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リメンバー・ミー

リメンバー・ミーの英語タイトルは『Coco』|邦題と原題が違う理由・意味・由来を徹底解説

リメンバー・ミー(Coco)英語タイトルの意味のアイキャッチ画像

「リメンバー・ミー」の英語タイトルは、Coco(ココ)です。「リメンバー・ミー」を英語にしたら Remember Me になるはず、と思っていた方は驚くかもしれません。実はこの作品、邦題と原題がまったく別の言葉でできているという、ディズニー/ピクサー作品の中でもかなり珍しいケースなのです。

原題 Coco は、主人公ミゲルのひいおばあちゃんの名前。一方の邦題「リメンバー・ミー」は、物語の鍵を握る劇中歌のタイトルから採られています。つまり同じ映画に、由来のまったく違う2つの題名が並立しているわけです。

この記事では、原題 Coco の由来と coco という単語そのものの意味、邦題が生まれた背景と監督のコメント、Remember Me という英文の文法、さらにブラジルだけ違う各国のタイトルや続編 Coco 2 まで、一次情報を確認しながら整理しました。

なお、Disney+に加入すれば、この作品を日本のアカウントのまま英語音声・英語字幕で視聴できます。原題の意味を知ったうえで英語版を見返すと、邦題だけでは見えなかった作品の設計が立ち上がってくるはずです。

リメンバー・ミーの英語タイトルは「Coco」|まずは結論

結論から言うと、英語の正式タイトルは Coco のひと言です。副題も接続語もありません。日本語の「リメンバー・ミー」とは、文字の上でも意味の上でも一切重なっていません。

原題と邦題の対応表

まずは基本の対応関係を整理しておきます。

項目内容
英語タイトル(原題)Coco
日本語タイトル(邦題)リメンバー・ミー
原題の由来ミゲルのひいおばあちゃん「ココ」の名前
邦題の由来劇中歌「Remember Me」の曲名
米国公開2017年11月22日
日本公開2018年3月16日

日本公開時は『アナと雪の女王/家族の思い出』が同時上映されていました。原題と邦題のあいだに、翻訳という関係がまったく成立していない点が、この作品のタイトルをめぐる面白さの出発点です。

Disney+や公式サイトのURLに残る「coco」

この「二重の題名」は、意外なところに痕跡を残しています。日本版Disney+の作品ページのURLは /ja-jp/movies/coco/ から始まっており、表示されるタイトルは「リメンバー・ミー」なのに、URLには原題の coco がそのまま入っています

逆に、日本公開当時の日本語版公式サイトのアドレスは disney.jp/remember-me でした。同じ作品なのに、内部的な識別子は coco、日本の読者向けの窓口は remember-me という住み分けになっているわけです。配給の現場で2つの題名がどう使い分けられていたのかが垣間見えて、なかなか興味深いポイントだと思います。

作品の基本データと受賞歴

『リメンバー・ミー』はピクサー長編第19作にあたり、監督はリー・アンクリッチ(Lee Unkrich)、共同監督はエイドリアン・モリーナ(Adrian Molina)が務めました。脚本はモリーナとマシュー・アルドリッチ、音楽はマイケル・ジアッキーノ、楽曲はクリステン・アンダーソン=ロペスとロバート・ロペスの夫妻です。

第90回アカデミー賞では長編アニメーション賞と主題歌賞をW受賞しました。日本での興行収入は50.0億円(日本映画製作者連盟の2018年統計)で、その年の洋画では上位に食い込む大ヒットとなっています。英語タイトルはたった4文字なのに、その裏側には賞レースを席巻した作品の重みがあるわけです。

原題「Coco」の由来はミゲルのひいおばあちゃん

原題 Coco は、主人公ミゲルの「ひいおばあちゃん」であるママ・ココの名前から来ています。ここは記憶で書かず、ディズニー公式のキャラクターページで確認しました。

ココはミゲルの「ひいおばあちゃん」

ディズニー公式サイトのキャラクターページは、ページタイトルからして「ココ(ひいおばあちゃん)|リメンバー・ミー|ディズニー公式」となっています。紹介文では「100歳近い高齢で、ほとんど言葉を発することもなくなり記憶も失いかけているけれど、家族の皆から愛され敬われ、家族の強い絆の中で穏やかに暮らしている」と説明されています。

注意したいのは、ネット上の解説記事や一部のニュース記事が、ココを「ミゲルのお婆ちゃん」と書いていることです。これは正確ではありません。ミゲルの「おばあちゃん」は別のキャラクター(エレナ)で、ココはさらに一世代上のひいおばあちゃんです。この一世代の差は、物語の構造そのものに関わる重要な情報なので、ここは公式表記に合わせておきたいところです。

家系図で見るリベラ家

続柄が混乱しやすいので、ミゲルから見た関係を整理しておきます。

ミゲルから見た関係名前補足
おばあちゃんエレナ大家族の実権を握る
ひいおばあちゃんココ原題の由来になった人物
ひいひいおばあちゃんイメルダココの母。家族に音楽を禁じた
ひいひいおじいちゃんヘクターミゲルが死者の国で出会う相棒

イメルダについて、公式サイトは「一人娘の幼いココを育てていくために靴作りを始めた」と説明しています。つまりココはイメルダの一人娘。世代をまたいだ家族の物語が、この4人の関係の中に畳み込まれています。各キャラクターの英語名や英語版の声優については、キャラクター英語名と英語版声優の一覧で詳しくまとめています。

「Coco」は愛称、本名は Socorro とされる

Coco という名前についてもう一歩踏み込むと、英語圏のファン資料(Disney Wiki や Pixar Wiki といったファン運営の百科サイト)では、ママ・ココの本名を Socorro(ソコロ)とし、Coco はその愛称だと説明されています。

ただし、この本名についてはディズニー公式サイトに記載が見当たらなかったため、本記事では公式確認済みの事実としては扱いません。あくまで「英語圏ではそう説明されている」という位置づけです。

そのうえで英語・スペイン語の学習という観点から補足すると、socorro はスペイン語で「助け・救援」を意味する一般的な単語です。スペイン語圏では緊急時に ¡Socorro!(助けて!)と叫びます。名前の意味まで知っておくと、作品の余韻がまた少し変わってきます。

なぜ主人公ミゲルではなく「ココ」が題名なのか

原題を聞いて多くの人が抱く疑問が、「主人公はミゲルなのに、なぜ題名がココなのか」というものでしょう。

ネタバレを避けて言えば、この物語はミゲルの冒険譚であると同時に、ココという一人の老女をめぐる物語でもあります。物語の帰着点にいるのが誰なのかを示す題名になっている、というのが原題 Coco の設計です。

英語圏の映画には、Coco のように中心にいる人物の名前だけを題名にするタイプの作品が数多くあります。作品を観終わってからもう一度タイトル画面を思い出すと、この4文字が全然違う重さで見えてくるはずです。

スペイン語の「coco」という単語そのものの意味

ここで少し寄り道して、coco という単語そのものの意味を見ておきましょう。人名としての Coco とは別に、スペイン語には coco という一般名詞が存在します。

RAEの辞書が載せる coco の語義

スペイン語の権威ある辞書であるRAE(スペイン王立アカデミー)の『Diccionario de la lengua española』を引くと、coco には次のような語義が並んでいます。

  • ココヤシ(ヤシ科の植物)
  • ココナッツ(ココヤシの実)
  • (口語)人間の頭
  • (メキシコ)拳で頭を小突くこと
  • 子どもを怖がらせるための想像上の存在

日本人にとっての coco は「ココナッツ」でほぼ一択だと思いますが、実際のスペイン語では「頭」や「お化け」まで含む、かなり守備範囲の広い単語なのです。メキシコが舞台の作品を扱っているのに、この語の広がりを知らないままなのは少しもったいない気がします。

el coco は「子どもを怖がらせるお化け」

特に面白いのが、el coco=子どもを怖がらせるための想像上の存在という語義です。英語の bogeyman(ブギーマン)、日本語で言えば「なまはげ」や「押し入れのお化け」に近い存在で、スペイン語圏では子どもをしつけるときに登場します。

RAEはこの語の成り立ちについて、「もともとは球状の果実を指し、次にお化けを指すようになり(そのお化けの頭を球状の果実で表現したため)、さらに後になってココヤシの実を指すようになった」と説明しています。果実 → お化け → ココナッツという、なかなか想像しにくい順番です。

なお、作品タイトルの Coco にこうした語義が掛けられているという公式説明はありません。あくまで「同じ綴りの一般語にはこんな意味もある」という語彙の話として楽しんでください。

英語の coco/cocoa/coconut/cacao の違い

英語学習者としては、綴りが似た4語の区別もこの機会に押さえておきたいところです。

  • coconut:ココナッツ(ヤシの実)。英語で「ココナッツ」と言いたいときはこれ一択です。
  • cocoa:ココア(飲み物・粉末)。coco だけでは英語で飲み物のココアにはなりません。
  • cacao:カカオ(原料としての豆・木)。加工前を指すことが多い語です。
  • coco:英語では単独ではあまり使わず、coco palm(ココヤシ)のように複合語で現れます。

「ココア」を英語で coco と言ってしまう間違いは、日本人学習者にかなり多いので要注意です。作品タイトルを入り口に、この4語の違いを整理しておくと実用面でも得をします。

邦題「リメンバー・ミー」はどこから来たのか

では、日本語版はなぜ「リメンバー・ミー」になったのでしょうか。邦題の由来は、劇中歌「Remember Me」(リメンバー・ミー)というタイトルの楽曲です。

邦題の由来は劇中歌「Remember Me」

Remember Me は、作中の伝説的ミュージシャンエルネスト・デラクルスの代表曲という設定の楽曲です。ディズニー公式のあらすじも「すべての謎を解く鍵は、伝説の歌手が遺した名曲“リメンバー・ミー”に隠されていた…。」と、この曲を物語の中心に据えています。

楽曲を手がけたのはクリステン・アンダーソン=ロペス/ロバート・ロペス夫妻。『アナと雪の女王』の Let It Go でもアカデミー賞を獲得しているコンビで、この Remember Me第90回アカデミー賞 主題歌賞を受賞しました。作中では、華やかなステージ版から静かな子守唄のようなバージョンまで、複数の歌い方で登場します。楽曲そのものの英語表現については主題歌「Remember Me」の英語表現ガイドで詳しく扱っています。

リー・アンクリッチ監督が邦題を公認している

「邦題は配給会社が勝手に変えたもの」と思われがちですが、この作品に関しては違います。リー・アンクリッチ監督自身が、日本公開に際して邦題を明確に肯定するコメントを残しています。

監督は日本のメディアに対し、「日本でのタイトルは『リメンバー・ミー』。なぜなら、それは作品の重要なテーマだからだよ」と語り、さらに「本作は、すでに亡くなって、もう僕たちのそばにいない人たちを“覚えている”がすごく重要だということを描いているんだ。家族を覚えておくということだけではなくて、亡くなったご先祖の話を後の世代へ伝えていくことを通して、彼らの思い出を生かし続けるというこの作品のテーマが、日本のタイトルに込められているよ」と説明しています。

つまり「Coco」と「リメンバー・ミー」は、どちらも作品の核心を別の角度から切り取った題名だということです。片方が正しくて片方が妥協、という関係ではありません。

なぜ日本では原題を使わなかったと考えられるか

一方で、「なぜ日本だけ原題を使わなかったのか」という点について、配給会社の公式見解は確認できませんでした。以下はあくまで推測としてお読みください。

  • カタカナの「ココ」は日本語で意味を持ちにくい。英語圏やスペイン語圏なら人名としてすぐ理解されますが、日本では「ここ」「個々」といった同音語に埋もれてしまいます。
  • 既存の連想が強すぎる。日本で「ココ」と聞くと、ココアやカフェのチェーン名など別のイメージが先に来やすいという事情もあったでしょう。
  • 内容が想像できない。人名だけの題名は、その人物を知らない観客には手がかりになりません。

その点、「リメンバー・ミー」なら英語のまま提示しても意味が伝わり、しかも作品のテーマを言い当てている。監督の言葉と合わせて考えると、かなり練られた判断だったと言えそうです。

日本版エンドソングはシシド・カフカ feat.東京スカパラダイスオーケストラ

日本語吹替版のエンドソング「リメンバー・ミー」は、シシド・カフカ feat.東京スカパラダイスオーケストラが担当しました(ディズニー公式クレジット)。日本語吹替版のミゲル役は石橋陽彩さん、ヘクター役は藤木直人さんです。

英語版と日本語版で、同じ曲がどう歌い分けられているかを聴き比べると、それだけでちょっとしたリスニング教材になります。

「Remember Me」という英文の文法

ここからは英語学習ブログらしく、Remember Me という3語の英文を文法的に分解してみましょう。日本語では単なる「曲名」として流してしまいがちですが、これはきちんとした一文です。

これは命令文|動詞の原形で始まる文

Remember me. は、動詞の原形で始まる命令文です。訳すと「私を覚えていて」。主語の you が省略され、remember(覚えている・思い出す)という動詞に、目的語 me(私を)が続いています。

日本語の「リメンバー・ミー」は、カタカナになった瞬間に名詞のかたまりのように受け取られがちです。しかし英語としては、誰かに向かって「忘れないでいて」と語りかけている、呼びかけの文なのです。

この違いに気づくと、作品の見え方が変わります。曲名が命令文であるということは、誰かが誰かに向かって発している言葉だということ。誰が誰に向けて言っているのかを意識しながら観ると、物語の受け取り方がまるで違ってきます。

remember doing と remember to do の違い

remember は、後ろに続く形で意味が変わる要注意動詞です。

  • remember doing=「(過去に)〜したことを覚えている
  • I remember meeting her.(彼女に会ったことを覚えている)
  • remember to do=「忘れずに〜する」(これからやること)
  • Remember to call her.(忘れずに彼女に電話してね)

動名詞なら過去、to不定詞なら未来と覚えておくと整理しやすいです。forget(忘れる)も同じルールで動きます。この作品のテーマは前者、つまり過去の記憶を保ち続けることにあります。

Remember me to your family.(〜によろしく)

同じ remember me でも、後ろに to 誰々 が付くと意味がガラッと変わります

Remember me to your family. は、「ご家族によろしくお伝えください」という定型表現です。直訳すると「あなたの家族に対して私を思い出させて」ですが、実際の意味は Say hello to your family. とほぼ同じ。ややフォーマルで、手紙やメールの結びによく登場します。

同じ3語なのに、to が1つ加わるだけで「私を覚えていて」から「よろしくお伝えください」に変わる——英語の前置詞の威力がよく分かる例です。作品に登場する使えるフレーズは作品に出てくる使える英語フレーズ集にまとめています。

カタカナ「リメンバー・ミー」と実際の発音

最後に発音です。カタカナの「リメンバー・ミー」は、実際の英語とはいくつかズレがあります。

  • アクセントは第2音節re-MEM-ber と、真ん中の mem を強く読みます。カタカナだと平坦になりがちです。
  • 語尾の -ber は曖昧母音:「バー」と伸ばすより、力を抜いた「バ」に近い音です。
  • me は文脈で弱くなる:単独では「ミー」ですが、文の中では軽く「ミ」と流れることも多くあります。

カタカナで覚えた単語ほど、音の再インストールが必要です。作品を英語音声で観ると、この3語がひとかたまりでどう響くのかを耳から取り込めます。

世界各国のタイトル|ブラジルだけ「Coco」を使わない

原題を使わなかったのは日本だけではありません。調べていくと、ブラジルにも独自のタイトルが存在します。しかも、日本とはまったく違う理由で。

ブラジル題は「Viva - A Vida é uma Festa」

ブラジルでのタイトルは Viva - A Vida é uma Festa(ヴィヴァ ― 人生はお祭りだ)です。ディズニー・ブラジル公式サイトの作品ページはタイトルが VIVA になっており、ブラジル版Disney+でもこの題名で配信されています。

面白いのは、公式ページ内の画像ファイル名に coco の文字が残っていること。英語版の素材をそのまま流用しつつ、表に出す題名だけを差し替えているのがはっきり分かります。ポルトガル語の viva は「万歳」「〜よ永遠なれ」という掛け声で、A vida é uma festa は「人生はお祭りだ」。作品の祝祭的な色を前面に出したタイトルです。

なぜブラジルだけ題名を変えたのか

理由として広く説明されているのが、ポルトガル語の cocô(発音は「ココー」、意味は「うんち」)と紛らわしいからというものです。ブラジルの複数の媒体やファン向け百科サイトがこの説明をしています。

ただし、ディズニーやピクサーの公式声明としては確認できませんでした。「〜と説明されています」という伝聞のレベルで受け取ってください。

とはいえ、家族向けのアニメーション映画のタイトルが、その国の言語で子どもが大喜びしそうな単語に聞こえてしまうのは、確かに避けたい事態でしょう。言語をまたいだ瞬間に、同じ綴りがまったく別の意味を持ってしまうという、翻訳・ローカライズの難しさを象徴するエピソードです。

日本とブラジル|原題を離れた2か国の対比

筆者が確認できた範囲では、スペイン語圏(メキシコ・スペイン)、フランス、イタリア、ドイツなどはいずれも Coco のままです。原題から離れた国は限られています。

改題の動機を並べてみると、対比がくっきりします。

  • 日本Coco では内容が伝わりにくいため、作品のテーマを表す劇中歌のタイトルを採用した
  • ブラジルCoco が現地語で別の意味に取られかねないため、語感の問題から作品の雰囲気を表す題名に変えた

片方は意味の問題、もう片方は音の問題。同じ「原題を使わない」という判断でも、その理由はまったく別のところにあったわけです。

関連作品・続編の英語タイトル一覧

『リメンバー・ミー』は本編1作だけではありません。短編、コンサート映像、そして続編と、それぞれに英語タイトルがあります。

英題日本語での呼び方種別
Cocoリメンバー・ミー長編(2017)
Dante's Lunch – A Short Tail日本語題は確認できず短編(2017)
A Celebration of the Music from Cocoリメンバー・ミー オーケストラコンサートコンサート映像
Coco 2邦題未発表続編(2029年予定)

短編「Dante's Lunch – A Short Tail」

本編公開に先立ち、2017年3月29日にオンラインで公開された約2分の短編が Dante's Lunch – A Short Tail です。ミゲルの相棒である犬ダンテが、勝手に動く骨を追いかけ回すだけのセリフなしの一編で、ウォルト・ディズニー・カンパニーの公式サイトでも紹介されました。

英語学習者として見逃せないのが、副題の A Short Tail です。tail は「しっぽ」ですが、同じ発音の tale(物語)との駄洒落になっています。a short tale(短いお話)と a short tail(短いしっぽ)を掛けた言葉遊びで、犬が主役の短編にこれ以上ないほどぴったりのタイトルです。英語圏のタイトルはこうした同音異義語の遊びが本当に多く、気づけるようになると作品の楽しみが一段増えます。

A Celebration of the Music from Coco=リメンバー・ミー オーケストラコンサート

日本版Disney+で「リメンバー・ミー オーケストラコンサート」として配信されている作品の英題は、A Celebration of the Music from Coco です。これは日本版Disney+の作品ページのURLに英題がそのまま残っているため確認できました。

直訳すれば「『Coco』の音楽を祝う催し」。a celebration of 〜 は「〜を称える催し・祝典」という英語の定型表現で、コンサートや記念イベントのタイトルによく使われます。邦題の「オーケストラコンサート」より、原題のほうが「祝う」というニュアンスをはっきり打ち出しているのが分かります。

続編「Coco 2」は2029年公開予定・邦題は未発表

そして続編です。2025年3月20日のディズニー年次株主総会で、ボブ・アイガーCEOが Coco 2 の制作を発表しました。監督はリー・アンクリッチが続投し、共同監督のエイドリアン・モリーナも再び参加。製作は『トイ・ストーリー4』『インサイド・ヘッド2』のマーク・ニールセンが務めます。2029年の全米公開予定とされています。

日本のメディアの多くは「リメンバー・ミー2」と表記していますが、これは原題 Coco 2 に対する便宜的な呼び方で、日本公開時の正式な邦題は本記事執筆時点(2026年8月)では発表されていません。

第1作で日本だけが原題から離れた経緯を考えると、続編の邦題がどうなるかは地味に見どころです。「リメンバー・ミー2」で揃えるのか、あるいはまた別の言葉が選ばれるのか。発表を待ちたいところです。

Disney+なら日本のアカウントのまま英語音声・英語字幕で見られる

ここまで英語タイトルを追いかけてきましたが、いちばん確実な答え合わせは実際に英語音声で観てみることです。

VPNも海外アカウントも不要

結論として、Disney+に加入すれば、日本のアカウントのまま英語音声・英語字幕に切り替えて視聴できます。海外サーバーへの接続や、海外向けアカウントの新規作成は必要ありません。

Disney+は1作品につき複数の音声トラック・字幕トラックを持っており、再生画面の設定から切り替えるだけ。「英語版を観るには何か特別な手続きが要るのでは」と身構える必要がまったくないのが、ディズニー作品の大きな強みです。Disney+なら『リメンバー・ミー』本編に加えて「リメンバー・ミー オーケストラコンサート」も配信されているので、音楽まで含めてまとめて楽しめます。

切り替えの基本手順

操作はいたってシンプルです。

  1. Disney+で『リメンバー・ミー』を再生する
  2. 再生画面の設定(音声・字幕)アイコンを開く
  3. 音声(Audio)を English に変更する
  4. 字幕(Subtitles)を English に変更する

作品ごとの対応言語は変更される可能性があるため、視聴前に作品ページまたは再生画面で最新の対応状況をご確認ください(本記事執筆時点=2026年8月)。端末別の詳しい手順や料金プランについては、Disney+で英語音声・英語字幕にする手順にまとめています。

原題を知ってから見返すと何が変わるか

原題を知ったうえで英語音声版を観ると、いくつも「あ、そういうことか」という瞬間が訪れます。

  • オープニングのタイトル表示が Coco になる。この4文字で始まる映画なのだと分かる
  • 家族がココに呼びかける場面の一言一言が、そのまま題名と響き合って聞こえる
  • 曲名 Remember Me が英語で発音されるたびに、命令文としての語りかけの調子が伝わってくる

日本語版で内容を知っている作品だからこそ、ストーリーを追うことに気を取られず、言葉そのものに集中できるのです。

英語タイトルを入り口にした英語学習法

タイトル1つを掘り下げるだけでも、これだけの英語知識が出てきました。ここでは、留学経験なしでTOEIC990点・VERSANT76点(80点満点中)まで伸ばした筆者YOSHIが、実際にやっていた学習の進め方を紹介します。

「好きな作品だから英語に集中できる」

英語学習でいちばんの壁は、「勉強しなきゃ」という気持ちの重さです。私がディズニー作品を教材にしていたのは、まさにこの心理的ハードルを下げるためでした。

すでに内容を知っている作品なら、物語を理解することに脳のリソースを使わずに済みます。ミゲルが何をしようとしているか分かっている状態なら、Remember me. という3語が誰に向けられているのかに、自然と意識が向きます。「英語を勉強する」のではなく「好きな作品を英語で観直す」と捉え直すだけで、続けやすさがまるで変わります。

スクリプト×AI活用法

私が繰り返しやっていたのは、Coco script」で検索して英語のセリフ一覧を探し、気になった箇所をコピーしてAI(ChatGPTなど)に「このセリフのニュアンスと文法を解説して」と投げるという方法です。

この記事で扱った Remember me to your family. のような表現も、辞書だけでは「なぜそういう意味になるのか」が腑に落ちません。AIに「なぜ to が付くと意味が変わるのか」と聞けば、背景まで含めて説明してくれます。検索するときは邦題ではなく英語タイトルを使うのがコツで、リメンバー・ミー スクリプト より Coco script のほうが圧倒的に情報が出てきます。原題を知っていることが、そのまま学習効率に直結するわけです。

ダウンロード×反復再生

もう1つの柱が反復です。Disney+のダウンロード機能で作品を端末に落としておき、通勤中や家事の合間に同じ場面を何度も再生する

『リメンバー・ミー』は音楽の比重が大きく、同じメロディが繰り返し登場するため、反復学習の教材としてかなり優秀です。歌は自然と何度も聴きたくなるので、「頑張って繰り返す」という感覚になりにくいのが利点でした。アニメや映画を使った英語学習の全体設計については、英語×アニメ学習の総合ガイドでも詳しく解説しています。

リメンバー・ミーの英語タイトルでよくある質問

リメンバー・ミーの英語タイトルは何ですか?

Coco(ココ)です。副題はなく、この4文字だけが正式な英語タイトルです。邦題の「リメンバー・ミー」とは由来がまったく異なります。

なぜ原題が「Coco」なのですか?

主人公ミゲルのひいおばあちゃん「ココ」の名前から採られているためです。ディズニー公式サイトも、ココを「ひいおばあちゃん」と明記しています(「おばあちゃん」はエレナという別のキャラクターです)。

「Coco」はスペイン語でどういう意味ですか?

一般名詞としての coco は、RAEの辞書によるとココヤシ/ココナッツ/(口語で)人の頭/子どもを怖がらせるお化けなどを意味します。ただし作品タイトルの Coco は人名であり、これらの語義が掛けられているという公式説明はありません。

邦題「リメンバー・ミー」は誰が決めたのですか?

日本の配給(ウォルト・ディズニー・ジャパン)による邦題です。ただしリー・アンクリッチ監督自身が「作品の重要なテーマだから」とこの邦題を肯定するコメントを残しており、監督公認のタイトルと言えます。

続編の英語タイトルと邦題は?

英語タイトルは Coco 2で、2029年の全米公開予定です。日本のメディアは「リメンバー・ミー2」と表記していますが、正式な邦題は本記事執筆時点(2026年8月)で未発表です。

ブラジルでは違うタイトルなのは本当ですか?

はい。ブラジルでは Viva - A Vida é uma Festa(人生はお祭りだ)というタイトルで公開・配信されています。ポルトガル語の cocô と紛らわしいためと説明されていますが、ディズニーの公式声明としては確認できていません。

まとめ|Coco と Remember Me、2つの題名が指すもの

『リメンバー・ミー』の英語タイトルは Coco。この4文字は、主人公ミゲルのひいおばあちゃんの名前です。一方の邦題は劇中歌 Remember Me から採られたもので、原題と邦題が翻訳関係にないという、かなり珍しい構造になっています。

  • 原題 Coco=物語の帰着点にいる人物の名前。監督が描きたかった「家族の記憶」を人名に託した題名
  • 邦題「リメンバー・ミー」=作品のテーマを言葉にした劇中歌の曲名。監督自身が公認している
  • ブラジル題 Viva - A Vida é uma Festa=語感の問題から生まれた、もう1つの例外

そして Remember Me は、カタカナで見ると名詞のかたまりに見えますが、英語としては「私を覚えていて」と語りかける命令文です。この一点に気づくだけで、作品の受け取り方が変わります。

まずはDisney+で英語音声・英語字幕に切り替えて、Coco というタイトル表示から観直してみてください。作品全体の英語の楽しみ方をひととおり知りたい方はリメンバー・ミーを英語で楽しむ完全ガイドを、心に残るセリフを英語で味わいたい方は心に残る英語の名言・セリフもあわせてご覧ください。

  • この記事を書いた人

YOSHI

アニメ・海外ドラマ・サッカーなどエンタメで楽しく英語学習中。留学経験はなし。大学時代に英語を始めて就職後は海外事業を担当。現在は独立してフリーランス。2児の父。TOEIC990。VERSANT76。

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