『リメンバー・ミー』の主題歌は、英語で Remember Me。邦題がそのまま曲名になっている珍しい作品です。作詞作曲は『アナと雪の女王』のLet It Goを書いたロバート・ロペスとクリステン・アンダーソン=ロペスの夫妻で、この曲は第90回アカデミー賞の歌曲賞を受賞しています。
ただ、この作品の音楽の面白さは主題歌1曲では終わりません。Un Poco LocoThe World Es Mi FamiliaEveryone Knows JuanitaProud Corazón——挿入歌の曲名を並べただけで、英語とスペイン語が入り混じっているのが見て取れます。この作品は「曲名を読む」だけで英語の勉強になる、かなり珍しい映画です。
この記事では、主題歌Remember Meが劇中で4通りに歌い分けられている仕掛けから、挿入歌それぞれの曲名に使われた英語・スペイン語の意味、Michael Giacchinoが付けた劇伴のダジャレだらけの曲名、日本版エンドソング、そしてDisney+で英語音声のまま聴く方法までを整理します。
なお、著作権に配慮して本記事では歌詞を一行も引用しません。扱うのは曲名・作り手・受賞歴・歌われる場面・そして曲名に使われている語の意味です。それだけでも、この映画の音楽がどれだけ緻密に設計されているかは十分に伝わります。
劇中歌を英語の歌声のまま聴くなら、Disney+が最短ルートです。日本のアカウントのまま、再生画面の設定を切り替えるだけで英語音声・英語字幕にできます(VPNや海外アカウントは不要)。気になる方はDisney+をのぞいてみてください。
Contents
リメンバー・ミーの主題歌は英語で「Remember Me」
結論から言えば、主題歌の英語表記はRemember Meのひと言です。邦題「リメンバー・ミー」はこの曲名をそのままカタカナにしたもので、映画の原題Cocoとは別物という、少しややこしい構造になっています。
主題歌の基本データ|作詞作曲・受賞・スペイン語題
まず押さえておきたい情報を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 英語の曲名 | Remember Me |
| スペイン語の曲名 | Recuérdame |
| 作詞作曲 | Kristen Anderson-Lopez & Robert Lopez |
| 受賞 | 第90回アカデミー賞 歌曲賞(Best Original Song) |
| 収録アルバム | Coco (Original Motion Picture Soundtrack)/2017年11月19日 |
| 日本版エンドソング | シシド・カフカ feat. 東京スカパラダイスオーケストラ |
Best Original Songは日本語で「歌曲賞」とも「主題歌賞」とも訳されます。Disney+の日本公式ブログは「歌曲賞」と表記しているので、本記事もそれに揃えました。同じ年に長編アニメーション賞も受賞しており、本作はオスカーを2部門で獲っています。
ちなみに、この受賞によってロバート・ロペスは史上初の「ダブルEGOT」(エミー・グラミー・オスカー・トニーの4冠をそれぞれ2回以上)を達成しました。
曲名「Remember Me」は3語の命令文
Remember Meは、カタカナで見ると名詞のかたまりのようですが、英語としては動詞の原形で始まる立派な命令文です。主語のyouが省略され、動詞rememberに目的語meが続く形で、意味は「私を覚えていて」。
ポイントは、rememberが「思い出す」よりも「覚え続けている」という状態に近いことです。「忘れられた人は死者の国からも消えてしまう」というこの映画の設定に、この動詞のニュアンスはぴたりと噛み合っています。
スペイン語版の曲名Recuérdameも、recordar(覚えている)の命令形に目的語meがくっついた形で、英語とまったく同じ組み立てです。2言語の曲名を並べると、命令文の作り方がそのまま比較できます。英語タイトルそのものの成り立ちは英語タイトル『Coco』の意味と由来でさらに詳しく扱っています。
劇中歌は全11トラック|3組の作り手で分担している
意外に知られていませんが、この映画の楽曲は3つのチームで分担されています。
- Kristen Anderson-Lopez & Robert Lopez:
Remember Me(全バージョン) - Germaine Franco & Adrian Molina:
Un Poco LocoThe World Es Mi FamiliaProud CorazónEveryone Knows Juanita - Michael Giacchino:劇伴(スコア)26曲
Adrian Molinaは本作の共同監督兼脚本でもあり、そのうえで作詞まで担当しています。さらに音楽コンサルタントとしてCamilo Lara(Mexican Institute of Sound)が参加し、オアハカやベラクルスなどメキシコ各地を回って現地の音楽を収集しました。この取材に6年をかけたと報じられています。
主題歌「Remember Me」は劇中で4通りに歌われる
この曲の最大の仕掛けは、まったく同じ曲が、歌い手と場面によってまるで違う意味になるように設計されている点です。そしてその証拠は、公式のサウンドトラックのトラック名そのものに残っています。
①Remember Me (Ernesto de la Cruz)|華やかなショー版
1曲目の公式トラック名はRemember Me (Ernesto de la Cruz)。歌っているのはデラクルス役のBenjamin Brattです。
Disney+日本公式ブログの表現を借りれば「最初はデラクルスの歌としてオーケストラとの派手なショーで披露される」バージョン。大観衆に向かって「僕を覚えていて」と歌うスターの姿として登場します。同じ言葉なのに、ここではファンサービスの決め台詞にしか聞こえません。
②Remember Me (Lullaby)|父から娘への子守唄
7曲目はRemember Me (Lullaby)。lullabyは「子守唄」です。歌っているのはヘクター役のGael García Bernalで、幼い娘に向けて静かに歌われます。
同じ曲が、スタジアム規模のショーから寝かしつけの歌へ縮尺を変える——これがこの映画の音楽設計の核です。スペイン語版のトラック名はRecuérdame (Arrullo)で、arrulloもやはり「子守唄」を意味します。
③Remember Me (Reunion)|ひ孫から曾祖母へ
9曲目はRemember Me (Reunion)。reunionは「再会」「再結成」を指す名詞です。歌うのはミゲル役のAnthony Gonzalezと、ママ・ココ役のAna Ofelia Murguía。
ここでは、子守唄として歌われた曲が何十年もの時間を越えて戻ってくるという構造になっています。曲名にReunionと付けた時点で、制作側が何を意図していたかがはっきり分かります。
④Remember Me (Dúo)|エンドクレジットのポップ版
11曲目がRemember Me (Dúo) [feat. Natalia Lafourcade]。歌うのはR&BシンガーのMiguelとメキシコのシンガーソングライターNatalia Lafourcadeで、エンドクレジットで流れるポップ版です。dúoはスペイン語表記で、英語ならduetにあたります。
なお2018年3月のアカデミー賞授賞式では、この曲をGael García Bernal・Miguel・Natalia Lafourcadeの3人が生演奏で披露しました。Miguelが英語、Lafourcadeがスペイン語で歌う構成でした。
「意味が反転する歌詞」を書くのが最大の難所だった
ロペス夫妻はVarietyの取材に対し、歌う文脈によって意味が反転する歌詞を書くことがこの曲の最大の難所だったと語っています。華やかなステージでも、静かなバラードでも成立するように、bolero-ranchero(ボレロ/ランチェーラ)の様式で書かれました。
「スターがファンに言う『覚えていて』」と「父親が娘に言う『覚えていて』」がまったく別の言葉に聞こえる——この体験は、英語は文脈で意味が決まるという感覚をつかむのに、これ以上ない教材だと思います。
劇中歌の曲名一覧|英語題・日本語題・歌っている人
サウンドトラックに収録された歌もの11トラックを、公式の英語題・日本語題とあわせて一覧にします。
| 英語題 | 日本語題 | 歌唱(英語版) |
|---|---|---|
| Remember Me (Ernesto de la Cruz) | リメンバー・ミー(エルネスト・デラクルス・バージョン) | Benjamin Bratt |
| Much Needed Advice | つのる想い | Benjamin Bratt & Antonio Sol |
| Everyone Knows Juanita | あこがれのファニータ | Gael García Bernal |
| Un Poco Loco | ウン・ポコ・ロコ | Anthony Gonzalez & Gael García Bernal |
| Jálale (Instrumental) | ハラレ(インストゥルメンタル) | Mexican Institute of Sound |
| The World Es Mi Familia | 音楽がぼくの家族 | Anthony Gonzalez & Antonio Sol |
| Remember Me (Lullaby) | リメンバー・ミー(ララバイ・バージョン) | Gael García Bernal ほか |
| La Llorona | 哀しきジョローナ | Alanna Ubach & Antonio Sol |
| Remember Me (Reunion) | リメンバー・ミー(リユニオン) | Anthony Gonzalez & Ana Ofelia Murguía |
| Proud Corazón | 音楽はいつまでも | Anthony Gonzalez |
| Remember Me (Dúo) | リメンバー・ミー(デュエット) | Miguel feat. Natalia Lafourcade |
La Lloronaだけは書き下ろしではなく、メキシコに古くから伝わる伝承曲です。作者表記もTraditionalになっています。デラクルスが年に一度開く「Sunrise Spectacular」の舞台で、成り行きから舞台に上がったイメルダが歌う場面で使われます。
スコア(劇伴)はMichael Giacchinoが担当
歌もの以外の26曲、いわゆる劇伴(スコア)を書いたのはMichael Giacchinoです。『カールじいさんの空飛ぶ家』などで知られる作曲家で、本作では83人編成のオーケストラで録音されました。
トラックを合計すると全38曲・79分9秒。劇伴が26曲もあるのに、そのすべてが生楽器の演奏で録られています。Disney+の特典映像には、この音楽制作の過程を追ったドキュメンタリーも収録されています。
曲名に使われている英語とスペイン語の意味
ここからがこの記事の本題です。曲名を1つずつ辞書で引くだけで、英語もスペイン語も同時に学べる——それがこの映画の特殊なところです。
Un Poco Loco|「ちょっとおかしい」
Un Poco Locoは完全なスペイン語で、un pocoが英語のa little、locoがcrazy。直訳すると「少しおかしい」「ちょっとイカれてる」です。Disney+の日本公式ブログは「ちょっと変わり者」と説明しています。
この曲は、デラクルス広場で開かれる音楽コンテストでミゲルとヘクターが披露する場面で流れます。作曲したGermaine FrancoとAdrian Molinaは、son jarocho(ソン・ハローチョ)というベラクルス地方の民俗音楽の様式で書いたと語っています。locoは英語圏でもそのまま通じる単語なので、スペイン語を知らない英語話者にも意味が分かる、絶妙な選び方になっています。
The World Es Mi Familia|曲名の途中で言語が切り替わる
個人的にいちばん面白いと思うのがThe World Es Mi Familiaです。The worldは英語、es mi familiaはスペイン語で「は私の家族」。つまり1つの短い曲名の途中で言語が切り替わっています。
英語に直せばThe world is my family.。動詞のisにあたる部分がesになっているだけなので、構造を見比べるとスペイン語の骨組みまで見えてきます。これは英語圏のラティーノ・コミュニティで実際に起きている「コードスイッチング」をそのまま曲名にしたものです。劇中では、デラクルス邸のパーティでミゲルが彼の注意を引くために歌います。
Proud Corazón|corazónは「心」
Proud Corazónも同じ混成型です。proudは英語で「誇らしい」、corazónはスペイン語で「心・心臓」。あわせて「誇らしい心」という意味になります。
corazónはラテン語のcor(心)に由来し、英語のcordial(心からの)やcourage(勇気)と語源を共有しています。知らない単語に見えても、英語側に親戚がいることは案外多いのです。この曲は物語のクライマックス、1年後の死者の日にミゲルがマリアッチ姿で家族の前で歌う場面で流れます。日本語題は「音楽はいつまでも」です。
Everyone Knows Juanita|everyoneが単数扱いになる理由
Everyone Knows Juanitaは珍しく完全な英語の曲名です。ここで注目したいのが動詞のknows。everyoneは「みんな」と複数の人を指しているのに、文法上は単数扱いなので三人称単数のsが付きます。
学習者が最も落としやすいポイントのひとつなので、曲名ごと覚えてしまうのが早いです。JuanitaはJuana(フアナ)の愛称形で、英語でいうJaneに対するJanieのような関係にあたります。
この曲はチチャロンの小屋で、ヘクターがギターを譲ってもらう代わりに歌う場面で登場します。日本語題は「あこがれのファニータ」です。
Much Needed Advice|much-neededとadviceの数
Much Needed Adviceは、ミゲルが屋根裏の隠れ家でデラクルス主演の古い映画を観ながら、ギターで合わせる場面の曲です。歌っているのはデラクルス役のBenjamin Brattで、much-neededは「切実に必要とされていた」という意味の形容詞で、a much-needed break(待ち望んでいた休憩)のように使います。
もうひとつ、adviceは不可算名詞なのでan adviceとは言えません。数えるときはa piece of adviceとします。日本人学習者が最も間違えやすい名詞のひとつなので、この曲名で覚えてしまうのがおすすめです。
なお、この曲のスペイン語版のタイトルはDueto a Través del Tiempo(時を超えたデュエット)。スクリーンの中の故人と時代を越えて共演するという場面の本質を、スペイン語版だけが曲名で言い当てているのが面白いところです。
La LloronaとJálale|メキシコならではの2語
La Lloronaは、llorar(泣く)に接尾辞-onaが付いた形で、「泣く女」という意味です。メキシコに伝わる、亡霊となって子どもを探し泣き続ける女の伝承を指します。日本語題「哀しきジョローナ」は、この語をカタカナにしたものです。
Jálale (Instrumental)は、jalar(引く)の命令形にleが付いたメキシコ口語で、「早くしろ」「さあ行こう」にあたる呼びかけです。辞書にもjálale, que van a cerrar(急いで、店が閉まるよ)といった用例が載っています。この曲を書いたCamilo Laraは、死者の国のパーティ場面に骸骨のDJとしてカメオ出演しています。
スペイン語版では曲名の「混ざり」が消える
ここでひとつ、競合記事があまり触れていない面白い事実を紹介します。英語版で言語が混ざっていた曲名は、スペイン語版のサウンドトラックでは全部スペイン語に統一されているのです。
英語版とスペイン語版の曲名対応表
| 英語版 | スペイン語版 |
|---|---|
| Remember Me (Ernesto de la Cruz) | Recuérdame (Interpretada por Ernesto De la Cruz) |
| Much Needed Advice | Dueto a Través del Tiempo |
| Everyone Knows Juanita | Juanita |
| The World Es Mi Familia | El Mundo es mi Familia |
| Remember Me (Lullaby) | Recuérdame (Arrullo) |
| Remember Me (Reunion) | Recuérdame (Reencuentro) |
| Proud Corazón | El Latido de mi Corazón |
reencuentroは「再会」、latidoは「鼓動」。El Latido de mi Corazónは「私の心の鼓動」という意味になります。
混成タイトルは英語版だけの仕掛け
つまりThe World Es Mi FamiliaやProud Corazónのような二言語混成のタイトルは、英語版でしか成立しない仕掛けだということです。スペイン語話者にとってはただのスペイン語なので、混ざっている面白さが生まれません。
「英語の中にスペイン語が顔を出す」という体験ができるのは、英語音声で観る人だけの特権とも言えます。この作品の英語音声には、セリフのほうにもmijoofrendaDía de los Muertosといったスペイン語が自然に混ざります。その全体像はリメンバー・ミーを英語で楽しむ完全ガイドでまとめています。
劇伴の曲名は英語のダジャレの宝庫
ここは日本語のサイトではほとんど紹介されていない領域です。Michael Giacchinoは劇伴のトラック名にダジャレを仕込むことで知られる作曲家で、本作の26曲も例外ではありません。英語のイディオムを覚える素材として、これが実によくできています。
Will He Shoemaker? と Shrine and Dash
冒頭の劇伴がWill He Shoemaker?。リベラ家が代々靴職人(shoemaker)であることと、Will he show?(彼は姿を見せるのか)という英語の響きを掛けたタイトルです。日本語題は「将来は靴職人?」と、意味のほうを取っています。
続くShrine and Dashは、dine and dash(食い逃げ)という俗語のもじり。shrineは「祭壇」で、ミゲルが家の祭壇から何かを持ち出して駆けていく場面にあたります。日本語題は「祭壇の前で」です。
It's All Relative と The Skeleton Key to Escape
It's All Relativeは、relativeが「親戚」と「相対的な」の二つの意味を持つことを使った一曲。英語のイディオムIt's all relative.は本来「すべては相対的なものだ」という意味ですが、ここでは死者の国で親戚だらけになるミゲルの状況と掛かっています。
The Skeleton Key to Escapeも見事です。skeleton keyは「マスターキー(どの鍵も開けられる合鍵)」を指す実在の英語表現で、そこに骸骨(skeleton)の国という舞台が重なります。辞書を引かないとダジャレだと気づけないタイプの曲名です。
A Blessing and a Fessing ほか、イディオムをそのまま学べる曲名
ほかにも、曲名を並べるだけで英語表現の教材になります。
Miguel's Got an Axe to Find:have an axe to grind(個人的な思惑がある)のもじり。axeはギターを指す俗語でもあるA Blessing and a Fessing:fess up(白状する)から。祝福と告白が同時に起きる場面Cave Dwelling on the Past:dwell on the past(過去にこだわる)とcave dwelling(洞窟住居)を掛けた一曲A Family Dysfunction:dysfunctional family(機能不全家族)からGrabbing a Photo Opportunity:photo op(写真撮影の機会)を文字通りの意味で使っているFor Whom the Bell Tolls:ヘミングウェイの小説『誰がために鐘は鳴る』からA Run for the Ages:one for the ages(歴史に残るもの)のもじり
知っている場面のBGMの曲名なので、イディオムと状況がセットで頭に残ります。単語帳でdwell onを覚えるより、はるかに定着が早いはずです。
日本版のエンドソングと吹替版の歌声
日本で公開された版には、英語版とは違う音楽の楽しみ方もあります。
日本版エンドソングはシシド・カフカ feat. 東京スカパラダイスオーケストラ
日本公開版のエンドソングは、同じ「リメンバー・ミー」をシシド・カフカさんと東京スカパラダイスオーケストラがカバーしたバージョンです。Disney+の日本公式ブログも、この2組が初タッグを組み「劇中歌とはガラリと変わったパワフルなサウンドに生まれ変わった」と紹介しています。
面白いのは、このスカ・アレンジ版には日本語版とスペイン語版の2種類が存在すること。しっとりしたバラードがアップテンポなスカになるという変化まで含めて、「同じ曲が姿を変える」という本作のテーマが日本版でも貫かれています。
日本語吹替の歌唱陣
日本語吹替版の歌も豪華です。
- ミゲル=石橋陽彩さん(当時13歳)
- ヘクター=藤木直人さん
- ママ・イメルダ=松雪泰子さん
英語版でミゲルを演じたAnthony Gonzalezは幼い頃からマリアッチで歌っていた経歴の持ち主で、劇中の歌唱もすべて本人が担当しています。英語版と日本語版で同じ曲を聴き比べると、それだけでリスニングの練習になります。キャラクターと声優の対応はキャラクターの英語名と英語版声優一覧にまとめました。
Disney+で劇中歌を英語音声のまま楽しむ方法(VPN不要)
結論として、劇中歌を英語の歌声で聴くならDisney+がいちばん手軽です。本記事執筆時点(2026年8月)で、Disney+日本の作品ページに本作が掲載され、見放題対象として配信中であることを確認しました。
日本のアカウントのままEnglishに切り替えられる
Disney+は1つの作品に複数の音声・字幕トラックを持っており、再生画面の設定からEnglishを選ぶだけで英語音声・英語字幕に切り替えられます。海外リージョンへ接続するVPNや、海外アカウントの新規作成は必要ありません。
- Disney+で『リメンバー・ミー』を再生する
- 一時停止して設定(歯車)アイコンを開く
- 「音声」で
English、「字幕」でEnglishを選ぶ
なお、公開されている作品ページには音声・字幕の言語一覧までは表示されません。選べるトラックは時期や視聴環境によって変わることがあるので、視聴前に再生画面の設定メニューで実際の表示を確認してください。手順の詳細はDisney+で英語音声・英語字幕に切り替える方法で解説しています。
オーケストラコンサートとミュージック・ショーケース
Disney+には、本編以外にも音楽を楽しめる番組があります。
- 『「リメンバー・ミー」オーケストラコンサート』:ハリウッド・ボウルで60人編成のオーケストラが劇中曲を演奏する特別番組。ラテンアメリカ版サントラの
La BikinaBésame Muchoも披露されます - 『ディズニー・ミュージック・ショーケース』:シーズン3のディズニー/ピクサー特集に「リメンバー・ミー」「ウン・ポコ・ロコ」「音楽はいつまでも」の3曲を収録
- 特典映像のドキュメンタリー:本作の音楽がどう作られたかを追った映像
曲だけを繰り返し聴く使い方
Disney+のアプリにはダウンロード機能があるので、歌の場面だけを何度も再生するという使い方ができます。本編を通しで観る時間が取れない日でも、Un Poco Locoの2分だけ聴き直す、といった続け方なら無理がありません。
好きな作品を英語で聴ける環境をひとつ用意しておくと、学習が習慣として続きます。まずはDisney+で、手元のアカウントの音声設定をEnglishに切り替えるところから試してみてください。
歌詞を使わずに主題歌から英語を学ぶ4つの方法
留学経験のない私がTOEIC990点・VERSANT76点(80点満点中)まで伸ばせたのは、机に向かう勉強よりも好きな作品を英語で何度も観るという習慣の比重が大きかったからです。この作品の音楽については、次の4つを実践してきました。
同じ曲の4バージョンを聴き比べる
いちばん効くのがこれです。Remember Meはショー版・子守唄版・再会の場面・エンドクレジットのポップ版と、テンポも編成もまったく違う4つの形で登場します。
同じ英語のフレーズを、速いテンポと遅いテンポの両方で聴けるので、速い英語に潰されて聞き取れなかった音が、遅いバージョンで正体を現すという体験ができます。リスニング教材としては、これ以上ないくらい親切な構造です。
曲名を辞書で引く習慣をつける
この記事でやってきたことを、そのまま自分でやってみてください。Un Poco LocoProud CorazónMuch Needed Advice——曲名を辞書に入れるだけで、1曲につき2〜3語は確実に増えます。
スペイン語が混ざっていても心配は要りません。英語の辞書に載っていなければ、それはそもそも英語ではないというだけの話です。切り分けができるようになると、聞き取れない箇所への苦手意識がぐっと減ります。
スクリプト×AIで曲名の由来を掘る
私がいちばん効果を感じているのが、「英語タイトル + script」で検索してセリフの一覧を探し、気になった部分をAIに解説してもらう方法です。この作品ならCoco scriptで検索できます。
音楽に関して言えば、劇伴の曲名をそのままAIに投げて「これは何のダジャレか」と聞くのが面白い使い方です。Shrine and DashやA Blessing and a Fessingのような辞書だけでは絶対に分からない言葉遊びが、その場で解けます。
好きな曲だから繰り返せる
英語学習が続かない最大の理由は、単純に「面白くないから」です。その点、好きな曲を聴くのは我慢が要りません。
『リメンバー・ミー』は音楽の比重が大きく、同じメロディが何度も登場するので、「頑張って繰り返す」ではなく「もう一度聴きたいから聴く」が成立します。この設計は他の作品でも応用できるので、アニメで英語を学ぶ完全ガイドもあわせてどうぞ。作中の使えるフレーズはリメンバー・ミーの英語名言・セリフ集で紹介しています。
リメンバー・ミーの主題歌についてよくある質問
リメンバー・ミーの主題歌は英語で何といいますか?
Remember Meです。「私を覚えていて」という意味の命令文で、邦題「リメンバー・ミー」はこの曲名をそのままカタカナにしたものです。スペイン語版の曲名はRecuérdame。なお映画そのものの原題はCocoで、曲名とは別物です。
「Remember Me」は誰が作った曲ですか?
Kristen Anderson-LopezとRobert Lopezの夫妻が作詞作曲しました。『アナと雪の女王』のLet It Goを書いたのと同じコンビです。ほかの挿入歌はGermaine FrancoとAdrian Molinaが、劇伴はMichael Giacchinoが担当しています。
主題歌はアカデミー賞を受賞していますか?
第90回アカデミー賞の歌曲賞(Best Original Song)を受賞しています。同じ年に長編アニメーション賞も受賞し、2部門でオスカーを獲得しました。クリティクス・チョイス賞の最優秀歌曲賞も受賞し、ゴールデングローブ賞とグラミー賞にはノミネートされています。
劇中で何人が「Remember Me」を歌っていますか?
サウンドトラックには4つのバージョンが収録されています。デラクルス版(Benjamin Bratt)、子守唄版(Gael García Bernalほか)、再会の場面(Anthony GonzalezとAna Ofelia Murguía)、エンドクレジットのポップ版(MiguelとNatalia Lafourcade)です。
「ウン・ポコ・ロコ」はどういう意味ですか?
スペイン語で「少しおかしい」「ちょっとイカれてる」という意味です。un pocoが「少し」、locoが「おかしい・クレイジー」。Disney+の日本公式ブログは「ちょっと変わり者」と紹介しています。デラクルス広場の音楽コンテストで歌われる曲です。
この記事で歌詞は読めますか?
歌詞は掲載していません。楽曲の歌詞は著作権で保護されているため、本記事では曲名・作り手・受賞歴・歌われる場面・曲名に使われた語の意味に絞って解説しています。歌そのものはDisney+の本編や公式のサウンドトラックでお楽しみください。
まとめ|曲名を読み解くだけで、英語もスペイン語も見えてくる
『リメンバー・ミー』の主題歌は英語でRemember Me。ロペス夫妻が書き、第90回アカデミー賞の歌曲賞を受賞した曲です。そして公式のトラック名が示すとおり、この1曲は(Ernesto de la Cruz)(Lullaby)(Reunion)(Dúo)と、4つの姿で劇中に登場します。
挿入歌に目を移すと、Un Poco Locoは「ちょっとおかしい」、Proud Corazónは「誇らしい心」、The World Es Mi Familiaにいたっては曲名の途中で英語からスペイン語へ切り替わります。さらに劇伴26曲の曲名は、Shrine and DashやIt's All Relativeのような英語の言葉遊びで埋め尽くされています。
歌詞を一行も読まなくても、曲名を並べるだけでこれだけの英語とスペイン語に触れられる。そういう映画は、そう多くありません。まずはDisney+で音声をEnglishに切り替えて、Remember Meの4つのバージョンを聴き比べるところから始めてみてください。同じ言葉が、歌う人によってこんなに違って聞こえるのかと驚くはずです。