそのものを一言で表しています。想像力こそが魔法の限界を決めるというテーマは、ウーベルが「切れないはずの布を、切れると思い込んで切る」描写などで繰り返し示されます。抽象名詞の使い方の見本としても面白い一文です。
第一級魔法使い試験編の名言(デンケン・ヴィルベル・ザイン)
ここからは物語中盤、第一級魔法使い試験編の名言です。未視聴の方は軽いネタバレにご注意ください。個性的な魔法使いたちが、それぞれの人生観を短い言葉で見せてくれます。
デンケン「男だろう?拳で決着をつけよう」「食事は喜びの時間だ」
老魔法使いデンケンの、対照的な二つの名言です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"You're a man right? Let's settle this with our fists."
"Meals are a time of joy, not stress, and we're all here for the same reason."
"settle this with our fists"(拳で決着をつける)の"settle"(決着させる、解決する)は"settle a problem"などでも使う実用語。もう一つは"a time of joy, not stress"(ストレスではなく喜びの時間)と、"not"で対比を作る言い回しが効いています。魔力が尽きても人間は拳で戦えるし、敵同士でも同じ食卓を囲める——老練なデンケンの人間味が伝わる名言です。逐語は媒体で揺れます。
ヴィルベル「死だけが、この人生の別れじゃない」
試験の後、ヴィルベルがフリーレンに語りかける言葉です。英語版ではおおむね次のように訳されます(媒体により表現は異なります)。
"Death isn't the only goodbye in this life."
"not the only 〜"(〜だけではない)という部分否定が核心です。人は死だけでなく、「顔を思い出せなくなること」でも誰かに別れを告げている——という、この作品の「別れ」のテーマを別角度から照らす名言です。だからこそ、仲間を鮮明に覚えているフリーレンの記憶は宝物なのだと気づかされます。複数の英語まとめで表現が一致している一方、Crunchyroll字幕・VIZ版原文との逐語突合まではしていないため、代表的な訳の一例としてご覧ください。
ザイン「思いは、言葉にしないと伝わらない」
すれ違うフェルンとシュタルクを見かねたザインが放つ、大人の一言です。英語版ではおおむね次のように訳されます。
"'Thoughts' have to be put into words for them to get across."
"put into words"(言葉にする、言語化する)と"get across"(伝わる)という、二つの句動詞が同時に学べます。"for them to get across"の"for them"はまた不定詞の意味上の主語で、「思いが伝わるためには」という意味。どれだけ想っていても、口に出さなければ伝わらないという、シンプルながら胸に刺さる名言です。逐語は媒体で揺れるため「おおむねこういう趣旨」としてご覧ください。
【独自】フリーレンの名言はなぜ"静かで平易な英語"になるのか
今回あらためて感じたのは、フリーレンの名言は、英訳してもとても平易で静かな英語になるということです。進撃の巨人のような激しい叫びの名言と違い、フリーレンは"be able to"や"want O to do"、仮定法といった中学〜高校で習う文法・単語でほとんど読めてしまうのです。これは英語学習者にとって大きなメリットです。
理由は、作品自体が大げさな言葉ではなく、日常的な短いやり取りで感情を描く作風だから。難しいのはむしろ"mana"(魔力)や"mage"(魔法使い)といったファンタジー語彙のほうで、文法そのものはやさしいのです。だからこそ、名場面と一緒に「使える英語」が自然に頭に残ります。
そしてもう一つ、Crunchyroll字幕とVIZ公式マンガを見比べること自体が最高の教材になります。「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう」が"get to know him better"と"learn more about them"に分かれていたように、同じ日本語を別の英語でどう表現するかを見比べると、「この単語を選ぶとこういう手触りになるのか」という発見があります。キャラ名の由来や用語の英語表記が気になる方は、葬送のフリーレン×英語の総合ガイドもあわせてどうぞ。
名言を実際の声で聞くには?英語版フリーレンの視聴方法
字幕やマンガで読んだ名言は、実際の声で聞くと理解が一段深まります。強勢の位置やリエゾンなど、テキストだけでは気づけない発見がたくさんあるからです。結論から言うと、英語版フリーレンの視聴はNetflix(手軽・英語字幕)とCrunchyroll(英語吹替の本拠地)の2つが軸になります。
- Netflix:日本のアカウントをそのまま使い、VPNで英語圏サーバーに切り替えるだけで英語字幕付き視聴を試せる手軽さが魅力(英語音声の可否は地域・時期で変わります)。
- Crunchyroll:英語音声+英語字幕が最も手厚い、英語吹替の本拠地。Season1に加え、Season2の英語吹替も2026年に配信が始まりました。吹替でリスニング練習したい方はこちら。
大前提として、日本から普段どおりNetflixやCrunchyrollを開いても、英語音声・英語字幕は基本的に選べません。表示されるのは日本向けカタログだからです。そこで必要になるのが、次の3ステップです。
- NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続する
- その状態で、普段どおりNetflixやCrunchyrollのアプリ・サイトを開く
- すると英語音声・英語字幕を含む海外版カタログにアクセスでき、英語版フリーレンを視聴できるようになる
ポイントは「VPN接続 → その後にアプリを開く」という順番です。NordVPNはVPNサービスの中でも利用者が多く、初めての方でも設定に迷いにくいのが特徴です。サービスごとの登録手順や字幕・吹替の切り替え方法の詳細は、葬送のフリーレンを英語で見る方法【最新版】配信・字幕・吹き替えガイドで解説しています。
まとめ
この記事では、葬送のフリーレンの英語名言を、フリーレン・ヒンメル・フェルン・ハイター・アイゼン・フランメ・ゼーリエなど8キャラ・22本前後にわたって紹介しました。
- フリーレンの"We only traveled together for a mere ten years."は、"mere"一語に時間感覚のズレを凝縮
- ヒンメルの"I'm glad I was able to go on an adventure with you all."は、平易な"be able to"で名台詞になる好例
- ハイターの"Himmel the Hero would have done so."は、仮定法過去完了で亡き勇者への敬意を表現
- 同じ日本語でも、Crunchyroll字幕・VIZ公式マンガ・英語吹替で訳が異なることがあるため、一つの「正解」にこだわらず複数の訳を楽しむのがおすすめ
フリーレンの名言は、文法がやさしく単語も繰り返し登場するため、英語学習の入り口として本当に優秀です。作品全体の世界観やキャラ名・用語の英語表記を押さえたい方は葬送のフリーレン×英語の総合ガイドを、キャラ名の由来を知りたい方はキャラクター英語名一覧を、そもそもアニメで英語を学ぶ効果や始め方を知りたい方はアニメ×英語学習の全体像をまとめた記事もあわせてご覧ください。ぜひお気に入りの名言を、実際の声で聞いてみてください。