「僕のヒーローアカデミア(My Hero Academia)」には、心に刺さる名言がたくさんあります。中でもオールマイトの"Plus Ultra"や"I am here!"は、英語学習アニメの定番として紹介されることも多いフレーズです。
ただ、ヒロアカの名言はオールマイトだけではありません。デク、爆豪、轟、お茶子、相澤、そして死柄木弔まで、それぞれのキャラクターが英語版でも印象的なセリフを残しています。
この記事では、オールマイト以外のキャラクターを中心に、10キャラ以上・20本前後の名言を英訳つきで紹介します。以前公開した「僕のヒーローアカデミア 英語」のピラー記事(僕のヒーローアカデミア×英語学習の総合ガイド)では、オールマイトの代表的な名言をダイジェストで紹介しましたが、本記事はその続編として、まったく別のラインナップでお届けします。
私は留学経験がないまま、アニメや海外ドラマ、サッカー観戦を通じて英語を身につけてきました。TOEICは990点、VERSANTは76点(80点満点中)を取得しています。大学時代に英語学習を始め、就職後は海外事業を担当し、現在はフリーランスとして独立、2児の父として子育てをしながらこのサイトを運営しています。今回もその視点から、名言の面白さと英語表現のポイントを丁寧に解説していきます。
英語版の演技・発音を確認したい方へ先にお伝えしておくと、日本のNetflixをそのまま開いても英語音声・英語字幕は選べません。NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続してからNetflixやCrunchyrollを開くと、英語音声・英語字幕付きの海外版カタログにアクセスできるようになります。 記事で紹介するセリフを実際の声で聞きたくなったら、この方法で英語版を視聴してみてください。
Contents
名言の英訳について、正直にお伝えしたいこと
ヒロアカの名言を英語で紹介する記事はたくさんありますが、実は「英語版」と一口に言っても、その中身は一つではありません。
- VIZ Media公式マンガ英語版(北米で刊行されているコミックスの翻訳)
- アニメの公式英語吹替(Crunchyrollで配信されている英語版アニメ)
- 配信の英語字幕(吹替とは別に作られていることが多く、リップシンクの制約がないぶん、より直訳寄りになる傾向があります)
この3つは、同じ日本語のセリフでも訳し方が微妙に、あるいは大きく異なることがあります。実際、ヒロアカの英語翻訳をめぐっては、キャラクターの口調のニュアンスが原作と変わってしまったという指摘がファンの間で話題になったこともあるほどです。
そのため、この記事では可能な限り出典(マンガの話数など)を明記しつつ、逐語訳として断定できないものについては「訳バージョンがある」「要確認」と正直に書いていきます。英語学習コンテンツとして、正確性よりも見栄えを優先することはしたくないという、このサイトのスタンスをご理解いただければと思います。
なお、ピラー記事で紹介したオールマイトの"Plus Ultra"、"Go beyond! PLUS ULTRA!!!"、"you can be a hero too"、"I am here!"については本記事では取り上げません。気になる方はぜひ僕のヒーローアカデミア×英語学習ガイドもあわせてご覧ください。
緑谷出久(デク)の英語名言
主人公・デクの名言は、彼の成長物語そのものを映し出しています。
「あの瞬間、君が――助けてって言った気がしたんだ」
英語版では次のように訳されています。
"There were any number of reasons. But at that moment... You... You looked like you needed saving."
これは第1話、爆豪が液状の悪役に襲われたとき、デクが無意識に体を動かして助けに向かうシーンのセリフです。"You looked like you needed saving"は直訳すると「あなたは助けを必要としているように見えた」ですが、日本語の「〜な気がした」という曖昧な確信のニュアンスをうまく汲み取った訳し方だと感じます。
look like + 節という構文は、見た目から推測した内容を伝えるときによく使う表現で、日常英会話でも"You look like you need a coffee."(コーヒーが必要そうだね)のように応用がききます。
同じセリフが、まったく違う相手にも向けられる
物語の終盤(マンガ第295話)、デクはあの因縁の相手・死柄木弔に対しても、同じ言葉をかけます。
"You looked like you needed saving!"
第1話で爆豪に向けた言葉が、最大のヴィランに向けられる。この対句的な構成は英語で読んでも鳥肌ものです。ただし、この場面の逐語訳はサイトによって表現の違いがあるため、「同じフレーズが繰り返される」という構成自体を楽しむのがおすすめです。
轟への「それは君の力だろ!」
体育祭編で、父・エンデヴァーの炎を使うことを拒む轟に対し、デクが叫ぶ名シーンです。
"IT'S YOURS! Your Quirk, not his!"
日本語の「それはお前の力じゃないか!」に対応する訳で、"Quirk"はヒロアカ独自の「個性」を指す固有名詞的な単語です。英語版では基本的に翻訳せず"Quirk"のまま使われているので、覚えておくと英語でヒロアカを語るときに便利です。
「僕の夢は、僕だけのものじゃない」
文化祭編(マンガ第180話)で、デクが仲間たちへの思いを語る場面です。
"My dream's not just about me! It's way bigger than me!... There are those who have suffered! I wanna be the guy to show them a brighter future!"
"way bigger than me"の"way"は「はるかに、ずっと」という意味の強調の副詞で、口語でとてもよく使われます。"way too much"(多すぎる)、"way better"(はるかに良い)のように応用してみてください。
爆豪勝己の英語名言
「俺は俺の思う最高のヒーローになる」という日本語の名言は多くのファンに知られていますが、英語版で完全に一致する逐語訳を一次資料で確認することはできませんでした。そこで、爆豪の価値観の変化がよくわかる、対照的な2つのセリフを紹介します。
初期の爆豪(マンガ第7話付近)
"I decide what winning means. And winning means being better than everyone else in this room."
「勝つという意味は俺が決める。勝つとは、この場にいる誰よりも優れていることだ」という趣旨のセリフです。爆豪らしい、絶対的な勝利至上主義がよく表れています。
成長した爆豪(マンガ第322話)
物語の終盤、爆豪はこう振り返ります。
"Winning isn't the same as being a hero. I spent my whole life not knowing that."
「勝つこととヒーローであることは違う。俺はそれを知らずに生きてきた」という趣旨です。1話と300話以上を経てのこの変化こそが、爆豪というキャラクターの真髄だと感じます。英語で読むと、"I spent my whole life not knowing that"の淡々とした言い回しに、彼なりの後悔がにじんでいるのがわかります。
体育祭、お茶子戦での挑発
"Well if you're gonna give up, do it now. Cause I'm not gonna hold anything back."
"hold back"は「手加減する、出し惜しみする」という意味の句動詞です。"I'm not gonna hold anything back"で「一切手加減しない」というニュアンスになります。なお、この場面の直後のセリフについては、直訳寄りの表現とアニメ吹替のニュアンスに差がある可能性があるため、ここでは割愛します。
ヴィラン連合への勧誘を拒否
"I won't do something I don't want to, even if I'm only faking it."
ヴィラン側から仲間になるよう誘われた爆豪が突っぱねる場面です。「やりたくないことは、たとえ演技であってもやらない」という、彼の頑固なまでの筋の通し方がよく出ています。
オールマイトとの模擬戦での気づき
"These gauntlets were only so I could use maximum firepower with no risk. But now I see that was stupid. If I don't take any risks, there is no way I can beat you... right, All-Might?"
期末試験編、オールマイトとの模擬戦でのセリフです。"take a risk"(リスクを取る)は英語ニュースでも頻出する表現で、ここでは"no risk"との対比で使われています。
轟焦凍の英語名言:父との確執
轟のセリフは、父・エンデヴァーとの複雑な関係を抜きには語れません。
体育祭前、デクへの告白
"My old man is trying to fulfill his own desire by raising me to be a hero to surpass All Might. It's so annoying... I won't become the tool of scum like that. In my memories, my mother is always crying. 'Your left side is unsightly,' my mother said after she poured boiling water on me. Basically, I picked a fight with you to show him what I can do, without using my damn old man's Quirk... I'll reject him completely by winning first place without using it."
かなり重い内容のセリフですが、英語版でもそのシリアスさはそのまま伝わってきます。"my old man"は「親父」というくだけた表現で、轟の父への複雑な感情(嫌悪と距離感)が単語選びからも読み取れます。"scum"は「クズ、屑」という強い侮蔑語で、轟がどれほど父を憎んでいるかが伝わります。
ヒーローキラー編、内心の変化(※話数はヒーローキラー編前後、正確な号数は要確認)
"The old me would definitely not have been able to choose my old man's agency for the internship. It's not that I've forgiven him and I've no intention of doing so. It was just so I could experience the fact that he's the number 2 hero with my own eyes and body and accept that."
「以前の俺なら、父の事務所をインターン先に選ぶことはなかっただろう。許したわけじゃないし、これからも許すつもりはない」という趣旨です。"forgive"(許す)という単語を使いながらも、"I've no intention of doing so"(そうするつもりはない)ときっぱり否定するところに、轟の複雑な心境がよく表れています。
なお、轟が自分の炎を「自分自身の力」として受け入れる転換点のセリフについては、逐語訳の一次資料を確認できませんでした。「父の力ではなく、自分の力として炎を使う」という文脈の変化として理解しておくのがよいと思います。
麗日お茶子の英語名言
お茶子の名言は、彼女の芯の強さと家族への思いが軸になっています。
家族のために稼ぎたいという動機
物語終盤、ヴィラン・トガとの対峙シーンでお茶子は自身のヒーローを目指した原点をこう語ります(※アニメ吹替の逐語スクリプトは一次確認が取れていないため、要確認として紹介します)。
"My family... was poor. And my folks were always looking kinda gloomy. I set out to become a hero to make their lives easier and cheer 'em up!!"
"gloomy"は「陰気な、うっとうしい」という意味の形容詞で、家族の暮らし向きの厳しさを表現しています。"cheer someone up"は「誰かを元気づける」という定番のフレーズです。
「諦めるという選択肢はない」
体育祭、爆豪との対戦でのセリフです。
"Giving up isn't an option for me!"
"~ isn't an option"(〜は選択肢にない)という言い方は、決意を強く表現したいときに便利な構文です。ビジネス英語でも"Failure is not an option."のように使われます。
「デクみたいになりたい」
"I'll win! I'll win and be like Deku, too!"
このセリフは体育祭だけでなく、後にヴィランのトガとの対峙シーンでも繰り返されます。単純なフレーズですが、お茶子というキャラクターの一貫した憧れが伝わってきます。
相澤消太(イレイザーヘッド)の英語名言
クールな担任教師・相澤のセリフは、皮肉と現実主義がにじむのが特徴です。
「本物のヒーローは一芸に秀でるだけじゃダメだ」
"No good hero is a one-trick pony."
"a one-trick pony"は「一発芸しかできない人」を指す慣用句です。直訳は「一芸しかできないポニー」ですが、転じて「単能な人材」を揶揄する表現として英語では定着しています。相澤らしい辛口な言い回しです。
Plus Ultraへの皮肉な解釈
入学式後のオリエンテーションで、相澤はこう言います。
"I'm sorry to tell you that for the next three years U.A. will run you through the wringer. That's 'Plus Ultra.'"
"run someone through the wringer"は「人を厳しく絞り上げる、こき使う」という意味のイディオムです。もともと洗濯機の「絞り機(wringer)」にかけるイメージから来ています。オールマイトの"Plus Ultra"を、相澤は「根性論」ではなく「U.A.での3年間はそれくらい厳しいものだ」という現実的な意味で語っており、同じ言葉でもキャラクターによって捉え方が違うのが面白いところです。
デクへの厳しい現実主義発言
"If he had no prospects, I would cut him loose. There's nothing crueler than letting someone chase their half-baked dreams."
"cut someone loose"は「誰かを見放す、切り捨てる」という意味の句動詞です。"half-baked"は直訳すると「生焼けの」ですが、比喩的に「生半可な、詰めの甘い」という意味で使われます。相澤の教育方針の根底にある厳しさがよく表れたセリフです。
死柄木弔の英語名言(ヴィラン側)
主人公サイドだけでなく、ヴィラン側の名言も英語で読むとまた違った迫力があります。
「壊したいだけなんだ、俺は」
マンガ第220話、死柄木の内面が明かされる場面です。
"I just want to destroy everything I hate. And everything I love."
シンプルな構文ですが、"everything I hate"と"everything I love"を並べることで、死柄木の破滅的な衝動の中にある矛盾(憎むものだけでなく、愛するものまで壊したいという歪んだ感情)が浮かび上がります。
ヒーロー社会への告発(マンガ第281話)
死柄木がヒーローたちに向けて放つ、長い告発の言葉です。
"You heroes pretend to be society's guardians. For generations, you pretended not to see those you couldn't protect and swept their pain under the rug... That's why I destroy. That's why I took this power for myself... That's what makes us... heroes and villains."
"sweep something under the rug"は「都合の悪いことを隠す、見て見ぬふりをする」という意味の定番イディオムです。日本語の「臭いものに蓋をする」に近いニュアンスで、英語ネイティブの会話でもよく登場します。ヒーロー社会の欺瞞を批判するこのセリフは、単なる悪役の台詞を超えた社会批評として英語圏のファンの間でもよく引用されています。
他のクラス1-Aメンバーについて
飯田天哉、峰田実、蛙吹梅雨といったクラス1-Aの仲間たちにも、もちろん印象的な場面がたくさんあります。ただし今回、彼らの決め台詞に相当する英訳を、逐語で裏取りできる一次資料としては確認できませんでした。
その代わりにお伝えしたいのは、英語吹替を見ていて気づく彼らのキャラクター性です。飯田は生真面目な性格が英語吹替でもフォーマルな話し方("I must inform you that..."のような硬い言い回し)として再現されていますし、蛙吹は淡々とした一人称的な話し方(英語でも感情の起伏を抑えたトーン)が特徴的です。名言の逐語訳だけでなく、こうした話し方のクセに注目してみると、英語学習の新しい発見があるかもしれません。
独自トリビア:訳し方の違いが教えてくれること
今回リサーチをしていて改めて感じたのは、同じ日本語のセリフでも、翻訳者によって解釈の幅が驚くほど大きいということです。VIZ Media公式のマンガ英語版は、コマ割りの都合上どうしても文字数の制約が強く、簡潔な訳になりがちです。一方でアニメの英語吹替は、キャラクターの口の動き(リップシンク)に合わせる必要があるため、原文にない言葉を補ったり、逆に省略したりすることがあります。
英語学習の観点から見ると、これは「正解が1つではない」ということを教えてくれる、とても良い教材です。同じ日本語の名言について、複数の英訳バージョンを見比べてみることで、「この単語を使うとこういうニュアンスになるのか」という発見があります。ぜひ余裕があれば、VIZ版のマンガとアニメ吹替の両方で同じシーンを比較してみてください。
ヒロアカを英語で視聴する方法について
この記事では名言・セリフの英訳を中心にご紹介しましたが、「実際にどこで英語版のヒロアカを見られるのか」「字幕と吹替、どちらがいいのか」といった視聴方法については、ヒロアカを英語で見る方法【2026年最新】配信・字幕・吹き替え完全ガイドで詳しくまとめています。あわせてご覧ください。
英語版の名言を実際の声で聞きたくなったら、視聴環境を整えるのが近道です。日本のNetflixでは英語音声・英語字幕を選べませんが、NordVPNでアメリカなど英語圏のサーバーに接続 → その状態で普段どおりNetflixやCrunchyrollを開く → 英語音声・英語字幕付きの海外版カタログにアクセスできる、という流れで、この記事で紹介した名言の実際の演技を確認できます。字幕で読んだセリフを声で聞くと、強勢やリズムなどテキストだけでは気づけない発見がたくさんありますよ。
まとめ
この記事では、僕のヒーローアカデミアの英語名言を、オールマイト以外のキャラクターを中心に10キャラ以上・20本前後にわたって紹介しました。
- デクの"You looked like you needed saving."は、物語全体を貫く象徴的なセリフ
- 爆豪の名言は、初期と後期で対比させることで彼の成長がよくわかる
- 轟のセリフには、父・エンデヴァーとの確執が色濃く反映されている
- お茶子・相澤・死柄木のセリフにも、それぞれの価値観がにじむ名言がある
- 同じセリフでも、マンガ英語版・アニメ吹替・配信字幕で訳文が異なることがあるため、一つの「正解」にこだわりすぎず、複数の訳を楽しむのがおすすめ
ヒロアカの名言は、英語学習の教材としても非常に優れています。ぜひお気に入りの1本を見つけて、実際に声に出して練習してみてください。オールマイトの名言についてはピラー記事の僕のヒーローアカデミア×英語学習ガイドでも紹介していますので、あわせてチェックしてみてください。