「まず食生活の改善!! 生活リズムの見直し!! そして適切な運動!!」「食は生の特権だ」——『ダンジョン飯』の名言は、実は英語でもそのまま追いかけられる作品です。日本のNetflixがVPNなしで英語音声・英語字幕に対応していて、Yen Pressの英語版漫画は全14巻が完結済み。おまけに権利元のKADOKAWA自身が公式の英語学習本まで出しています。
この記事では、ライオス・センシ・マルシル・チルチャック・ファリンの「実在するセリフ」を9つ取り上げ、英語ではどう表現されるのかを紹介します。ポイントは、英語版で出典つきに確認できた表現と、確認しきれずに訳例として添えた英文を、はっきり書き分けていることです。作品全体の英語情報はダンジョン飯を英語で楽しむ総合ガイドにまとめています。
留学経験なし・TOEIC990・VERSANT76点(80点満点中)・元海外事業担当の筆者YOSHIが、英文のニュアンスと学習への活かし方もあわせて解説します。なお、この作品は日本のNetflixのままで英語にできますが、他の作品も英語で見たくなったときにはNordVPNのようなVPNが役に立ちます(理由は後半で説明します)。
Contents
まず知っておきたい|ダンジョン飯のセリフを英語で確認できる3つのルート
名言を見る前に、そもそも英語版が実在することを押さえておきましょう。ダンジョン飯には、セリフの英語を確認できるルートが3つあります。
- Netflixの英語吹き替え・英語字幕:日本の回線・日本のアカウントのまま、VPNなしで音声も字幕も English にできます(タイトルIDは 81564899)。手順はダンジョン飯を英語で見る方法で解説しています。
- Yen Press版の英語漫画『Delicious in Dungeon』:全14巻が刊行済みで完結。日本語版も全14巻なので巻数がぴったり対応します。読み方はダンジョン飯の英語版漫画と勉強法にまとめました。
- KADOKAWA公式『ダンジョン飯英会話 Explore the World of Delicious in Dungeon in English』:2024年8月2日発売・224ページ。300以上のフレーズを「冒険」「料理」「仲間」「魔物」の4章に整理し、音声ダウンロードも付属。告知時のキャッチが「腹をくくれ! は英語で?」だったとおり、名場面のセリフを英語で学べる公式教材です。
本記事では、英語版Wikiに原作の話数・ページ番号つきで掲載されている英文を「出典つきで確認できた表現」として紹介します。ただしYen Press版の紙面と一言一句を突き合わせたわけではないため、公式訳とは断定しません。それ以外は「英訳例」「学習用の訳例」と明記して区別します。
ライオスの英語の名言
魔物への愛が振り切れている主人公・ライオス。ズレた発言の多い彼ですが、食べることそのものを語る場面では作品の核心を突きます。
「食は生の特権だ、生きるためには食べ続けなくてはならない」= Meals are the special privilege of the living.【出典つきで確認】
原作最終話(第97話・単行本14巻)で、食にこだわる理由を子どもに問われたライオスが答える場面です。英語版Wikiには第97話36ページを出典として、Meals are the special privilege of the living. In order to stay alive, we need to keep eating. という英文が掲載されています。
privilege(特権)という硬めの単語が、食事という日常の行為を一段高い位置に引き上げているのがこの一文の妙味です。しかもこのフレーズ、第1話の締めくくりにも同じ趣旨で登場し、物語の最初と最後を挟み込む構造になっています。英語圏の作品解説でも、シリーズ全体を貫くキーフレーズとして紹介されています。
「昨日はサソリ鍋、そして人食い植物の実を食べた。足りてないものがわかるか」(英訳例)
保存食ばかりの他パーティを羨ましがるマルシルに、センシが栄養バランスの大切さを説く流れで出てくるライオスの問いかけです。翻訳会社の英語ブログでは Yesterday was scorpion hot pot. They're all rich in nutrients, but... Do you know what's missing? という訳例が紹介されています。公式英語版との逐語照合はできていないため、ここでは英訳例として扱います。
見どころは、これに対するマルシルの返答「常識」= Common sense. です。rich in ~(〜が豊富な)と what's missing(足りていないもの)は、栄養や条件の話で本当によく使う言い回し。たった2語の返しで魔物食への抵抗感を表現するのが、マルシルらしいところです。
「これが竜の味なんだ」= This... tastes like dragon.(英訳例)
念願のレッドドラゴンを口にした場面のひと言。同じブログの訳例では This... tastes like dragon. となっています。taste like ~(〜のような味がする)は比喩に使うのが普通ですが、ここでは文字どおり竜の味。It tastes like chicken. という英語圏の定番ジョークを知っていると、ニヤリとできる一文です。
センシの英語の名言
魔物食歴10年以上のドワーフ・センシ。料理と生活を語る彼のセリフには、作品でいちばん引用される名言が揃っています。
「まず食生活の改善!! 生活リズムの見直し!! そして適切な運動!!」= Improve yer eating habits!【出典つきで確認】
バジリスクに全滅させられた冒険者に「どうすればそんなに強くなれるのか」と問われ、センシが力強く答える場面です(原作第3話、アニメでは第2話「ローストバジリスク/オムレツ/かき揚げ」)。英語版Wikiには第3話23ページを出典として、Improve yer eating habits! Rethink yer lifestyle rhythms! Get proper exercise! Follow these three rules! And ye'll have a strong body before ye know it! という英文が掲載されています。
注目してほしいのは yer と ye です。これは your と you の方言表記で、英語版がセンシのドワーフらしい訛りを、綴りそのものを崩すことで再現しているわけです。日本語版では「〜だ」「〜せ」といった語尾で老練さを出していた部分が、英語では発音の崩しに置き換わっている。同じキャラ性を別の手段で表現するという、翻訳の面白さが凝縮された例です。
文型としては Improve ~ Rethink ~ Get ~ と命令形が3連続する構造。命令形を並べるだけで力強い標語になるのは、英語のスピーチでもよく使われる型です。
「ここで育ったものを食べ、自らもダンジョンに分け与える。それが嬉しい」(学習用の訳例)
なぜ地上ではなく迷宮で自給自足するのか、とライオスに問われたセンシの答えです(アニメ第4話「キャベツ煮/オーク」)。ゴーレムの背を畑にし、便所の掃除まで引き受ける理由がここで語られます。
この場面の英語版の逐語訳は本記事の調査では確認できなかったため、学習用の訳例として I eat what grows here, and I give something back to the dungeon. のような表現を挙げておきます。鍵になるのは give back(返す・還元する)という発想。一方的に奪うのではなく循環に加わるというセンシの思想が、この2語に収まります。
マルシルの英語の名言
ツッコミ役でありながら、いちばん人間くさい弱さを見せてくれるのがエルフのマルシル。彼女のセリフは短くて使いやすいものが多いです。
「人を漬物石に使うな」= Do not use people as pickling weights.(英訳例)
コカトリスに噛まれて石化していた間、仲間に漬物石として活用されていたと知ったマルシルの抗議です。翻訳会社ブログの訳例では Do not use people as pickling weights. となっています。
use A as B(AをBとして使う)は日常でも頻出の型。面白いのは、漬物石という日本の生活道具が pickling weight と説明的に訳されている点です。英語圏の読者にも「重しで漬ける」工程が伝わる、丁寧な処理といえます。
「みなさんのために何も力になれないのは寂しいです」(英訳例)
マンドレイクの叫び声で正気を失ったマルシルが、思わず本音をこぼす場面。同ブログの訳例は I am unable to do anything for you, and it's lonely. です。be unable to do anything for ~ は can't help より少しフォーマルで、無力感がにじむ言い方。チームで自分の役割を見失ったときの気持ちを、そのまま英語にできます。
チルチャックの英語の名言
普段は皮肉ばかりの半人前(ハーフフット)チルチャック。だからこそ、本音が漏れる場面の一言が刺さります。
「俺はお前たちを失いたくない!」(公式英訳)
無茶をしようとするライオスを必死に説得する場面のセリフです。この場面の正確な話数は確認できなかったため、ここでは場面の説明にとどめます。 英訳は、Yen Press版の英語版設定資料集『Delicious in Dungeon World Guide: The Adventurer's Bible, Complete Edition』のチルチャックのページに、代表的なセリフとして I DON'T WANT TO LOSE YOU GUYS! と掲載されています。
英語の lose は「失う」だけでなく「(人を)亡くす」という重い意味でも使われます。だからこそ I don't want to lose you. は、日本語の「失いたくない」とほぼ同じ重さで届く言い回しです。普段クールなキャラクターが感情を爆発させる場面では、こういう簡単な単語ほど威力があります。
ファリンの英語の名言
物語のきっかけであり、後半の核心でもあるライオスの妹・ファリン。穏やかな彼女が見せる「選択」の言葉は、作品でも屈指の重さを持ちます。
「他の誰かを傷つけても兄さんやマルシルには生きていてほしいんだ」【出典つきで確認】
英語版Wikiには第75話14ページを出典として、Even if it means hurting someone else... I want you and my brother to live, Marcille. という英文が掲載されています(単行本では11巻に収録される話数です)。
even if it means ~ing(たとえそれが〜することを意味するとしても)は、覚悟を語るときの定番構文。even if だけでも「たとえ〜でも」ですが、it means を挟むことで「その選択にはこういう代償がある」と分かったうえで言っている、という含みが加わります。穏やかな口調のまま、いちばん厳しい選択を口にしているのがファリンの怖さであり、優しさでもある場面です。
シスル(狂乱の魔術師)のセリフを英語で探すときの注意点
迷宮の主・シスルのセリフを英語で調べるときは、名前の綴りが2種類あることに気をつけてください。
公式表記は Sissel です。Yen Pressの英語版漫画は該当するチャプター名が「Sissel」で、アニメ公式サイトの英語版キャスト欄も同じ綴りを使っています。一方、Netflixの英語吹き替え版のクレジット(Anime News NetworkのEnglish cast欄で確認できます)では Thistle(アザミ)という表記が使われています。ファンの通称ではなく、漫画とアニメ英語版で表記が分かれているというのが実態です。
どちらかが誤りというより、公式訳とファン側の通称が併存している状態と考えるのが実態に近いでしょう。英語でセリフや考察を検索するときは、両方の綴りを試さないと情報を取りこぼします。キャラクターごとの正式な英語表記はダンジョン飯のキャラクター英語名一覧で確認できます。
「食うか食われるか」は英語で?|作品を貫くキャッチコピー
日本の公式が掲げるキャッチコピー「ダンジョン飯。それは"食う"か"食われる"か」。これは英語圏では、概ね eat or be eaten という言い回しで語られています。
英語版Wikiの終盤エピソードのあらすじでも、翼獅子と対峙するライオスの主張として it's eat or be eaten という表現が使われ、英語圏のレビュー記事でも第1話のテーマを表す言葉として繰り返し登場します。逐語の公式訳として確認したものではないため、概ねこの趣旨で訳されているとお考えください。
eat or be eaten は能動と受動を並べるだけで「弱肉強食」を表現できる、英語らしい言い回し。Delicious in Dungeon という英題が「おいしい」を前に出した意訳だったのに対し、こちらは日本語のリズムをかなり忠実に写しています。
ダンジョン飯の名言で英語を学ぶ3つのコツ
名言を「眺めて終わり」にせず英語力に変えるコツを3つ紹介します。ダンジョン飯のように話の展開をだいたい知っている作品は、内容理解に頭を使わずに英語そのものへ集中できるので、じつは教材として優秀です。
- 短いセリフから口に出す:
This tastes like dragon.やCommon sense.のような一文は、真似して声に出すとリズムごと身体に入ります。長い名言より、まず短いものから。 - スクリプト×AIで深掘りする:「Delicious in Dungeon script」で検索して英語セリフを探し、気になった一文をChatGPTなどに「このセリフのニュアンスと文法を解説して」と投げる方法です。筆者が実際に続けてきたやり方で、
even if it means ~ingのような構文も一気に腑に落ちます。 - Netflixと英語版漫画を往復する:アニメで聞き取れなかった箇所をYen Press版で目で確認します。訳語が媒体をまたいで統一されているので往復がスムーズです。魔物や料理の英語表現はダンジョン飯の用語を英語でにまとめました。
なお、ダンジョン飯自体はVPNなしで英語にできます。ただ、英語で見られるアニメを増やそうとすると、日本のNetflixに英語音声が無い作品や、日本から使いにくい海外サービスに必ずぶつかります。そんなときにアメリカなど英語圏のサーバーへ接続できるNordVPNを1本持っておくと、選べる作品が一気に広がります。旅行や出張先から日本のサービスにつなぎたいときにも役立ちます。
まとめ|実在するセリフから英語に落とし込もう
ダンジョン飯は、Netflixの英語音声・英語字幕、Yen Pressの英語版漫画、KADOKAWA公式の英語学習本という3つのルートが揃った、名言を英語で追いかけやすい作品です。本記事執筆時点(2026年8月)で整理したポイントは次のとおりです。
- 出典つきで確認できた表現:ライオスの
Meals are the special privilege of the living.、センシのImprove yer eating habits!、ファリンのEven if it means hurting someone else...の3つ - 公式英訳:チルチャックの
I DON'T WANT TO LOSE YOU GUYS!は、Yen Press版の英語版設定資料集に掲載されている表現 - 趣旨ベース:キャッチコピーの「食うか食われるか」は概ね
eat or be eatenと表現される - 英訳例・学習用の訳例:残り5つは、実在する日本語のセリフを起点にした訳例として紹介
- 綴りの注意:シスルは漫画(Yen Press)が Sissel、アニメ英語版(Netflix)が Thistle。検索は両方で
なかでもセンシの yer ye は、キャラクターの訛りを綴りの崩しで再現するという翻訳の妙が味わえる一級品です。好きなセリフをひとつ決めて、まずは声に出すところから始めてみてください。セリフを探す手がかりになる各話の英語サブタイトルはダンジョン飯シリーズの英語タイトル一覧に、主題歌の曲名の英語解説はダンジョン飯の主題歌の英語表現を解説にまとめました。ダンジョン飯を英語で楽しむ情報はダンジョン飯を英語で楽しむ総合ガイドに、アニメで英語を学ぶ方法の全体像は英語でアニメを楽しむ方法でまとめています。
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