映画で英語を学ぼうとして、名言集を読んで満足して終わった経験はありませんか。私はあります。心に残る一言は確かに素晴らしいのですが、「音楽は僕そのものなんだ」も「チャンスを掴め」も、日常生活で口にする機会がほぼないというのが正直なところです。
そこでこの記事では、『リメンバー・ミー』(原題Coco)に実在するセリフの中から、明日にでも自分の口から出せる、地味だけど確実に使える表現だけを70本選びました。家族との朝のやりとり、人にものを頼むとき、誰かを励ますとき、交渉するとき、そして空港のカウンターで使う英語まで、場面ごとに整理しています。
すべて公式脚本(Disney・Pixarの Full Academy Script)と本編の書き起こしの両方で確認できた表現だけを扱い、誰がどの場面で言ったのかを明記しました。日本語訳は公式字幕・吹替の逐語ではないため、すべて学習用の訳例です。
紹介したフレーズは、Disney+に加入すればその場で耳で確かめられます。日本のアカウントのまま、再生画面の設定で音声と字幕をEnglishに切り替えるだけ。海外Netflixのように接続先の国を変えるVPNは必要ありません。気になった方はDisney+で実際の音を聞いてみてください。
留学経験なしでTOEIC990点・VERSANT76点(80点満点中)まで英語を伸ばした筆者YOSHIが、この作品ならではの英語にスペイン語が自然に混ざる問題の対処法まであわせてご紹介します。
Contents
- 1 『リメンバー・ミー』が「使える英語」の宝庫である理由
- 2 家族との毎日の会話で使う英語フレーズ10選
- 3 話しかける・頼む・断る・謝る英語フレーズ9選
- 4 背中を押す・励ますときの英語フレーズ10選
- 5 交渉する・かわす|大人の英語フレーズ10選
- 6 空港でそのまま使える英語フレーズ12選|死者の国の出入国審査
- 7 会話をつなぐ小さな英語フレーズ8選
- 8 気持ちと過去を語る英語フレーズ11選
- 9 英語に混ざるスペイン語|聞き取れないのは、英語ではないから
- 10 覚えたフレーズを定着させる3つのコツ
- 11 Disney+で英語音声・英語字幕に切り替えて確かめる(VPN不要)
- 12 使える英語フレーズ総まとめ表
- 13 『リメンバー・ミー』の英語フレーズについてよくある質問
- 14 まとめ|「名言」より先に、この70本
『リメンバー・ミー』が「使える英語」の宝庫である理由
主人公が12歳だから、英語が短くて平易
この作品の英語が学習向きなのは、主人公ミゲルが12歳の少年だからです。彼の話す英語は、中学校で習う語彙とほぼ同じ範囲に収まっています。
たとえばギターを貸してほしいときの一言は Can I borrow your guitar? ですし、靴づくりに自信がないときは I'm no good at making shoes. と言います。難しい単語を使わずに気持ちを伝える手本として、これほど都合のいい教材はそう多くありません。
大人のキャラクターが話す英語も、演説ではなく生活の言葉です。おばあちゃんは孫を叱り、審査官は列をさばき、ミュージシャンはギターを貸してくれと言われて断ります。日常の英語がそのまま並んでいます。
家・広場・役所・楽屋と、場面が生活に近い
もうひとつの理由は、舞台の種類が多いことです。この映画は約100分の中で、次のような場所を移動します。
- 家の中庭と食卓(家族との会話)
- 町の広場(見知らぬ人への話しかけ・依頼)
- 死者の国の出入国審査カウンター(受付・手続きの英語)
- 音楽コンテストの舞台裏(励まし・段取り)
- 拘置所のような施設と邸宅(交渉・断り)
場面が変われば、使う英語も変わります。つまり1本の映画で「家庭の英語」「頼む英語」「手続きの英語」「励ます英語」を一気に浴びられるということです。作品全体を英語で楽しむ視点はリメンバー・ミーを英語で楽しむ完全ガイドにまとめました。
この記事の裏取り方針と、名言記事との役割分担
本記事は、次の2つを突き合わせて確認できた表現だけを掲載しています。
- 公式脚本:
Cocoの Full Academy Script(全131ページ、各ページに Disney・Pixar のコピーライト表記あり)。話者名がキャラクター表記として明記されているため、誰の発言かを確定できます - 本編の書き起こし:実際に発声された最終版の言い回しを確認するために使用
2つで語形が少し違う場合は、本編で聞こえるほうを本文に置き、脚本の形を注記しました。日本語訳はすべて学習用の訳例です。
そしてこの記事には、いわゆる「名言」は1本も入っていません。作品を代表する名台詞はリメンバー・ミーの英語名言・セリフ集で扱っており、両方の記事でセリフが1本も重ならないように選定しています。名言記事が「心に刺さる一言」なら、こちらは「明日使う一言」です。
家族との毎日の会話で使う英語フレーズ10選
リヴェラ家の中庭と食卓は、家庭内の英語のサンプル集になっています。叱る・呼び止める・心配する——どれも日本語でも毎日やっているやりとりです。
Be back by lunch, mijo!|送り出しの一言
靴磨きの道具を持って出かけるミゲルに、母親が投げかける一言です。学習用の訳例は「お昼までには帰ってきなさいね」。
Be back by 〜 は「〜までに戻ってきて」という命令形の定番で、Be back by ten.(10時までに帰って)のようにそのまま応用できます。by(〜までに)とuntil(〜までずっと)の違いを体で覚えるのにちょうどいい一文です。ちなみにミゲルは Love you, Mamá! と返します。
What are you doing here? / Where are you going?
どちらもアブエリータ(ミゲルの祖母)の一言です。前者は、広場でこっそりギターに触れているミゲルを見つけたとき。学習用の訳例は「ここで何してるの?」。後者は、オフレンダ(祭壇)の準備中にそっと抜け出そうとしたミゲルへの「どこ行くの?」です。
What are you doing here? は「なぜここにいるの」というニュアンスで、単なる「何してるの?」(What are you doing?)より詰問の色が強くなります。here が1語入るだけで語気が変わるのが面白いところです。
What are you talking about? / What's gotten into you?
こちらは父エンリケの2つの一言。前者は、ミゲルが突然「ミュージシャンになる」と宣言したときの「何を言ってるんだ?」。後者は終盤、ミゲルがママ・ココ(ミゲルのひいおばあちゃん)の部屋で必死に語りかけているのを見つけたときの一言です。
学習用の訳例は「どうしちゃったんだ?」。What's gotten into you? は「(普段と違って)何が乗り移ったんだ」という比喩表現で、get into 人(人に入り込む)を現在完了で使っています。心配と困惑が同時に伝わる、日常でよく聞く言い回しです。
What's wrong? と Nothing at all.
ラスト近く、涙を流すエレナ(アブエリータ)に、ママ・ココが Elena? What's wrong, mija?(エレナ? どうしたの)と尋ねます。エレナの返事は Nothing, Mamá. Nothing at all.(なんでもない、ママ。なんでもないの)。
What's wrong? は相手の様子がおかしいときの定番で、What happened?(何があったの)とは使い分けます。そして返しの Nothing at all. は、at all を足すことで「本当に、まったく何も」と強める形。否定文を強調するat allの実例として優秀です。
no one's going anywhere / Never mention that man!
アブエリータの2つの決めゼリフ。前者は中庭での一言で、全文は It's Día de los Muertos -- no one's going anywhere.(死者の日なんだから、誰もどこにも行かないよ)。no one 〜 anywhere という否定+anywhereの組み合わせが要点です。
後者は、ママ・ココの父の話題が出た瞬間の「あの男の話はするな!」。mentionは「口に出す・言及する」という動詞で、Don't mention it.(どういたしまして)という定型句でもおなじみです。ここではNeverを頭に置いて強い禁止にしています。
We're all together now, that's what matters. / I'm no good at 〜
前者は、帰ってきたミゲルを迎える母の一言。学習用の訳例は「今はみんな一緒。それが大事なことでしょ」。that's what matters は「それが大事なんだ」という、締めくくりに使える便利な型です。matterが動詞で「重要である」の意味になる用法を、そのまま覚えられます。
後者はミゲルの But what if I'm no good at making shoes?(でも僕、靴づくりが下手だったらどうするの?)から。be no good at 〜ing は「〜が下手だ」という自己申告の言い方で、I'm not good at 〜 より口語的です。あわせて What if 〜?(〜だったらどうしよう)も持ち帰れます。
話しかける・頼む・断る・謝る英語フレーズ9選
見知らぬ人に話しかける場面が多いのも、この映画の特徴です。ミゲルは町中でギターを借りようとして、何度も断られます。その一連が、そのまま依頼と断りの教材になっています。
Excuse me, can I borrow your guitar? / a spare guitar
音楽コンテストに出るためにギターを探すミゲルが、広場のミュージシャンに声をかける一言です。学習用の訳例は「すみません、ギターを貸してもらえませんか?」(本編では Can I borrow your guitar? と、Excuse me, が落ちた形で聞こえます)。
borrow は「その場から持ち出して無料で借りる」という動詞で、rent(有料で借りる)やuse(その場で使わせてもらう)とは区別します。トイレを借りるときにborrowを使うと妙な意味になる、という定番の注意点もここで思い出せます。
断られた後にミゲルが別の人に聞くのが You guys have a spare guitar?(予備のギター、持ってない?)。spare は「予備の」という形容詞で、a spare key(合鍵)a spare room(客間)など日常語です。
Sorry, muchacho.|やわらかい断り方
貸してほしいと頼まれたミュージシャンの返事がこれです。学習用の訳例は「悪いね、坊や」。muchachoはスペイン語で「若者・坊や」(詳しくは後半のスペイン語のセクションで扱います)。
英語圏では、断るときに理由を並べず Sorry, の一語で切ることが多いという点が学べます。日本語の「すみません、ちょっと今日は…」に相当するのが、この短いSorry,です。長い言い訳をしないほうが自然に聞こえる、というのは日本人がつまずきやすいポイントでもあります。
Little boy, are you okay? / Here, let me help you.
墓地で穴に落ちたミゲルを、通りかかった女性(実は骸骨)が助け起こす場面です。Dios mío! Little boy, are you okay?(あらまあ、坊や、大丈夫?)と声をかけ、続けて Here, let me help you.(ほら、手を貸すわ)と手を差し伸べます。
Let me help you. は「手伝わせて」=「手伝うよ」という申し出の定番。頭のHere,は「ほら」「さあ」という呼びかけで、動作を伴う場面ではHere,を添えるだけで一気に自然になります。Can I help you?(何かお困りですか)と並べて覚えると使い分けが効きます。
なお同じlet me help you with 〜の形は、終盤にヘクターがイメルダの衣装を直そうとする場面でも使われ、そこでは Don't touch me.(触らないで)と冷たく返されます。
It's not what it looks like!|誤解を解く一言
霊廟からギターを持ち出したところを見られたと思ったミゲルが叫ぶ一言。全文は I'm sorry! It's not what it looks like! で、学習用の訳例は「ごめんなさい! 見た目とは違うんです!」。
It's not what it looks like. は「見た目どおりの状況じゃない」=「誤解だ」という、映画やドラマで無数に出てくる決まり文句です。what it looks like(それが見えるところのもの)という関係代名詞whatの使い方が丸ごと入っているので、文法の実例としても一石二鳥。
I apologize for that. / Can I at least 〜? / help us out
ヘクターは嘘がばれたとき、素直にこう言います。That was a lie. I apologize for that.(あれは嘘でした。それについては謝ります)。apologize for 〜 はsorryより一段フォーマルな謝罪で、仕事のメールでもそのまま使えます。
Can I at least get my costume back?(せめて衣装だけでも返してもらえませんか?)は、at least(せめて・少なくとも)を使った譲歩のお願い。全部は無理でもこれだけは、という交渉の型です。
出国審査の列で足止めされた旅行者の Come on, help us out, amigo.(頼むよ、力になってくれ)からは、help 人 out(人を助けて困った状況から出す)という句動詞が拾えます。help単体より「窮地を救う」ニュアンスが強く出ます。
背中を押す・励ますときの英語フレーズ10選
この映画で最高の「励まし役」はヘクターです。舞台に上がる直前のミゲルにかける言葉は、そのまま英語のコーチング表現集になっています。
You should sign up! / My family would freak!
広場のマリアッチがミゲルにコンテストを勧める一言が You should sign up!(出てみなよ!)。sign up は「申し込む・登録する」で、イベント・ジム・メルマガなど日常のあらゆる登録に使います。
対するミゲルの返事が My family would freak!(家族が卒倒しちゃうよ!)。freak(あるいはfreak out)は「取り乱す・パニックになる」というくだけた動詞。仮定法のwouldと組み合わせて「(もしそんなことをしたら)大騒ぎになる」を1語で表しています。
Deal with it!|言い返し方の見本
同じマリアッチが、ミゲルに向かって「自分ならこう言う」と実演してみせる一言です。全文は Hey! I'm a musician. Deal with it!。学習用の訳例は「おい、俺はミュージシャンだ。文句あるか」。
Deal with it. は直訳すると「それに対処しろ」で、実際には「受け入れろ」「そういうものだと思え」という突き放した言い方になります。強い表現なので目上には使えませんが、映画・ドラマで頻出するので聞き取れると気持ちいい一言です。
Belt it out! / You've got this.
ヘクターがミゲルにグリート(メキシコの掛け声)を練習させる場面の Come on, yell! Belt it out!(ほら、叫べ! 思いっきり出せ!)。belt out は「声を張り上げて歌う・叫ぶ」という句動詞で、カラオケの話題でそのまま使えます。
そして舞台へ送り出す直前の Make them listen, chamaco. You've got this.(聴かせてやれ、坊主。お前ならできる)。You've got this. は英語圏の励ましの最頻出フレーズで、試験・面接・プレゼンの直前に贈る一言としてそのまま使えます。公式脚本では Make 'em listen, chamaco! You got this! と、より崩れた形で書かれています。
You did good! I'm proud of you!
演奏を終えたミゲルに、ヘクターがかける言葉です。学習用の訳例は「よくやった! 誇らしいよ!」。
You did good. は文法的にはwellが正しいところをgoodで言う口語形で、あえて崩すことで温かみが出ます。そして I'm proud of you. は、日本語に訳しにくいけれど英語圏では日常的に使われる褒め言葉。「すごいね」より一段深く、相手の努力そのものを認める表現です。家族や同僚に使えるようにしておくと、確実に喜ばれます。
Keep up. / We're almost there. / Cool off. / Let the competition begin!
移動中のヘクターの一言が Keep up, chamaco.(ついてこい)と We're almost there.(もうすぐ着く)。keep up は「(速度・水準に)ついていく」で、Keep up the good work.(その調子で)という応用形も定番です。We're almost there. は道案内でも作業の進捗報告でも使えます。
嘘を怒られたヘクターがミゲルをなだめる Cool off, chamaco.(落ち着けって)のcool off は「頭を冷やす」。calm downより軽い言い方です。
そしてコンテスト司会の Let the competition begin!(それでは競技開始!)。Let 〜 begin! は式典の定型句で、Let the games begin! のように応用できます。
交渉する・かわす|大人の英語フレーズ10選
ヘクターと矯正官のやりとりは、取引と言い逃れの英語の見本市です。ここが本作でいちばん「大人の英語」が濃い部分だと思います。
I'll make it worth your while. / I could really use 〜
橋を渡してほしいヘクターが役人に持ちかける一言が You get me across that bridge tonight, and I'll make it worth your while.(今夜あの橋を渡してくれたら、悪いようにはしないよ)。
make it worth your while は「あなたの時間に見合うだけの見返りをする」という定型の交渉表現です。直接「お礼をする」と言わずに匂わせる、大人の言い回し。whileが名詞で「時間」の意味になる珍しい用法でもあります。
同じ場面の I could really use an amigo right now.(今、本当に友達が必要なんだ)からは、could use 〜(〜があるとありがたい・〜がほしい)が拾えます。I could use a coffee.(コーヒーが飲みたいな)のように、直接的な要求を避けたいときに使う便利な型です。
He and I go way back! / I happen to know 〜
Oh, you like de la Cruz? He and I go way back!(デラクルスが好きなのか? 彼とは長い付き合いでね)。go way back は「(人と)付き合いがずっと昔にさかのぼる」という慣用句で、We go way back. の形で覚えておくと自己紹介の場面で使えます。
I happen to know where he's rehearsing.(彼がどこでリハーサルしてるか、たまたま知ってるんだ)のhappen to do は「たまたま〜する」。Do you happen to know 〜?(もしかして〜をご存じですか)という丁寧な質問形が特に実用的です。
Don't yank my chain. / clean up your act
ミゲルの家族構成を疑うヘクターの Don't yank my chain, chamaco.(からかうなよ、坊主)。yank someone's chain は「人をからかう・かつぐ」という慣用句で、pull someone's leg の親戚のような表現です。
矯正官がヘクターに言う You need to clean up your act, amigo.(いい加減、行いを改めろよ)のclean up one's act は「素行を改める」。ビジネスでも「態度を改める」の意味で使われます。
I'm letting you off with a warning. / My shift's almost up.
同じ矯正官の But my shift's almost up, and I want to visit my living family... so I'm letting you off with a warning.(もう俺のシフトが終わるし、生きてる家族に会いに行きたいんでね……今回は警告だけで見逃してやる)。
shift は「勤務シフト」、be almost up は「もうすぐ終わる」(Time's up. のupと同じ)。そしてlet 人 off with a warning は「警告だけで見逃す」という、警察や職場でそのまま使われる表現です。3つの実用表現が1文に同居している、密度の高い一文です。
You want it, you got to earn it. / You'll thank me later. / show up
ギターを渡す条件としてチチャロンが言う You want it, you got to earn it.(欲しけりゃ、自分で勝ち取れ)。earn は「(努力して)手に入れる」で、getとの差がそのまま出ます。接続詞を省いて2つの文を並べる口語のリズムも覚えておきたいところです。
ミゲルを無理やり連れ戻そうとするヘクターの You'll thank me later.(後で感謝するさ)は、相手の反対を押し切るときの定番。
そして That bum! Who doesn't show up to his own rehearsal?(あの怠け者め! 自分のリハーサルに来ないやつがどこにいる?)からは、show up(現れる・顔を出す)が拾えます。He didn't show up.(彼は来なかった)は日常でも仕事でも高頻度です。
空港でそのまま使える英語フレーズ12選|死者の国の出入国審査
ここが本記事のいちばんのおすすめです。死者の国と生者の国をつなぐ橋のたもとには、空港そっくりの出入国審査カウンターがあります。そこで交わされる英語が、本物の空港・ホテル・受付の英語とほとんど同じなのです。
死者の国のイミグレーションは、本物の空港英語
この場面には、到着審査官(ARRIVALS AGENT)、出発審査官(DEPARTURES AGENT)、場内アナウンス(CANNED LOOP)、そして家族再会局の相談員(CASE WORKER)が登場します。役職名の英語からして完全に空港のそれで、脚本上も RE-ENTRY(再入国)という掲示が出てきます。
つまりこの数分間を英語音声で繰り返し聴くだけで、海外旅行のイミグレーションで聞く英語をひととおり浴びられるわけです。子ども向けアニメの中に、これほど実用的な英語が紛れ込んでいるのは珍しいと思います。
Anything to declare? と As a matter of fact, yes.
到着審査官の第一声が Welcome back, amigos! Anything to declare?(おかえりなさい、皆さん。申告するものはありますか?)。Anything to declare? は税関で必ず聞かれる一言そのものです。declareは「申告する」。
これに対してパパ・フリオが答えるのが As a matter of fact, yes.(実を言うと、あります)。as a matter of fact は「実は」という前置きで、相手の予想と違うことを言うときの緩衝材になります。空港では正直にYesと答えるのが正解なので、実用性も抜群です。
なお別の旅行者は申告物を聞かれて Some churros... from my family.(チュロスを少し……家族からの)と答え、審査官は How wonderful! Next!(それは素敵ですね。次の方)と返します。Next! のひと言で列を進めるのも、そのまま現地の窓口で聞く英語です。
Next family, please! / Have a great visit! / Enjoy your visit!
出発審査官のセリフ群です。Next family, please!(次のご家族、どうぞ)と呼び、写真がオフレンダに飾られていることを確認すると Your photos are on your son's ofrenda. Have a great visit!(息子さんの祭壇にお写真がありますね。よいご訪問を)と送り出します。
Have a great visit! Enjoy your visit! は、ホテル・観光施設・入国審査で本当によく言われる送り出しの言葉です。返す言葉は Thank you. の一言で十分で、この場面でも骸骨の老夫婦は Gracias. とだけ返しています。
場内アナウンスの英語|available to assist you ほか
繰り返し流れる自動アナウンスも、実用英語の宝庫です。
Please have all offerings ready for reentry.(再入国のため、お供え物をすべてご用意ください)——公式脚本ではre-entryとハイフンつき。Please have 〜 readyは「〜をご用意ください」という、搭乗券やパスポートの提示を求める定型句と同じ形ですIf you are experiencing travel issues, agents at the Department of Family Reunions are available to assist you.(旅行に関するお困りごとがある方は、家族再会局の担当者がお手伝いいたします)——be available to assist youは案内アナウンスの決まり文句And remember to return before sunrise.(日の出前にお戻りください)——before sunrise(日の出前に)という時刻の言い方がそのまま門限の表現になります
experiencing travel issues(旅行上の問題を経験している)という遠回しな言い方も、英語のアナウンスが「トラブル」を直接言わないという感覚が分かって面白いところです。
Shall we skip the scanner? / Looks like 〜
フリーダ・カーロに変装したヘクターが、スキャナーを避けようとして言う一言が Shall we skip the scanner?(スキャナーは省略しませんか?)。Shall we 〜? は「〜しませんか」という誘い・提案で、やや改まった響きがあります(だからこそ大芸術家を装うのに使われています)。skipは「飛ばす・省く」。
結局スキャンされて弾かれ、審査官が Well, shoot. Looks like no one put up your photo.(あらら。誰もあなたの写真を飾ってないみたいですね)と告げます。Looks like 〜(〜みたいですね)は主語を省いた口語形で、日常会話で最も使う型のひとつ。冒頭のshootはsh*tを避けた婉曲表現です。
I demand to speak to the person in charge!|クレームの英語
写真が飾られておらず橋を渡れないママ・イメルダが、カウンターで放つ一言。学習用の訳例は「責任者と話をさせてください!」。
the person in charge は「責任者・担当者」という定型表現で、Who's in charge here?(ここの責任者は誰ですか)の形でも使われます。I demand to 〜 は「〜することを要求する」という非常に強い言い方なので、実際に使うときは Could I speak to the person in charge? に置き換えるのが無難です。強い形と穏やかな形をセットで覚えておくと、いざというときに調整が効きます。
it says here 〜 / It is an honor.
相談員の返答が I'm sorry, señora, it says here no one put up your photo.(申し訳ありません、こちらの記録では、どなたもあなたの写真を飾っていないようです)。
it says here 〜 は「ここ(書類・画面)にはこう書いてある」という、窓口業務でそのまま出てくる表現です。主語のitが「書類そのもの」を指すという感覚は、日本語にない発想なので覚えておく価値があります。ここではput up(掲げる・飾る)という句動詞もセットで拾えます。
もうひとつ、フリーダ本人だと思い込んだ警備員の It is an honor, señora!(光栄です)。It's an honor. は、目上の人や憧れの人に会ったときの決まり文句。ビジネスの初対面でも使えます。
会話をつなぐ小さな英語フレーズ8選
英語が話せる人と話せない人の差は、単語力より「つなぎの言葉」の量だと私は思っています。この作品には、その小さな言葉がきれいに散りばめられています。
I mean, / you know?
広場のマリアッチと話すミゲルの I don't know. I mean... I only really play for myself.(どうかな。というか……本当は自分のためにしか弾かないし)。I mean は「つまり」「というか」と、直前の発言を言い直すときのつなぎです。言い切ってしまった後に補足したくなったらI mean、と覚えておけば会話が途切れません。
ヘクターの It's not gonna be easy, you know?(簡単じゃないぞ、分かってるよな?)のyou know? は文末で相手の同意を求める相づち。使いすぎると幼く聞こえますが、まったく使わないと硬すぎます。
How come 〜? / in a way
リハーサル会場での言い合いに出てくる If you're such good friends, how come he didn't invite you?(そんなに仲がいいなら、どうして招待されてないの?)。How come 〜? はWhy 〜?とほぼ同じ意味ですが、後ろが疑問文の語順にならないのが最大の特徴です(How come he didn't 〜? であって How come didn't he 〜? ではない)。この語順の違いだけで一気に口語らしくなります。
「この人たちみんな家族なの?」と聞かれたヘクターの Eh, in a way.(まあ、ある意味ね)のin a way は「ある意味では」。断定を避けたいときの便利なクッションです。
Of course. / Are you kidding?
デラクルスがミゲルに向ける Of course, my boy!(もちろんだとも、坊や)。Of course. は快諾の定番ですが、聞かれるまでもない当然のことに使うと「当たり前だろ」と冷たく響くので、場面によってはSure.のほうが安全です。
セノーテの底でヘクターが自分を卑下したときのミゲルの返しが Are you kidding?(冗談でしょ?)。驚きや否定を表す相づちで、No kidding.(マジで/またまた)と合わせて覚えると守備範囲が広がります。
blend in / Everyone clear on the plan?
骸骨に紛れようとしてぎこちなく歩くミゲルの I'm walking like a skeleton. Blending in.(骸骨みたいに歩いてるんだ。溶け込んでる)。blend in は「周囲に溶け込む・目立たなくする」という句動詞で、旅行や新しい職場の話題でよく使います。
終盤、変装した家族に向けたミゲルの Everyone clear on the plan?(みんな、作戦は分かってる?)。be clear on 〜 は「〜について理解できている」という、会議やチーム作業でそのまま使える表現です。Are you clear on that?(そこ、分かりましたか)は仕事で非常に高頻度。
気持ちと過去を語る英語フレーズ11選
used to が4回出てくる|過去の習慣を語る型
この作品には、used to(昔は〜だった/よく〜したものだ)が印象的な場面で繰り返し現れます。
I used to run like this.(昔はこんなふうに走ってたんだ)——ミゲルがママ・ココに近況を話す冒頭。直後にBut now I run like this which is way faster!と続きますWe used to play music together.(昔は一緒に音楽をやっていた)——ヘクターが自分の過去を明かす一言We used to sing it every night at the same time.(毎晩、決まった時間にその歌を歌っていた)——セノーテの底での回想He used to play it to you?(おじいちゃん、これをあなたに弾いてくれたの?)——ミゲルがギターを見せながら尋ねる
used to は「今はもうそうではない」という含みを持つのが最大のポイントです。I played guitar.(弾いた)とI used to play guitar.(昔は弾いていた)では、聞き手が受け取る「今」の情報がまったく違います。この作品は「失われた過去」を描く物語なので、used toが効くのは必然とも言えます。
I got homesick. / What I wouldn't give to 〜
回想の中でヘクターが語る I got homesick -- and I packed up my songs.(ホームシックになって、曲をまとめて荷造りしたんだ)。homesick は形容詞なのでget homesick(ホームシックになる)の形で使い、pack upは「荷造りする・店じまいする」です。
そして What I wouldn't give to sing it to her one last time.(もう一度だけあの子に歌ってやれるなら、何を差し出しても惜しくない)。What I wouldn't give to do は「〜のためなら何でも差し出す」という仮定法の慣用句で、直訳の「何を与えないだろうか(いや全部与える)」という反語構造がそのまま残っています。短い文なのに文法の密度が高い、上級者向けの一言です。
a sorry excuse for 〜 / You're a total upgrade!
自分を責めるヘクターの I'm a pretty sorry excuse for a great-great-grandpa.(ひいひいおじいちゃんとしては、我ながら情けない出来だよ)。a sorry excuse for 〜 は「〜としては情けない代物」という自虐・皮肉の定型句です。ここでのsorryは「気の毒な・粗末な」の意味。
これに対するミゲルの返しが Are you kidding? A minute ago I thought I was related to a murderer. You're a total upgrade!(冗談でしょ? ついさっきまで人殺しの親戚だと思ってたんだから。大出世だよ)。upgradeを人に対して使うという発想が面白く、12歳らしい語彙で最大級のフォローをしている名場面です。
so what if 〜 / Don't touch me. / You're on in 30 seconds.
ヘクターの真相を聞かされたイメルダの And so what if it's true?(だとして、それが何だっていうの?)。So what if 〜? は「〜だからといって何だ」という強い反問。感情的な場面で頻出します。
同じくイメルダの Don't touch me.(触らないで)は、Don't 〜 の命令形が持つ拒絶の強さを確認できる一言。
そして舞台係が慌てて言う Places, señor, you're on in 30 seconds!(配置について、旦那様、30秒で出番です!)。You're on. は「あなたの出番だ」という舞台・放送の言い回しで、Places! は「所定の位置に!」という号令。本編では thirty seconds と発音されます。会議やプレゼンで「次あなたの番です」と伝えるときにも使えます。
英語に混ざるスペイン語|聞き取れないのは、英語ではないから
ここからが、この作品ならではの話です。英語音声で観ていると、どうしても意味の取れない単語にぶつかります。mijo、chamaco、ofrenda、alebrije——。
これらは英語ではありません。スペイン語です。舞台がメキシコで、登場人物が全員メキシコ人だからです。「聞き取れなかった」のではなく「英語ではないものを英語として聞こうとしていた」というだけ。英語のネイティブスピーカーでも、スペイン語を知らなければ同じように分かりません。
そして重要なのは、文の骨組み(動詞・前置詞・語順)は必ず英語のままだということ。混ざっているのは主に呼びかけと文化に関わる名詞なので、文法の学習にはまったく支障がありません。
呼びかけの言葉|mijo mija chamaco muchacho amigo
いちばん多いのがこのグループです。本編を通して数えると、mijo が10回、chamaco が13回、amigo が11回(amigosを含めると15回)出てきます。
mijo:mi hijo(私の息子)が縮まった形。実の息子でなくても、年下や身内に対する親しい呼びかけとして使われます。母がBe back by lunch, mijo!と言うのも、イメルダがDon't make this hard, mijo.と言うのもこれmija:mi hija(私の娘)の短縮形。ママ・ココがElena? What's wrong, mija?と呼びかけますchamaco:メキシコ口語で「小僧・坊主」。ヘクターがミゲルを呼ぶときの専用語のようになっていて、二人の距離感がこの1語で表現されていますmuchacho:若い男性への呼びかけ。Sorry, muchacho.のように、見知らぬ相手にも使えますamigo:友達。英語圏でも通じるほど浸透している語で、Come on, help us out, amigo.のように呼びかけにも使われます
日本語の「〜ちゃん」「坊や」「兄ちゃん」に近い距離感の言葉だと思うと、なぜ英訳されずにそのまま残されているかが腑に落ちます。
文化の言葉|ofrenda Día de los Muertos alebrije
翻訳してしまうと意味が痩せる、文化そのものを指す言葉です。
ofrenda(19回+複数形3回):死者の日に故人の写真や好物を飾る祭壇。英語ではoffering(お供え)と語源が同じで、劇中でもofferingsという英語が別に使われています。この作品の物語装置そのものなので、圧倒的に登場回数が多いDía de los Muertos(Día de Muertosの形を含めて12回):死者の日。英語ではthe Day of the Deadと言い換えられ、劇中でも両方が使われますalebrije(単複合わせて6回):極彩色の精霊獣。メキシコの民芸品に由来する言葉で、劇中ではSpirit creatures... They guide souls on their journey.(精霊の生き物で、魂の旅路を導く)と説明されます。英語に対応語がないので、そのまま覚えるしかない単語
あいさつと返事|gracias de nada señor Dios mío
gracias(11回):ありがとう。強めるとMuchas gracias!(どうもありがとう)。ミゲルがパンを買うときに使い、店主はDe nada, Miguel!(どういたしまして)と返します。このgracias/de nadaのペアは、そのまま海外旅行で使えますseñor/señora(9回/3回):〜さん(男性/女性)。It is an honor, señora!のように、敬意を込めた呼びかけになりますDios mío(3回):「なんてこと」「あらまあ」。英語のOh my Godに相当する驚きの表現です
くだけた言葉|No manches vámonos abuelita tío
No manches!(1回):メキシコ特有の俗語で「うそでしょ!」「マジで!」。ミゲルがヘクターの過去を知って叫びます。教科書には絶対に載らない、生きたスラングvámonos(4回):「行こう」。アブエリータがOfrenda room. Vámonos.と家族を促しますabuelita(9回):おばあちゃん。abuela(祖母)に親愛の-itaが付いた形で、この作品では固有名詞のように使われていますtío/tía:おじ・おば。血縁でなくても親しい年長者に使い、劇中では忘れられた者たちがwe all call each other cousin, or tío, or whatever(互いをいとこだのおじさんだのと呼び合ってる)と説明します
スペイン語一覧表
| 語 | 本編での出現回数 | 意味 | 使いどころ |
|---|---|---|---|
ofrenda | 22 | 死者の日の祭壇 | 作品の中心概念 |
chamaco | 13 | 坊主・小僧 | ヘクターからミゲルへ |
Día de los Muertos | 12 | 死者の日 | 英語では the Day of the Dead |
gracias | 11 | ありがとう | Muchas gracias で強調 |
amigo(s) | 15 | 友・きみ | 呼びかけにも使う |
mijo | 10 | うちの子(息子) | 年下・身内へ |
abuelita | 9 | おばあちゃん | 親愛の縮小辞つき |
señor | 9 | 〜さん(男性) | 敬意ある呼びかけ |
familia | 7 | 家族 | 曲名にも登場 |
hola | 7 | やあ | あいさつ |
alebrije(s) | 6 | 精霊獣 | 英語に対応語なし |
muchacho | 6 | 若者・坊や | 見知らぬ若い男性へ |
sí | 6 | はい | 返事 |
tío | 5 | おじ | 親しい年長者へ |
vámonos | 4 | 行こう | 人を促すとき |
señora | 3 | 〜さん(女性) | 敬意ある呼びかけ |
Dios mío | 3 | なんてこと | 驚き |
mija | 2 | うちの子(娘) | 年下の女性へ |
No manches | 1 | うそでしょ | メキシコ俗語 |
de nada | 1 | どういたしまして | gracias への返し |
※回数は本編の書き起こしを機械的に数えたもので、歌の部分は含みません。
なお乾杯の Salud! もこの作品を象徴するスペイン語ですが、これは物語の伏線に直結する特別な一言なので、リメンバー・ミーの英語名言・セリフ集で詳しく扱っています。
英語字幕を出せば切り分けられる
対処法はとても簡単で、英語字幕をオンにすることです。文字で見れば、どこまでが英語でどこからがスペイン語かが一目で分かります。耳だけで判断しようとするから「聞き取れない」と感じるだけで、目で見れば混乱は一瞬で消えます。
さらに言えば、スペイン語の部分は英語字幕でも英語に訳されずそのまま表示されることが多いので、「英語字幕に出てこない音=スペイン語」という切り分けもできます。字幕まわりの詳しい設定はリメンバー・ミーを英語音声・字幕で見る方法にまとめました。
覚えたフレーズを定着させる3つのコツ
ここからは、留学経験のない私が実際に続けてきた方法です。机に向かう勉強より、好きな作品を英語で何度も観る習慣のほうが効いたというのが正直な実感です。
場面ごと覚える(単語帳にしない)
フレーズ集を読んだあと、それを単語帳に書き写す人がいますが、私はおすすめしません。You've got this. を単体で覚えても、いざというときに出てこないからです。
代わりにやるべきなのは、「舞台に上がる直前のミゲルに、ヘクターが You've got this. と言った」という場面ごと覚えること。人間の記憶は、意味より物語のほうを保持します。この記事で話者と場面を全件書いているのは、そのためです。
5分のシーンを10回聴く
Disney+のダウンロード機能を使えば、通勤中でも同じ場面を繰り返し再生できます。1本を通しで観るより「気に入った5分を10回聴く」ほうが圧倒的に効きます。
この記事で扱ったフレーズなら、出入国審査の場面(空港英語が集中)、矯正官とヘクターのやりとり(交渉の英語)、音楽コンテストの舞台裏(励ましの英語)の3か所がおすすめです。この3シーンだけで、紹介した表現の半分近くが確認できます。
Coco script で検索してAIに解説させる
いちばん効果を感じているのが、英語タイトルにscriptを付けて検索し、見つけた表現をAIに投げて解説してもらう方法です。この作品ならCoco scriptで検索すれば、セリフの一覧が見つかります。
気になった一文をコピーして、ChatGPTなどに「このセリフのニュアンスと文法を解説して」と頼むだけ。could useがなぜ「〜がほしい」になるのか、How comeのあとがなぜ疑問文の語順にならないのか——辞書を引いても出てこない疑問がその場で解けます。この作品の場合は、スペイン語混じりの文をそのまま投げて「どこがスペイン語か教えて」と聞けるのも便利です。
英語で映画を観るのに抵抗がある人ほど、すでに日本語で観たことのある作品から始めるべきだと思っています。話の展開を追う負担がゼロなので、脳のリソースを全部「英語を聞くこと」に回せるからです。同じやり方はほかの作品にも使えるので、アニメで英語を学ぶ完全ガイドもあわせてどうぞ。
Disney+で英語音声・英語字幕に切り替えて確かめる(VPN不要)
結論から言うと、この記事のフレーズを英語で確かめるならDisney+がもっとも手軽です。本記事執筆時点(2026年8月)で、Disney+日本の作品ページに『リメンバー・ミー』が掲載されていることを確認しました。
日本のアカウントのまま設定を切り替えるだけ
Disney+は1つの作品に複数の音声・字幕トラックを持っており、再生画面の設定から切り替えるだけで英語版にアクセスできます。日本のアカウントのままでよく、海外リージョンへ接続するVPNや、海外用アカウントの作成は必要ありません。
手順は次の3ステップです。
- Disney+のアプリまたはブラウザで『リメンバー・ミー』を再生する
- 一時停止して、画面の設定(歯車)アイコンを開く
- 「音声」から
English、「字幕」からEnglishをそれぞれ選ぶ
なお、Disney+の公開されている作品ページには音声・字幕の言語一覧までは表示されません。選べるトラックは配信時期や視聴環境によって変わることがあるため、視聴前に再生画面の設定メニューで実際の表示をご確認ください。
フレーズ確認に向いている3つの場面
繰り返し聴くなら、この3か所が効率的です。
- マリゴールド橋のたもとの出入国審査:
Anything to declare?Next family, please!Enjoy your visit!など、空港英語がまとめて聞ける - 矯正官とヘクターのやりとり:
I'll make it worth your while.letting you off with a warningなど、交渉の英語が集中 - 音楽コンテストの舞台裏:
Belt it out!You've got this.I'm proud of you!と、励ましの表現が並ぶ
アプリのダウンロード機能を使えば通勤中にも聴けます。まずはDisney+で、気になった一言の実際の音を確かめてみてください。登場人物の英語名や英語版声優はリメンバー・ミーのキャラクター英語名一覧にまとめています。
使える英語フレーズ総まとめ表
この記事で紹介した表現から、特に使用頻度が高いものを抜き出しました。
| 表現 | 意味 | 出典セリフ |
|---|---|---|
Be back by 〜 | 〜までに帰ってきて | Be back by lunch, mijo! |
What's gotten into you? | どうしちゃったの | 同左 |
that's what matters | それが大事なんだ | We're all together now, that's what matters. |
be no good at 〜ing | 〜が下手だ | But what if I'm no good at making shoes? |
Can I borrow 〜? | 〜を貸してもらえますか | Can I borrow your guitar? |
Let me help you. | 手を貸します | Here, let me help you. |
It's not what it looks like. | 誤解です | I'm sorry! It's not what it looks like! |
apologize for 〜 | 〜について謝る | I apologize for that. |
help 人 out | 人を助ける | Come on, help us out, amigo. |
sign up | 申し込む・登録する | You should sign up! |
freak (out) | 取り乱す | My family would freak! |
Deal with it. | 受け入れろ | I'm a musician. Deal with it! |
You've got this. | あなたならできる | Make them listen, chamaco. You've got this. |
I'm proud of you. | 誇らしいよ | You did good! I'm proud of you! |
Keep up. | ついてきて | Keep up, chamaco. |
We're almost there. | もうすぐ着く | 同左 |
make it worth your while | 悪いようにはしない | I'll make it worth your while. |
could use 〜 | 〜がほしい | I could really use an amigo right now. |
go way back | 長い付き合いだ | He and I go way back! |
happen to do | たまたま〜する | I happen to know where he's rehearsing. |
clean up one's act | 素行を改める | You need to clean up your act, amigo. |
let 人 off with a warning | 警告だけで見逃す | I'm letting you off with a warning. |
show up | 現れる・顔を出す | Who doesn't show up to his own rehearsal? |
Anything to declare? | 申告するものはありますか | 同左 |
as a matter of fact | 実を言うと | As a matter of fact, yes. |
Enjoy your visit! | よいご訪問を | 同左 |
Please have 〜 ready | 〜をご用意ください | Please have all offerings ready for reentry. |
Looks like 〜 | 〜みたいですね | Looks like no one put up your photo. |
the person in charge | 責任者 | I demand to speak to the person in charge! |
it says here 〜 | ここにはこう書いてある | it says here no one put up your photo |
I mean, | つまり・というか | I mean, I only really play for myself. |
How come 〜? | どうして〜なの | How come he didn't invite you? |
in a way | ある意味では | Eh, in a way. |
blend in | 溶け込む | I'm walking like a skeleton. Blending in. |
be clear on 〜 | 〜を理解している | Everyone clear on the plan? |
used to do | 昔は〜していた | We used to play music together. |
get homesick | ホームシックになる | I got homesick. |
a sorry excuse for 〜 | 〜としては情けない | I'm a pretty sorry excuse for a great-great-grandpa. |
So what if 〜? | 〜だからといって何だ | And so what if it's true? |
You're on. | あなたの出番です | You're on in thirty seconds. |
この40個を押さえるだけで、旅行でも仕事でも日常会話でも困らないくらいの守備範囲になります。映画のフレーズ集は「感動するための素材」ではなく、記憶に残りやすい実用表現のカタログとして使うのが正解だと思います。
『リメンバー・ミー』の英語フレーズについてよくある質問
英語初心者でも聞き取れますか?
主人公ミゲルのセリフはかなり平易なので、中学卒業レベルの語彙があれば大枠は追えます。ただし早口の掛け合いや、群衆のざわめきに重なる場面は難しいので、最初は英語音声+英語字幕の組み合わせをおすすめします。慣れてきたら字幕を外してみてください。
聞き取れない単語が多いのですが、私の英語力の問題でしょうか?
多くの場合は違います。この作品は英語のセリフにスペイン語が自然に混ざるので、mijo chamaco ofrenda alebrije などは、そもそも英語ではありません。英語として聞き取ろうとしても永遠に聞き取れない、というだけです。本記事のスペイン語のセクションに主要20語をまとめました。
名言記事とフレーズ記事は何が違いますか?
扱っているセリフがまったく別です。名言・セリフ集は作品のテーマを語る印象的な一言(誰の発言かの誤解の是正を含む)を、本記事は日常で自分が使える汎用表現を扱っています。2記事でセリフが1本も重ならないように選定しているので、両方読んでも重複しません。
空港で本当に使える表現はどれですか?
Anything to declare?(税関で聞かれる)、Enjoy your visit! Have a great visit!(送り出しの言葉)、Please have 〜 ready(提示を求めるアナウンス)、the person in charge(責任者)あたりは、実際の空港・ホテル・窓口でそのまま出てきます。答え方のAs a matter of fact, yes.まで含めて、この作品で予習できます。
歌のフレーズも学習に使えますか?
本記事では歌詞を扱っていません。著作権に配慮し、楽曲については曲名・場面・作り手までにとどめています。ただし曲名そのものには英語とスペイン語の面白い仕掛けがあるので、リメンバー・ミーの主題歌・挿入歌ガイドをどうぞ。
紹介されている英文はどこまで正確ですか?
公式脚本と本編の書き起こしの両方で確認できたものだけを掲載しています。2つで語形が違う場合は本編の言い回しを本文に置き、脚本の形を注記しました。日本語訳は公式字幕・吹替の逐語ではなく、すべて学習用の訳例です。
まとめ|「名言」より先に、この70本
『リメンバー・ミー』は名言の多い作品ですが、英語学習という観点では、名言より地味な一言のほうが役に立ちます。You've got this. も Anything to declare? も I could really use 〜 も、明日から自分の口で言える表現です。
そして聞き取れなかった単語の多くは、そもそも英語ではありません。mijo や chamaco の正体を知るだけで、この作品の英語は驚くほどクリアに聞こえるようになります。
視聴はDisney+なら日本のアカウントのままVPN不要で英語音声・英語字幕に切り替えられます(本記事執筆時点・2026年8月)。まずはこの記事から1つだけフレーズを選んで、実際の音を聞いてみてください。作品を代表する名台詞のほうが気になった方はリメンバー・ミーの英語名言・セリフ集へどうぞ。